少し、古い真奧さんのアパートに、桜が作ったお弁当と冷やしうどんが並んでいる。……なんだ、この状況は?
「え、夏バテしている芦屋さんのかわりにお食事を?うわ。そうだったんですか」
ちーちゃんが、棒読みをしながら、鈴音さんの料理に教わっていた。それを無視しているのか、気が付いてないのか、鈴音さんはちーちゃんに突っこまず淡々しているように見えるが、ちゃんと丁寧に解説していた。
「つーか、人口密度高いな、茶碗や箸足りるか?」
「あ、大丈夫ですよ。私は持ってきました」
こちらも、桜が作って来たお弁当のふたをお皿のかわりに使いますよー
「ちなみに、このお弁当は、千穂さんと私でつくりましたー。千穂さんが頑張ったので助かりました」
だから、今日桜は先に起きていたのか……言ってくれれば手伝ったのに
「はい、頑張りました……あとセンパイはしなくていいんですよ、私の料理を笑顔で食べてくれるんですから」
ニコニコしながら、頷く桜を見ていると、ゴミだと思っていたダンボールが動き出した。
く!?まさかここが、エンテ・イスラと繋がっているのでは!?真奧さんの命の危機ここは、自分が先制攻撃するべきか!?と思っていると、紫色の物体が動きだした。
「もう、朝ご飯できたの?……て、岸波白野?」
なんだ、ルシフェルか
「うん。あと今は、漆原だから。てか、真奧ならともかく、岸波白野は僕に恐怖心とか抱かないの?」
え?
「え?」
いや、だってあの程度でしょ?
「いや、結構僕あの後、真奧よりも僕はキャスターの方が怖かったんだよ!?」
あー……あれは怖かったね。ははは
「僕は、笑顔であれを思い出話として言える、お前のほうが怖いよ
ってか、僕の食器は?」
そう言うと、芦屋さんが牛丼屋の器が出してきた。
「なんで僕が、佐々木千穂や岸波白野はまだしも、恵美より下なの」
「うるせー、魔王城は、お客様重視だ」
こうして、ルシフェルが文句を言っているが、みんなお腹も減っているので、無視しよう
いただきます
「「「「「いただきます」」」」
「うむ、これは美味しい。桜殿が作ったのか?」
「はい」
「……あとで、私にも料理教えてもらってもよいかな?」
「え?いや、こちらも教わりたいんですが」
「あの、私もお二人に、料理教わりたいんですが……」
あ、このから揚げ美味しい。
「ところで、鎌月さんはどんなお仕事をさがしているの?」
「正社員とは、贅沢言わない。最低限の生活ができるくらいの奉公でいいと考えている」
「なら、うちの店は?」
な!?真奧さん?それは、本気で言っているの!?
「そうだよ白野君。ちーちゃんや白野君がいるから、そんな緊張せずに新人研修できるし」
真奧さーん、気づいて周りの空気がどうなっているかを!特に、ちーちゃんの顔見てあげて!?あと、違う緊張がありますよ。今、ここで起きていますからー
「最近、人で不足の時もあるし」
普通もう、気が付きますよね!?女子高生が、来ているんですよー
「ちーちゃんと白野君もそう思わない」
「え!?え……えっと……はい」
ああー、ちーちゃんの目が死んでいる
「まぁ、でも知り合いがいる職場ってのは、メリットと同じくらいデメリットも多いから」
遊佐さんも、フォローを仕出しましたよ。真奧さん、流石に気づきましょう!?
「ありがとう貞夫殿……最終的には候補の一つとしてお願いするかもしれない」
ああ、終始ちーちゃんの顔が死んでいる
「まぁ、いいけど」
「その時は千穂殿に白野殿もその際にはよろしく頼む」
あ、はい
「では、まず服装とか持ち物などどうにかしてどうですか?」
自分のそれには賛成だ。鈴音さんは現在和服を着ていて、持ち物もそんなに持っていないそうだ。せめて日常生活をするくらいの物は集めなくては
「確かに私のタンスは乏しく、持ち物は殆んど持ってきてない」
「まさか和服しか持ってないわけではないでしょうね?」
「洋服の持ち合わせはない」
それを聞いてと皆黙ってしまった。
「何かおかしいか?」
皆が黙ってしまい、それを不思議に思った鈴音さんは首をかしげていた。
「遊佐さん、桜さん、服とか案内したらどうでしょか?」
「千穂さんごめんなさい。私今日は午後からお仕事あるので……遊佐さんはどうでしょうか?」
「まぁ、仕事の後だったら」
「それなら、現地をぶらぶらするとしよう」
ワイワイ盛り上がっているな。まぁ女性のことは女性が一番わかっているし、遊佐さんにお任せしよう。
「それじゃあ、朝早くからお邪魔しました」
食べ終わって遊佐さんと鈴音さんが出ていくと、自分たちも帰るため持って来たお弁当を片付けていた。
「芦屋さん、お大事にしてくださいね」
「はい、ありがとうございます……結構な物をいただき、佐々木さんと白野殿には助かりました」
いえいえ、こちらもお世話になっていますから
「では、白野殿は気を付けてお帰りになってください。……魔王様、佐々木さんをきちんと御宅までお送りするんですよ」
そう芦屋さんは真奧さんにそう言いった。そうして自分と桜は帰り、別方向だったちーちゃんは真奧さんと一緒に帰って行った。まぁ、今日のバイトで会うのだが……
私はセンパイと一緒に帰り、バイトの時間になるまでセンパイたちとのんびり過ごしていました。アーチャーさんは午前中からだったので、キャスターさんと一緒に家事をして過ごしていました。そしてバイトの時間になったのでセンパイと一緒にバイトに向かいました。キャスターさんやセイバーさんが羨ましいそうにしていましたが、これは私の特権です。負けませんからねー
はぁ、参った。本当に参った。今日は向かいにセンタッキーがオープンしたせいもあって、お昼なのに店内に一人しかいない。さらに木崎さんもいなく、真奧さんに何か言ったのか少し焦っているように見えた。そうしているとやっとお客がきたが、どこか胡散臭く、サングラスをかけた男だった。
「お忙しいところ失礼します。店長さんはいらっしゃいますか?」
「申し訳ございません。店長の木崎は不在でして」
「あなたが真奧貞夫さんですか。お噂はかねがね聞いております……おっと
失礼私はこういうものです」
そうすると名刺を真奧さんに渡した
「猿江美月と申します。ご挨拶が遅れて申し訳ない。何せ忙しくて。」
こうして真奧さんと話し終わるとちーちゃんに話しかけて、ちーちゃんは引いていた。それもかなりのドン引きで。
「あ、遊佐さーん」
私はアーチャーさんと一緒に帰っていると仕事が終わったのか、ビルから出てくる遊佐さんを見つけた。
「あら、桜ちゃんにアーチャーさん」
「おや、遊佐君も仕事終わりなのか?」
「偶然ですねー」
そうやって話していると私たちの反対方向からも今日聞いたばかりの声が聞こえてきた
「恵美殿、ようやく奉公を終えられたか、それに桜殿も」
この声は今日センパイの先輩である真奧さんのアパートに行って朝ご飯を食べた時にご一緒した鈴乃さんではありませんか
「鈴乃さん、今朝ぶりです」
「お初にお目にかかる、私はアーチャーと言う」
「これは、これはご丁寧に」
「結局、和服しか買わなかったのね」
そうやって話していると遊佐さんの隣で困惑しながら見ている人に気づきましたが鈴乃さんは嬉しそうな顔で遊佐さんを見ていました。
「どうだ!!ちゃんと買えたぞ!」
そうやってSUICAをだしていました。もしかしてSUICAを知らなかったのでしょうか?
「えっとこの人たちは恵美のお友達かしら?」
「あ、うん、そうよ。こっちの和服を着ているのは鈴乃さんでこっちの制服を着ているのは桜ちゃんでその保護者?かしら……とにかくアーチャーさんよ。そしてこっちは私の同僚の梨香よ」
「それで恵美殿頼みがあるのだが、桜殿もいるのなら丁度いい、私は貞夫殿の職場を見に行きたいのだが、一緒に行ってはくれまいか?」
あ、それはいいかもしれません。センパイの仕事ぶりもみれますし
「あ、私はいいですよ。センパイもいますし」
「そうか、ありがとう、桜殿。それで恵美殿は私に近づかせたくないのがわかるが、私も引き下がるわけにはいかない」
何か鈴乃さんは力強く言っていますが何かあったのでしょうか?
「ええ、まさか恵美?」
そうしてニヤニヤしながら梨香さんは二人に話しています。その時アーチャーさんは帰ろうとしていました。
「ふむ、私は帰るとしよう。桜君には私は邪魔だろうからな。だがマスターと共に遅く帰って来ないよう。」
そう言って私が二人っきりで帰りたいことを察したのかアーチャーさんは帰ってしまいました。
「あれーこっちの桜ちゃんも何々?おねーさんに話してみなさい」
そうして私たちはマグドナルドに向かうことになりました