ノーゲーム・ノーライフ もう一人の奴隷   作:二重世界

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空のキャラが難しい。


第三話 告白

「……ごめん、なさい……?」

 

告白してから僅か一秒でフラれてしまった。しかも疑問文で。

この少女、絶対何も考えず適当に答えただろ……。

ほとんど寝ている相手に告白したのは失敗だったか? 少しで動揺してくれればその隙を突いて会話の流れを支配する予定だったのに。

 

……まぁ、いいか。最低限の目的である――俺がこの場にいる理由付けは出来た。

後は場の流れに合わせ臨機応変に対応し、望む情報を引き出すだけ。いつもやっていることだ。最大限に警戒はするが、必要以上に難しく考える必要もない。

 

それよりも問題は俺の後ろにいる二人だ。

 

「ま、まぁ……フラれたからって別に気に病むは必要はありませんわ」

 

「いやいや、ちょっと待て……まずは冷静に状況の確認だ。そんなはずはねぇ……」

 

最初は目の前で行われたいきなりの告白に言葉を失っていたようだが、落ち着くと二人は別々の反応をし出した。

 

ステファニー・ドーラは人を哀れむような目で俺を励ましてきた。何かそっちの方が傷付くんだが。

 

男の方は何やら葛藤しているらしく両手で頭を押さえながら真剣な表情をしている。

男の気持ちが全く分からない訳でもないが、反応が過剰じゃないか? 少女が俺の告白を受け入れたわけでもないのに。

 

「いくら考えても有り得ねぇ……。俺が一回も告白された事ないのに妹が先に告白されるなんて」

 

そういうことか。

予想以上に下らない答えに俺の方が頭に手をやりたくなる。

 

ていうか、今の言葉からしてやっぱり兄妹か。それにしては全く似ていないが。

……まぁ、似ていない兄妹だって普通にいるか。

 

「……にぃ、大丈夫。白……にぃを置いて、どこにもいかないから……」

 

「妹よ……それは確かに嬉しい言葉だがそういうことじゃないんだ。これは兄の威厳の問題なんだ!」

 

血涙でも出すんじゃないかと思えるほど真剣な表情で訴える男。

何だろう、こんな頭の悪そうな男を警戒していたのかと悲しくなってくるんだが。昼間の件もただ馬鹿だからあんな露骨なイカサマが出来たんじゃないかと思えてきた。

 

とはいえ決断を出すには早いし、もう少し様子を見るか。それで俺の勘違いだったら軽くステファニー・ドーラに嫌がらせを適当なタイミングで帰るか。

そう決めたところで男が敵意を込めた視線を俺に向けてきた。

 

「ていうか、お前もお前だ! いきなり現れて何ウチの妹に告白してんだよ!? 白はまだ十一歳だぞ! ロリコンかよ!?」

 

「そう言われてもな……一目惚れしたから告白しに来ただけなんだが。後、ロリコンって何?」

 

「お前みたいな幼い少女に欲情するヤバい変質者のことだよ!」

 

「……それ、ブーメラン……」

 

「白、疲れているようだから今日はもう寝た方が良いぞ?」

 

寝ぼけている妹――シロからのツッコミにさっきまでとは打って変わって優しげな表情になる兄。

 

どうやら図星だったらしい。つまりこの男も幼い少女に欲情するヤバい変質者ということだ。……いや、俺は幼女を性的な目で見たりしないけどね?

 

「……え~と」

 

ステファニー・ドーラが何か言いたそうにしながらもタイミングが中々見付けられなくて困っている。

別にこいつに直接恨みがあるわけじゃないけど、困っている姿というのは見ていて何となく愉快な気持ちになる。少し本筋から離れるけどステファニー・ドーラに軽く嫌がらせでもするか。

俺は僅かに唇を吊り上げ下卑た笑みを浮かべ、意図的に挑発するような口調で男に問う。

 

「つまりお前はこう言いたいわけだな? 女にモテたい、おっぱいを揉みたい、とにかく一発ヤりたいと?」

 

「そ、そ、そんなこと言ってねぇだろ! 俺はただ兄として妹に負けるのは悔しいってだけだ!」」

 

目が分かりやすいぐらい泳いでいる。これも図星らしい。

でも、さっきの会話と合わせると幼女とヤりたい事になる。これは擁護のしようのないヤバい変質者だ。

……さすがにそれはないか。好きなタイプと性欲対象はまた違う問題だ。

 

「そんなお前に朗報だ。童貞にだって希望はある」

 

「おい、人の話を聞けよ。後、勝手に俺が童貞だって決めつけてんじゃねぇ! 会ったばかりのお前に俺の何が分かるんだよ!」

 

「そこにいるステファニー・ドーラも俺と同じ用事で来ている」

 

「だから人の話を……何?」

 

「……は?」

 

「……む……」

 

俺がステファニー・ドーラを指差しながら言うと、男は疑わしそうな目をしながらも話に食い付き、ステファニー・ドーラはキョトンとしている。

 

うん、大体予想通りの反応だな。

だが一つだけ予想外の反応がある。寝ぼけていた妹が完全に目を覚ましたことだ。

俺の告白よりも兄が童貞を卒業するかどうかの方が重要らしい。別に本気で告白したわけじゃないが、さすがにショックだな。色々な意味で自信をなくしそうだ。とはいえ、そんな事で表情を崩したりはしないが。

 

「それは……つまり、ステファニーも白に告白しに来たということか……? 確かに俺は百合もイケるが、白の年齢を考えると色々とレベルが高過ぎるだろ」

 

「今の文脈で何故そうなる?」

 

確かに言葉通り全く同じならそうなるけど。でも話の流れ的におかしいだろ。

 

「そうじゃなくてステファニー・ドーラはお前に夜這いをしに来たんだよ」

 

「ちょ、何適当な事を――」

 

「いやいや、それはおかしいだろ! そんな訳がない! こいつに俺の事を好きになる理由がない!」

 

「恋に理由なんてない。俺も一目見ただけでお前の妹を好きになったのだから」

 

「それでもだ! それでもステファニーが俺の事を好きになることは有り得ない!」

 

「……何故だ?」

 

妙に頑なだな。ステファニー・ドーラが自分を好きになることがないと確信しているようだ。

もしかしてステファニー・ドーラの用事と何か言いたそう関係があるのだろうか? 例えばよっぽど酷い事を言ったとか。

 

「俺が女にモテる訳がないからな!」

 

「「…………」」

 

「……コクコク……」

 

男の謎の説得力のある叫びに俺とステファニー・ドーラは言葉を失い、シロは兄に同意するように頷いている。

……いくら何でも卑屈すぎるだろ。過去に女性関係でトラウマでもあるのか?

って、問題はそこじゃない。この男がどんだけ女にモテなくて俺には関係のない話だからな。

問題はステファニー・ドーラに対する嫌がらせが難しくなったことだ。

さて、どうしよう。どうにか流れを修正するか、もしくは諦めるか。

 

それから一時間後

 

「俺に惚れろっ!」

 

盟約に誓ったゲームに勝ち、ステファニー・ドーラにそう高らかに命令している男の姿があった。

 

……あれ、何でこうなった……?




第三話終了です。

最後の台詞ですが、実は作者の心情でもあります。何でこうなった。
予定では最初にちょっとふざけて、後半はシリアスをやるはずだったのに。
次回は前半にステフにセクハラをして、後半は少しシリアスをやる予定です。もしかしたらステフへのセクハラだけで終わる可能性もありますが。
十八禁には気を付けないと。

では感想待ってます。
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