覇王&清楚アフター   作:ペコ

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申しわけありません、クリスマスに短編を投稿するつもりでしたが、書けませんでした。代わりに未完成ですが別のお話を投稿します。短編は近日投稿予定です。


ミニマム清楚さん

打ち出の小づち、ご存じ一寸法師に登場した不思議な道具で叩けばそのものの身長を大きくするという不思議な小づちである、これは川神院で見つかった不思議な道具がが巻き起こした騒動である。

 

 

模擬戦が終わって一か月近くたった11月大和は翔一と下校していた

 

「あー、なんか面白いことねえかなあ」

 

「キャップ、模擬戦が終わったばかりだぞ」

 

「もう飽きた!次のハプニングカモォン!」

 

そう言って叫ぶ翔一を見ていた大和は嫌な予感がした。

 

(キャップが願ったら本当に何か起きそうで怖いな…)

 

「よっしゃ!とっとと帰ってあそぼーぜ!!」

 

しかしいくらなんでもと駆け出していく翔一を見て杞憂かと思っていたのだが……

 

翌日、不安は現実のものとなった。

 

 

「清楚先輩が行方不明?」

 

翌日、学園に登校した大和は忍足あずみから信じられない話を受けた。

 

「そうだ、その様子じゃおめーも知らないみてーだな」

 

そう言って溜息をつくあずみ

 

「ちょ、ちょっと待って!どういうことです?」

 

「ああ!? ってまあおめーには一応話とくか」

 

そう言ってあずみは清楚が行方不明になった経緯を話し始めた。

 

「葉桜は昨日の放課後花に水やりをしたあとじじい、学長に頼まれて川神院の蔵の整理をしていたらしい」

 

「なんで、清楚先輩が……」

 

「なんでも川神院師範代の書いた伝記があるってんでそれ目当てだったらしいな。そこらへんは一緒にいた京極が証言してくれた」

 

「京極先輩がいたのならなんで行方不明に?」

 

「知らねーよ。ただ京極の話じゃ気づいたら葉桜の奴はいなかったらしい」

 

「まさか……誘拐ですか!?」

 

「その線も考えたが葉桜と京極がいたのは川神院の敷地内、そのうえ葉桜も覚醒する前の文学少女だったころならともかく、今は項羽のやろーがいる、ヒュームともやりあえる化け物をそう簡単に誘拐できるとは思えねーだろ」

 

「たしかに、そんな実力者が侵入したら学長あたりが気づきますよね」

 

「てなわけで結論としては神隠しにあったようにして葉桜が消えちまったってわけだ」

 

「それで俺に話を?」

 

「ああ、従者部隊を動員して探してはいるが見つかったのは葉桜の携帯くらいだ。それでもしかしたらおめーなら何か知ってるかと思ったんだけどよ」

 

 

「その話だけ聞くと誘拐みたいですけど……」

 

「ああ、けどさっき話したように誘拐の線は低い」

 

「なら蔵のどこかに閉じ込められてると考えるのが妥当じゃないですか?」

 

「それはあたいたちも真っ先に疑ったが学長やヒュームたちの気配探知には引っかからなかった」

 

淡々と返事を返してくるあずみに自分が考えていることくらいは全部あずみたちも考え付くだろうと気づいた。

 

「そうですか、なら俺のほうでも探してみるんで何かわかったら教えてもらえませんか?」

 

「わかった、確約はできないがな」

 

そう言ってあずみは小十郎とステイシーを連れて去って行った。

 

「よし!じゃあ俺も探すか」

 

大和は気合を入れると学園を抜け出して川神院に向かった。

 

 

 

 

☆☆☆☆

 

 

 

 

「で、川神院に着いたわけだが……なんでキャップもいるんだ?」

 

「大和が休みって聞いてこれはなにか面白いことが起きたな!?って思って来た」

 

「そーゆー勘はほんとに鋭いな」

 

呆れる大和の横にはいつの間にかやってきた翔一がいた。

 

「勝手に抜けてきて梅先生に怒られるぞ」

 

一応大和はひげ先生を通して休みの許可は下りていた。

 

「俺は風!自由気ままに動くのさ!」

 

「今更だったか、オーケー、ならキャップにも手伝ってもらうぜ」

 

「おう!任せな!……で?何をしてるんだ?」

 

「ああーー(事情説明中)ってことになっててな」

 

「あー、だから川神院に来たのか」

 

「捜査に行き詰ったら現場に戻るのが基本だろ」

 

どこの蔵かはさっき忍足あずみに聞いてあった。

 

「ふむ、では現場に手がかりがあると考えているのだね大和警部?」

 

「勿論だよ風間刑事、現場百回これは基本だろう?てめえ刑事何年やってんだ」

 

「ゼロ年だぜ!」

 

とバカなやり取りをしていると……

 

(大和君)

 

「おふざけはこれくらいにしてさっそく調べーーーん?」

 

何やら名前を呼ばれた気がして思わず大和は言葉を途切らせる

 

「どうした大和?」

 

「いや、名前を呼ばれた気がしてーー」

 

(大和君)

 

「聞こえた!確かに聞こえたぞ」

 

慌てて耳を凝らして音源を確かめようとする

 

「そうかぁ?俺はぜんぜん聞こえないけどな」

 

キャップはまったく聞こえないと首を傾げていたが

 

「確かに聞こえる! 確かこの辺から……」

 

そう言って大和はしゃがみこんで植込みの影を覗いて……

 

「先輩?」

 

絶句した。

 

「大和君?気づいてくれたの!? 良かったぁ……」

 

なぜならそこには安堵の溜息をつく探していた清楚の姿があったからである。ただし八センチほどの大きさになった清楚であったが

 

「どうしたんだ大和?そんなところに何がーー」

 

続いて覗き込んだ翔一も絶句する。

 

そして……

 

「先輩!?」

 

「葉桜先輩ー!?」

 

一泊おいて混乱した大和の叫びとハプニングの到来を喜ぶ翔一の叫びが響き渡った。

 

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

 

 

衝撃的な清楚の発見を終えて、大和達は学園に戻ってきていた。

 

しかし小さくなっているなど誰も想定していなかったため、とりあえず混乱を避けるため大和たちは学長とともに島津寮に移動していた。

 

 

「まさか小さくなってしまっておるとはのう」

 

「学長、何か心当たりはないんですか?」

 

鉄心があごひげを撫でながら呟いたのを聞いて大和が訪ねる。今は非常識な川神キノコなどがあることからある程度混乱から立ち直っていた。

 

「確かに川神院で清楚は縮んだのだ、原因は川神院にあるとみてよいだろう」

 

大和の質問に九鬼の代表として来ているヒュームが賛同する。

 

「うーむ、あそこは川神院が建立された当初からあるからのう、わしもすべてを把握しておるわけではないのじゃ」

 

「つまり、心当たりはないんですね?」

 

「はっきり言うのう…じゃがそういうことじゃ」

 

「しかし清楚をこのままにしておくわけにもいくまい?このままではいずれこの事実が漏れて騒ぎになるのは確実だ。九鬼としても武士道プランのクローンをそのままにしておくというわけにはいかん」

 

「ヒュームの言う通りじゃが身長が縮むなどこれまで聞いたことがないからのう、若返らせるツボなら知っておるのじゃが」

 

若返ったりはするのかと心の中で突っ込みながらハンカチで作った即席のベッドですうすうと寝息を立てている清楚を見ながら何か手はないかと考える。

 

かなり疲労していたようで、大和に見つけられた後、安堵して気が抜けたのかそのまま眠ってしまった、話を聞きたいところではあるが疲れているだろうとのことでそのまま寝かせてあった。

 

 

「それならあの蔵の中ををもう一度調べてみるってのはどうです?」

 

と、それまで黙っていた翔一が発言する

 

「確かに一理あるな原因は蔵の中にあるのは確定だろうからな」

 

「うむ、まあそれしかないかのう」

 

なまじ気配を探れる分蔵の中はそうそうに探されず放置されていたようだ、ちなみに気配探知で清楚先輩を探れなかったのは小さくなったせいでネズミなどの小動物くらいの気しか今の先輩は持ってないかららしい

 

「よっしゃあ!なら決まりだ!早速行くぜえ!」

 

その言葉を待っていたといわんばかりに翔一が飛び出していく

 

「やれやれ、赤子に任せてもおけぬ、俺も行くぞ」

 

「そうしてくれると助かるわい、今度は風間の奴が小さくなりましたでは話にならぬからのう」

 

「ああ、では清楚のことは任せたぞ、直江大和」

 

そういうとヒュームは一瞬で消えた。

 

「ならワシも行くかのう、清楚ちゃんは任せたぞい」

 

そう言って鉄心も一瞬で消えた。

 

「人外ばかりだな……」

 

一瞬で消えた二人を見て大和はポツリと呟いた。

 

 

「ん……」

 

と鉄心たちが去って行ったところで清楚が目を覚ました。

 

「あ、先輩?目が覚めました?」

 

「大和君?」

 

大和が覗き込みながら問いかけると清楚は状況がつかめていないらしくきょとんとした顔であたりを見回していた。

 

「え?あ!?そうか私……」

 

と、ようやく目が覚めたのか清楚は慌てて立ち上がった、どうやら今の自分の状況を思い出したらしい

 

必死の顔つきで大和に何か言おうとしたところで

 

「くう~」

 

という微かな音が清楚のおなかから聞こえてきた。

 

「そういえば昨日から何も食べてないんでしたっけ?とりあえず何か食べます?」

 

苦笑しながら大和が問いかけると清楚は顔を真っ赤にしながらもこくりと頷いた。

 

 

 

 

 

「えっとじゃあこれでいいかな?」

 

数分後、刺身醤油皿に切った桃を並べただけだが清楚は美味しそうに食べていた。

 

始めはご飯でもと思ったが今の清楚のサイズではご飯茶碗など当然使えるはずもなく、仕方なく小さくカットした桃を食べてもらっていた。

 

「姐さんにあげようと買っておいた桃があってよかった……」

 

大和がしみじみと呟く、清楚と付き合いだしてからスキンシップの激しい姉のご機嫌をとるために買っておいたものだが小さくなり噛む力も弱くなってる清楚にはぴったりの食べ物だった。

 

よっぽどおなかがすいていたのだろう、清楚は美味しそうに自分の顔くらいはある桃を頬張っていた。

 

そんな清楚を見ていると大和は微笑ましい気持ちになってしまいひたすらに桃を食べ続ける清楚を眺めていた。

 

 

「ごちそう様、すごくおいしかったよ」

 

結局用意した桃をすべて食べた清楚はようやく人心地が付いたようでハンカチのクッションに座りながら小さくなってしまった時のことを話してくれた

 

「じゃあ、結局蔵の中にいたんだ」

 

「うん、でも気絶しちゃってたみたいで気づいたら棚の下にいたの、連絡を取ろうにも携帯電話はないし、京極君はいなくなってたし、真っ暗だったから……」

 

「とりあえず出口を探して彷徨ってたんだ……」

 

「でも暗いうえに小さくなっちゃってる余計迷っちゃって……」

 

「一晩中彷徨って挙句、明るくなってようやく蔵から出たら俺がいたと…」

 

「うん、大和君……気づいてくれてありがとう。嬉しかったよ」

 

「あ、いや呼んでくれたのならそりゃ気づきますよ」

 

「ふふ、あんなに小さい声なのに?」

 

「そ、それは先輩への愛の力が可能にしたということで……」

 

言いつつ何を言っているのかと思った大和だったが……

 

「ふふ……」

 

ニコニコと笑顔を浮かべる清楚を見て何も言えなくなるのであった。

 

 

 

 

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