剣と魔術とライフルと   作:あききし

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幕間 おちゃらけ騎士の葛藤、小さな騎士の夢

 

第十四話 幕間Ⅰ 困惑と忠誠

 

 

物置小屋の異様な光景を、俺は眉間に深い皺を寄せながら見ていた。薄暗い小屋の中では、かつて街の裏路地をうろついていたゴロツキどもが、真っ白い布地を黙々と梱包している。その数は、俺が最初に捕らえた時よりも、明らかに増えている。そして、彼らの手つきはまだぎこちないが、以前の獣のような目つきは消え失せ、代わりに僅かながらも生気が宿っていた。その変化の速さに、俺は理解を超えた不気味さを感じていた。横に立つミリアムは、相変わらず感情の読めない冷静な眼差しで、その様子を静かに監視している。しかし、俺の胸中は穏やかじゃなかった。

 

「ミリアム、ルーカス様は、本当に……どういうおつもりなんだ?」

 

思わず、そう呟いていた。何度この疑問を口にしただろうか。その度に、ミリアムは「見ての通りよ、ギルバード。彼らを利用している」と、簡潔に、しかし有無を言わせぬ調子で答える。その「利用」という言葉の裏にある意味が、俺にはまだ、掴みきれないでいた。だが、あの者たちが、少しばかりだが、人らしくなってきているように見える。あんな連中が、まともな仕事をしているなんてな。……俺たちの常識じゃ考えられねぇ。だが、その光景は俺の騎士としての常識を根底から揺さぶるものだった。思わず苦笑いを浮かべるしか出来なかった。

 

 

 

俺、ギルバード・ミレス・オールストンは、オールストン伯爵家の寄子として、このトレンス侯爵家に叙爵された騎士だ。当主キース様から、病弱なクリスティアナ夫人に配慮するように、その護衛を命じられた。夫人とその息子、ルーカス坊ちゃんを護るのは俺の役目。それは、騎士としての義務であり、家門の誇りでもあった。代々、オールストン家はトレンス家に仕え、忠義を尽くしてきた。俺もその伝統に則り、侯爵家の盾となる覚悟でいた。

 

だが、この3歳の「坊ちゃん」は、あまりにも常識外れだ。

 

初めてあいつらを捕らえた時、その目はまるで獣だった。飢えと腐敗にまみれて、明日すら見えていねぇ。そんな連中が、今や荷車を引き、頭を下げ、商品を丁寧に扱う。ルーカス様の放つ罵声は、軍隊の鬼教官のそれよりも酷い。「便所の蛆虫」「みじめな欠陥品」「資源の無駄遣い」……。聞いているだけで身震いするような言葉の羅列だ。だが、それでもあいつらは従っている。そして、腹を満たし、雨風をしのぐ場所を与えられている。ルーカス様のやり方は、俺の知る貴族のやり方とはかけ離れていた。慈悲があるわけじゃない。情けをかけるわけでもない。ただ、「効率」と「秩序」という、理解しがたい基準で動いている。

 

最初は「坊ちゃん」と呼んでいた。それがいつしか「ルーカス様」に変わっていた。だが、その呼び名すら、俺の内面の葛藤を表していた。

見た目はまだ小さな、たった3歳の子供だ。それなのに、その瞳の奥には、底知れない知恵と冷酷さが宿っている。

 

 

 

戸惑いは、ルーカス様の魔力を見るたびに深まっていった。。ルーカス様の持つ魔力は、確かに高い。しかし、侯爵家でも彼に匹敵する魔力使いは他にもいる。だが、彼の魔力が他の誰とも違うのは、その尋常ならざるコントロール性だ。初めてその力を目の当たりにしたのは、ゴロツキ共を捕らえた時のことだった。

 

ただ掌を広げただけで、地面の石が宙に浮き、ゴロツキどもは魔力によってねじ伏せられた。それは派手な業ではなかったが、彼の魔力が対象に寸分の狂いもなく集中し、まるで糸を引くように操られていた。その精密さと無駄のなさは、まるで熟練の魔導具師が術式を組むかのようだ。あの日以来、俺は知っている。あの一見無邪気な子供の皮を被った存在が、どれほどの底知れない力を秘めているかを。俺は剣の腕なら、ミリアムには負けねぇと自負しているが、あの魔力の正確な操作は、騎士としての本能を揺さぶるほどだった。

 

 

 

彼は時折、理解不能な言葉を口にする。「ブートキャンプ」だの、「サプライチェーン」だの、「リソースマネジメント」だの。それらは、俺たちの常識には存在しない概念ばかりだ。まるで別の世界から来た存在のように。彼の頭の中には、侯爵家の歴史や貴族のしきたり、この世界の魔力の法則とは異なる、全く別の知識体系が存在しているように思える。その奇妙な言動が、俺の騎士としての常識を揺さぶり、戸惑いを募らせる。

 

そして極めつけに、クリスティアナ夫人への態度だ。表向きは、病弱な母親に甘える幼い息子。だが、裏では、夫人の身の安全を誰よりも厳しく管理し、夫人を虐げた者たちには容赦なく罰を下す。それは、俺たちの監視の目をすり抜け、彼自身の力で遂行されている。夫人の護衛という俺の使命と、ルーカス様の隠された行動の間で、俺の心は複雑に揺れ動いていた。俺が護るべきは、夫人の「身」だけではないのかもしれない。この小さな「キャプテン」が夫人を守るために何をしているのか、それが侯爵家に何をもたらすのか。理解できないながらも、俺は彼の側で、その行動を見極めるしかないのだ。

 

 

悩み続ける俺に、ミリアムがふと、こんな事を言ってきた。

「ギルバード。ルーカス様は、彼らから『奪う』と同時に『与えている』。それも、彼らが最も欲していたものをね。そして、その対価として、彼らの全てを掌握し、自身の支配下に置いているのだろう」

 

ミリアムは、まるで当然のことのように付け加えた。その言葉に、俺はハッとした。確かにそうだ。あのゴロツキどもは、自由と引き換えに、飢えから解放され、明日を生きる糧を与えられた。それは、彼らが裏社会でどれだけ暴れようとも、決して得られなかったものだ。しかし、その先に、ルーカス様は彼らの自由だけでなく、その存在そのものまでを組み込もうとしているのか……。ミリアムの言葉はいつも簡潔で、的を射ている。彼女はヒュームだが、その洞察力と冷静な分析力は、俺よりも遥かに優れている。長年、侯爵家で夫人とルーカス様の侍女、そして護衛として仕えてきた彼女だからこそ、ルーカス様の真意の一端を見抜いているのかもしれない。

 

「騎士の務めは、弱き者を護ることだ。だが、あの者たちは……自ら堕落した者たちだ。それでも、護るべきなのか?」

 

俺がそう問うと、ミリアムは静かに答えた。

 

「……私は、あのやり方が正しいと断言できない。だが、目を逸らすのはもっと悪い。……それに、止めれば皺寄せは必ず奥様に行く。私は、それが一番怖い」

 

そう言って、ミリアムは一瞬だけ視線を落とした。迷いではない。己の役目を量り直すための、ほんの僅かな沈黙だった。

 

「……護る、という定義は様々だ、ギルバード。ルーカス様は、彼らに生きる術を与え、秩序を与えている。それは、彼らが自らの手で、過去の『弱さ』から脱却するための機会を与えているということ。騎士の務めが、ただ剣を振るうことだけではないのなら、これもまた、護るということではないか」

 

ミリアムの言葉は、俺の凝り固まった騎士道精神に、新たな光を差し込んだ。俺が考える「騎士の務め」は、常に剣を振るい、物理的な脅威から人々を守ることだった。だが、ルーカス様は違う。彼は物理的な力だけでなく、知識とシステムによって世界を変えようとしている。それは、この世界の魔力的な法則を根幹から揺るがすような、革命的な思想かもしれない。ミリアムの言葉を聞きながら、俺はルーカス様の行動の背後にある、冷徹な合理性と、ある種の「正義」を見出し始めた。彼の「秩序」は、既存の枠組みを破壊し、再構築しようとするものだ。それが、吉と出るか凶と出るか、今はまだ判断できない。だが、彼の側にいることが、騎士としての俺に、新たな意味を与えているのかもしれない。

 

 

・・・・・

・・・

 

 

最近は、領地内の様子も、ルーカス様が関わり始めてから明らかに変化している。ランディ殿の工房の製品は飛ぶように売れ、その品質はこれまでの常識を覆すものだ。これまで、父であるランディ殿の失敗作のせいで「変人」扱いされてきたその息子クライスも、最近は工房に籠って熱心に魔道具をいじっていると聞く。

そして、街の治安だ。以前、街の裏路地を仕切っていたゴロツキどもは、実はごく少数の群れだった。彼らのような末端のならず者が姿を消したところで、領地全体の治安が劇的に改善されるわけではない。だが、ここ数週間、彼らがルーカス様の「管理」下で働き始めてから、街の細やかな犯罪、例えばひったくりや小規模な詐欺などが、目に見えて減っているという報告が上がっている。彼らのような「塵芥」の排除は、侯爵家にとっては取るに足らないことかもしれないが、市井の人々にとっては、確かに小さな変化として感じられているはずだ。だが、この変化は、まるで誰かが糸を引いているかのように、あまりにも統率が取れている。以前の裏社会は無秩序そのものだった。それが、かくも短期間で整然としたものに変わっていく様は、偶然や自然な流れではありえないと、俺は直感していた。

 

当主キース様や第一夫人ダイアナ様は、これらの変化をどう見ているだろうか。表向きは「治安が良くなった」「工房が繁盛して税収が増えた」と歓迎しているようだが、ダイアナ様のような勘の鋭い方は、その裏に何か「不自然さ」を感じ取っているはずだ。彼女は、クリスティアナ夫人の影響力を排除しようと常に目を光らせている。ルーカス様が「病弱な子供」という仮面を被っている限りは問題ないだろうが、いつかその正体が露見すれば、侯爵家内に大きな波紋が広がるだろう。

 

 

 

俺は、今までおちゃらけた態度で、深刻な物事を避けてきた。しかし、ルーカス様を見ていると、そうもいかない気がした。彼の行動は、この侯爵家、ひいてはこの世界に、何か大きな変化をもたらす予感がした。その変化が、吉と出るか凶と出るか、今の俺には判断できない。だが、彼の側にいることが、騎士としての俺に、新たな意味を与えているのかもしれない。

この見た目は3歳の子供を、俺は本当に「主」と仰ぎ、命を捧げるべきなのだろうか。当初抱いたこの疑問は、今も完全に消えたわけではない。しかし、ルーカス様の圧倒的な魔力コントロール、冷徹な合理性、そして彼がこの世界にもたらそうとしている「秩序」の片鱗に触れるたびに、俺の心は揺さぶられる。彼の行動は、既存の貴族の概念や騎士の理想からはかけ離れている。だが、その先にある、より強固で安定した、そして彼によって完全に統制された未来を、俺は漠然と予感していた。

 

俺は知らぬ間に、ルーカスという異質な存在の描く未来に、深く巻き込まれていくことになるだろう。そして、この困惑と葛藤の先に、俺の忠誠心が、義務から真の信頼へと変わっていく日も、そう遠くはないのかもしれない。今はただ、この小さな「キャプテン」の背中を、騎士として、そして一人の人間として、見つめ続けるだけだ。いずれ訪れる、彼の支配する新たな世界で、俺が何を為すべきかを模索しながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

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第十四話 幕間Ⅱ 小さな騎士の夢と届かぬ背中

 

トレンス侯爵家の領地、その町外れにある、煤けた魔道具工房。僕、クライスは、今日も一人、埃っぽい作業机に向かっていた。もう六歳になったというのに、あのアルバードとエドモンド達の嫌がらせは、形を変えて続いていた。

 

僕の父、ランディは、この工房で魔道具を作っている。侯爵家にも日用品レベルの魔道具は納品していて、既存のものの生産や修理は的確にこなせる。だけど、父様はすぐに新しいものを発明しようとする。そして、そのほとんどは、まともに動かなかったり、とんでもない音を立てて爆発したりする。だから、近所の人たちは父様のことを「変人」と呼んで、煙たがっていた。

工房の窓から聞こえてくる子供たちの笑い声が、僕にはいつも彼らが父様を、そして僕を嘲笑っているように聞こえた。

 

そんな父様のせいで、僕も近所の子供たちから避けられていた。「あいつの親父は変なものばかり作ってる」「近づくと爆発するぞ」って。かつては、アルバード様やエドモンド様が手下の子供達に命じ、僕を突き飛ばしたり、物を隠したりすることもあったけれど、ルーカス様が僕を助けてくれて以来、二人は僕に直接手を触れてこない。あの冷たい視線を向けられて、恐れをなしたのだろう。だけど、その代わり始まったのは、もっと陰湿なやり方だった。

 

「あの子供は、いつも一人でいらっしゃるわね。寂しくないのかしら?」

 

使用人たちの陰口が聞こえる。きっと、アルバード様やエドモンド様が、僕の悪い噂を流しているんだ。彼らは、使用人や他の子供たちを使って、僕を孤立させようとしている。

 

ある日、僕が徹夜して書き上げた、新しい魔力増幅器の設計図が、次の朝には水浸しにされていたことがあった。大切な魔道具の部品が、いつの間にか破られていたこともあった。苦労して手に入れた接着剤で固められた部品が、使えなくなっていたこともある。全部、証拠が残らないように、巧妙に仕組まれていた。犯人の尻尾は掴めない。だけど、僕にはわかる。彼らの卑劣な笑い声が、僕の耳の奥で響いている気がした。悔しくて、何度も唇を噛んだ。

 

「ちくしょう……いつか見返してやる……!」

拳を握りしめた。どうすれば、彼らを黙らせられる?どうすれば、僕が、僕の父が、変人扱いされない世の中にできる?幼い僕には、その方法がまるでわからなかった。父様は、嫌がらせを受けても「気にするな」と言うだけだ。僕には、自分を守る術も、大切なものを作る父を守る力もなかった。

 

その時、工房の扉がノックされた。父様、ランディが、満面の笑みで立っていた。

 

「クライス!見ろ!ルーカス様が、また新しい設計図をくださった!これを使えば、魔力炉の効率が格段に上がる!」

 

父様の手には、複雑な魔術刻印が描かれた設計図があった。僕が覗き込んでも、すぐに全てを理解することはできない。だけど、父様が目を輝かせているのがわかる。ルーカス様が工房にもたらす技術は、父様がずっと悩んでいた問題を次々と解決し、工房の売り上げも急増させているらしい。最近、父様の顔には、かつてないほどの活気が漲っている。工房の周りにいた煙たがっていた近所の人たちも、今では父様のことを「天才だ!」と褒め称えている。

 

「また、ルーカス様のか……」

 

僕はうんざりした。父様は、もう僕の魔道具の話なんて、ろくに聞いてくれなくなった。毎日、毎日、ルーカス様、ルーカス様って。僕だって、父様の息子なのに。僕だって、魔道具が好きなのに。父様が僕の試作品に、昔のように目を輝かせてくれることはもうない。

 

だけど、父様の喜ぶ顔を見て、そして何より、未知の知識への純粋な好奇心が勝ってしまった。設計図を覗き込む。そこに描かれた回路は、僕の知っているどの魔道具の知識とも違っていた。いや、この世界にある、どんな魔導理論とも異なっていた。それは、僕の知る常識を遥かに凌駕する、まさに未来の技術とでも言うべきものだった。

 

「これ……どうなってるんだ?」

 

父様は目を輝かせながら解説を始めた。ルーカス様の知識は、父様の探求心に火をつけ、僕もその渦に巻き込まれていく。悔しさと羨望。胸の中には、ぐちゃぐちゃとした感情が渦巻く。どうしてルーカス様は、僕よりずっと小さい、たった3歳の子供なのに、こんなにもすごい知識を持っているんだろう?僕だって、毎日毎日、魔道具のことばかり考えて、図鑑を読み漁っているのに。あの小さな背中が、あまりにも遠く感じられて、嫉妬で胸が苦しくなる。

でも、それ以上に、未知の知識への純粋な探求心が、僕の心を強く掻き立てた。あの設計図は、僕の知的好奇心を刺激してやまなかった。

 

「ルーカス様……」

 

僕は、かつて自分を虐めから救い出してくれた小さな影を思い出した。あの時、僕を突き落としたあの兄弟たちを、まるで悪魔のように冷たい視線で牽制し、僕の手を取ってくれた。あの時、ルーカス様はまるで神様のように見えた。彼の言葉一つで、僕の日常は変わった。直接手を出す嫌がらせはなくなった。父様も、昔のように鬱屈した表情ではなくなった。全ては、ルーカス様がもたらした変化だった。

いつか、僕もルーカス様みたいになりたい。いや、ルーカス様を超えるんだ。僕の頭の中には、いつも決まった想像がある。大きな騎士の玩具が、僕の魔力で、僕の意思で、自由に動き回る姿。それは、ただの玩具ではない。騎士のように力強く、僕の命令に従い、僕を守ってくれる存在だ。

 

僕は、父様の工房の隅に転がっている、使い古された金属片や、壊れた魔導具の部品を拾い集めた。それらを組み合わせて、小さな手で、拙いながらも「騎士の玩具」の試作品を作り始めた。魔力で関節がわずかに動いた時、僕の胸は高鳴った。失敗を繰り返しながらも、小さな進歩があるたびに、僕の情熱は燃え上がった。父様がルーカスの設計図に夢中になる一方で、たまに僕の試作品に目を留め、「ほう、これは面白いな」と呟き、少しだけアドバイスをくれることがあった。その瞬間が、僕にとって何よりも嬉しい瞬間だった。

 

もっと大きくなれば、その騎士が身につけている鎧を、僕が着て、動かせるようになるかもしれない。ルーカス様がくれた設計図を読み解き、父様と議論する中で、僕の想像はさらに膨らんでいった。魔力で動く鎧。それは、僕のような非力な子供でも、自分を守るための、そして誰かを守るための、強力な力となりうる。

そしたら、アルバード様もエドモンド様も、僕を馬鹿にできなくなる。誰も僕に手出しできなくなる。そして、僕の力で、父様がもっと自由に、もっと素晴らしい発明ができるように守ってあげたい。

僕のこの小さな夢は、今はただの玩具の騎士かもしれない。だけど、ルーカス様が与えてくれる最先端の知識があれば、いつかそれは、僕が身につける鎧になり、さらには、僕の意思で動く大きな騎士へと、発展していく筈だ。工房の煤けた匂いの中で、僕は未来の自分の姿を鮮明に描いていた。巨大な魔導機械の騎士が、僕の魔力を受け、轟音を立てて大地を揺らす。僕の命令一つで、敵を粉砕し、大切なものを護る。そんな、壮大な未来を、僕は幼い心に描いていた。

 

クライスの中で、ルーカスへの憧れと、それに追いつこうとする情熱が、静かに燃え上がっていた。それは、やがて彼をルーカスの親友へと導く、最初の萌芽だった。あの届かない背中を追いかけながら、僕の小さな冒険は、始まったばかりだ。

 

 

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