剣と魔術とライフルと   作:あききし

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第二十三話 対立と改革

第二十三話 憤慨、静かなる奇襲

 

 

「……随分と、はしたない真似をしてくれるわね、ルーカス」

 

そこに立っていたのは、トレンス侯爵家の正妻、ダイアナ・ド・オールストン・ラ・トレンス夫人だった。彼女の瞳には、怒りと、そしてどこか冷たい嘲りが宿っていた。ルーカスは地面の二人から足を離し、ダイアナの方を向いた。ついに、直接対決の時が来たのだ。

 

「ごきげんよう。ダイアナ様。これは躾です。侯爵家の人間たるもの、身の程を弁え、軽率な言動は慎むべきでしょう。ましてや、側室であるクリスティアナ様に対する無礼は、断じて許されるものではありません」

 

ルーカスの言葉は、表面上は礼儀正しいものだったが、その声には、ダイアナに対する明確な敵意と、彼女の庇護下にあるアルバードとエドモンドへの侮蔑が滲み出ていた。

 

ダイアナは、その言葉を冷たい笑みで受け止めた。彼女の目は、地面に転がる息子たちを一瞬だけ捉え、すぐにルーカスへと戻る。

 

「まあ、ルーカスったら。随分とお行儀の悪いご趣味をお持ちなのね? 子供同士のちょっとした諍いに、そこまで血道を上げるなんて。それに、クリスティアナの体調が優れないのは、皆が知っていること。それを噂しただけで、このような見せしめのような暴力を振るうとは、少々やりすぎではありませんか? 貴方は、もう少し大人の分別を学ぶべきよ。たとえ若くして才覚があると見せかけているとしてもね」

 

ダイアナの声は穏やかだったが、その言葉の端々には、ルーカスへの明確な牽制と、息子たちの行為を矮小化し、ルーカスを子供扱いする意図が見え隠れする。彼女は、ルーカスの力を警戒しつつも、その若さと立場を利用して、優位に立とうとしていた。

 

ルーカスは、ダイアナの言葉に動じることなく、静かに反論した。

 

「子供同士のじゃれ合い、ですか。片方が一方的に薬を叩き割り、暴言を吐き、そして貴様の息子の手によって、女中を辱める行為が、ですか? それは、それは、教育熱心なダイアナ様の目にはそう映るのかもしれませんが、私にはただの醜悪な犯罪行為に見えます。そして、母上の体調について、まるで呪いか何かのように吹聴することは、侯爵家の名誉を傷つける行為です。それを放置することは、私にはできません。ダイアナ様がおっしゃる『過剰』という言葉は、しかるべき時に、しかるべき『無能な』相手に使うべきでしょう」

 

彼の言葉は、ダイアナの柔らかな物言いを巧妙に打ち返し、彼女の立場を危うくする。使用人たちの間には、再び緊張が走った。これまで、ダイアナに正面から異を唱える者はいなかったからだ。

 

ダイアナの表情が一瞬歪んだが、すぐに平静を取り戻した。彼女は、ルーカスの鋭い言葉に内心で舌打ちしながらも、表面的には余裕のある態度を崩さない。

 

「ふふ、ずいぶんと口が達者になったわね、ルーカス。クリスティアナに似て、可愛げのない子に育ったものだわ。だけど、言葉だけでは何も変わらないのよ。この侯爵家には、長年のしきたりと、それを重んじる者たちの力がある。あなたのような、まだ若い、しかも少々特殊な出自の子供が、いくら喚いたところで……結局は、手のひらの上で踊らされている哀れな駒に過ぎないのよ」

 

ダイアナは言葉を区切り、意味ありげな視線をルーカスに向けた。それは、彼女が侯爵家内で持つ影響力とつながりを示唆する、明確な牽制だった。

 

しかし、ルーカスの瞳には、ダイアナの言葉に対する恐れや躊躇いは微塵も感じられなかった。彼は、まるで獲物を定める捕食者のように、静かにダイアナを見つめ返した。

 

「しきたり、ですか。力がなければ、ただの言い訳に過ぎません。 そして、私の出自について言及されるのであれば、承知しておきましょう。私は、この腐敗した侯爵家に、新たな血を、そして真の力をもたらすために存在する。ダイアナ様の築き上げてきたものは、いずれ砂上の楼閣のように崩れ去るでしょう。その時、最後に笑うのは、無力な貴方ではなく、私です」

 

ルーカスの言葉は、子供の声とは思えないほどの重みと、未来を見据える確信に満ちていた。それは、単なる子供の反抗ではなく、侯爵家の権力構造そのものを揺るがす、静かなる宣戦布告だった。

 

ダイアナの顔から、作り物の笑顔が完全に消え去った。彼女の瞳には、初めて明確な警戒と敵意の色が宿る。目の前の少年が、単なる生意気な子供ではないこと、そして、自身の地位を脅かす潜在的な脅威であることを、ようやく認識したのだ。

 

「……貴方のその減らず口、いつか必ず噛みちぎって差し上げるわ。覚えておきなさい、ルーカス。あなたのその言葉と、今日のこの愚行を。いつか必ず、後悔することになるでしょう」

 

ダイアナは、そう冷たく言い放つと、地面に倒れたままの息子たちに視線を送った。「立てないなら、運んでいくわよ」彼女の声には、先ほどの柔和さはなく、凍えるような冷たさがあった。

 

アルバードとエドモンドは、恐怖と屈辱に歪んだ表情で頷き、互いに支え合いながら立ち上がった。彼らはルーカスを睨みつけ、恨みと憎悪の念をその瞳に宿らせたが、ダイアナに促されるまま、足を引きずるように訓練場を後にした。

彼らの背中を見送りながら、ルーカスは小さく呟いた。

 

「報復は、こちらが先に仕掛けるものだ。 貴様らが息の根を止められる前に、な」

 

その言葉には、子供らしさは微塵もなく、ただ冷酷な決意だけが込められていた。侯爵邸の静かな廊下で始まった小さな噂は、今や侯爵家全体を巻き込む、不穏な対立の狼煙となったのだ。そして、その中心には、未来を見据える冷徹な瞳を持つ、一人の少年が立っていた。

 

 

・・・・・

・・・

 

 

訓練場を後にしたダイアナは、冷たい怒りを胸に自室へと戻った。顔には屈辱と憎悪が張り付いている。

 

「あの小僧……!この私に、あのような恥をかかせるとは……!」

 

苛立ちのままに茶器を叩き割りそうになった手を、寸前で止める。彼女の胸中にはルーカスへの激しい憤りが渦巻いていたが、同時に、貴族としての矜持が、衝動的な行動を強く戒めていた。器物を損壊するなど、侯爵夫人の品位を貶める行為は断じて許されない。彼女は深く息を吐き、感情の昂ぶりを抑え込んだ。

 

しかし、その冷静さの裏で、ルーカスの才能と、キースが彼に全権を委ねたという報告を反芻し、自身の立場がかつてないほど危うくなっていることを悟っていた。

 

「私がこのまま、あの生意気な小僧に好き勝手させると思ったら大間違いよ……」

 

ダイアナは、静かに、しかし明確な敵意を宿した目で部屋を見渡した。彼女の脳裏には、侯爵家を守るため、あるいは自身の地位を守るためならば、どんな手を使っても構わないという、冷酷な決意が固まりつつあった。だが、それは決して、「不正」や「違法行為」に手を染めることを意味しない。彼女は、トレンス侯爵家の正妻として、常に合法性と品位を重んじてきた。たとえクリスティアナ個人に対しては嫉妬や不快感を抱いていたとしても、侯爵領の財政や内政においては、常に公正かつ効率的な運営を心がけ、領主代行を務めた際も、その手腕は申し分ないものと評価されていた。だからこそ、彼女は自身の正当性を疑わず、ルーカスをあくまで「ルールを逸脱した不遜な子供」と見なしていた。

 

彼女は机に向かい、特定の貴族や王都の有力者に宛てた書状を書き始めた。トレンス侯爵領に、新たな嵐の兆しが迫っていた。

 

 

 

その日の深夜、侯爵邸の一室で、ルーカスはAlphaと共に侯爵邸内の詳細なデータを分析していた。書斎には、彼がキース侯爵に提出した侯爵領発展の報告書とは異なる、もう一つの報告書が広げられている。それは、侯爵邸の財政状況と、主要な使用人の人事評価に関する極秘資料だった。

 

「Alpha、侯爵邸内の財務記録と人事情報を再確認しろ。特に、ダイアナ派に属する者のリストアップを急げ。彼らの『不正』の証拠を積み重ねる必要がある」

 

承知(consent)。すでに詳細なデータ解析を開始しています。侯爵邸の財政は、驚くほど杜撰に管理されており、特定の人物への不透明な資金の流れが多数確認されました。また、貴方への嫌がらせに加担した使用人のリストアップも完了しております」

 

Alphaの無機質な声が、ルーカスの内に響く。

 

「奇襲とは、相手の意表を突き、徹底的に攻めるものだ。 そして、最も効果的な奇襲は、相手が『まさか、そんな手を』と呆然とするような、合法かつ不可避な手段で仕掛けることに尽きる」

 

ルーカスは、画面に表示された複雑な財政フロー図を指差した。

 

「ダイアナは、侯爵領の内政と財政において有能だ。彼女自身が直接、不正に手を染めることはないだろう。だが、彼女が信用し、重用している者の中に、公私混同や、細かな規約違反を犯している者がいる可能性は十分にある。長年の慣習や、些細な横領、あるいは名目上の経費計上など、『貴族の常識』とされている範囲内の逸脱がなされているはずだ」

 

彼の言葉には、確信が宿っていた。貴族社会の「慣習」 という名の曖昧なルールが、彼にとっては最大の武器となる。

 

「例えば、私邸で使用されている備品の侯爵家経費からの計上、特定の商会との不透明な取引、あるいは、存在しない役職への給与支払いなどだ。一つ一つは些細でも、積み重なれば大きな額になる。これらは、彼女自身の不正ではない。しかし、彼女の監督責任を問うには十分な材料となる」

 

ルーカスは、冷徹な目でAlphaに指示を続けた。

 

「これらの『些細な違法性』、あるいは『疑わしきグレーゾーン』を洗い出せ。特に、ダイアナ派に属する使用人や、彼女と繋がりのある商会の帳簿を徹底的に調べろ。そして、それらを全て、法的に、かつ貴族社会の慣習として、最も不利になる形で提示できるよう、資料をまとめろ」

 

Alphaは即座に指示を実行し、データの抽出と分析を開始した。ルーカスの狙いは、ダイアナ個人を直接的に糾弾するのではなく、彼女の「管理能力の欠如」と、彼女が庇護する者たちの「不正」を暴くことだった。これにより、彼女の「貴族としての高潔なプライド」を逆手に取り、合法的に、かつ侯爵家内部の権限を揺るがすことなく、彼女の影響力を削いでいく。

 

 

・・・・・

・・・

 

 

 

翌朝。ダイアナが朝食の席に着くと、彼女の前に、一通の厚い封筒が置かれていた。差出人はルーカス・フォン・トレンス。ダイアナは不審に思いながらも封を開けると、中には、侯爵邸の帳簿のコピー、特定の商会との取引記録、そして、一部の使用人の職務怠慢や経費乱用の証拠資料などが、事細かに記載された報告書がぎっしりと詰まっていた。

 

それは、彼女が「不正」とは考えていなかった、「侯爵家では当たり前」とされてきた慣習の数々だった。しかし、ルーカスの手によって、それらは精緻な法的な解釈と、具体的な数字をもって「不適切」と断罪されていた。

 

報告書を読み進めるにつれて、ダイアナの顔色が変わっていく。そして、彼女の目に飛び込んできたのは、最後に添えられたルーカスからの短い手紙だった。

 

 

―――拝啓、ダイアナ様へ―――

侯爵邸の財政は、長年にわたり、いささか『大雑把』に運用されてきたようです。貴族の慣習として見過ごされてきた些細な事柄も、私の目には『無駄』あるいは『不適切な支出』として映りました。

侯爵領の再建と発展には、一銭たりとも無駄にできません。つきましては、これらの『慣習』を全て見直し、改善を求める所存です。貴方様の監督責任についても、言及せざるを得ません。

今後、侯爵邸の財政管理と人事に関しては、私が直接監督し、全ての支出は私の承認を得てから実行されることになります。これは、侯爵領全体の効率化を促進し、無駄を徹底的に排除するための、必要な措置です。

貴女様には、引き続き侯爵夫人の職務に専念していただきたく存じます。

敬具

 

ルーカス・フォン・トレンス

 

手紙を読み終えたダイアナの手から、報告書が音もなく滑り落ちた。彼女の顔には、屈辱、怒り、そして、想像もしなかった方向からの「合法的な」奇襲に対する、呆然とした表情が浮かんでいた。

ルーカスは、彼女が最も誇りとしていた「貴族としての清廉さ」と「内政の手腕」 を、正面からではない、しかし最も効果的な形で打ち砕いてきたのだ。しかも、その全てが合法の範囲内。彼女には、これに反論する術がなかった。

 

ルーカスは、ダイアナが反撃を企てる前に、彼女の最も得意とする分野、そして彼女が最も守りたい「高潔なプライド」を、「改善」という名の大義名分の下に徹底的に攻め立てたのだ。侯爵邸の静かなる粛清が、今、始まった。

 

 

 

・・・・・

・・・

 

 

侯爵邸の攻防

 

 

ルーカスからの手紙と報告書が朝食のテーブルに散乱したまま、ダイアナは茫然自失としていた。手の震えが止まらない。あれほど完璧だと思っていた侯爵邸の財政管理が、ルーカスによって「杜撰」「不適切」と断罪されたのだ。しかも、その指摘は一つとして反論の余地がない、合法の範疇で行われた「奇襲」だった。

 

(あの小僧……!本当に、背後に誰の影もないというの!?)

 

ダイアナの心には、恐怖がじわりと広がっていた。7歳の子供が、これほどまでに緻密な調査と、法的な解釈を駆使できるはずがない。しかし、手紙からは、ルーカス自身の冷徹な意志しか感じられない。まるで、彼が何年もこの侯爵家を、そして自分を観察し続けてきたかのような、底知れない不気味さがそこにあった。

 

「奥様、よろしいでしょうか」

 

侍女の控えめな声に、ダイアナははっと顔を上げた。平静を装うよう努めるが、顔色は悪い。

 

「ええ、問題ないわ。ただ、少々……頭痛がするのよ」

 

ダイアナは、深呼吸をして己を落ち着かせた。このまま指をくわえて見ているわけにはいかない。ルーカスが合法的な手段で攻めてきたのなら、彼女もまた、貴族の流儀に則り、合法的に反撃するのみだ。

 

 

その日の午後、ダイアナは侯爵邸内のベテラン家令と、長年侯爵家に仕える財務担当者を自室に招いた。彼らはダイアナの忠実な部下であり、侯爵邸の運営に深く関わってきた者たちだ。

 

「皆様。今朝、ルーカス坊ちゃまから、このような監査報告書が届けられました」

 

ダイアナは報告書を彼らに手渡し、その内容を説明した。家令や財務担当者は、最初は訝しげな表情を浮かべていたが、読み進めるにつれて、その顔は驚愕に染まっていく。

 

「な、なんてことでしょう……これは、完全に我々の瑕疵ではないですか!」

 

財務担当者が青ざめた顔で呟いた。彼らが「慣習」として行ってきた細かな経費処理や、不問に付してきた使用人の職務怠慢が、ルーカスの精緻な調査によって全て白日の下に晒されていた。

 

「これでは、反論のしようがありません、奥様。全てが、法的に、そして帳簿上、正確に指摘されています……」

 

家令もまた、悔しそうに唇を噛み締めた。彼らはダイアナの指示通り、決して不正を働いたわけではない。しかし、ルーカスの「徹底した効率化と無駄の排除」という大義名分の下では、彼らのこれまでの運営は「怠慢」としか言いようがないのだ。

 

「ええ。だからこそ、私たちはこれを真摯に受け止め、改善するわ」

 

ダイアナの言葉に、二人は驚いて顔を上げた。彼らが予想していたのは、怒り狂ったダイアナがルーカスへの報復を命じることだったからだ。

 

「しかし、奥様……」

 

「無駄よ。ルーカス坊ちゃまは、我々がどのような手段で反論しようとするか、全て見越しているでしょう。感情的な反発は、彼の思う壺よ。貴族の矜持とは、道理を通すこと。ならば、こちらも道理で返すまで。ただし……」

 

ダイアナの瞳に、鋭い光が宿る。

 

「彼の目的は、侯爵邸の財政を健全化することだけではない。この私、そして私の後ろ盾であるダイアナ派の権益を削ぎ、力を奪うことにある。この報告書は、そのための宣戦布告よ」

 

彼女は、静かに、しかし確固たる決意を込めて告げた。

 

「皆様には、この報告書の内容に基づき、即座に侯爵邸の財政と人事の見直しを進めていただきたい。一切の不適切な支出を止め、職務怠慢な使用人は厳しく処分する。そして、その改善の報告書を、ルーカス坊ちゃまに提出する。彼に、我々もまた、貴族としての義務を怠らないことを示すのよ」

 

家令と財務担当者は、ダイアナの言葉に、新たな闘志を燃やした。これは、ルーカスの「攻撃」に対する、ダイアナなりの「防御」だった。彼の土俵に乗って、彼のルールで戦い、そして、彼の意図を上回る結果を出す。それが、彼女の貴族としてのプライドであり、ルーカスに対する最初の反撃だった。

 

「ですが、奥様。このままでは、ルーカス様の管理下に置かれることに……」

 

財務担当者が、苦渋の表情で尋ねた。ルーカスの手紙の内容が、彼らの権限を著しく制限することは明らかだった。

 

「ええ、その通りよ。ですが、これは一時的なもの。私たちは、彼が完璧ではないことを知っている。そして、彼が全てを一人で管理しきれるはずがないわ。必ず、綻びが生じる。その時が、我々の好機よ」

 

ダイアナの口元に、冷たい笑みが浮かんだ。

 

「今は、彼に侯爵邸の管理を『任せて差し上げる』。そして、彼がどれほどその重責を全うできるか、静かに見守りましょう。その間に、私は、彼がまだ知りえない『侯爵家の真のしきたり』、そして『王都との深いつながり』を利用し、より確固たる地盤を築き上げる。この侯爵領の未来は、決して、あの生意気な小僧の一存で決まるものではないわ」

 

ダイアナは、すでに次の手を考えていた。彼女は、ルーカスの「合法」という武器を理解し、それに対抗するため、自らも「合法」の範囲内で、より複雑な謀略を巡らせることを決意していた。侯爵邸の内部で、ルーカスとダイアナの、水面下の攻防が本格的に幕を開けたのだった。

 

 

 

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