RWBY~俺は死にません~   作:傘花ぐちちく

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あらすじ
衝撃の事実?

※オリジナル要素を出していきます。RWBYの設定に迎合させていきますが、推測の域を出ないので勘違いをしないよう。後書きに解説を載せています。


五話拳の露、振り払い

 ――ユリったら、初めて来たヴェイルで……

 

 ――被害者はユリ・ラヴァンドラ(3)

 

 ムラクの脳内は、何気ない母娘の会話と新聞紙の一文を何度も反芻する。

 

(この広いヴェイル、偶然の一致はそうそう無いが……関わってしまった以上、調べずにはいられないッ)

 

「む、ムラク……さん、一限遅刻しますよ?」

「何故敬語……すぐに行く」

 

 わざわざ呼びに来たライムと共に教室へ向かう間も、その日の授業中も、そして食事時でさえムラクは上の空だった。

 

「……おいエレファンス、ムラクがやけに静かだな」

「ナヴィー、君が何か食べさせたんじゃないかい?」

「バカを言うな」

「お腹壊してるの見たことないし、それはないんじゃないかな……?」

 

 チームメイトの囁きでさえ耳に入らないムラク。

 

「アレだな、一昨日ヤンとデートしに行ったとかいうヤツだろう」

「ナヴィー、そっ、それはマジ話かい!?」

「マジだぞエレファンス。チームRWBYの誰かが話しているのを聞いた」

「というか気づかなかったんだ……」ライムが呟く。

 

 昼休みは終ぞ一言も話さずに、山盛りの食事を平らげたムラク。おかわりはいつもの二倍、持ってくる皿も二倍、計四倍の食事を黙々と平らげる彼には軽く畏怖(とドン引き)したチームLEMNの面々であった。

 

 

 廊下。

 

「おーいムラク! 放課後にグッドウィッチ先生に頼んで軽く手合わせ――」

「すまぬ。暫くは忙しくてな」

「を――」

 

 ヤンの誘いをムラクが断った。彼が大股でスタスタと立ち去ると、RWBYのヤンを除く三人がスッと現れて顔を見合わせた。

 

「……そういう日もあるわよ」ブレイクが興味なさそうに言う。

「天変地異が起きそうですわね」ワイスが茶化し、

「空から魚が降ってくるかも!」ルビーがノッた。

「……!」

「ちょっとみんな! なに覗いてるのさ!」

 

 ヤンが怒りながら三人のもとへ駆けていく。

 

 ジョーンを除くチームJNPRは普通に過ごしていた。

 

 誰も気に留めない事。誰も知らない事。

 

 平和の陰では誰かが何かをしていて、特にハンターが平和を保っていた。

 

 中でもムラクの生活の――いや、気持ちの変化は誰にも分からなかった(・・・・・・・)。彼は情報量の増えた都会で、常に新聞に書かれた事件を見知っては悩み、ある種悶々とした日々を過ごしていた。

 

 ビーコン入学以前、ムラクは街に来たことはあったが、自分の目の前で起きた事にはしっかりと手を差し伸べた。だが、自分でも何か良い事ができるという事――それがささやかなものだと分かってしまったのだ。

 

 もっと助けを求める人がいる。救いを渇望していた人がいた。

 

 静かな日々の裏、目の届かないところにこそ、手を差し伸べなければならなかった。

 

 尤も、ムラクは己がハンター見習いであり、プロにはまだ及ばないペーペーであることは承知していた。はやる気持ちを抑え、衝動をぶつけるように訓練に勤しんでいた。

 

 警察やハンターの領分に不用意に立ち入る事は躊躇われ、身分相応の救いを差し出すべきだと頭の中で考えていた。

 

 だが、関わってしまった「かも」しれない。

 

 ただそれだけの理由で、ムラクは飛び出した。

 

 見捨てないと誓った過去、誰かを救うと夢見た記憶。ムラクの絶望こそが、希望と愛を与える全ての源泉。

 

 自分自身に嘘はつけない。ハンターになると誓ったならば、見捨てた汚名は(そそ)がねばならない。

 

 誇りを挫かれるのは死にも等しい屈辱、だが誰かを救えなかったのは――心に穿たれた傷そのもの。

 

 故に、心の撃鉄は起こされた。

 

 

「……花を供えたいのですが」

「ああアンタ、ビーコンの学生かい? 知り合いだったのか、可哀想に」

 

 放課後。

 

 一人で事件現場にやって来たムラクは、野次馬すら居ない現場で警官に話しかける。その日はいつもの鎧ではなく、特注サイズの制服を身に着けていた。

 

「知り合い……かもしれないです。名前が似ているだけかも。写真はありますか?」

「あー、あるよ。珍しい名前だから間違えないとは思うがね、ほら」

 

 端末(スクロール)を広げて、生前の被害者母娘の写真を表示する。ムラクはその顔に見覚えが……あった。死んでいなければ、今頃は笑っていたはずの顔だ。

 

 一瞬だけ、ムラクの息が詰まる。

 

(……涙は流さぬ。この拳は決して弱さを見せてはならない……)

 

 空気を大きく吸い込んで、ムラクは手に持った供花(くげ)を差し出した。

 

「……この花を、ユリに」

「はいよ。母親の病院も教えようか?」

「お願いします」

「君みたいな殊勝な学生も居たもんだ。……ま、こんな酷い事件はもう起きないと思うがね」

 

 慰めにもならない警官の言葉だったが、ムラクには到底今回きりで終わるとは思えなかった。

 

 静かに黙祷を捧げたムラクは、踵を返して歩き出す。両の拳は鉄よりも固く握られ、歩みは力強く、瞳は正面を見据えていた。

 

「――俺が捕まえる」

 

 誓いを胸に刻み、ムラクは病院へを足を運ぶ。

 

 捜査は警官の領分であったが――それはさしたる障害にもならない。

 

 母娘はきっと助けを求めて(・・・・・・)いた。ムラクを動かすにはそれだけで十分だ。

 

 救いの手すら届かぬ大森林を彷徨ったムラクは、強くなれたからこそ、類まれな幸運に恵まれていたからこそ、助けがなくても脱出できた。

 

 だが、救ってほしいと願ったことは限りない。一人の夜に胸中でむせび泣いたこともある。

 

 故に、そんな思いは誰にもさせたくない。

 

 聞き取れなかった悲鳴。差し伸べられなかった手。すくい取れなかった手。悲劇は二度起こってはいけない。

 

 己を拳とし、ムラクの中でハンターを目指す志が燃えるのなら。未熟な我が身を火中に差し出すのだ。

 

 早速、病院に着いたムラクは被害者の母親との面会を希望したが、まだ目覚めていないらしく断られた。

 

 出鼻を挫くように捜査の宛を無くしたが、ムラクは記憶を探って思い出した。

 

知っている(・・・・・)ぞ。ルビーとワイスとブレイクがコソコソと付けていたのを……故に気を払えなかった、が)

 

 「血」の話をしていた男を、ムラクは一度見かけているのだ。宛らしき宛ではないが、犯人は「穢れた血」に何かしらの因縁があると新聞からは推察できた。

 

 犯人も反ファウナス団体だとも示唆されており、ムラクは歩きながらヒトを重点的に観察していた。

 

 日の沈みかけた頃、ヤンと待ち合わせていたあの場所に、ムラクがもう一度訪れる。

 

 相も変わらず人で混み合っており、そのお陰で雑多な会話が耳に入る。本や音楽の雑談、十分後の予定を決める若者達の話、遅刻を咎める声に謝罪。

 

「――でよ、穢れ血の聖杯が――」

「――マジかよ、ぶっ壊れか――」

(……映画の話か、ゲームの話か。何れにせよ今日この場で有益な事は聞けなさそうだ……見覚えのある顔もなし)

 

 ムラクとて、初っ端初日から何かを見いだせるとは思っていない。

 

 ムラクがグリムの領域で培った眼と耳と記憶能力は恐ろしく人間離れしていたが、拾える情報はやはり限りがあった。

 

 だが、砕けた月が輝く夜こそ、正道ではない邪道を歩む者たちが蠢動(しゅんどう)する時だ。ムラクは夜にこそ焦点を絞っていた。昼の活動はオマケだ。

 

 とはいえ、学生がドカスカと暴れるわけにもいかないだろうと考えたムラクは、大人しく人気のない治安の悪そうな方へ向かう。

 

 勿論ただの自棄ではなく、怪しそうな場所に目星をつけるための散策を行っているのだ。

 

 ムラクは一人、商業区のシャッターが下りた道を彷徨い歩く。

 

 それは夜中の、丁度太陽が登る前まで続いた。

 

◆◆◆

 

「では次の試合は……」

 

 グリンダが端末(スクロール)を操作すると、頭上のルーレットが回転してピュラの顔が表示される。

 

 すると、授業に参加している生徒に波紋が広がる。

 

 彼らは戦闘技術を鍛えるための模擬戦に好んで参加しているため、それなりに(・・・・・)強い相手というのは存外好まれるが、例外的な強さを持つ相手は手も足も出ないため一部からの人間からは避けられる。

 

 ピュラは知名度と相まって消極的に戦いたくない部類に入っていた。勇んだ生徒は大抵敗北し、未だ負け無し。戦っても勝てない相手との戦闘は、まだ若い彼らには厳しいものだ。

 

 そして同様に、いやもっと疎まれる生徒がいる。

 

 ムラクだ。

 

 というのにも訳があり、その最たる物が戦闘技術だ。

 

 ピュラは攻守のバランスが良く、射撃投擲の腕も一流。丸盾アクオと槍・剣・ライフルの三形態に変形するミロの攻めは広い範囲での戦いに適し、体術もそつなくこなす正統派のオールラウンダーである。戦いの流れを常に握っており、絶対に勝つため無敵少女(インビンシブルガール)などと呼ばれていた。

 

 しかし、彼女の攻撃を防げれば、避けれれば、反撃できれば。自分がどれ程やれる(・・・)のか分かるというものだ。

 

 一方のムラクはと言うと、圧倒的な膂力(りょりょく)と化け物染みた反射神経、体格差の暴力にゴキブリの如き素早さを備える近接戦闘の専門家(エキスパート)だ。正統派なフィジカルエリートであり、今のところ技術に圧倒的な差が無い限り押し潰される。

 

 開始直後の加速攻撃を躱しても、彼らは一つの壁に行き着く。

 

 オーラが削れないのだ。

 

 模擬戦は相手のオーラを減らして勝つものだが、ムラクの場合は十人並み(・・・・)のオーラ量と生来の肉体の硬さと鎧が並以下の攻撃をシャットアウトする。

 

 攻撃が直撃しても一割すら削れない。本人曰く「オーラとて実力のうち」だが、中に何人入れているんだと言ったのはチームメイトのナヴィー(チビ)であった。

 

 アーサー(クマ型グリム)を相手にするほうがマシと、誰もが口をそろえて言うとんでもないインチキ野郎だ。

 

 グリム退治みたいなもんだと、勇んだ生徒が瞬殺されるまでがお約束。とうとう不チン野郎(アンシンカブルボーイ)と恨みの篭ったニックネームがつく程だ。

 

 そしてルーレットは彼の顔を表示した。

 

「おいおい……」「ついにか」「来ちまったよ」「ピュラ・ニコスに十リエン」「もっと奮発しろよ」

 

 人垣が波立った。ドリームマッチとはいかないまでも、話の小ネタになる対戦カードだ。

 

「僕はピュラ・ニコスに賭けるね」

「エレファンス、そこは是非『ムラクが勝つ』と言ってくれ」

「まさか! キミは殆ど攻撃を避けないが、ピュラ・ニコスはペラペラペラペラ――」

 

 エレファンスがなんやかんやと力説するものの、彼の場合はただの依怙贔屓(えこひいき)だ。だが的を射ているのも事実。今までのムラクは攻撃の回避を積極的に行っていない。

 

「見てくれで語ってくれるなよ、エレファンス。大した一撃でないのなら、受けて返すが常道! この拳が力押しだけでないと知るがいい」

 

 ニッと白い歯を剥いて笑うムラク。彼が鎧をガチャガチャと鳴らしながら壇上に上がるのを見て、ライムは心配そうに溜め息を吐いた。

 

(大丈夫かなぁ……朝帰りだよね? 多分寝てないと思うんだけど……)

 

 そんな心配をよそに、ピュラとムラクが得物を構えて向かい合う。生徒は一瞬たりとも見逃すまいと、自然に沈黙していた。

 

「昨日から鬱憤が溜まっていた。お門違いとは承知しているが……全力でいかせてもらう」

「オーケームラク。何時でも掛かって来て」

 

 ムラクの宣言に笑みを浮かべるピュラ。二人の闘志が爆発寸前まで膨れ上がり――

 

「では両者、始め!」

 

 合図と共にムラクが間髪入れず一歩踏み込む! ピュラは来たる猛突進に備えて回避行動に移ろうとしたが、気づく。

 

 ムラクはそれ以上動かず、鎧の腰部についたバーニアで火を吹いているだけだ。

 

(これは一体――!?)

 

 ピュラが違和感の正体を看破した直後、足元が炸裂してピュラが大きく空中に打ち上げられる。

 

「これが狙い!」

「ガァァァァああああああああッッ!!」

 

 脚部機構のパワージャッキが作動し、二門のバーニアが全力で火を吹く。その莫大な運動エネルギーが飛び上がるムラクの巨体を一瞬で最高速度へ到達させ、己の身体を人間砲弾へと変換する。

 

 バゴンッ! と床を吹っ飛ばして突き出した拳がピュラの構えた盾アクオに衝突すると、彼女は目にも留まらぬ速さで地面に叩きつけられた……かのように見えた。

 

 地面に同心円状の亀裂が入っているものの、着地は成功。ひとまずの攻防が決着――

 

「――止まると思うたかァァアアアア!!」

 

 ムラクがピュラを殴り飛ばした勢いのまま再び(・・)突っ込む!

 

 一筋の流星と化したムラクがピュラの手前に着地(・・)し、巻き上げられた床の飛礫(つぶて)に乗じて突撃を試みた。が、丸盾を前に掲げたピュラがムラクの足元をローリングで潜り抜けた

 

(ッ! 今の動き、鎧の足を止めたのか!)

 

 ムラクはすれ違いざまに膝蹴りをぶち込もうとしたが、鎧が空中に固定(・・)されたかの様に動かず、不発。

 

 ()かさずピュラが背中目掛けて弾丸を見舞うも、ムラクは振り向き様に上下に手を振って、その甲と平で銃弾の軌道を逸らして避ける。

 

(……やっぱり彼、不器用だなんてことはなかったわ。かなりやれる(・・・)みたい……だけどあまり近づきすぎないほうがいいわ)

 

 一瞬の激突、傍から見れば先んじて仕掛けたムラクが有利であるように思えたが、その実真逆だ。勝負の趨勢(すうせい)は常にピュラが握っていた。

 

「仕切り直しかッ!」

 

 バーニアから吹き出るダストの火が燃え尽き、ムラクもその予感をひしひしと感じ取っていた。

 

 ピュラはライフルの形態であったミロを槍に変化させると、切先が丁度届く距離でムラクの両足と肩を執拗に狙い始める。だが、やられっぱなしで終わる男ではない。

 

 果敢に飛び出して攻撃を受け、弾き、肉薄しようと飛び出すが、そのタイミングを初めから知っていたかのようにピュラは飛び退く。そして銃撃の反動を利用した高速の突きをこれでもかと浴びせるのだ。

 

 ムラクが追い詰めているのではない。

 

 ピュラが誘い込んでいる。

 

(鍛えた剛体、(こた)える衝撃ッ! かくなる上は、乾坤一擲(けんこんいってき)の激拳を見舞う他あるまいて!)

 

 ムラクはオーラ操作によってベルトの燃料装填装置(リローダー)を起動、火のダストを装填して四門中二門のバーニアを再点火する。

 

 両腕部のハンマーを二段階引き伸ばし、突撃の構えに入る。

 

「受けて立て! 人知を超えた瞬間の連撃をッ!」

 

 マトモに受ければ即座にノックアウト。天下無双のピュラと言えど無敵ではない。人間の限界をぶっ千切ってオーバーした筋肉だけは、ピュラですら真っ向から受けられない。

 

(――まずいッ!)

 

 ――ゴッ!

 

 ピュラが丸盾をナナメに構えて屈んだ直後、ムラクの膝蹴りが激しい音を立てて衝突し――ピュラのセンブランスが発動、必殺の膝が防御の表面を駆け上がる!

 

「受け流したが!」

(二回目が来るッ!)

 

 ムラクは肉が千切れんばかりの衝撃を噛み殺して刹那の余韻に折り返し、鎧の機構で肉体を砲弾として撃ち出した。

 

 突き出した一握りの烈拳が、バッタのように飛び退いたピュラの丸盾アクオをまたしても掠める。

 

 強烈なセンブランス《磁界操作》によって産み出された強大な反発力が、何とか直撃コースを逸らしたのだ。

 

 だが、腕部のハンマーが炸裂し――衝撃は盾を撃ち貫いてピュラの体勢を大きく崩す。

 

「これでぇぇ――ェェェェッッ!!」

 

 急ブレーキの反動を両足で完全に受け止めるムラク。ブチブチと断裂する筋繊維が膨大なオーラを受けて再生し、地面を押し返し、三度の『必殺』として躍り出――なかった。

 

 ピュラは磁力とダスト弾の反動をフルに活用し、投擲槍をムラクの脚が来るであろう(・・・)ポイント目掛けて打ち出していたのだ。ギリギリの状態であってなお恐るべき投擲能力を発揮し、更には目論見を崩してみせた。

 

 刹那の攻防を制したのは無敵少女だ。

 

 限界の限界、倒れ伏す直前に力が掛けられた脚は槍で容易く薙がれ、ムラクは錐揉み回転をしながら中途半端な勢いで飛び出してしまった。

 

 無防備に晒されたムラクの横っ面をピュラが盾で強打し、更に《磁界操作》でパワーを追加して打ち出した。

 

 ムラクがゴロゴロと地面に転がされると、大の字になって沈黙する。

 

 先走った生徒が歓声を上げるも、グリンダは終了の指示を出さない。ピュラはムラクを観察しながらミロを拾い上げた。

 

「どうしたの、まさかもう降参?」

 

 軽口を叩いたピュラの口の端は上がり、爽やかな笑顔を見せていた。額に汗が浮かび、額のサークレット()がキラリと輝いた。

 

「否ッ! 鍛えた武器破られたとて、戦えぬではこの手が腐るッ」

 

 ムラクが跳び上がり、身体中から熱気を放出してパンプアップする。

 

 全身を鋼鉄で覆った拳闘士が、その拳の行き先をノーモーションで変えられてしまうなど悪夢でしかない。鋼を纏った拳は常に逸らされ、動きが精彩を欠くのは疑いようもない。

 

 ピュラは巧みに磁界を操作し、その攻勢を弾き返した。

 

 故に――

 

「アァァァァマァァパァァ――――ジだァァアアアア――ッッ!!」

「!?」

 

 オーラの高まり。黄色のオーラが気炎として噴出し、纏った衝撃貫通型加速(アクセルピアシング)アーマーが内側から吹き飛んだ。

 

 アンダーウェアとスパッツ姿のムラクが蒸気を裂いて現れ、人間離れした彫りの深い筋肉が顔を出す。青々しく腫れた両足や無数の古傷が浮き出るが、それよりももっと目立ったのが筋肉だ。

 

 ムダ毛のない肢体、鮮やかなシックスパックから全身に広がる腹斜筋大胸筋僧帽筋大腿四頭筋二頭筋、細部まで鍛え上げられた筋肉の鎧が産声を上げた。

 

 ついでに悲鳴が幾つか上がった。

 

「武器なしで無防備と思ってくれるな、突き進む貫手(ぬきて)は武装済みだ!」

「あー……その、本気?」

 

 ハンターは武器とオーラで戦う戦士だが、グリムと素手で戦う者はまず居ない。武器があれば十分で、武器がなければ足りないからだ。即ち、素手で戦えるという事は人類を相手にしているか――グリムを素手で倒せる大馬鹿者かのどちらかだ。

 

「本気だとも――ッハァァァァ!」

 

 突如、ムラクは獣の如き疾駆でピュラに殴り掛かり、そして盾で受け流された。

 

「……!」

 

 その動きは鎧よりも更に素早く、パワーの衰えは最早誤差の域を出ない。ピュラは人外と呼んで差し支えない膂力(りょりょく)を改めて味わい、パワーの大半が鎧ではなく肉体にある事に驚愕を隠せない。

 

 だがピュラは(たかぶ)る。

 

 この学友(ムラク)は戦いにおいてスリルのある相手だ。風のように疾く必殺の一撃を撃ち込む――一切のミスが許されない戦いだ。荒々しい(せい)、波濤の如き攻、大地を思わせる強堅、油断すれば一瞬でオーラを削り取る大自然を体現した男だ。

 

 戦えば、間違いなく成長できる。ピュラは心のなかで舌なめずりをした。

 

 だがムラク、おくびにも出さないがその胸中は怒り渦巻く嵐の只中。己の戦闘スタイルさえ貫けぬ不甲斐なさに唾を吐きかけ、命を一つ取り零した手に爪を立てる。

 

(救い取ると誓った手、俺は、俺は――俺の能無しを断じて許容できぬッ! 誰かの明日を守れぬのなら、生きる意味さえ見出だせぬ!であれば、この拳は何のために在るのか!)

 

 躍り出るムラク。彼の繰り出す鉄拳を槍でいなしたピュラは、ガキンと鳴った金属音に心底驚いた。

 

 それでも鳴り止まぬ連撃。ムラクの巨体から繰り出される攻撃を躱し、殴り、弾き、突き、擦り、蹴り、斬り、打ち、撃ち返して(しのぎ)を削る。

 

 ――ガガガガガガガガッ!

 

 銃声にも似た拳と剣の交差音。息もつかせぬ破壊領域のハイウェイで、赤毛の少女が舞い踊って切り結ぶ。ムラクは舞踏にも似た戦いぶりに、思わず感嘆のため息を漏らす。

 

(――勝てぬ。洗練された技術の粋、磨かれた足捌き、鍛えられた肉体、天性のカン……俺では勝てない。森から飛び出して養父に鍛えられても尚、戦う以外に何も出来ない()であるのか……)

 

 ムラクは情報の集め方など知らなかった。ヴェイルのことはおろか、守ろうと誓った人々のことでさえ知らず。知らないことを知らず、生きる術だけを磨いた獣。拳の必殺は尽く潰される。

 

 だがピュラは人間だ。

 

 力がムラクより弱くとも、知恵や経験に技術、持てる全てを正確に選び取り、岩を穿つ一滴の水が如き一撃を打ち込み続けているのだ。狩人が森に罠を仕掛けるように、ムラクの攻めを誘って返す。

 

(――違う、違うぞ! 鋼で固めたこの体、血よりも尊き愛の為、気高き拳を掲げる運命(さだめ)! 頂への道半ばなれば、一矢報いるが世の理よッ!)

 

 刹那のやり取り。ムラクは力量差を十分に理解した上で、己を奮い立たせる。

 

 ムラクがローキック――を即座に引っ込め、右足で中段蹴りを放つ。ピュラがまともに受けず潜り抜けて回避すると、ムラクは逃げる背中目掛けてのストンピングに即切り替えた。

 

 が、ピュラは床を叩いて紙一重で身体をずらし、攻撃を避ける。そしてついでと言わんばかりに槍を剣に変えて斬りつけ――刹那に跳ね上がったムラクの左脚が、空気を裂いてピュラの腹に突き刺さった。

 

「がはっ……!?」

 

 返す刀の攻撃に、ピュラはぶっ飛んで転がった。ムラクに数十の攻撃を当て、避け続け、いなし、防ぎきった彼女の、初めての被弾だ。まともにムラクの攻撃が入ったのは、この試合始まって以来初だ。

 

(ッ……今、あの姿勢で蹴りは放てない! だけど、彼は地面を掴んだ(・・・)わ)

 

 ピュラが注視したムラクの足元、その指先。

 

 ムラクの右脚の指が床にめり込んで()を作っている。彼はそこに指を挿して移動の支点にしたのだ。

 

 その時点で、ピュラのオーラは半分を下回り始めていた。

 

 防御し続けて尚身体を蝕んだ拳打、度重なる重量級の一撃がオーラを削り続けていたのだ。そしてダメ押しの脚撃。彼女のオーラはもう四割しか残っていない。

 

 ムラクは攻撃の当たるであろう部位にオーラを集中させて運用し、見事に攻撃をシャットアウト。痛みに怯んだり仰け反ったりするどころか、(かえ)って勇み反撃してくるのだ。

 

 ピュラが比較的オーラの薄い部分に機械の如く精密な斬撃を浴びせていなければ、試合はあと三倍長引いただろう。

 

 だが一方のムラクは風前の灯。攻撃に使ったオーラは尽くがスカされ、オーラの防御は厚くしたが意味をなさず、体力はあるがオーラだけがなくなっていた。

 

 心も乱れてはいたが、それは些事だ。

 

「ぬぁ!」

 

 ムラクが右半身を差し出すように踏み込んで放つ鋭い肘鉄砲を、ピュラは距離を取って避ける。次に繰り出したムラクの蹴りは上段下段中段と打ち分けて追いすがるものの、彼女は剣で逸らし跳んで潜り抜けて回避。

 

 一瞬の隙を突いて放ったオーラ弾がムラクの肉体を水切り石の様に掠めると、グリンダの制止が入った。

 

「そこまでです」

 

 グリンダが端末(スクロール)で残りオーラ量を頭上のスクリーンに表示するとムラクのオーラが丁度赤くなっており、規定値に達していた。

 

 決着は大して劇的ではなく、ジリジリとオーラを削ってピュラが勝利したのだ。まばらに拍手が起こり、二人は大きく息を吸い込んだ。

 

「時間は掛かりましたが、素晴らしい試合でした。ムラク・アルヘオカラは打撃以外にも攻撃手段を増やしたほうがいいでしょう」

「骨の折れる話です……」

 

 ムラクとピュラは装備を回収して退場する傍ら、握手を交わして軽く会話する。

 

「素晴らしい戦いだった。己に足らぬものがよく理解できた」

「そうね、とても楽しかったわ」

「貴女ほどの戦士にそう言って頂けるとは」

 

 尊敬の眼差しを向けるムラクだが、ピュラはそんな様子を好ましく思っていない。

 

「その……そんなに謙遜しなくても大丈夫よ?」

「承知。しかし次に相見(あいまみ)える時は、更なる拳技の冴えにて打ち砕くと宣言しておこう」

「……ふふっ、本当? 楽しみにしておくわ」

 

 一方的な挑戦状を叩きつけられたが、ピュラは嫌な顔一つせずに笑った。

 

 そしてムラクも踏ん切りがついた。至らぬ力を全て注ぐことに。

 

◆◆◆

 

「む、ムラクさん(・・)!」

「他人行儀で藪から棒に、我らがリーダーよ如何(いかが)した?」

 

 放課後。いそいそと何処かへ行こうとするムラクの背中へ、ライムが声を投げ掛ける。

 

「あ、明後日のピーチ教授の課題、終わったのかなって」

「……否。明日徹夜で終わらせる」

 

 ムラクの頭の具合は相対的に言って、平均値やや上である。磨けば光るが天才的な頭ではない。一晩あれば雑な出来のレポートが完成するだろう。

 

「夜出かけてるのに……ですか? も、もしかして今日も出かける気じゃあ……」

「その時ライムは寝ている筈だ。起こすことはない故、気にせずとも良い」

「そ、そんな事! い、一応リーダーですし……心配なんです!」

 

 ライムが声を張って主張するが、心配には及ばないとムラクは首を振る。

 

「寝ずに二日は戦える。ライムの心遣い、清く善なる人の愛であるが――故に、俺は往く」

「あ、愛!? そ、そうじゃなくて……」

「止めてくれるな、(かね)てよりの傷が俺を督戦するのだ」

「え、あ、ちょっと……」

 

 ライムは伸ばしかけた手を下ろし、制服のまま立ち去るムラクを見送った。肩をガックリと下げて溜め息を吐き、トボトボとチームメイトの待つ図書館へ向かった。

 

(これじゃあチームLEMN(レモン)じゃなくてLENだよ……クラスメイトのライ・レン君と被ってるよ……)

 

 ライ・レンはピュラの居るチームJNPR(ジュニパー)のメンバーだ。ニンジャみたいだと評判である。

 

 ライムは静かな建物に入り、本とノートを広げて待つ残り二人のチームメイトの横に座った。

 

「やぁライム、ムラクは連れて来れたかい?」エレファンスが机の上に本を置く。栞が何枚か挟まっており、参考文献探しは順調だった。

「ううん、駄目だった」

「そうか。だがこっちは順調だ。ムラクには泣いて頼んだら見せてやってもいいがな」

 

 ナヴィーは当たりの強い言葉を吐く。自分より六十センチ近く高いムラクに若干の敵愾心(てきがいしん)を抱いているらしい。彼がどれ位小さいかと言えば、飛び級で入ってきたルビー・ローズより一摘み程度しか高くないのだ。

 

「ムラクさん、何やってるのかな……」

「ライム、キミはその敬称を止めたほうがいい。他人から軽く見られているのが分からないのか?」

「だな。事実、カーディンはムラクが居ないといつも通り(・・・・・)だ」

 

 エレファンスとナヴィーはライム(リーダー)に苦言を呈する。実際のところ、ムラクと他三人の実力差は甚だしい。三人がかりで戦ってもマトモな勝負にならないだろう。

 

(はぁ……私、リーダー失格だなぁ……)

 

 ライムの憂鬱な悩みはレポート用紙の彼方へと消える。だが一滴の心の落涙だけは、決して消えない跡になる。

 

 抱いた思いを水に流すことは出来ないのだ。

 

◆◆◆

 

「……危篤状態ですか」

「ええ、今夜が峠でしょう」

 

 ムラクは脚部だけを鎧で固め、それ以外は制服という格好で病院を訪れた。目的は勿論、ムラクがヤンとのデート中に関わったあの母親の見舞いだ。

 

 だが、彼女の状態はとても危うく、身寄りも無いという事でムラクは病室に通された。

 

 顔も体も包帯だらけの彼女は、そこから覗く片目を閉じて酸素マスクで口を覆っている。右手は骨折しており、包帯一枚隔てた素肌が青痣だらけであることは容易に想像できた。

 

 戦う力のないヒトの女性までも叩きのめした上で子供との愛を永遠に引き裂いた犯人への怒りを、ムラクは拳を握って静かに押さえ込んだ。

 

「このまま入院が長引けば、たとえ生きていても治療費が払えないでしょう。あまりこういう事は言いたくないですが――」

「私が払います」

「え? ああ、それならいいけど……」

 

 それからヒトの医師は簡単にケガと費用の説明を済ませ、立ち去った。馬鹿にならない金額だが、ムラクは自分の貯蓄からなら何とか払えそうだと考える。

 

(金で解決するのならいい……だが、子供を失って尚生きる親は……)

 

 何より大切なものを引き裂かれれば、とても正気ではいられない。

 

 愛、平和、慈しみ、それらが紡ぐ命の連鎖が一つ途絶えたのだ。産まれ落ちた子供が成長し、連綿と続けていった誕生の輪。

 

(失ったのは、一人の命ではない)

 

 思いを馳せ、ムラクは血の滴るほど強く唇を噛み締めた。

 

 薬品の匂いがする病室を去ろうとムラクが立てば、異常を知らせるような音がピピピと鳴り響く。

 

 振り返れば、眠っていた筈の母親が目を覚まし、左手で酸素マスクを外していたのだ。

 

「何を!」

 

 ガシリ、と堅く握られた服の裾。

 

 母親――ラベンダー・ラヴァンドラは、折れた右手でムラクを引き止めた。彼女の眼差しは危篤状態であったとは思えない程真っ直ぐにムラクを貫く。

 

 空気を求める魚のように口を動かすと、ムラクは耳を傾けて手を取った。

 

「ファウ、ナス、たち……くろい仮面の…………こ、どもを……」

「先生、マスクが外れています」「目が覚めたのか。キミ、どきなさい」

 

 少し早い歩調で看護師と医者が病室に入って迅速かつ丁寧に処置をしようとするが、母親はムラクを決して離さない。堅く握って見つめるのだ。

 

「たすけて……」消え入りそうな声で叫んだ。

「ッ!!」

 

 パタリと力無く落ちた手。彼女に繋がった機械が音を立てて警告し、ムラクは引き剥がされる。

 

 それから間もなくして、ラベンダーは息を引き取った。

 

 子供への愛故か、己の身を顧みずムラクに伝えたのだ。命と引き換えにたった少しの言葉を名前も知らない男に伝えた彼女は、子供が死んでいることを知らない。

 

 

 病院から出ると、外はもう夜になっていた。

 

 腹の底から込み上げてくる熱い衝動に、ムラクは一瞬だけ囚われる。

 

(泣いて叫ぼうと、怒鳴って地団駄を踏もうと、消えた命は帰ってこない……)

 

 あれほど残酷な事があろうか。母親が子供の死を知らず命を散らし、無力を噛み締め言葉を綴ったのだ。死の寸前でさえ誰かを思いやれる愛。

 

(――応えねば、命かけたその愛に。助けねば、無念に散ったその心に)

 

 助けて欲しいと叫んだ人の、その意地胸に仕舞い込み。

 

 倒れ落ちた手に拳を差し伸べて往く。

 

 掌から滴る血潮は生きる痛みと鼓動の証。彼は鉄より硬き心を、鋼より強靭な肉体で包み込み、炎より冷たい鎧で覆う。

 

「――覚悟したぞ。万難を排して彼奴らは捕まえる」

 

 ムラクは一歩踏み出した。

 

 ラベンダーの悲痛な願いを思う度、体が内側から裂ける程に痛む。

 

「お、おおおおぉぉ……」

 

 ムラクは駆け出した。

 

 ジリジリと胸を焦がす熱に、哀咽(あいえつ)ではなく咆哮する。

 

「おお、おおォォォォ……」

 

 理不尽な事態に打ちのめされようとも、ムラクは空高く跳び上がる。目指す場所はファウナスが固まって暮らす地区と、何者かが潜みやすい倉庫だらけの工業区だ。

 

 手を伝って血の雫が落ちる。

 

 痛みすら振り払い、己を救いと鍛えた手は()えた。

 

 




※ヤンに当たり強くない?……めちゃ悩んでるのでスルー。誰しもが完璧ではないが、取り乱し方は少々バツです
※警官がこんなに簡単に捜査情報喋るわけないだろwww……本編ではそれなりに(少し)喋ってます。銃の持ち方も危ないと指摘されていたあの人みたいな警官なんでしょう。ついでに言えば、ローマンの演説(S2ロボットの前)にもあったように、学校(恐らくビーコン)の権威は大きいです。ヴァキュオでもそうですね。要は虎の威を借った/借れるだけの背景があるということです。
※夜中に外出したら怒られちゃうだろ!……ジョーンとかも抜け出してるしヘーキヘーキ!ぶっちゃけ普通に大丈夫そう。大学の気質もあるし、門限があっても朝に帰ればええんやろ?
※ピュラって普通にムラクの攻撃を防御できるよね?……でもトラックとの衝突は避けると思うのよ。カーディン君渾身の一撃を避けてた(S2E5)し、受けるべき攻撃を見極めてたが正しいと思う。そういう意味で防御するのが駄目だってこと。同じく、マーキュリーとの戦闘で、両足のダスト弾を受けて若干よろめいているんですよね、隙が勝敗に関わるとわかったから防戦……って感じですね。ただムラクが勝つ姿は全く想像できないですね。

※武器代わりに身体って……体が硬いのだ。肉弾戦が難しいのはルビーの弱パンチ(S2落下後)を見て頂ければ分かると思いますが、逆説的に体が武器そのものであれば戦えるということ。
※ピュラが舌なめずり?……テヘペロ的なアレ。ジュルリではない、チロッだ。実際向上心はかなりあると思います。小説版を見ればわかりますかね。なので買おう!
※指で型……恐るべき指圧!マイケル・ジャクソンの前に倒れるやつみたいなのを人力でやった(穴にハメるアレ)
※オリキャラ要る?……要る(強い意志)。RWBYの魅力はやっぱりチームという一つの括りにあると思います。その枠組みの中で育む友情や相互理解、歩み寄りが魅力の一つではないかと考えているわけです。テーマの一つでもある……のかな? オリ主とRWBYJNPRの面々でムリに絆を深めようとすると、じゃあテメーは何やってんだボケってなりますからね。存在そのものがテーマを否定してしまうワケダ。故に必須で、出た以上は生きる存在として扱います
※黒い仮面?……つまり最初の注意書き。(別の変な組織が出てくるわけでは)ないです
※(病院関連が)クドい!……あっそうだ!ダグに成長を入れたので苦手な人は許し亭
※何か不穏……光も陰もRWBYのテーマでは?という感じです。まぁそんなに深刻ではありません。ヴェイルが吹っ飛ぶわけじゃないですし

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