五反田家長姉はアクティブレズで一夏の想い人   作:柳川

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因みに私は男の両性愛者です。
女も男も好きダヨー!


イギリス淑女はレズの悪夢を見る(ことになる)

2時間目が終了した休み時間、僕と一夏が駄弁っているところに近づいてくる影があった。

 

「ちょっとよろしくて?」

 

「ん? なんだ?」

 

「何用でしょうか、麗しきお嬢さん。」

 

上が一夏、下が僕。

先ほど自己紹介は聞けていないが… 喋り方だの雰囲気だのから見ていいところの出だろう。

香水の香りはイギリス製。 恐らく人種もイギリスかそれに近しい者、それも貴族の部類に入るだろう。

なぜわかるのかって? 武道を嗜んでいる人間ならば、相手の立ち振る舞いから人柄を読み取る位容易だからだ。

 

「あら、そちらのお方は礼儀を弁えているようですわね。 しかし、そちらのあなたのその態度はなんですの? 折角イギリス代表候補生たるこのわたくし、セシリア・オルコットが話しかけてあげているというのに。」

 

「へぇ… そうなのか。 あれ? 代表候補生って仁もじゃなかったか?」

 

「あー、そうだよ。 いやぁ、全く、受験のシーズンとISの練習の期間が被って大変だったよ。」

 

あの日々は… 素晴らしかったと言えよう。

私の時間が殆ど無かった… のは、別に慣れていた。

小中と夏休みは師匠のところで空手やってたからね、むしろIS動かしてる方が楽だったから。

なんてったってISの先生が可愛い。 とても、可愛い。

そんでもって激しい動きをするわけだから、胸が揺れるわ揺れるわで天国だった。

 

「それと、テストの時に教官のISを撃破したのはわたくしだけ、と聞きましたが。 なぜ教官を撃破していないあなたが主席に?」

 

「あー、それね。 教官を愛でて煽りながら避け続けたら制限時間割っちゃってさ。 ってことは君が次席かな?」

 

「なあ、悪いんだけど… 俺も教官のIS、倒したぞ。」

 

一夏の発言に、教室中の視線が彼に集まる。

 

「な、何をおっしゃいますの? 教官のISを倒したのは私だけ、と聞いていましたが…」

 

「女子では、ってオチじゃないか?」

 

何にも分かってなさそうな一夏の顔が妙に壺に入る。

と、その時に3時間目の開始を知らせる予鈴が鳴った。

 

「いいこと!? 覚えてらっしゃい! あなたもですわ、わたくしを差し置いて主席など認めませんわ!」

 

千冬さんは流石に怖かったのか、オルコットちゃんは捨て台詞を残して席に帰って行った。

 

「あららー。」

 

「俺、なんか悪いことしたか?」

 

「さあね?」

 

それにしても… オルコットちゃん、ね。

可愛い子だな、と僕は心の中で舌なめずりをした。

 

「それではこの時間は実践で使用する各種装備の特性について説明する。」

 

この時間では千冬さんが教壇に立つようだ。 これは素晴らしい! 一言一句聞き漏らさずノートに書きとらねば…

 

…でも実践で装備使う気ないんだよなぁ… 素手で十分だし…

 

「ああ、その前に再来週行われるクラス対抗戦にでるクラス代表を決めねばならないな。」

 

唐突に思い出したかのように、っていうか今まで忘れていたであろう千冬さんが教科書を閉じながら言う。

若干おっちょこちょいなところも可愛いです! 結婚して!

 

「クラス代表者とはそのままの意味だ。 クラス対抗戦のみでなく生徒会の開く会議、委員会への出席。 言ってしまえばクラス長だな。 因みにクラス対抗戦とは入学時点でのクラスの実力の推移を図るものだ。 現時点では大した差はないが、競争は向上心を生む。 一度決まると一年間変更はないからそのつもりで。」

 

教室中が騒めきたつ。

そして相川ちゃんが挙手して言う。

 

「はい、織斑君を推薦します!」

「あ、いいね! 私も織斑君に1票!」

「私も私も!」

 

「織斑に推薦だな。 他にはいないか? 自薦他薦は問わないぞ。」

 

おー、やっぱ一夏は上がるよね。

向いてるとは思わないけどマスコットとしては男は丁度いいし。

 

「え? ちょっと待ってください織斑先生! 何故俺が!?」

 

「自薦他薦は問わないと言った。 推薦されたのだから甘んじて受け容れろ。」

 

「えぇ…(困惑)」

 

あからさまに困った顔をする一夏。

諦めろ お前がやらずに 誰がやる …川柳である。

まあ、この状況ならオルコットちゃんも黙って…

 

「じゃあ私は五反田さんに1票。」

 

お? 僕にも来たね!

嬉しいね、女の子から期待されるのはさ!

 

「五反田に1票だな。 他には? …ああ、五反田は代表候補生だが専用機は持っていないぞ?」

 

黒板に写しながら言う千冬さん。

 

それを受けて、さらにクラスが騒ついた。

 

-え? 五反田さんって代表候補生なの?

-やっぱりレズは強いのか…

-胸の戦闘力は慎ましやかだけれど…

 

ちょっと最後の君、こっちこようか? 存分に教育してあげるから… さ?

と、その時。 バン、と机を叩く音が教室に響いた。

音の出元は、言わずもがなオルコットちゃん。

 

「このような戦術は認められません! 大体、男や同性愛者がクラス代表者などいい恥さらしですわ! わたくしに、このセシリア・オルコットにそのような屈辱を一年間味わえとおっしゃるのですか!?」

 

カンカンに怒るオルコットちゃん、あれだ、無駄吠えしまくる子犬みたいな可愛さがあって微笑ましい。

 

「そもそも代表候補生とは実力で選ばれるはず! 順当なのはこのわたくしですわ! それを物珍しいからと言った理由で極東の猿にされては困ります! わたくしはこの島国までIS技術の修練に来ているのですよ!? サーカスに付き合うつもりは毛頭ございませんわ!」

 

あー、これを聞き続けてもいいっちゃいいけど… 雰囲気が悪いね、これは良くない傾向だ。

 

「大体、文化としても後進的な国で暮らさなくてはいけないこと自体、わたくしにとっては耐え難い苦痛でーーー」

 

うん、打ち止めだ。 これ以上は彼女を孤立させることになってしまう。

 

「そろそろやめときな。」「そろそろやめとけ。」

 

僕と一夏の声が被った。

お互い目を合わせて、一夏が「お先にどうぞ」と言ってきたので、先に言わせてもらうことにする。

 

「なんですの!?」

 

「オルコットちゃん、吠えるのはいいけどさ、気をつけた方がいいよ?」

 

「なっ、吠えるですって!? それに一体何に気をつけろというのですか!?」

 

さらに顔を赤くさせるオルコットちゃん。

 

「周りの視線、かな? 一夏の他国へのスカウトを避けるためなのか、このクラスって日本国籍が多いみたいだよ。 ちょっと前みたいに愛国心の高い人はいないだろうけど、それでも自分の国を馬鹿にされたらよくは思わないよ。 少なくとも、相手の国を下にすることで自分を上に感じさせることは、僕は得策だと思わない。」

 

「真実を言って何が悪いというのですか!?」

 

「イギリスだって島国だろうが。 そもそも料理が不味い国ランキング何年か連続覇者だよ。」

 

僕の発言を遮って、一夏が口を開いた。

彼はこちらに目を向けて一言「すまん」と謝ってから続ける。

 

「あっ、あなた! わたくしの祖国を侮辱しますの!?」

 

「侮辱じゃねえ、真実だ。」

 

「イギリスにも美味しい食べ物はたくさんありますわ!」

 

と、そこで一夏が特大のため息を吐く。

相手をイラつかせるため、とかじゃなく本気で呆れてる時の仕草だ。

 

「だったら日本も後進的ではないだろうが。 お前らが得意気に乗ってるそいつは一体何人が作った? それの大会で世界一になったのは一体どこの誰だ? …なあ、おい。 答えてくれよ。 お前が『男』を下に見る口実を作ったそれ(IS)を作り上げたのは何人で、大会で世界一になったのも何人なのか。」

 

「…くっ!」

 

唇を噛むオルコットちゃん。

マジギレ&マジ呆れしてる一夏が続ける。

 

「まあいいよ。 男の部分は許そう、ってかそこまで気にしてねえし。 しかしよ、何故仁の性癖が関係あるんだ? お前にはなんも分からねえだろうが。 受け入れろとは言わねえけど最低限文句は言うなよ。」

 

馬鹿馬鹿しい、と呟きながら一夏は続ける。

…昔っから僕の同性愛関係のこと馬鹿にされるとブチ切れるんだよね。

 

「そもそも元世界一位や日本代表候補生のいる教室の中で、イギリス代表候補生のお前がそこまで偉いのか? ISの実力で言えばイギリスは中の上、日本は上の上だ。 文化の進み方で国民の優劣が決まるならあんたは今この二人… いや、この教室にいる日本人よりも下だよな? 因みに俺は今、あえてお前の国を馬鹿にしている。」

 

「ISの戦闘では織斑先生には勝てずとも、他の生徒には勝てますわ!」

 

「…だってよ、仁。 どう思う?」

 

こっちに振ってくる一夏。

えぇ… どうするべきか… あ、このアイコンタクトは『いいから煽っとけ』だ。 しょうがない。

 

「…うん、この子なら飯の前でも構わないよ。」

 

出来る限りの笑顔を作って言う。

よほど癪に障ったのか、オルコットちゃんがまた机を叩きながら言う。

 

「決闘ですわ!」

 

「…千冬さん、決闘罪は…」

 

「適用されん。 IS学園は日本にあるが日本という国に属しているわけではない。 よって、日本の法律で咎められることは有り得ない。 …それと織斑先生と呼べ。」

 

決闘罪って本当にあるんだよね。 使われた例はあんまりないらしいけど。

 

「構わねえ。 四の五の言うよりよっぽどわかりやすい。」

 

「僕もいいよ。」

 

ふふふ、と笑うオルコットちゃんの顔には嘲笑があった。

 

「それで、ハンデはどうしましょうか?」

 

「いらないかな。」「そんなもんいらねえ。」

 

お、今日は良く一夏と被るな。

 

「負けた後の言い訳にされても困る。 真正面からぶっ倒させてもらう。」

 

「あら? 本当にいらないのですか? 方や男、方や専用機も持たない極東の猿がこのセシリア・オルコットとブルー・ティアーズに勝てると思って?」

 

「そうだよ、今からでもハンデもらった方が良いって。」

 

一夏を諭そうとする女子の声、一夏は… 若干カチンとしてる。

 

「男に二言はない。 ISの乗り方なんて知らないし勝てる確証もねえが、やるしかない。」

 

「よっ! それでこそ一夏! 馬鹿!」

 

「包み隠そうとせず罵倒してくんな!」

 

一夏のツッコミが入ったところで、千冬さんが手を叩いて注目を集める。

 

「話はまとまったようだな。 決闘は一週間後の放課後に行う。 用意をしておくように。」




最後の方はちょっと急いでたせいで適当になった感が否めない…
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