ベルが叫んでからかなりの時間が過ぎただろうか。
ベルは自分がやったことに対して大きなショックを受けながらも少し冷静になった。
『なぜ僕はあんなことをしたんだろう。僕は絶対にあんなことをしようと考えすらしないはずのに…そういえばあの緑色の揺らぎが僕の中に入ってから抜け落ちていた何かが満たされたような気がする。もしかして欠落した何かが僕を変えたのか?』
ベルは考えながら周りを見渡す。
すると大きな道と細い脇道があるのを見つけた。
そしてその道の先に何かがあるように感じその何かに堪らないほどベルは惹かれた。
「もしかしたらこの先にもあの人みたいな人がいるかもしれないから慎重にいかないと」
ベルは細い脇道を慎重に進みそこに小さな小さな白い光を見つける。それはベルが近づくとベルの中に吸い込まれるように入っていった。
『そういえばさっきの人を殺しちゃった時も僕の中に入っていったけどあれはなんだろう。悪い物ではないと思うんだけど…』
ベルは考えながらも細道を戻りさっきいた場所に戻ってきた。
そしてベルは周りを見渡した時に見つけた大きな道に目を向け観察する。
大きく石でできた水瓶のようなものの近くに倒した亡者と同じような姿をした者がしゃがみこんでいるのを見つける。
『絶対に襲ってくる気がするけどどうしたらいいんだろう。相手は殺しにくるけど絶対に僕は殺したくない。どうすれば…』
考えていると亡者はふと顔を上げベルを見つけた。
するとニヤニヤと口角を上げながら足元に落ちていた剣を拾いベルに向かい駆け出してきた。
「どうすればいいんだ…」
ベルは後退りながら悲観するように呟いた。
「グギャーー」
亡者は奇声を上げながら剣をやたらめったら振り回し突っ込んできた。
「くっ」
ベルは後ろに飛び下がり何とか躱すことに成功した。
しかし着実に距離を詰められていく。
壁際に追いやられベルは諦観して…
『ここで終わりなのか…』
して…
『嫌だ。僕は"英雄"になりたいんだ』
『冒険譚の英雄はこんなことで負けない』
『ピンチをチャンスに変えて切り抜けてきた』
『ここで諦めて何が"英雄"だ』
して…
『死に活路を見出せ』
『逆境を力に変えてこそ』
『"英雄"だ』
ベルは握り込んでいたナイフを取り出し姿勢を低くした。
亡者はトドメだとばかりに大振りに剣を振るった。
そしてベルに振り下ろされた剣の切っ先が触れる次の瞬間、ベルは足を蹴り出し姿勢を低くし剣の下をくぐり抜ける。
剣は石を叩き亡者は手の痺れに驚き、たたらを踏んだ。
その一瞬の隙をつき、ベルは後ろに回り込むように走り抜ける。
そして今度は
『自分の意思で』
『己で覚悟を決め』
深々と後ろからナイフを突き刺し蹴り倒した。
亡者は力つき倒れこみ体から白い光を出しベルの中に吸い込まれるように入っていった。
「ハァハァ、ハァ、ハァ」
『
「ご、めんな、さい」
ベルは泣きながら頭を水に叩きつけるように謝り続けた。
幼い少年にはあまりに辛く、受け入れがたく、そして前に一歩進んだ瞬間だった。
ベルくんはしっかり自分の意思で殺しました。
これからたくさん殺したり殺されたりすると思うけど(
最後の亡者が持っていた武器は…
そうですダークソウルにおいて伝説の武器と評されるあれです。