桂島鎮守府物語〜かつて英雄と呼ばれた提督〜   作:名無之助

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この話と次話はシリアスです。




プロローグ 1

十数年前、突如出現した深海棲艦と呼ばれる異形の軍団により、人類は海を奪われた。

 

敗退に次ぐ敗退に、人類は疲弊し、沿岸部では、いつ深海棲艦に襲撃さられるかわからない不安の中の生活を強いられる住民たちがいた。

 

そんな状態の人類に、希望が訪れる。

 

かつて海に散った艦船の魂と、その力を有した少女たちが現れたのだ。

 

そして、時を同じくして、妖精と呼ばれる存在が現れ、少女たちと行動を共にし始める。

 

後に、少女たちは、艦娘と呼ばれ、軍の指揮下に入り、人類の希望を背負い、深海棲艦との戦いに身を投じていくこととなる。

 

 

鎮守府、海軍の、そして艦娘たちの拠点であり、妖精による艦娘の召喚(建造と呼ばれる)、装備開発、近代化改装(艦娘の召喚の際、艤装のみ召喚される場合があり、その際に行われるもの)、そして解体(処刑としての解体と装備のみ解体し、艦娘を人間にする解体がある)

これらの他に、鎮守府司令室から、前線の艦娘への作戦指示を行う艦隊指揮、更に、負傷した艦娘の治療に相当する特殊な入浴いわゆる入渠と呼ばれるものもここで行う。

 

まさに、最前線で、深海棲艦と戦うための拠点であった……はずであった…。

 

そう……

 

少なくとも、ここ、桂島泊地第4鎮守府では、それは過去形へと変わり、今では…艦娘たちにとっての、地獄とかしていたのだ…。

 

桂島泊地…島の四方に鎮守府が計4個置かれている、泊地艦隊総司令部が、第1鎮守府に置かれており、第1〜第4鎮守府を統括している。

 

桂島第4鎮守府は、かつては普通の、いや、むしろ普通よりも高い戦果を出す鎮守府であり、司令官も艦娘を大切にする人物であった…。

 

しかし、事件が起こる。

 

泊地艦隊総司令部が立案した作戦、これが全ての引き金であった…いや、前兆ならあった…突然の泊地艦隊司令長官の交代、泊地艦隊総司令部参謀部の人事移動…さらには、不可解な桂島泊地憲兵隊司令の事故死による交代…憲兵隊司令の交代ならまだ分かる…しかし、部隊ごと交代と言うのは明らかに不自然であった。

 

そして、一月もしないうちに、作戦が発令された。

 

しかも、その作戦は、敵泊地攻略作戦であったが、一番練度の高い第4鎮守府の艦隊ですら、艦娘の最高レベルは70、他の鎮守府に至っては最高レベル58…第1鎮守府は例外として練度90の大和型がいたが、他は戦艦以外は軒並み40以下…そんな状態でフラッグシップやエリート級のひしめく敵泊地攻略作戦など危険極まりないものであった。

 

更に、未確認ながら、複数の鬼級や姫級が確認されている泊地をである。

 

しかし、その無謀極まりない作戦に反対したのは、第4鎮守府の司令官だけであった…。

 

結果は、作戦の集結地点に他の鎮守府の艦隊は無く、第4鎮守府の艦隊は奇襲を受け、二隻轟沈、三隻大破、一隻中破で退却、

 

司令官はその後、泊地艦隊総司令部から来た査察官に、艦娘轟沈の責任を追及、司令官も集結地点に他の艦隊がいなかったことを上げ反論したが、なぜか、査察官は、司令官が集結地点を間違えたと決めつけ、追及した。

 

査察官は、司令官により詳しい話を聞くためと、艦娘を執務室から遠ざけ、尋問したらしい。

 

査察官が去った後、不安を覚えた艦娘の一人が執務室へ行くと、左利き(・・・)の司令官が銃を右手で(・・・)握り、米神から血を流し変わり果てた姿で倒れ伏していた。

 

それを見た艦娘は悲鳴を上げ泣き崩れ、司令官に縋り付き、悲鳴を聞きつけた他の艦娘も集まり、司令官の亡骸を見て、唖然とした。

 

そして……後任の提督が着任した。

 

艦娘たちの地獄はここから始まったのである…。

 




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