模擬戦復活!!
そのニュースは瞬く間に学園内へと広がった、六チームによるリーグ戦形式で全試合終了時に最も勝利数の多いチームが優勝となる。
学生たちが先ず注目したのは六チームの総大将だ。
天上天下唯我独尊、九鬼財閥長男にして心技体充実した2-Sのトップ九鬼英雄。
現代に蘇った英雄、品行方正で真面目を画に書いたような若武者源義経。
一年からのダークホース、地元の武家出身たちをまとめ上げ下克上に乗り出した武蔵小杉。
西よりの転入生、武神と競り合う納豆小町、自由奔放に勝利を狙う松永燕。
トリッキーでファンキーな生徒会長、根強い人気で人を集める骨法部主将南條・M・虎子。
全ての学園生徒が驚愕した、誰もが出陣するはずがないと考えていた実力者白城晴明。
詳細のルールとしては各軍は基本150名+補欠30名、その中に外部からの助っ人を三名まで起用可。各選手はシーズン中に一度のみ移籍を可能とする。武器はレプリカ、もしくは刃を潰した撃剣のみ使用可、重火器系統は使用不可、弓矢は矢を学園側が用意したものを使えば使用可能となっている。
勝敗条件は①本陣の旗を倒す。②両軍の被害規模などを見ての判定。の二種類となる。
現時点で各陣営の参加者は以下の通りとなっている。
九鬼軍 総勢:180名
九鬼英雄、九鬼紋白、忍足あずみ、新堂(拳法部主将)、有坂(薙刀部主将)、ステイシー・コナー(外)、桐山鯉(外)、武田小十郎(外)
源氏軍 総勢:180名
源義経、直江大和、武蔵坊弁慶、那須与一、川神一子、椎名京、クリスティアーネ・フリードリヒ、源忠勝、マルギッテ・エーベルバッハ、北畠(剣道部主将)、クッキー(外)、メッシ(外)
武蔵軍 総勢:160名
武蔵小杉、黛由紀江、不死川心、大和田伊予、矢場弓子、鷲尾義久、黄信(外)、花栄(外)
松永軍 総勢:123名
松永燕、風間翔一、板垣辰子(外)、板垣竜平(外)、板垣天使(外)、村上(水泳部主将)、吉川、小早川
南條軍 総勢:156名
南條・M・虎子、池田恒一(空手部主将)、佐久間大介(柔道部主将)、島津岳人、師岡卓也、石田三郎(外)、島右近(外)、長宗我部(外)
白城軍 総勢:170名
白城晴明、葵冬馬、榊原小雪、井上準、佐野衛二、里見陣丞(外)、林冲(外)、南斗星(外)
となった、定員数に到達していないのは松永軍ぐらいで他全軍が最低限の150名は確保。九鬼、源氏両軍に関しては現状さらなる人員入れ替えが可能な状態にある。
―九鬼軍―戦略フェイズ
主な作戦会議は英雄と紋白で行われている。
「紋よ、現状をどう見る」
「先ず驚異なのは人材豊富な源氏軍、義久、黄信、花栄を引き入れた武蔵軍、でしょうか」
「うむ、その見立ては間違ってはおらんが・・・・油断してはならんぞ紋」
疑問符を浮かべる紋白。
「他の三軍も、ことさら白城軍を舐めてはいかん」
「兄上は白城を評価していますね」
「当然だ、あれは我が認めた男だ・・・・奴に背負うモノが無かったならば九鬼に勧誘しておるわ」
兄妹の作戦会議は続く・・・・
―源氏軍―戦略フェイズ
「俺何かが軍師で良かったのかな?」
軍師に指名された大和が疑問を投げかける。
「義経は直江君に期待する」
「分った、先ずは義経、ワン子、クリス、ゲンさん、マルギッテさんで全体の調練を行ってくれ」
「分った」
「任されたわ!」
「騎士として、この任務全力で果たそう」
「ま、やるからには全力だ」
「ドイツ軍人として完璧にこなしてみせましょう」
集まっていた兵士たちを連れて五人が出払う。
「京と与一はグラウンド周辺をまわって狙撃に適した地理を探ってくれ」
「お任せ侍」
「任せな兄貴」
京と与一がそれぞれ出て行く。
「大和ー、私はぁ?」
「弁慶はだらけててくれ」
「りょーかい」
―武蔵軍―戦略フェイズ
武蔵小杉、鷲尾義久、黛由紀江、不死川心、矢場弓子の中心人物五名が集まっていた。
「でも鷲尾先輩、何でお力を貸してくださるんです?」
「確かにのう、てっきり義経たちと一緒かと思ったのじゃが」
「本来ならばそれが正着で候」
武蔵、不死川、矢場からの質問に鷲尾がうっすらと笑う。
「主君と唯歩むのみが忠誠に在らず、時には苦言を呈し、時には試練を課す、それが臣下の道だ」
「ただ命令に従うだけが道ではない、という事ですか・・・・」
「然り、今は主君に立ちはだかる壁としてこの軍にて功名を挙げようと思う」
元々の容姿の良さもあるのだろうが今見せている表情は見る者をハッとさせる美しさのようなものを醸し出している。一瞬、その表情に見とれていた武蔵、不死川、矢場がハッ、と覚醒して。
「幸い、この軍には弓道部が多く武蔵殿や矢場先輩、花栄もいる・・・・弓兵中心の戦術を立てよう」
鷲尾義久が武蔵軍の軍師へと流動的に、自然と就任した。
―松永軍―戦略フェイズ
燕と翔一を中心に集められた生徒たち。
「ルールは一つだけ、私の命令には従う事」
この学園で誰よりも謀略に長けた女が静かに動き出した瞬間だった・・・・
―南條軍―戦略フェイズ
生徒会長、モロ、石田、島という不思議な組み合わせの戦略会議。
「HAHAHA、よろしくネ」
「中々にエキセントリックな奴だな・・・・まぁいい、この石田が来たからには勝利を約束しよう」
「では御大将共々、宜しくお願いします」
この軍は上手く立ち行くのだろうか、そんな不安をモロは感じていた。
―白城軍―戦略フェイズ
晴明、冬馬、小雪、陣丞の四名での作戦会議。
「里見さんに関してはともかく、よく林冲さんと南斗星さんの二人を揃えましたね」
「冬馬、大和もコレを重視しているが・・・・人脈という奴だよ」
林冲は義爺の伝手で、南斗星は陣さんの伝手だ。
「とにもかくにも準と衛二、林冲、南斗星に兵士の訓練は頼んだ・・・・冬馬、謀略は防衛だけに留めろ、決してしかけるな」
「何故です?」
「単発の戦ならば差支えは無いが今回は都合十戦の長期戦だ、ならば重要なのは兵との信頼関係」
謀略は効果を生み易いがそれだけに多用すれば兵のあいだにも疑心暗鬼を生んでしまうのだ。
「分かりました、では戦略で圧す事を考えましょう」
「ああ、陣さんは悪いがあっちに合流。命令厳守を徹底させてくれ」
「承知」
「ユキは・・・・疲れてる者がいれば直ぐに声をかけてくれ、笑顔でな」
「うぇーい」
一通りの指示を出せば、今度は訓練中の部隊へと向かう。
「調子はどうだ、準、衛二」
「まー上々ってところだな、助っ人二人が良い感じでやってくれてる」
「特に林冲が適宜に兵士に声をかけるからほどよく補えてます」
期待通りの働きをしてくれているか、そう思いつつ助っ人二人のところへと向かう。
「林冲、南斗星」
名を呼べば犬のように反応して駆け寄ってきた、この二人は根本が似ている気がする。
「白城道兄、こちらの調練は順調だ」
道兄、とは中国で同門の兄弟子を指すモノであり林冲は一時期義爺に師事していた事があるためにこういう呼び方になっているのだった。義爺を通じて「どうしても力を貸して欲しい」と連絡したら即答してくれた、非常にありがたい事だ。
「晴明君、こっちも順調だよ。皆真面目だから良いね」
南斗星は七浜に住まうとある富豪に仕える執事なのだがそこの執事長が陣さんと古い知り合いでありその関係で南斗星とは元々面識があった。本来ならばその執事長に助力を乞うつもりだったのだが用事があるからと推薦されたのが南斗星だった。
「ならば良し、引き続き頼む」
『はい!』
その光景を遠くから眺める陣丞。
「・・・・まるで、あの二人が若の弟子のように思えて仕方がない」
実際、元々実力者である両名ではあったのだが模擬戦のために川神の、白城組の本宅に滞在し始めてから二人の実力は伸びてきている、まるで晴明という引力に寄せ付けられて行くように力を増しているのだ。
「・・・・今は今を見るべきか」
晴明が兵士一人一人に武器の構えなどを指導して歩いている姿を見ながら、つぶやくのだ。
林冲とか南斗星とか・・・・フラグ立ちそうだけど小雪√なんだからね!