日が沈み、影と光しか分からなくなった部屋で、
いたはずの影は1つ減り、
残された人影は、すべてを諦めていた。
探すのを諦め、
考えるのを諦め、
話すのを諦め、
五年たった今では、
生きることを諦めていた。
「……シェイン、あなたがいないと、私は生きてる意味がないよ……」
そう呟き、ふらりと、部屋の外へと出た。
ーードサリ。
外に出た瞬間、そんな音が聞こえた。
その音は、ゴミの袋を落としたように聞こえる。
あるいはーー
そこまで思考が回ったところで、走り出していた。
音のした方向へ、走って、走ってーー
たどり着いた先は、部屋から少し離れたところにある公園だった。
普通、こんな所に、ゴミは捨てない。
ならばーー
さっき抱いた不安が、どんどんと形になっていく。
なかばその光景を確信し、公園を見回した。
ブランコ、鉄棒、すべり台へと目をやり、
ジャングルジムへと目をやったとき。
影が、みえた。
日はすでに沈み、暗い、暗い闇が辺りを包んでいる。
にもかかわらず、見えた。
影は、ピクリとも動かないが、確かに、あれはーー
「……っ!!」
急いで駆け寄る。影を抱きおこし、呼びかける。
「ねぇ!だいじょうぶ!?」
倒れているから、大丈夫、ではないのだが、続けて呼びかける。
その時、頭の中にはもう、死ぬ、という先程までの意思は無かった。
家へ連れて帰り、今はもう使わなくなった二つ目の布団に寝かせる。
そして、部屋の電気をつける。
その人は、少女、といった方がいい顔立ちだった。
桜色の髪に、黄色いカチューシャをしていて、
今は秋なのに、そこだけが春、という感じがする。
今は閉じられている目も、きれいであろうことがうかがえる。
私の知っている人の中に、こんな顔をした人はもちろんいない。
だから、迷子かなにかだろうと思った。
* * *
ーー体が、熱い。
あたりを見回すと、一面の、うごめく緋色。
自分は、誰かを呼んで、走っている。
なのに、その人は出てこず、私は更に大きな声を出して叫ぶ。
その声に反応したのか、人影がこちらへと向かってくる。
暗転。
今度は、暗かった。
着ていたはずの服はなくなり、薄い、粗末な服を着ている。
時折、振動がつたわってくる。はので、何らかの乗り物に乗ってい るのだろう。
ガタン、ガタンと、相当荒れた土地なのか、音がするたびに、体が 跳ねる。
恐怖ばかりが心の中に渦巻いて、何度も何度も同じ名前を呼ぶ。
だけど、その名前の部分だけ、なぜか聞きとれない。
ーーあれ?
なんで聞こえないんだろう。だっ
て、その人はーー
ーーあれ?
どんな人だったっけ……
なんで?
なんで思い出せないの……?
どうして?
約束したのに……
……あれ?
約束って、何だったっけ……
……あの時、確かに……
……え?
あのときって、……どのとき?
思い出せない……名前も、顔も、
……約束も……
一番大事な人なのに……
ナニモ、オモイダセナイヨ……
* * *
少女と夢、終わりです!
拙い文章ですが、
よんで下さってありがとうございます!
0話から見てくださっている方も、
更新が遅くても見捨てないで下さいお願い致しますorz
首を長くして待っていて下さい(^^;)