【デート・ア・ライブ】『■■■の精霊』を投稿後
に『白き大罪の魔術師』を投稿させて頂きました。
豆腐メンタルなので満足して貰えるか分かりません
が一生懸命に書いたので読んで頂いたら本当に
ありがたいです‼︎
他の『投稿作品』も投稿しているので読んで頂き
更に【投票】や【お気に入り】更に【しおり】
そして【感想】など頂けましたら原動力に
なります‼︎
「こ、これは……ッ‼︎」
『白いローブを被った人物』は串刺しにされて
血塗れに染まって目を開いたままの警備員の姿は
まるで糸が切れた人形みたいに仰向けになった
状態で倒れていた。
「ゆっくりと休んでください……」
ローブを被った人物はそう言って死んだ警備員の
ところにゆっくりとであるが近づいて右手を出して
目を開いた警備員が安心して眠れるようにして
あげたのだろう目に置いて丁寧に閉じてあげた。
一方、街の広場では、かなりの人が
ざわついていた。
「う…っ」
「こりゃひでぇ…」
「警備官はまだ来ないのか?」
「こんなの…人間のやる事じゃないわ…」
「ああ…一体だれがこんな事を…」
「ママ、あれ何?」
「こら! 見てはいけません‼︎」
街の人達は亀甲縛りのキャレルを見ながら縛られた
キャレルに同情する者や軽蔑している者がいた。
(ここは……どこ…?)
ウィルは周りを見渡す。
周りにはか細い光しかない暗い部屋で消毒液の
ような薬品の匂いと赤黒い液体がべったりと周りに
飛び散っていた。
(あれは……)
そんな散乱した部屋の周りを確認すると奥から
光が漏れてきたのに気付いたのかゆっくり、
ゆっくりとであるが 奥から漏れてくる光に
近づいて扉を開ける。
(これは…)
すると奥にある水槽の目の前に二つの影が見える。
一人は銀の十字架を首にかけている神父ともう一人
は人なのだろうか? 体育座りをしている白い人影
だった。
(あ、貴方は誰……?)
ウィルがそう呟くと
はじめまして君が■の■■……つまり
『選ばれし者』だな?
(おじさん、誰…?)
この人は……神父…?
ウィルがそう呟く間、神父は白い人影に
話しかけると白い人影は神父に質問する。
私かい? 今はそんなくだらないことなんて
どうでもいいじゃないか。それよりもだ……
神父はニヤリと不気味な笑みを浮かべていた。
いいかい…? 忘れないでくれよ。君はーー
神父がそう言った瞬間、目の前の視界がぐにゃりと
歪んでいき目の前が真っ暗になった。
その最中、一瞬
君は選ばれしーー
(えっ? 何? なんなの…?)
神父が何かを言おうとしているのは分かって
いたが何故だか分からないが聞き取れないのだ。
だが、神父は最後に
■■達が認めた素晴らしい■■の■■■
なのだから
(えっ……?)
神父がそう言った瞬間、神父の最後の言葉も
聞こえなくなった。
「……ッ‼︎ こ、此処は……?」
ウィルは目を覚ましたのか飛び上がって周りを
見渡すとどうやら学院の外にいた。
だが、ウィルが一番驚いたのは自分の周りに
ある飛び散った周囲の大量の赤黒い液体だった。
「これは……血…なの?」
ウィルは右手で血溜まりをべったりと触って
確認する。
そして上から自分が落ちてきた二階の窓を見た。
普通にあり得なかった。何故ならあんなに大量の
出血な状態で地面に打ちつけたのだ。生きている
こと自体が奇跡と言っても過言ではない。
「ッ‼︎ そうだ…ルミア=ティンジェルを、
ルミアの救出しなければ…‼︎」
『全てはイグナイト家の為にーーー』
そしてこれは『任務』なのだからーー
イグナイト家ではそれ以外の余計な知識は
要らないとそう教わってきたのだから……
『■■に■はいらない』
ウィルはそう言って学院内に入って行った。
その時ウィルは気付いていなかった。
自分自身の身に何が起こっているのかを……
「オラこっちだ早くしろ」
「きゃあっ」
「ククク、せっかくなかなかの上玉を
見つけたんだ暇な時間に食っとかねーと
勿体ねーよな」
「…………っ‼︎」
ジンは舌をペロリと舐めながら システィーナに
近づいていく
「ふ…ふざけないで私はフィーベル家の娘よ⁉︎
私に手を出すとお父様が黙ってないんだから‼︎」
「はァ? フィーベル家ってナニ?
偉いの?ソレ」
ジンはシスティーナにそう言ってシスティーナに
近づきながら倒れていた体を起き上がらせる。
「あっ‼︎」
「ルミアちゃんみてーなタイプはさー嬲っても
面白くねーのよありゃ か弱そうだか辱めや苦痛
じゃ絶対心が折れない人種だその点お前は一見
強がっているが自分の弱さに仮面をつけて隠して
いるだけのお子様さそーいうチョロい女を壊すのが
一番楽しんだ」
「……私を慰み者にしたいなら好きにすればいいわ
けれどフィーベル家の名にかけてウィルを殺した
貴方だけはいずれ地の果てまで追いかけて殺して
やるわ覚悟しなさい‼︎ 必ずこの屈辱をーー…」
システィーナはジンを睨みつけて言っていると、
「はいはい、じゃー、どこまで保つかなー?」
『バリリッ‼︎』
ジンはなんの迷いもなくシスティーナの着る制服
の胸元に手をかけ、それを引き裂いた。白い下着に
包まれた胸と肌が露わになる。
『……え? ……ぁ』
掠れた声がシスティーナの喉奥から絞り出される。
肌がひんやりした外気にさらされ、いよいよ
これから自分がどのような末路を辿るのか、強く
実感する。じわりと。だが、もう誤魔化し様も
なく致命的な恐怖と嫌悪が心の中で醸造される。
「…………ぅ、ぁ」
「ひゅーッ! 胸は謙虚だが綺麗な肌じゃん!
うわ、やっべ勃ってきた……おや?どうしたのー?
なんか急に押し黙っちゃってさー、元気ないよ?」
負けるものか。屈するものか。私は誇り高き
フィーベル家の娘だ。魔術師にとって肉体など
しょせん、ただの消耗品ではないか。唇を震わせ
ながら自分自身に言い聞かせる。
「そもそもさぁ〜あの白髪のガキ、確か……
ウィルだっけか? あの餓鬼が死んだのはさぁ
ぜえ〜んぶお前の身勝手な行動のせいなんだぜ?」
ジンはニヤリと悪意ある笑顔でシスティーナに
そう言うとそんなシスティーナの脳裏にはウィルが
窓から落ちていく姿が浮かび理性とは裏腹に口は
勝手に違う言葉を紡ぐ。
「……あ、あの……」
「ん? 何?」
「……やめて…ください……」
その一言が出てしまった瞬間、もうどうしようも
なかった。これから我が身を汚されてのだという
悲嘆に、初めては本当に好きになった人に捧げた
かったという密かな夢の思うと理不尽な終焉と
そして自分自身の身勝手な行動のせいでウィルは
ジンの《ライトニング・ピアス》を身に受けて
しまいには教室の窓から落下していく姿を思い出
してしまったシスティーナは恐怖と罪悪感二つの
感情がぐちゃぐちゃと混ざり合って涙をぼろぼろ
とあふれさせ、身体を震わせていた。
「あ、あの……お願いします……それだけはやめて
……許して……」
システィーナはジンの声を聞いた瞬間、先程教室
の窓から落下した血塗れのウィルの姿が脳内で
フラッシュバックして鮮明に思い出してしまう。
忘れたくても自分身体を舐めるように触っている
この『目の前の人でなしの外道魔術師』の声が
忘れることを許さない。
「ぎゃははははははーーッ!
落ちんの早すぎんだろ、お前!
ひゃははははははッ!」
ひとしきり笑ってから、冷酷な目でジンは
なきじゃくるシスティーナを見下ろした。
「悪いがそりゃできねえ相談だ……
ここまで来ちゃ引っ込みつかねーよ」
「……やだ……やだぁ……お父様ぁ……
お母様ぁ……助けて……誰か助けて……」
「うけけ、お前、最っ高!
てなわけでいただきまーす!」
「嫌……嫌ぁあああああああーーッ!」
ジンの手が必死に身じろぎするシスティーナの
肌に伸びて行った、その時だった。
『がちゃ』
実験室の扉間抜けな音を立てて開いた。
「は?」
「……え?」
開かれた扉の向こうに男が棒立ちしていた。
グレンだった。
「えーと?」
グレンは身体を重ね合っている二人を見て
気まずそうに頬をかく。
「すまん。邪魔したな。ごゆっくり……」
そい言って、開いた扉をゆっくりと閉めてーー
「行くな閉めるな助けなさいよーーッ⁉︎」
システィーナの叫びに、グレンは渋々といった
表情でため息をつきながら、再び扉を開いて部屋
の中に入ってくる。
「あー、やっぱりそうなの? そういう胸くそ悪い
展開だったの?てっきり両者合意の上でやってる、
ちくしょうバカップル爆発しろ的展開かとだと
思ったのだが……」
「んなわけあるかーーッ⁉︎」
一方、グレンの出現にあっけに取られていたジン
だったが、すぐに我に返ってシスティーナから
飛び退き、グレンに向かって身構えた。
「何者だテメェはッ⁉︎」
「一応、この学院の講師をやってる者です。
一応、先生として忠告するが、お前、そういうの
一応、犯罪だぞ? いくらモテないからってだな、
一応……」
グレンは何かズレた事を言っていた。
まるで不良生徒に説得する接し方だ。
(ーーしまった)
システィーナは思い出した。切羽詰まった
状況だったため、ついグレンに助けを求めて
しまったが、このジンという男は強大な力を持つ
魔術師だ。グレンは講師としての力量は優れて
いるが、魔術師としての力量に優れているとは
言えない。
「うるせぇ! 一体、どっから湧いて
出てきやがったんだテメェッ⁉︎」
「おい、人をゴキブリ扱いするな。
ゴキブリに失礼だろ⁉︎」
「誰もそこまで言ってねーよ⁉︎
っていうかお前、どんだけ自虐思考なの⁉︎」
グレンとジンが魔術で争えば……間違いなく
グレンは殺される。グレンは三節詠唱しか
できない。ジンのあの超高速一節詠唱に対抗
できるはずもない。
「だ、だめ……ッ! 先生、逃げて!」
「お前、助けろっつたり、逃げろっつたり、
一体どっちなんだよ?」
「いいから早く! 先生じゃそいつには敵わない!」
「もう遅ぇよッ!」
痺れを切らしたジンがグレンに指を向けた。
それに応じ、グレンも手を動かすーーが、遅い。
「《ズドン》ッ!」
瞬時に呪文は完成し、ジンの指先から迸る雷光が
グレンに容赦なくーー
「…………は?」
黒魔【ライトニング・ピアス】は起動しなかった。
完成と共に指先から飛ぶはずの雷光が一向に
発生しない。
「くっ……《ズドン》ッ!」
ジンは再度、呪文を唱える。 結果は同じだ。
「ど……どうなってやがる……ん?」
その時、ジンはグレンが手に何かを持っている
ことに気づいた。
「愚者の……アルカナ・タロー?」
総数二十二枚からなるアルカナのナンバー0、
愚者のカードだ。
「てめぇ……なんだ、そりゃ?」
「これは俺特製の魔導器だ」
グレンがカードの絵柄をジンに見せ付けながら
言った。
「この絵柄に変換した魔術式を読み取ることで、
俺はとある魔術を起動できる。それはーー俺を中心
とした一定領域内における魔術起動の封殺」
「な……」
「残念だった。お前の呪文詠唱速度がどれだけ
速かろうが、もう関係ねーよ」
「魔術起動の……遠隔範囲封印だとぉ?」
確かにシスティーナ達が受けたような、
魔術の起動を封印する術式はある。
黒魔【スペル・シール】と呼ばれる魔術だ。だが
それは付呪が前提であり、しかもこの魔術に限って
は相手の身体に呪文を書き込み、 魔術効果付与する
という特殊な手順を踏まなければならない。
実戦でそんな手間のかかることを許す魔術師は
いない。それに対し、グレンは紙切れ一枚を
ちらっと見るだけで広範囲にわたる魔術起動を
完璧に封殺できると言うのだ。
「それが俺の【固有魔術】 『愚者の世界』」
「ま…魔術の固有魔術⁉︎ まさか‼︎
テメェそんな域に至ってるってのか⁉︎」
「……‼︎」
(そんな術…聞いた事もない…‼︎
どれだけ素早い詠唱もこの術の前じゃ無意識…‼︎
先生が三節詠唱しかできなくてもワンサイドゲーム
なんてもんじゃないわ‼︎ そんな反則級の術の使い手
だったなんて…‼︎)
システィーナがそんな事を考えているとグレンは
ある爆弾発言を二人にした。
『ま、俺も魔術起動できないけどな』
「…………」
「「は?」 」
グレンが不意につぶやいた言葉にシスティーナと
ジンも思わず目が点になった。
たっぷりの数秒間、不思議な沈黙がその場を
支配する。
「いや、だって、俺も効果領域内にいるじゃん?
俺中心に展開する魔術なんだし」
「な、なーーなんの意味があるのよ、それ⁉︎」
システィーナもたまらず突っ込み入れてしまった。
「ぎゃははははーーッ⁉︎ お前、馬鹿じゃねーーの⁉︎
魔術師が自分の魔術まで封印しちまってテメェ
どうやって戦う気なんだよ⁉︎」
「は? いや……別に魔術なんかなくたって拳が
あるだろ?」
グレンは口元を緩めながら、魔術師らしからぬ、
おかしなことを言った。
「は? 拳?」
「うん、拳」
突如、グレンが爆ぜるように動いた。
一瞬でグレンとジンの距離が詰まる。剃刀のように
鋭い踏み込みから放たれた左ジャブがジンの顔面を
軽捷に突き、刹那に続く右ストレート一閃。
「ぐぁあああああっ⁉︎」
電光石火のワンツーによってジンの身体は
吹き飛ばされ、壁に叩きつけられた。
「え? 嘘……何、今の動き……」
全然、見えなかった。システィーナは呆然と
グレンを見つめる。
グレンは身体を半身に、やや猫背に、両の手の甲を
相手に向けてわずかに回転させるーー古式拳闘に
似た構えを取っている。軽くステップを踏みながら
油断なくジンを見据えていた。
「や、野郎ぉーーーッ!」
起き上がったジンは激情に任せてグレンに
殴りかかった。
だが、グレンはジンが放った拳に、上から
被さるようなカウンターを合わせる。
その挙動はバネのようにしなやかで、荒波のように
力強く、そして、速い。
「がーーッ⁉︎ ふぐ⁉︎」
拳がジンの素顔に再びめり込むと同時に、グレンは
鋭く体重をする。ジンの脇腹に深く膝蹴りを入れ、
ジンの腕と胸元を取り、足払い、背負うように
投げ飛ばす。
「ぎゃあああああっ⁉︎」
再び壁に叩きつけられて、ジンが悲鳴を上げる。
「うーん、やっぱり鈍ってるなー。
久しぶりだからなー」
当のグレンは指をぽきぽき鳴らしながら、
だるそうにそんなことをぼやいていた。
「て、てめぇ……」
鼻血を拭きながら、よろよろとジンが起き上がる。
「あら? 驚きました? 実はボク、昔、近所の道場
で拳闘などを少々……」
「ふ、ふざけるな! 妙なアレンジが加わっちゃ
いるが、今のはれっきとした帝国式軍隊格闘術
じゃねえか⁉︎ しかもかなりの使い手……テメェ、
一体、何者なんだ⁉︎」
『グレン=レーダス。非常勤講師だ』
その言葉にジンが幽霊に出会ったかのような
表情で目を見開く。
「グレン、だとぉ……テメェがか⁉︎ まさか、
キャレルの奴が敗れたってのか⁉︎ 冗談だろ……⁉︎
アイツほどの 魔術師が……ッ⁉︎」
だが、それもありえる話はあった。このグレンと
いう男は周囲一帯の魔術を含めて封印するなどと
いう、マトモな魔術師なら考えもつかない馬鹿げた
ことを平気でやる男だ。この格闘術の異常な練度の
高さも恐らく、対魔術戦をその封印魔術を前提に
しているからだろう。
この男の前では生粋の魔術師ほど、無力な存在と
なってしまうのだ。
「クソッ! ふざけるな、ふざけるなよっ!
魔術師が肉弾戦で雌雄を決するだと⁉︎ てめぇ、
魔術師としてのプライドはねーのか⁉︎」
「お前、そんなに魔術以外で倒されるの嫌なの?
もう、しょーうがねーな。じゃあ、これからお前に
放つ一撃は【魔法の鉄拳マジカル☆パンチ】って
いう伝説の超魔術な? 今、開眼した」
「は?」
「え?」
唖然とするジンに向かって、グレンが拳を構えて
突進した。
「魔法の鉄拳ーーー」
「う、おおお⁉︎」
グレンが引き絞った拳に反応して、ジンが両腕を
交差させて顔面をガードする。
「マジカル☆パァアアアアアンチッ!」
そのままグレンは右足を振り上げて、ジンのガード
の隙間を縫うように、旋風のような上段回し蹴りを
ジンの側頭部へと叩き込む。
「ぎゃぁあああああああああーーっ⁉︎」
猛烈に蹴り倒されたジンは床を派手に転がって
いった。
『説明しよう。【魔法の鉄拳マジカル☆パンチ】
は、なんかよくわからない魔法の力で、パンチ
の二倍と言われるキックに匹敵する威力が出る、
なんかもう凄い魔法のパンチなのだ』
「ていうか……『パンチ』じゃなくて実際に、
『キック』だった……だろ……」
「ふっ、そこがなんとなくマジカル」
「くっそ……このオレがぁ……ッ!
こんな……ふざけた奴に……ッ! がは……」
その言葉を最後に、ジンの意識は完全に暗闇へと
落ちた。
システィーナはほんのちょっとだけ、ジンに同情
していた。
「これでよし、と」
グレンは気絶したジンに油断なく注意を払い
ながら、自分の範囲封印魔術の効果が切れるの
を待ち、【マジック・ロープ】でジンの手足の
動きを封じ、【スペル・シール】を付呪してジン
の魔術を封じ、【スリープ・サウンド】を重ねて
かけた。
それから全裸にひん剥いて、さらに亀甲縛りに
縛り上げ、全身に見るにも無惨な落書きを書き
込んで、最後に股間へ『不能』と書いた紙を
貼った。
「ふぅ、これで完全無力化だ。
やれやれ魔術師の捕虜の扱いはこれだから
厄介なんだ」
それでもそこまでするのになんの意味があるんだと
システィーナが思っていると、システィーナの肩
に、ばさりと男物のシャツがかけられた。
「先生……?」
振り返って見ればタンクトップ姿になったグレン
がシスティーナの、あられもない姿をなるべく
見ないように、あさっての方を向いている。
「怖かったろ。怪我はないか?」
「私は大丈夫……先生が助けてくれたから」
「そうか。間に合ってよかった。
今、その【マジック・ロープ】を解いてやる」
グレンは黒魔【ディスペル・フォース】の呪文を
唱え、システィーナの腕をを縛りつけていた
【マジック・ロープ】と【スペル・シール】の
付呪効果を打ち消した。
腕が自由なったシスティーナはグレンのシャツに
腕を通し、ボタンを留める。
グレンはシスティーナと目を合わせようとは
しなかった。
「せ、先生……貴方……」
微妙な沈黙に耐えられず、システィーナがグレンに
声をかける。
「聞くな。頼む」
すると、グレンはばつが悪そうに拒絶した。
「わかっちゃいたんだよ……俺には人を教える
資格なんてないってな。誰かを教え導くには、
手が汚れ過ぎている……」
「いや、そうじゃなくて、あの……ズボン、
ずり落ちてますよ?」
「おおぅっ⁉︎」
どうやら最後の回し蹴りでベルトの金具が
弾けたらしい。グレンのズボンはいつの間にか
膝下までずり下がり、下着が丸見えになっていた。
「ああ、もう、ちくしょう!
これだから安物はーっ!」
「先生ってホント締まりませんね……」
慌ててズボンを引き上げる間抜けな姿に、
システィーナは呆れるしかない。
『でも……生きててよかった……』
「ん? なんか言ったか?」
「別に」
システィーナはどこか不機嫌そうに、ぷい、と
そっぽを向いた。
「……? まぁ、いい。とにかくだ。
状況を教えろ、白猫。一体、何が起こったんだ」
「あ……はい……」
システィーナは一連の出来事を説明した。
いきなりテロリストを名乗る二人の魔術師が教室に
やって来た事、教室の生徒達がなんの抵抗も出来ず
拘束されて閉じ込められていること。そしてグレン
はウィルが窓から落とされた事を聞いて自身の無力
さを感じてしまう。
しかし、気になるのはーー
「ルミアが連れて行かれた?」
「……はい」
システィーナは悔しそうに、哀しそうに目を
伏せる。
「なんでアイツが?」
「わかりません」
「そうか……しかし、となるとやっぱ
早まったか?」
「先生?」
「あー、いや、すまん。独り言だ。お前を
助けられたんだ。判断は正しかったとしよう」
「で…でも…ウィルは……こいつの…こいつの
《ライトニング・ピアス》のせいで…ッ‼︎」
システィーナはギリッ‼︎ と歯ぎしりを立てながら
【マジック・ロープ】で縛られているジンに向けて
睨みつける。
「白猫‼︎ 落ち着け‼︎」
「でも…ッ‼︎ こいつのせいでルミアとウィルが‼︎」
「あぁ、二人共死なせられないよな……死なせて
たまるかよ」
グレンはシスティーナを落ち着かせながらも
決意を瞳に宿し、そして言った。
「俺が動く。敵の残りは二人だと決めつけて
暗殺する。もう、それしかない」
暗殺。その時、システィーナはそんな事をあっさり
と言ってのけたグレンに背筋が凍えるような恐怖を
覚えた。
だが、それ以上にやるせなさも感じた。
グレンは人殺しを覚悟した冷徹な瞳をして
いたが……どこか辛そうだったからだ。
「くは、くはははは……」
突然、その場に乾いた笑い声が響き渡った。
「……暗殺、か。けっけっけっ、まさかそんな言葉
があっさりと出るとはな……タダ者じゃねーとは
思っていたが……なんだ、お前もコッチ側の人間
かよ……クハハ……」
見れば、転がされているジンが意識を取り戻して
いた。
どうやら【スリープ・サウンド】の効きが甘かった
らしい。グレンは舌打ちしながらジンを流し見る。
「否定はしねーよ。しょせん俺も下種だ」
「ほう? じゃ、俺を殺さねーのか?
それとも可愛い生徒の前じゃ殺せねーかぁ?」
「先生と貴方を一緒にしないで!」
ジンの不愉快な言を聞いていられず、システィーナ
が肩を怒らせて叫んだ。
「先生と貴方とは違うわ!
なんもためらいなくゴミみたいに人を殺せる
貴方達とはーー」
「くはは! お前、そいつの何を知ってるんだ?
そいつは最近やって来たばかりの非常勤講師
なんだろ?」
「そ、それは……」
思わず言葉に詰まった。確かにシスティーナは
この約十二日間ばかりのグレンしか知らない。
セリカが連れて来た謎の講師。グレンが過去に
何をやっていたなんて何一つ知らない。
「断言してやる。 そいつは絶対、ロクな奴
じゃねえ。もう何人も殺ってきた……オレら
同じ外道さ。そういう人間だ。そういう目を
してやがる。オレにはわかるぜ」
システィーナはグレンに違うと一言否定して
欲しかった。
だが、グレンは何も言い返さない。
それは限りなく肯定に近い沈黙だった。
そして次の瞬間
「あ、あがああぁぁぁぁぁああああ‼︎」
実験室ではジンの叫び声が響き更には顔は痛み
のせいか顔を歪めていた。
グレンとシスティは今なにが起きたのか
分からなかったがジンを見るとジンの脇腹には
小さくて丸い穴が貫かれた後があった。
そして
「天の智慧研究会……いや、ジン=ガニス。
これより貴様の粛正を開始する」
これは『正義』為の『粛正』であり
『秩序を守る為執行』なのだから
グレンは声する方へ振り返ると血塗れの制服を
着ていたウィルが立っていた。
ここまで読んで頂きありがとうございます‼︎
『新しい作品』も投稿(連載)出来ないか考えて
いますのでこれからもよろしくお願いします‼︎
『あつまれどうぶつの森』やってみて凄く楽しい‼︎