ロクでなし魔術講師と白き大罪の魔術師   作:灰ノ愚者

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お久しぶりです‼︎ 何とか書けました‼︎


是非、書いた作品を楽しんで読んで見て下さい‼︎
天使の塵(エンジェル・ダスト)過去編】最後になります‼︎


【評価】や【感想】、【しおり】更には【投票】
など是非、お願いします‼︎


『意見』や『感想』などがありましたらこれからも
応援などお願いします!


それに自分なりに頑張って書きました‼︎


疲れた…更に肩凝った……(>人<;)


絶望と嘆きの焼却

 

そして次の日、グレンはセラとの任務の為、

セラの家に行きそしてノアはそんな二人を

見送っていた。

 

 

「グレン、セラお姉ちゃん……早く帰って

来てね……」

 

 

ノアは寂しそうにそう呟きながら家の中に入って

椅子に座って座椅子身を任せて色褪せていたが

誰もが知っていていてそして憧れるあの有名な本、

『メルガリウスの魔法使い』の本のページを

ペラペラと一ページ一ページを丁寧にめくりながら

リビングで読んでいた。

 

 

 

すると

 

 

コンコン。コンコン……

 

 

玄関前の扉を叩く音が聞こえた。

 

 

「誰だろう? もしかしてセラお姉ちゃん達

かな……?」

 

 

ノアはそう言って扉のドアノブを回して扉を

開けると自分の目の前には『赤い髪の女の子』が

目の前に立っていた。

 

 

「お姉さん……誰?」

 

 

「私は『イヴ』、『イヴ=イグナイト』今日は

あなたと大事なお話したくてここに来たのだけど

出来れば場所を移したいのだけどいいかしら?」

 

 

頭を傾げるノアにイヴはそう言うと

ノアは困った顔をして

 

 

「でも、グレンが知らない人について行っちゃ

駄目って言ってたから……」

 

 

 

 

ノアは他の人間から模倣して得た困った顔を

していた。そしてイヴはノアからグレンの名前を

聞いた瞬間、一瞬だか嫌そうな表情を浮かべるが

イヴは何事も無かったかの様に話しを続ける。

 

 

 

 

「大丈夫よ。私はグレンやセラとは知り合い

だから安心していいわよ?」

 

 

 

「本当……?」

 

 

 

「えぇ、本当よ」

 

 

 

「分かった。じゃあ、お姉さんと一緒に行く」

 

 

 

「そう、聡明ね。とても賢い考え方よ」

 

 

 

 

ノアはそう言ってイヴに頷いてセラの家を出て

イヴに手を引かれながらもイヴと一緒に外に

ついて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「グレン君、ノア君は喜んでくれるかな?」

 

 

「いちいち俺に聞くなよ……それにあいつなら

なんでも喜ぶだろ?」

 

 

グレン達は任務を終えて夕陽に染まる中、家に

帰っている途中に本屋があったので大量の本を

お土産に沢山買って帰っていた。

 

 

「もうグレン君…適当なんだから……」

 

 

「事実だろ? あいつは何だって新鮮に

見えるから何だって喜ぶだろうと思うぜ?」

 

 

グレンの言っている事は事実だった。ノアは普通

の子供より心は未発達で例えるならば『白い布』

である。どんな色にでも簡単に染まりやすいのだ。

 

 

 

 

「全く…ノア君がグレン君みたいに不真面目に

ならない様に教えていかなきゃいけないね?」

 

 

「おい‼︎ それはどう言う意味だよ‼︎ 白犬‼︎」

 

 

 

グレンはセラに聞くとセラは笑顔で

 

 

 

 

「だってグレン君がノア君に変な事を

教えてるでしょ?」

 

 

 

 

セラがグレンにそう指摘するとグレンの声が

裏返ってかなり同様して目が泳いでいた。

 

 

 

「へ、変な事とはなんだ‼︎ 変な事は‼︎

そういう白犬だってノアに甘すぎるだろうが‼︎」

 

 

「もう‼︎ また白犬って二回も言った‼︎ グレン君‼︎

何回も言ってるけど私は白犬じゃないからね‼︎」

 

 

 

「へいへい…分かったよ……」

 

 

 

「もう‼︎ グレン君‼︎ 全然、分かってないでしょ‼︎」

 

 

 

グレンとセラが話しながらセラの家に向かって

歩いているとグレンは『ある違和感』に気づいて

走り出すと筈のセラの家の扉が開いたままだった。

 

 

 

「おい‼︎ セラ‼︎ 扉が開いたままだぞ⁉︎」

 

 

 

「まさか……ッ‼︎ ノア君‼︎」

 

 

 

まさかの最悪の事態がグレンの頭よぎった。何故、

いきなり自分の頭によぎったのかグレン本人すら

分からない。いや、分かっているのに自分勝手な

都合の良い自分勝手な妄想を考えて今目の前ある

絶対に受け入れがたい絶望的で最悪な現実を

受け入れたくないから分からないフリしていた。

だが、残念な事に『軍人』として経験がそして

『宮廷魔道士団』として今迄培ってきた本能が

そう告げているのが嫌でも分かってしまう。

グレン達は家の中に危険がないか人気がないのを

確認しながら恐る恐ると家に入るとリビングには

ノア姿は無く奥の方のリビングに行くと

 

 

 

「こ、これは……」

 

 

 

部屋の中は荒らされた痕跡は全くなくテーブルの

上には『ある本』が乗っていた。それは誰もが

知っている有名な本の物語、幼少の頃、グレンが

セリカと一緒に毎日のように読んで憧れて夢見た

『メルガリウスの魔法使い』の本が目の前に

置いてあったのだ。

 

 

「こ、これは……まさか⁉︎」

 

 

「ああ、間違いない……ノアの本だ‼︎」

 

 

グレンはセラにそう言って拳を握り締めながら

悔しそうに言うとコンコンと扉を開けると

音が聞こえ、グレン達は音がする方を向くと

 

 

「取り込み中に悪いが邪魔するぞ」

 

 

 

「お前は……ッ‼︎ アルベルト‼︎」

 

 

「アルベルト君‼︎」

 

 

グレン達はアルベルトに驚いているとアルベルト

は二人を見て

 

 

「グレン、セラ。任務ご苦労だったな」

 

 

アルベルトは淡々と話すとグレンはアルベルトに

 

 

「アルベルト‼︎ すまねぇがノアが……ノアがいなく

なっていたんだ‼︎ 俺達は今から陛下に捜索願いの嘆願

を出してくるから一緒に来てくれないか⁉︎」

 

 

グレンはアルベルトにそう言うがアルベルトは

グレンとセラに平然と何事もなかったかの様に

 

 

「グレン、その必要はない…ノア=アイゼアは

今、『特務分室』に移動してもらい安静にして

もらっている」

 

 

アルベルトがその言うとグレン「は…?」と意味が

分からんとした表情浮かべて更に声を出していた。

セラは信じられなかったのか顔色が真っ青になり

「ど、どうして……」と手で口を塞ぎながら呟き

ながら青ざめていた。

 

 

「おい‼︎ アルベルトどうして……どうしてノアが

特務分室にいるんだ‼︎ 答えろ‼︎ アルベルト‼︎」

 

 

グレンはアルベルトの胸ぐらを掴んで今にも

殴り掛かろうとしていた。

 

 

「それにあいつはまだ何も知らない子供だぞ‼︎

そんな世間の事を知らない子供を捕まえて更には

特務分室に連れて行くなんて一体何考えて……」

 

 

グレンは言おうとすると何かを察したのかガリッ

と歯軋りして更にギロリと鋭い視線をアルベルトに

向けて睨みつけていた。

 

 

 

「…なるほど…そういうことか……あいつ…

イヴの野郎の仕業か? そして『今回の件』を

数日前から聞かされていたてめぇはその内容を

理解していて俺たちに黙って行動していた…

そうだろ?」

 

 

グレンはアルベルトにそう言うとアルベルトは

表情を変えずに

 

 

『そうだ……今回の件はイヴの仕業だ。そして

俺は今回の件は前から計画全てを知っていて

見て見ぬ振りをしていた』

 

 

「てめぇ‼︎」

 

 

 

グレンはアルベルトの胸ぐらを掴んでいた手を外して

ペネトレイターをアルベルトに銃口をガチャリ‼︎ と

向けて警戒しながらも睨みつけて愚者のアルカナの

タローを懐から出してアルベルトの目の前に向けて

構えていた。

 

 

 

「グレン…貴様、本気か?」

 

 

 

「本気じゃなかったら何の躊躇いなくてめぇに

銃を向けてねぇよ‼︎」

 

 

「そうか………」

 

 

アルベルトは鋭い眼光でペネトレイターを向ける

グレンを睨みつけてそう言うとグレンはアルベルト

から視線を逸らさずに右手の銃の引き金に指を

通して少し強く握っていると

 

 

「二人共いい加減にして‼︎」

 

 

「セラ……」

 

 

セラは大声を出して顔を真っ赤にしながら大声

で叫ぶとグレンは小さな声でセラの名前を呟く。

 

 

「私は一人でも特務室に行くからね‼︎」

 

 

セラがアルベルト達にそう言うとアルベルトは

溜息をつきながら

 

 

 

「安心しろ…イヴから二人を呼ぶ様にただ言われた

から来ただけだ」

 

 

 

「そうなんだね……わかった」

 

 

 

セラは納得してそう言った。しかし、グレンは

アルベルトに向けたままで一向にペネトレイター

を下ろそうとはしない。

 

 

「グレン君。銃を下ろして……」

 

 

 

「無理だ……こいつらは俺達がいない間、

何の一言もなくこんな事をするんだぞ‼︎」

 

 

 

グレンはアルベルトを睨みながらそう言うと

 

 

 

「グレン……貴様は俺がこんな事を望んでやって

いると思うか?」

 

 

 

「アルベルト君……」

 

 

「アルベルト……」

 

 

グレンとセラはそう言うとアルベルトは

忌々しそうに

 

 

「どんなに上層部が腐った指示でもそれでも必要だと

思ったからだ…そうする事によってノア=アイゼアが

腐った上層部に利用される可能性を少しでも下げる為

にもあるからな」

 

 

 

「アルベルト……すまねぇ……冷静じゃなかった」

 

 

 

グレンはアルベルトにそう言ってペネトレイター

をホルスターにしまって頭を下げていた。

 

 

 

「分かってくれればいい……それにイヴから二人を

連れくるように言われたから俺はここまで来ただけだ。

それに任務だったからしたまでだ」

 

 

 

アルベルトは無愛想に言うがグレン達は先程の

アルベルトの言葉を聞いてやはり頼りになる人物

だと改めて思った。

 

 

 

「分かった、行くぞ。セラ……」

 

 

「うん、そうだねグレン君……」

 

 

 

グレン達はそう言ってアルベルトに付いて言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「遅かったわね。グレン。セラ?」

 

 

 

グレン達は特務分室に向かって辿り着くと特務分室

ではイヴがグレン達に笑顔でそう言って室長室の

椅子から立ち上がりカツカツとヒールの音を立てて

グレン達に近づいて行く。

 

 

 

「イヴ‼︎ てめぇ‼︎ 俺達がいない間にノアを連れて

一体、何を考えてやがる‼︎ ノアをどこにやった‼︎」

 

 

 

「野良犬みたいに騒がないでくれるかしら?

本当に耳障りでうるさいわよ。グレン?」

 

 

イヴはクスクスと人を小馬鹿した様な顔で

笑いながらグレンに言うとセラは

 

 

 

「イヴ……ノア君はどうして特務分室に連れて

行かれたの?」

 

 

セラがイヴにそう聞くとイヴはセラを見て

真剣な表情をして

 

 

「いいでしょう……今回はセラに免じて特別に

教えてあげましょう…とりあえず付いて来なさい。

後、私を倒そうなんて馬鹿な事を考えないでね、

グレン?」

 

 

イヴはそう言って特務分室の扉を開けた。

 

 

「分かったよ……付いて行けばいいんだろ……」

 

 

グレン達はイヴの言葉の指示に従って特務分室

を出てイヴについて行くと

 

 

「ここよ」

 

 

イヴは二人にそう言って扉の厳重で高度な術式の

パスワードを解いて部屋の中に入ると

 

 

 

「こ、これって……」

 

 

 

「……う、嘘だろ……?」

 

 

 

グレン達が驚いたのは無理もなかった。

何故なら──

 

 

 

 

 

 

中には大量の機械が置いてあり定期的に鳴る機械音。

そして横になったノアの体中には複数のコードや沢山

の鎖が繋がれていて目隠しや口当てなどを大袈裟に

つけられており更には【マジック・ロープ】や高度な

【特別な上位の封印術式】などが巻き付けられていた。

 

 

 

「イヴ‼︎ テメェ‼︎ いくらなんでもやって良い事と

悪い事があるだろうが‼︎」

 

 

 

グレンはそう言って懐から『愚者のアルカナ』を

出して更にグレン愛用のイヴ・カルイズの火薬を

『魔銃・ペネトレイター』に装填してグレンは

ペネトレイターを構えて銃口をイヴに向いていた。

 

 

 

「グレン君⁉︎ 落ち着いて‼︎」

 

 

 

セラはなんとか落ち着かせようとする。

しかしセラのそんな努力も虚しく

 

 

 

「グレン、セラ。貴方達がどんな絵空事の理想像を

見るのは勝手だけどこの子に貴方達の勝手な理想像

を教えて押し付けるのはやめてくれないかしら?

正直、迷惑なのよ」

 

 

 

「それはこっちの台詞だ‼︎ そもそもノアは

俺達が陛下から許しを頂いてやってんだよ‼︎」

 

 

 

するとイヴはグレンの言葉にクスクスと笑って

 

 

 

「貴方がそう言うと思ってちゃんと陛下からの

許しは得ているわよ? はい、これがその証拠の

任命書よ。これで貴方に彼の事でとやかくと文句

は無いはずよね?」

 

 

グレン達がその任命書を見るとグレンはイヴから

任命書奪い取って確認すると確かにアリシア七世

のサインがあった 。グレンはそれを見た瞬間、

物凄い殺気を出してイヴを睨みつけて目の前で

容赦なく任命書を()()()()()

 

 

 

「グレン……貴方、陛下からの任命書を破り捨てる

って事の意味を理解してやっているのかしら?」

 

 

 

「ざけんな‼︎ どうせてめぇの事だ‼︎ 裏で上層部の

奴らと結託して隠蔽工作などをしたんだろ‼︎」

 

 

 

グレンがそう叫びながらペネトレイターを

ガチャリと音をさせるとイヴは溜息を吐き

ながら視線を二人へ向ける。

 

 

 

「グレン、貴方ちゃんと言葉を選んで言っているの

かしら? それにペネトレイターを私に向けるなんて

『私の駒』としては失格よ?」

 

 

 

「うるせぇ‼︎ どうせてめぇの権謀術数で陛下を唆して

丸め込んだんだろ‼︎ それにテメェの駒になったつもり

は全くもってない‼︎」

 

 

 

グレンが声を荒げるのも無理もない貴族達による

国家運営への干渉が激しく、特に治安部門は上層部と

繋がりの深いイグナイト家によって牛耳られている。

実は職員達の制服の徽章は全てイグナイト家によって

魔術的な工作がされており、治安関係に関係する情報

は全てイグナイト家に筒抜け状態になっている。

混交玉石の情報も存在するが、これによって帝国を

支える功績のほとんどはイグナイト家が独占する状況

となってしまっている。

 

 

 

グレンはそう言ってノアに近づいてノアに巻き付いて

いた【マジック・ロープ】や複雑でかなりの階級が

高い作ったであろう高度で複雑な封印術式などを

黒魔【ディスペル・フォース】の呪文を唱えてノアを

縛ていた【マジック・ロープ】と【特別な封印術式】

の付呪効果を打ち消そうとしていた。

 

 

すると──

 

 

 

 

「グレン……それ以上その拘束具を外したりしたら

タダじゃ済まないわよ?」

 

 

 

イヴはその二つ名の所以となった指定した領域内

における炎熱系魔術の起動を行いそしてイヴが

得意とする『五工程』(クイント・アクション)

すべて省略できる眷属秘の【第七圏】をこの部屋

に使った。

 

 

 

「こ、これは……⁉︎ 宮廷魔道士団特務執行官No. 1

魔術師イヴのご自慢の魔術イグナイト家の秘蔵の

『眷属秘呪』【第七圏】か⁉︎」

 

 

 

グレンがそう叫びながらイヴに言うと

イヴは真剣な表情をしてグレンに近づき

 

 

 

「グレン、セラ、彼は私達とは違う別の存在……

つまり、人知を超えた存在なのよ‼︎ なのにそれを

使わないで人間のように生活させる…? 本当に

馬鹿じゃないの‼︎ 更に私達の誰もが知っている

『メルガリウスの魔法使い』に続く伝説の逸話だと

思って諦めていた『白き聖杯』を使った『X計画』

の成功例が今、ここにいる‼︎『神々の神聖な力』

を使えばかなりの『戦力としての駒』としてかなり

の期待出来るのよ⁉︎」

 

 

 

イヴは二人にそう言って徐々に興奮して声を

荒げていく。

 

 

 

「でも残念な事に彼には足りない部分があるわ。

例えば『感情』とかがね。彼の感情はね赤ん坊

みたいに『まだ純粋過ぎる……』だからそんな

彼に『兵器』として『駒』としての喜びをしっかり

教えてあげれば彼は『最強で忠実な駒』に出来る。

それに現時点でのうちの戦力は『帝国軍のエース

のリィエル』がいるけど彼女だけじゃまだ戦力は

足りないわ‼︎」

 

 

「だからってそんな自分勝手な理由であいつを戦場

に出していい理由なんかになる筈がないだろう‼︎」

 

 

 

するとイヴは溜息をつきながらグレンに冷たい

視線をして淡々と言葉にしていく。

 

 

 

「グレン、セラ。これはトップシークレットの

極秘事項だけど貴方達には教えといてあげるわ。

『特務執行官No.11 正義ジャティス=ロウファン』

との連絡が途絶えたのよ……だからもしかしたらと

思って二つの仮説を私なりに立てみたわ」

 

 

 

「それって、何なのイヴ……?」

 

 

 

セラはイヴに不安そうに聞くとイヴは指を

二本と突き出して答える。

 

 

 

「一つ目は『誰かに殺された可能性』二つ目は

『裏切った可能性』そのどちらかが怪しいと考えて

いるわ」

 

 

 

「そんな……」

 

 

 

セラがそう言うとイヴは更に話しを続ける。

 

 

 

「だから彼にはジャティスがいなくなった時の

戦力の補充をしようと考えているわ。それに

あの力があればあの帝国の長年の宿敵である

『天の智慧研究会』すら壊滅させるのだって

不可能じゃないわ‼︎」

 

 

 

「イヴ‼︎ てめぇ‼︎」

 

 

 

グレンは帝国式格闘術の構えをしてイヴに

向かって殴り掛かろうとすると

 

 

 

「報告します‼︎ 外に大量のエンジェルダストの

感染者が街の中にいます。是非、対処及び処理を

お願いします‼︎」

 

 

 

一人の兵士がそう言うとイヴは帝国の兵士に

「分かったわ」と言うと兵士はその場を急いで

去っていった。

 

 

 

「グレン、セラ。悪いけど街に行って感染者達の

後片付けに当たってもらっていいかしら?」

 

 

 

「ざけんなよ‼︎ ノアにこんな事をしといて更には

感染者の後片付けを俺達に押し付ける気かよ‼︎」

 

 

 

グレンはペネトレイターを下ろしてイヴを睨み

つけて聞くとイヴはグレン達に視線を向けて

当然のように答える。

 

 

 

「当たり前でしょ? グレン、貴方達は私の大事な

『戦力と言う名の駒』なんだから」

 

 

 

イヴがグレンにそう言うとグレンはもう我慢の限界

だったのか拳を握り目の前にいるイヴに殴り掛かろう

とするとセラがイヴとグレンの間に割って入る。

 

 

 

「やめてよ‼︎ グレン君‼︎」

 

 

 

「セラなんでそいつを庇うんだよ‼︎ そいつは

ノアを兵器にしようと考えてやがるんだぞ‼︎」

 

 

 

「確かに……私もイヴのその考えは賛同なんて

出来ないし理解出来ないよ」

 

 

 

「だったら‼︎」

 

 

「でも、今ここで感染者達をどうにかしないと

なんも罪もない他の人達も被害に遭うんだよ?」

 

 

 

「そ、それは……」

 

 

 

グレンは本当は分かっていた。今どちらを優先する

べきかを。だが、今それを選べばまさにイヴの

思い通りになっているようでとても嫌だった。

 

 

 

「グレン君。お願い……私達が一体、何を守るべきか

見失わないで……」

 

 

 

セラは今にも泣きそうな瞳でグレンを見つめると

イヴはニヤリと笑いながら更に話しを続ける。

 

 

 

「被害は感染者だけじゃない帝国の要人や軍の高位の

魔道士達が片っ端から殺されていたわ。このままだと

被害は絶対に拡大するわよ?

確実にね」

 

 

 

イヴがそう言うとグレンはイヴの言葉に顔を歪め

ながら何かを決めた表情をしながらイヴに視線を

やる。

 

 

 

「分かったよ……だが、勘違いすんなよ…行くのは

お前の指示だからじゃねぇ……自分の意思で行動して

行くんだからな? この任務が終わったらノアの事を

話し合うからな」

 

 

 

「ふふっ、最初からそうすれば良いのよ。貴方達

は私の指示の元に動く大切な駒なんだから」

 

 

 

「てめぇ……ノアに何かあったらテメェを

死んでも許さねぇからな……」

 

 

 

グレンは歪んだ表情を隠そうとせずにイヴを

殺そうな勢いのある殺気を瞳に宿していた。

 

 

 

「グレン。貴方も忘れないで頂戴、貴方達は

私の駒なの、私の元でただ黙って従って任務を

遂行すれば良いのよ。それに貴方に怒られる

筋合いはないわ。むしろ私の配慮に感謝して

ほしいくらいだわ。 セラが止めなかったら

眷属秘の【第七圏】を容赦なく貴方に向けて

発動させていたわよ?」

 

 

 

「ちぃ……やっぱりてめぇはジャティス同様

胸糞悪くて嫌いだ……」

 

 

 

グレンはイヴにそう言って扉を勢いつけて

開けて出て行った。

 

 

 

「…貴方も同じ意見かしら…セラ?」

 

 

 

「そうだね……私もグレン君と同じかな……ノア君

を戦場に出したくなかったし、それにノア君には

兵器じゃなくて人間らしく生きさせてたかったよ」

 

 

 

セラはイヴに「グレン君を追いかけるね?」

と言って部屋を出て行くとイヴは俯いてノアが

寝てる硝子越しの硝子に持たれていた。

 

 

 

「私は間違ってなんかないわ……それに私は

早く正確な成果を出さないといけないのよ。

それにしてもグレンは私をジャティスと同様に

扱うなんて…相変わらず、全くもって本当に

気に入らないわ……」

 

 

 

イヴはそう呟いていると部屋の扉が開き『法皇』

の『クリストフ』が兵士を連れて入って来た。

 

 

 

「イヴさん緊急です‼︎ エンジェルダストの

感染者達が更に大量に出現しています‼︎」

 

 

 

「‼︎ 分かったわ‼︎ 私も現場に向かってアルベルト

と合流して対応に当たるわ! この部屋の護衛は

ここにいる兵士達に任せるわ」

 

 

 

「「「「分かりました‼︎」」」」

 

 

 

兵士達がそう言うとイヴとクリストフは

その部屋を後にしてアルベルトがいる

戦場に向かって行った。

 

 

 

イヴ達と別れた後、兵士達の隊長が兵士達に

喝を入れる為に大きな声で兵士達に言っていた。

 

 

 

「いいか‼︎ なんとしてもこの部屋にいる『X計画』

の成功例を守り抜くのだ‼︎」

 

 

 

隊長がそう言うと一人の兵士が隊長の前に出て

来てニヤニヤと笑っていた。

 

 

 

「貴様‼︎こんな時にふざけているのか‼︎」

 

 

 

兵士達の隊長がそう言うとその兵士は更に

ニヤリと口元を歪めていた。

 

 

 

「ふざけていないよ? 僕はいつだって

『正義執行』の時にふざける程、愚かじゃない。

至って大真面目だ」

 

 

兵士は隊長にそう言って指を【パチン】と

鳴らすとその兵士の周りの兵士達の絶叫が

響き大量の血飛沫が飛び散る。

 

 

 

「ぎゃぁああああああああああ⁉︎」

 

 

 

「た、助けてくれ‼︎」

 

 

 

「死にたくない‼︎」

 

 

 

前も後ろからも兵士達がそう叫びながら一人、二人

と逃げると男はそれを見逃さずに逃げる兵士達に

指を向けて鳴らすと逃げる兵士達の身体が バラバラ

になって崩れ落ちていく。それを見た隊長は顔色を

真っ青になって男を見る。

 

 

 

「き、貴様一体何者だ‼︎」

 

 

 

すると男は隊長を見て右腕を上に上げていた。

 

 

「僕かい? 僕はね……」

 

 

男はそう言ってパチンと鳴らすと男の兵士の姿が

徐々に変わっていき

 

 

 

「き、貴様は……『ジャティス=ロウファン⁉︎』」

 

 

 

隊長はそう言うとジャティスは指を鳴らして隊長

の身体を人工精霊(タルパ)を使ってバラバラにして扉の前

に立って扉のパスワードをあっさりと解除した。

 

 

 

「しかし、彼等上層部の中にも『彼』の力の事を

分かっていた奴らがいたとはね……」

 

 

 

ジャティスはそう言ってノアが寝てる部屋に

近づきながら人工精霊(タルパ)を使って硝子を切り刻んだ。

そして硝子が音を立てて壊れるとジャティスの顔

は無邪気な笑顔だった。それはプレゼントを目の前

にしてワクワクして楽しみにしている子供のよう

だった。

 

 

 

「ノア=アイゼア……君はやっぱり素晴らしい‼︎

君を初めて見た時から『正義の魔法使い』……

いや、君には『世界の救済者』に『正義』や

『神』(裁く者)そのものに相応しい‼︎」

 

 

 

ジャティスは両手を広げ喜びながらノアの身体に

巻き付けある全ての付呪効果を無力化した。

 

 

 

「さあ、今こそ目を覚ましくれ‼︎

この悪に塗れた世界を救う気高き救済者よ‼︎」

 

 

 

ジャティスは大袈裟にそう叫ぶと

ノアは目を覚まし身体を起こした。

 

 

 

「……あ、れ? 此処はどこなの?

グレンとセラお姉ちゃんは?」

 

 

 

ノアは部屋を見渡しながら言うとジャティスは

目覚めたばかりのノアに

 

 

 

「君はグレンとセラに会いたいかい?」

 

 

 

「‼︎ も、もちろん会いたい‼︎ 会いたいよ‼︎」

 

 

 

「じゃあ、僕が二人に会わせてあげるよ」

 

 

 

ジャティスがそう言うと部屋を沢山の兵士達が

入って来た。

 

 

 

「反逆者ジャティス=ロウファン‼︎

貴様を拘束、もしくは討取らせてもらう‼︎」

 

 

 

護衛隊の隊長がジャティスにそう言うと

その隊長の首が一瞬にして飛んでいった。

 

 

 

「君達のような悪が僕を悪と語り論じるなんて全く

もって許せないよ。だから僕の絶対正義の名の下に

君達を粛正する‼︎」

 

 

 

すると兵士達は隊長がいないなって逃げ出していた。

しかし、ジャティスは逃げ出す兵士達を人工精霊(タルパ)

一瞬にして皆殺しにした。

 

 

 

「ど、どうして…こんな事をするんですか……?

相手は戦意は喪失していたのに……どうして……?」

 

 

 

ノアは口元を押さえながらも死んだ兵士の瞼を

ゆっくりと閉じてあげながら視線をジャティスに

向けてジャティスに恐る恐る聞くとジャティスは

無邪気で満面の笑みで

 

 

 

「何故かって? もちろん、正義の為さ‼︎

正義の為には犠牲があるからね? それに君が

心を痛む必要はないよ?何故なら彼等は悪だ。

だから僕が正義執行をする事で悪は減っていき

更に僕は正義の魔法使いに近くなっていく……

と言いたいけど…『彼』を倒さないとねえ……」

 

 

 

 

(正義の魔法使い……? そして、彼…?)

 

 

 

ノアはそんなジャティスの言葉を聞いて混乱して

いるとジャティスはノアを抱えて人工精霊(タルパ)に乗って

窓を破って逃げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

街には大量の天使の塵(エンジェル・ダスト)の感染者が湧き上がって

『斧や包丁』などの『刃物』や『鈍器』を使って

『二人』を襲っていた。

 

 

 

「あ"あ"ぁぁぁぁ‼︎」

 

 

 

「クソが‼︎ イヴの野郎やっぱり増援をよこさずに

俺達をただの使い捨ての囮にしようとしやがって

ぜってぇ許せねぇ‼︎」

 

 

 

グレンがそう呟やくとグレンの背後から天使の塵(エンジェル・ダスト)

の感染者が斧を持って振りかざそうとしていた。

 

 

「あ"あ"あ"ああぁぁぁ‼︎」

 

 

 

「──ッ⁉︎ しまっ……‼︎」

 

 

 

「《大気の壁よ・二重となりて・我らを守れ》

──ッ!」

 

 

 

セラがそう叫び唱えると黒魔【エア・スクリーン】

の即興改変して【ダブル・スクリーン】になって

二枚張られた強固な空気膜の真空が、外部からの

攻撃を遮断してグレンを守った。

 

 

 

「グレン君‼︎ よそ見しないで‼︎」

 

 

 

「すまねぇ‼︎ セラ‼︎」

 

 

 

「全く……グレン君は私がいないと

ダメなんだから……」

 

 

 

セラはグレンにそう言うとグレンはムッとした

表情でペネトレイターをセラに構えて撃ち放った。

するとセラの背後にいた天使の塵(エンジェル・ダスト)の感染者の額に

風穴を開けると感染者は苦しみの声を上げてその場

に倒れた。

 

 

「ふっ、全く白犬は俺がいねぇと危なかっしいぜ」

 

 

グレンはカッコつけてセラにそう言うとセラは

グレンの言葉に対して納得出来ない表情で子供

みたいに張り合って

 

 

「グレン君にだけは言われたくないな……

さっきまで危なかったくせに……それに私は

白犬じゃないっていつも言ってるよね‼︎」

 

 

グレンとセラはそう言い合っていると

 

 

「相変わらず仲が良いな〜君達は?」

 

 

「ッ‼︎ この声は、まさか⁉︎」

 

 

グレンはそう言って声がする屋根の上の方へ視線を

向けると驚きを隠せない表情を浮かべていた。

セラもグレンのそんな表情を見てグレン見ている

場所に視線を向けると驚かずにはいられなかった。

 

 

 

何故なら……

 

 

 

 

 

 

「いや〜久しぶりだね? 会いたかったよ‼︎

グレン、セラ?」

 

 

 

「ジャティス‼︎」

 

 

 

「ジャティス君‼︎ どうして⁉︎」

 

 

 

ジャティスは驚く二人を見ても何事もなかったか

の様に笑顔で話しを続けた。

 

 

「どうしてここにいるかって? それなら簡単だよ?

もちろん、正義の執行の為だよ‼︎」

 

 

ジャティスはそう言うとセラはジャティスの

そんな態度が許せなかったのかグレンの前に

立って

 

 

「ジャティス君が何を考えてるか知らないけど、

これ以上、グレン君に関わらないで‼︎」

 

 

セラがジャティスにそう言うとジャティスの顔は

物凄い憤怒を含んだ表情になっていた。

 

 

「セラ……いくらグレンに認められている君でも

これ以上、僕とグレンの神聖な会話を邪魔して

この崇高な場を汚すなら僕は君を許さないぞ‼︎」

 

 

 

ジャティスがセラにそう言っているとグレンは

セラの肩に手を置き前に立ってジャティスに

質問していた。

 

 

 

「ジャティス、分かりきっているが一応聞くぞ……

こんなふざけた事をしたのはお前なのか?

ジャティス?」

 

 

 

 

「おいおい、グレン。そんな今にも僕を殺しそうな

そんな怖い顔はやめてくれよ? 僕はただ当たり前に

『正義の執行』をしただけだからさぁ?」

 

 

 

「……どう言う事だ。ジャティス?」

 

 

グレンはジャティスを睨みながら聞くとジャティス

は嬉しそうに答える。

 

 

「グレン、セラ。君達は『白き聖杯』や『この街』

についてどのくらい知ってるかい?」

 

 

 

「街は知らねぇが……白の聖杯は神々が魔術師達に

与えた『人類救済の盃』じゃないかよ?」

 

 

 

「そうだね…街ついては知らないよね。でも、

白き聖杯の物語の伝承は合っているよ。だが、

それは表向きはね?」

 

 

 

ジャティスは機嫌良く右手でシルクハットのつばを

触りながら大袈裟な芝居がかった演説でグレン達に

そう言うと

 

 

「ジャティス‼︎ いい加減にしろ‼︎

てめぇの妄言に付き合う時間は……」

 

 

 

「グレン君……?」

 

 

 

心配しているセラに気付かず、ブツブツと呟いた

後、グレンの顔色が真っ青になってジャティスに

視線を向けた。

 

 

 

「ま、まさか……お前、まず最初にこんな事を

本当に思い至ったのかよ?」

 

 

 

「ヒャハハハハハハハ‼︎ 素晴らしいよ‼︎ 流石‼︎

流石だよ‼︎ グレン‼︎ 流石は僕が認めた数少ない

素晴らしい魔術師だよ‼︎」

 

 

「ど、どう言う事なのグレン君⁉︎」

 

 

セラは全く意味が分からないと言う顔をしてグレン

に聞くとグレンは苦々しい顔色をしながらポツポツ

と答えた。

 

 

「白き聖杯の力は……人間には大きすぎた力……

つまり…膨大な【神々の真髄の力】の【概念】を

持っている盃……それが【白き聖杯】だったって

あの腐れイカれルーペ野郎は遠回しにそう言って

やがるんだよ…」

 

 

 

グレンは憎たらしそうにジャティスを睨みつける

とジャティスは嬉しそうに

 

 

 

 

「そう‼︎ そうだよ‼︎ 正解だ。グレン‼︎ 白き聖杯

は『神々の真髄の概念』を持っていて更には全知全能

の力を持つには選ばれた真の魔術師にしか扱えない

んだよ? それを知った時、僕はもちろん心が踊り

そして興奮したよ‼︎」

 

 

 

「まさかッ⁉︎」

 

 

 

セラもジャティスが何を言いたいのか理解をした

のか、そして何故このような事をしたのか顔色を

真っ青にして肩を震わせながらゆっくりとジャティス

を見ながら

 

 

 

「まさか……その全知全能の真髄の概念を手に入れる

為には高濃度の魔力を聖杯の中に焚べないといけない

から……帝国の要人や軍の高位魔道士達が片っ端から

殺したって事なの……?」

 

 

 

「正解だよ……セラ」

 

 

 

ジャティスはセラを睨みつけながらそう言うと

グレンはある一つの嫌な予感が頭をよぎった。

グレンはその予感が嘘であってほしいと心の中で

願いながらジャティスに聞いた。

 

 

 

「ジャティス……まさか……ッ‼︎」

 

 

 

ジャティスは今、グレンが何を言いたいのか

理解したのかジャティスは二人に淡々と答えた。

 

 

 

「そう‼︎ 君達が最近、白き聖杯の神殿の遺跡で

拾って来た少年。『ノア=アイゼア』に正義の

『救世主』になってもらうのさ‼︎」

 

 

 

「ジャティスゥウウウウウウ‼︎」

 

 

 

グレンがジャティスに向かってそう叫ぶと

ジャティスの隣には『ノア』がいた。しかし手足は

人工精霊(タルパ)で固定されて全くとして動けなかった。

 

 

 

「さて、今から『正義を執行する』」

 

 

 

 

ジャティスがそう言うと白い高濃度の魔力の液が

入った白き聖杯を持ってノアに一歩、また一歩と

近づいていく

 

 

「さあ、これを全部、飲み干すんだ‼︎」

 

 

「い、嫌だ‼︎ こんな物…僕は要らない‼︎

飲みたくない‼︎」

 

 

「君に拒否権はない。そして君は素晴らしい

世界の救済者になって正義の象徴になるんだ‼︎

それに今の君じゃあ、まだ未完成だからね?」

 

 

ノアはジャティスに抗うがジャティスに頬を

がっしりと捕まれた。そしてノアの口は無理矢理

こじ開けて聖杯の中身の一部をゆっくりと時間を

かけて全て飲ませる。

 

 

「ぐっ…⁉︎ ぐぁぁああああああ‼︎」

 

 

 

するとノアは苦しみだし悶え始めた。

 

 

 

「あ、熱い、熱いよ‼︎ それに、あ、頭が……ッ‼︎

頭が痛いよ…‼︎ だ、誰か、たす、助けて……‼︎」

 

 

 

その痛みはまるで体を業火に焼かれるように熱く

頭は鈍器でおもいっきり殴られた様な痛みがきて

そして更には靄がかかった様な錯覚になっていた。

 

 

 

「さて、遂に役者と舞台は整った‼︎」

 

 

 

ジャティスはそう言って清々しいくらいの笑顔で

大袈裟に両手を広げ芝居がかった演説をした後に

右腕を上に上げてパチンと鳴らして狂気に満ちた

笑顔でグレンとセラに何の躊躇いもなく

 

 

 

「だからグレン、セラ。僕が正義の魔法使いに

なるために正義の犠牲の礎となってくれ‼︎」

 

 

 

ジャティスがそう言うとノアを地上に下ろして

解放するとノアの身体中には沢山の魔力が

漏れ出していた。

 

 

 

「ノア‼︎」

 

 

「ノア君‼︎」

 

 

 

グレンとセラがノアに近づこうとすると天使の塵(エンジェル・ダスト)

感染者達が人の動きとは思えない異形な速さで二人

を追い詰める。

 

 

 

「ぐ、グレン……セラ、お姉……ちゃん……

僕の事は、いいから……逃げて……ッ‼︎」

 

 

 

ノアは壁にもたれながら必死になって体を引きず

っているとノアは頭から転んでうつ伏せになって

全く動けずにいた。

 

 

 

「大切な人間の為に自分の命を顧みない

その自己犠牲精神……ああぁぁ‼︎ ノア=アイゼア‼︎

君はなんて‼︎ なんて素晴らしいんだ‼︎ だけど…

駄目だよ? グレンもセラも僕の『絶対正義の礎』

になってもらわないとね? けど、安心してくれ‼︎

正義の象徴になる君も僕の正義の礎にする事は

忘れてないから‼︎ それに一人だけ仲間外れは

可哀想だからね?」

 

 

 

ジャティスはまるで神を崇める狂った狂信者の

様にノアを見て狂気の笑みと言葉をあげる。

 

 

 

すると、その音に気がついた天使塵(エンジェル・ダスト)の感染者達は

視界をノアに向けて凶器を今にも振りかざそうと

していた。

 

 

 

「嫌だ……嫌だ、死なせない‼︎ 死なせたくない‼︎

まだ、心を理解出来ないから分かんないけど……

ほんの少しだけど二人から貰った『心』と言う

言葉の意味を優しい温もりを教えてくれた二人を

僕のせいで死なせたくない……ッ‼︎」

 

 

 

ノアは頭の中の記憶が少しずつ剥がれ落ちる中、

必死になってその思いだけ維持しようとして体を

いも虫みたいに必死動かすが体は全く動かずもう

死ぬ覚悟を決めて目を閉じていると

 

 

 

ブシュ‼︎

 

 

ザクッ‼︎

 

 

ドッ‼︎

 

 

 

「……? 痛みはない……?」

 

 

 

だが、何故だろう…嫌な予感しかしない。

そして取り返しがつかない結末がある様な

気がした。

 

 

 

「う、うそ、でしょ……?」

 

 

 

ノアが目を開けると信じられない。 いや、絶対に

『信じたくない光景』が写っていた。

 

 

 

「セ、セラ……お姉、ちゃん……?」

 

 

 

ノアの記憶が消える中、そう呟くと目の前には

ノアを庇って背中を斬られ刺し貫かれた『セラ』

がいた。

 

 

 

「げほっ……ごほっ……よ、良かった……ノア、

君…が本当に無事で………ごめんね…『心』を

教えてあげられなくて…ノア君……私の分まで、

生きて…グレン君のこと、お願いね……?」

 

 

 

「わ、分かったッ‼︎ 分かったから……ッ‼︎

お願いだから安静にしてセラお姉ちゃん‼︎

必ず‼︎ 必ず助けるから‼︎」

 

 

 

「あぁ……でも……帰りたかったな……夢だった

……どこまでも広がる……アルディアの草原と

……あの……優しい風の匂い……懐かしいな……

帰りたい……叶うなら……グレン君やノア君と、

一緒に……」

 

 

 

「せ、セラお姉ちゃん……?」

 

 

 

「ねぇ……ノア……く、ん……」

 

 

 

セラは血塗れな笑顔でそう言ってノアの顔に

震える手を伸ばし触れるとセラの血がノアの顔

にべったりと付いて穏やかな表情でそれだけ

言って頬の感触は消えてその場に倒れた。

 

 

 

 

「せ、セラァアアアアアアアアアア──ッ!」

 

 

 

 

グレンはセラに向かって叫んだ。そしてノアは先程

セラが触った頬を触って見ると大事な人である筈の

セラの血がついているのを虚ろな瞳で見て呆然して

いてグレンの叫び声は届かなかった。

 

 

 

あ、ああ…全部……全部、僕のせいだ……

 

 

 

そうだ……利用される可能性だってあったのに僕が

何も考えずにグレンとセラお姉ちゃんについて

行ってしまったからだ……

 

 

 

そんな身勝手な行動をした結果はどうだ?

 

 

 

 

(ぼ、僕が……セラお姉ちゃんを……殺した。

殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した

殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した

殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した

殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した

殺した殺した殺した殺した殺した殺したコロシた

殺シたコろしたコろシタこロシタコロシタ

コロシタコロシタコロシタコロシタコロシタ

コロシタコロシタコロシタコロシタコロシタ

コロシタ…あ…ア、あアアああァァアアアアア

アアアアアアアアアアアアアアアアアアアア

アアアアアアアアアアアアアアアア‼︎)

 

 

 

目の前で血塗れになって倒れているセラを見た

ノアは壊れた機械のように心は壊れて膝が地面

に付いてしまっていた。

 

 

 

 

(ドウしてこンナ結果にナッタんだロウ………?

ドウして…?一体、ナニがワルいんダろう……?

ダレが悪いンだろウ…?)

 

 

 

 

(これは……失敗かな……?

はあ〜…ノア=アイゼア。君にはがっかりだよ…)

 

 

 

ジャティスはがっかりした表情をしながら眺めて

いる中、ノアの最後の何が切れる音がした様な

気がした。

 

 

 

(アぁ……ソウか……)

 

 

 

やっト、りかイシタ…ナニが原因だッタのカを…

 

 

 

ノアが最後に心の中で呟くと最後に残っていた

一欠片の記憶や目の光が消えて虚な瞳で無意識に

言葉を発していた。

 

 

 

 

 

 

「そうだ…こんな世界に……『■■』や『■■■』、

そして『■』なんか消えてなくなればいい……

こんなものが世界にあるから……存在するから

いけないんだ……」

 

 

 

ノアが光を映さぬ虚ろな瞳でエンジェルダストの

感染者達を見ながらそう言うとノアの体中から

白く光り輝く魔力を見てジャティスは狂気に満ちた

表情でノアを見ながら嬉しそうにしていた。

 

 

 

「そう‼︎ そうだ‼︎ その神々しい輝きだ‼︎

それこそ僕が望んだ姿であり結末だよ‼︎ そして

正義の象徴と呼べる輝きだ‼︎ 実に素晴らしい‼︎

そして世界を救うに相応しい世界の救済者だ‼︎

今こそ君を縛りつける楔を引きちぎって真なる力

を解放するんだ‼︎ ヒャハハハハハハハハハ‼︎」

 

 

 

「そのイカれた口を黙りやがれぇええええ──‼︎」

 

 

 

グレンは血塗れのセラを抱きしめて涙を流しながら

声が枯れるまで叫んでジャティスにそう叫ぶと

ノアは虚な瞳で小さな声でポツリと呟いた。

 

 

 

「こレよリ…人ルイの変革ヲ、いヤ……

 

 

 

 

(この■■デ■ナこの■■ノ■■ガイツカ……

■■二……)

 

 

 

 

ノアは最後にそう心の中で呟くと何故だろう。

何故だか分からないが先程から胸の辺りが締め付け

られる苦しさとチクチクした痛みがしてとても

痛くて堪らなかった。怪我したわけでもないのに

苦しさと痛みが更に増えていって最後に残っていた

記憶が全部消えてしまい。

 

 

 

そして

 

 

 

 

セ界ノ救済ヲ開シスる………」

 

 

 

ノアは静かにそう言って右腕を上げると白い光は

ノアに集まってそして白く鈍い光はグレンや

ジャティス、更には世界を包み込んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいま戻りました。■■■■様」

 

 

 

ダークコートを纏った男がそう言うと

 

 

 

「レイクか……やっと、やっとだ。やっと我々の

『もう一つの悲願』である『終わりの始まり』の

物語の序章が始まったのだ……」

 

 

その光を遠くから眺めていた『レイク』と呼ばれた

顔に傷がある男と『■■■■』と呼ばれた大楯と

槍を持っていた男は白く輝く魔力の高い魔力濃度を

見て口元はニヤリと不敵な笑みを浮かべて腕組みを

しながら近くにいたグレンやジャティスの二人を

無視してただノアだけを眺めていた。




最後まで読んでいただきき本当にありがとうございます‼︎


次回からは『新しい章』に向かいます‼︎
みなさんの応援宜しくお願いします‼︎


やっと書き上げ終わった‼︎ たくさんの『評価』が
とても欲しいでござる‼︎ 欲しいでござる‼︎
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