Diavolo Bianco   作:Artisan

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Episode.27 輝く希望、吠える絶望

アスナ「ユウキ、ランちゃん.....!!しっかりして.....!」

 

ALO内にある大樹にて。

一人の涙声が発せられる。

それもその筈。二人の少女がその生涯を終えようとしているのだから。

 

 

ユウキ「アスナ.....」

 

 

ラン「ごめん、なさい.....」

 

笑顔で謝るも、それには余裕が含まれていなかった。

当然だ。激痛は走っていないものの、動く程の余裕は既に存在していなかった。

 

 

キリト「アートはまだなのか.....!!」

 

勿論、キリト達も居る。

彼は血が流れそうな程に手を握った。

当たり前だ。幾ら何でも早すぎる、と思ってしまうのも無理はない。

.....と、そこへ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アート「ラン!!ユウキ!!」

 

アートが到着した。

それを見たジュンは彼へと突っかかる。

 

 

ジュン「テメェ!!話が違うじゃねぇか!!」

 

 

アート「こんなに早いなんて思わなかったんだよ!!.....ああ、クソが!!」

 

どうやら彼も相当焦っている様子みたいだ。

頭をガリガリと掻きながら、何かを呟いていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アート「(クソッ.....クソッ.....!幾らなんでも早すぎだろ......!?)」

 

今、俺はかつて無い程、焦っていた。

本当に早すぎる。一体、何で.....

 

 

アート「(考えろ、俺.....!まだだ。まだ.....)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラン「もう.....いいです......」

 

 

アート「.....は?」

 

 

ラン「やっぱり.....無理なんです.....だから、もう.....」

 

.....何やってんだ、俺は。

言ったろ。『たとえ、自分を犠牲にしても』って。

なのに、何だ?コイツらにこんな事を言わせて。

与えるんじゃ、恐らく助からない。

それに、今こそ使()()()だろ。

だから、俺は━━━━

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アート「.....まだ心の準備が出来てないんだけどな.....」

 

 

ジュン「へ?何言って.....」

 

 

アート「あー、こっちの事情だ。

で、ラン、ユウキ。()()()()()()()()()()か?」

 

その言葉に二人は疑問の色を浮かべる。

が、すぐに首を縦に振った。

それに、彼は.....

 

 

アート「.....うし。じゃあ、やるか。」

 

そう言って、立ち上がる。

それはまるで、()()()()()かのようで━━━━

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アート「.....システムログイン。ID:『 ()()()()()() 』.....!」

 

 

キリト「!?そのIDは━━━━」

 

キリトが驚愕の声をあげるが、彼はそれに構わずメニューを開く。

その色は普段と違い、管理者用のメニューだった。

何かを操作し、嘗てないスピードで打った所で口を開く。

 

 

アート「倉橋先生!!聞こえますか!!」

 

すると、大樹周辺で男性の声が響いた。

 

 

『え、ど、どうしたんだい!?』

 

 

アート「時間がないッ!!早く()()させてくれ、先生!!」

 

 

『!?それでは君が.....』

 

その言葉にアートは一瞬、迷う。

が、すぐに振り切り、場を震わせる程の声を発した。

 

 

アート「ッ.....なら、アンタはコイツらを死なせたいのか!!?

それに言っただろ!?覚悟は出来てる、ってさぁ!!?」

 

 

『!!.....分かった。今すぐ始めるよ!』

 

そう言って、通信が切れる。

そして、アートは二人の傍に座り、語り掛けた。

 

 

アート「.....もうちょっとだけ待ってくれ.....!

これが終われば、もう()()()()()()()()から.....!!」

 

それは最早、懇願の様だった。

こんな彼の姿を誰が予想しただろうか。

 

 

 

.....そして、2分が経過した時。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラン「.....? 体が軽くなって......」

 

なんと、先程まで苦しそうな状態だった彼女が起き上がった。

ユウキも同様に、困惑しながらもいつもの状態に戻っていた。

 

 

アート「.....間に合った、か.....」

 

それと同時にアートはへなへなとへたり込む。

 

 

ラン「!? アートさ.....」

 

その言葉は最後まで言えなかった。

理由は単純。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼に抱き着かれたからだ。

 

 

アート「よかった.....本当によかった.....!!」

 

大粒の涙がこぼれ落ちる。

それに釣られて、皆も泣き始める。

『二人が死ななくて良かった』、と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、彼女達は元々、死ぬ事が運命であった。

それを覆した代償はとても大きいという事を彼らは知ってしまう。

 

そして、それが遠くない事も。

 




一応、言っておきますが、このシーンでは既にユウキはアスナに『マザーズ・ロザリオ』を渡しています。描写が書けなかったんだ.....すまない.....
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