「クソッ.....!!!」
青年の怒号が響き渡る。
施設内ではアラーム音が途切れることなく、鳴り続けていた。
理由は言わずもがな。テロリストがオーシャンタートルに侵入してきたのである。
こんな事は今までで初めて。しかも既に侵入されているというのだから大騒ぎだ。
「.....ダメです!エリアA6、占拠されました!後退します!!」
「エリアA7で持ち応えるんだ!!」
護衛兵が訴えるように言う。
それに菊岡は冷や汗を掻きながらも、即座に命令した。
「.....ッ!?き、菊岡さん!!内部から応答ですッ!!彼です、桐ケ谷君です!!」
「な.....響也君ッ!!」
「分かってますッ!!」
まさかの内部からの応答に菊岡は一瞬狼狽える。
しかし、すぐに正気に戻り、響也に任せた。
「キリト君!僕は此処のスタッフの東雲 響也です!応答出来ますか!?」
『シノノメ.....?何があったか知らないけど、アンタ達がやった事は.....っ!」
「っ.....その話は後で聞く!今其処に、【アリス】という少女は居るか!?」
『アリス.....?ああ、彼女なら此処に.....』
「よし.....なら其処から《ワールド・エンド・オールター》という場所を目指してくれ!
場所は今から説明するから、よく聞いて.....」
指示する場所を細かく、しかし簡素に伝える。
が、それも束の間。
「.....不味い!奴ら、主電源ラインの切断を開始した模様ッ!!」
「んなっ!?それはヤバいっスよ!?」
反応したのは菊岡でも響也でもなく、比嘉だった。
「今切られたら、キリト君のSTLに過電流が.....彼の心に、大きなダメージを与えちまいます!!」
「なんだと!?だが、STLには厳重なプロテクトが何重にも.....」
「全部切ってるんですよ!!治療中なんだから!!」
キーボードを器用に打ちながら答える比嘉。
数秒の沈黙を破ったのは、響也だった。
「兎に角、ロック作業は僕がやります!菊岡さんは明日奈さん達の非難を!!」
『.....アスナ?おい、今其処にはアスナが━━』
その言葉は最後まで紡がれなかった。
いや、厳密には遮られたと言うべきか。
「畜生.....電源、切れます!スクリュー停止、皆さん衝撃に備えて!!」
その言葉が言われた瞬間、大きく場が揺れる。
それと同時に内部からの通信も途絶えた。
.....しばらくして揺れが収まり、全員が顔を上げる。
「.....収まったか。よし、兎に角退避する!!護衛兵は明日奈くんと神代先生を護衛しろ!!」
どうこうしている内にも、敵は攻めてくる。
そう考えた菊岡達は、迅速に行動を起こした。
駆け足感あるなぁ.....