「やぁぁぁぁぁ!!」
「フンッ.....」
同時刻。暗黒の空では、ガブリエルとランが戦っていた。
一見すれば、ランが優勢だ。...そう一見すれば。
彼女は奴に致命傷を与える事が出来ていない。まぁ、理由は至極シンプルだ。
「...グッ.....」
「ッ!?」
「余所見か?」
「キャア!?」
彼女の腕にはアートが。その腹は大きな穴があり、下に血の道を作り出している。
それが劣勢の原因だ。無論、攻めれば弱点にもなる。
そして今、遂にそうなった。ランは致命傷を覚え、地に膝をついてしまう。
「...やはり、そうなるよな。守りだけで攻めをしないなど。
本当に勝てるとでも思ったのか?それとも、お前らの言う『希望』を信じていたとでも?」
ガブリエルの容赦ない挑発。
...無論、ただの挑発ではない。彼が
そんな攻撃に、ランは.....
「.....ええ。信じていましたよ。」
━━その言葉の通り、頷いた。
既に口からは血を吹いている。しかし、ランはどこ吹く顔で笑った。
「.....なに?」
「...ただ違うのは、過去形じゃなくて現在形ですけどね。」
何を言っているんだ。そのガブリエルの言葉はすぐに掻き消されることになった。
その理由は.....読者の皆も、想像はつくだろう?
「でやぁぁぁぁ!!!」
「!?」
突然の
それを与えた者はただ一人。
「.....大丈夫か?」
「...本音を言うなら、物凄く痛いです。
だけど大丈夫。貴方が来てくれると分かっていましたから。」
「...そうか。.....ラン。アートを頼む。」
「ええ。そっちこそ、頑張って下さい。」
そう言ってランは意識を失っているアートを連れて下がった。
.....残ったのは勇者と悪魔のみ。背景は暗黒の空だ。
「.....成程。貴様が希望か。」
「馬鹿な事は言わないでくれ。俺は希望なんて大層なモノじゃないさ。.....俺が名乗れるのは一つだけ。
俺はキリト。黒の剣士だ.....!」
キリトはハッキリとそう言った。その発言が勇者を意味する事も知らずに。
そんな彼を前に、ガブリエルは
「.....面白い。黒の剣士よ。其方の首をもらうとしよう.....!」
「それはこっちのセリフだ。アートの仇、取らせてもらうぞ.....!」
言いながら、両者共に構えた。
無駄な打ち合いは必要なし。故に撃つのは自身の持つ奥義。
静寂が流れ、先手を打ったのは.....
「.....ハァァァアアアアアッ!!!」
━━ガブリエルだった。
黒く染まった右手は鋭利な剣へと変化し、更に心意を纏って突進する。
それを目前にキリトは......
「...頼む。皆の力を貸してくれ.....!」
━━ただ、願う。
皆の力を受け継ぎ、奴を倒す事を。
その誓いは光となり、金色の光となった。
まるで星を例えたような、その技の名は━━
「スターバースト、ストリーム..........!!」
かつて
何もかも強化されたソレは.....
「ハァァァァ...!!」
「ッ!?」
見事に拮抗した。
しかし、それも一瞬ですぐに黄金の光は跳ね返されてしまった。
「ッ.....ァァァアアアア!!」
だが、まだ終わらない。終わるわけにはいかない。
これが後15回。充分に勝てる筈だ。
「.....舐めるなァ!!」
そんな可能性に、ガブリエルは激怒した。
闇は闇黒となり更に光を喰らわんと、ソレは肥大化した。
「グッ.....!!」
相手の剣が強化された事により、キリトは思わず苦悶の声を漏らした。
しかし、即座に思い出す。これに負ければ、アンダーワールドは━━
「■■■■■━━━━ッ!!」
最早、声にならない声。
それ程の物を出してまで、キリトは斬撃を続けていく。
そして、15撃目を撃った時。遂に.....
「グッ.....!?」
遂に、奴が怯んだ。
この一生の機会を逃すキリトではない。
そのまま16撃目の、最後の攻撃を━━
「...当てれるとでも思ったか?」
「なに.....!?」
━━当てることは、出来なかった。
アレはフェイント。最後の攻撃を受ける為の罠だったのだ。
それは、いとも簡単に受け止められ、キリトは奴のカウンターを.....
「そっちもな.....!」
「なっ...!?」
.....受けなかった。
見ると、前にはアートが刃を受け止めていた。
...いや、違う。刃を捕まえている。真剣白刃取りだ。
「やれッ!キリトッ!!」
「!.....ああッ!!」
そして、彼は振り下ろした。
幻の.....いや、最高の17撃目を。
光り輝く刃が、ガブリエルに触れた途端。
「ガァァァァァ!?」
━━閃光が漏れ出し、身体は爆散した。
次で最終話です。.....ごめん嘘吐いた。
この章は次話で終了です。
次は.....日常(イチャイチャ)でも書こうかと。