君の名は。〜bound for happiness(改)〜   作:かいちゃんvb

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どうも、かいちゃんです。
前書きと後書き載せるのをすっかり忘れておりました。これを書いたのは10/24(火)午後11時半です。
さて、横浜DeNAが日本シリーズを決めましたね。これで横浜DeNAが日本一になると、なんとリーグ優勝より日本一の回数の方が多いという謎の事態になります笑笑
では、本編スタートです!


第12話 クロスする出会い 後編

勅使河原宅を後にした瀧と三葉と四葉が夜道を歩いている。三葉と瀧はまるで昭和のカップルのように恥じらいながら肩を並べて歩いている。一度はキスもしているのに、恥ずかしすぎて手も繋げず………

 

「瀧くん、驚かさんとってよ。瀧くんが来るって知っとったらもっとオシャレして来たのに……」

 

「ごめんよ、三葉。俺も三葉が来るって知らなかったから……」

 

「で、てっしーとさやちんに初めて会うた感想は?」

 

「2人とも面白くて、けど三葉のこと本気で心配してたんだなって分かった。いい人たちだったよ。でも……」

 

「でも?」

 

「何故かそれ以上にすごく懐かしかった。どこかで会ったのかな?……そんなわけないよな。」

 

「てか私たち、振り回されっぱなしやったね……」

 

「四葉ちゃんも一切手加減無しだしな……」

 

「あ、困った顔しとる瀧くんもなかなか可愛いやん」

 

「こら、あんまり揶揄うなよ」

 

いちゃいちゃしまくっている2人を冷淡に見つめるのはもちろん四葉である。

 

(あっつあっつやわ、あの2人。でもねえちゃんも瀧さんに心を許しとんねやね。それは安心やわ。あ、手つなぎだしやがった!もうあつくてみてられへんわ!他所でやれ!)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

早耶香は食器洗いを終え、ソファーでくつろいでいる克彦の隣に座る。

 

「なあ、早耶香。」

 

克彦が呼びかけてきた。

 

「何?」

 

「お前、瀧のこと見てどう思った?」

 

「なかなかハイスペックやんね。イケメンで、料理もできるらしいし……」

 

「ごめん、俺の聞きたいことはそういう事ちゃうねん。その……瀧のこと、どっか懐かしく感じひんかったか?」

 

「そういえば、どこかで会ったことあるような……」

 

「そうやねん。で、ちょっと考えてみたんやけど……」

 

「なんか思い当たる節でもあるん?」

 

「狐憑きモードの三葉に似てへんか?あいつ。」

 

「そういえば……」

 

確かに思い当たる。言葉遣い、端々に見せるちょっとした仕草は高校生の時に一時的におかしくなった、克彦の言う三葉狐憑きモードに酷似していた。

 

「でも克彦、そんなことって……」

 

「わからん。俺がいくら何でもオカルト好きやからっていうても、それはありえへんとは思う。でも、やっぱ無視できひんものもあんねんな。」

 

「…………あんま深く考えても無駄やわ。やめとこ。」

 

「せやな。」

 

「でさ、克彦に相談したいことがあんのやけど……」

 

「お、奇遇やな。多分一緒のこと考えてると違うか、俺ら。」

 

「やっぱりそう思うよね。」

 

瀧を、自分たちの結婚式に招待しよう。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

明けて木曜日。早速三葉は瀧への復讐(?)計画の準備に取り掛かった。

 

(絶対瀧くんを驚かしてやるんやから!)

 

まだ三葉は瀧に勅使河原邸で散々な目に遭わされたことを根に持っていた……訳でもない。単純にミキ以外の、瀧のことをよく知る人物たちと話がしたかっただけである。それでも瀧を巻き込めるのなら巻き込んで困らせてやりたい、その方が面白いと思ってしまうのは、人の性なのかもしれない。そこで、三葉はミキが自分の事を知った経緯について推測する。

 

(ミキちゃんが私の事を知ったのは日曜日。その日瀧くんは親友と3人で飲むと言っていた。でも男だけになるとも言っていたから、ミキちゃんは来ていなかった?いや、ミキちゃんは確かに瀧くんと会うたって言うてた。だから多分来る予定やなかったんや。っていうことは、ミキちゃんは瀧くんの親友2人とも面識がある!ミキちゃんにコンタクトを取れれば残りも釣れるってことやね!)

 

そうなれば話は早い。ミキを捕まえて日程を調整してもらえればいいだけだ。早速三葉は昼休みにミキに聞いてみた。

 

「瀧君の親友2人とも話がしたい?」

 

「そうなんよ。何とか渡りつけてくれへん?」

 

「あら、いつもは標準語なのに、訛ってるのね。」

 

「あちゃっ」

 

口を手で覆ったところでもう遅い。

 

「いいわよ、気にしないから。」

 

「で、どうなん?」

 

「うん、いいわよ。司と高木君だってあなたと話してみたいだろうし。」

 

「ありがとう!」

 

「でも、瀧君を呼ぶ必要はあるの?」

 

「単純に驚かせたいだけなんやけど……ダメかな?」

 

「大丈夫よ、そうと決まれば後は日取りだけね。私が何とかしてあげるわ。」

 

「ほんとに何から何までありがとう!今度お昼奢ってあげる!」

 

「あら、期待しておくわ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

結果的に、日取りはその週の土曜日に決まった。ミキは司にも高木にも目的を告げず、17時に待ち合わせた。ちなみに三葉は17時30分、瀧は18時30分である。ミキは一緒に歩いている司から今日集まる目的について聞いた。

 

「今日はどんな要件なの?珍しく勿体ぶっちゃって。」

 

「いいじゃないの。ついでに私の婚約者の司君も紹介したいと思ってね。」

 

「いやあ、照れるなあ。」

 

何を隠そう、ミキの婚約者というのはこの藤井司である。瀧と司と3人で5年前に遠出をした時に急接近した。しばらくはミキは瀧にアプローチをかけていたが功を奏さず、瀧のことについて相談を繰り返すうちに互いに惹かれあったのだった。

目的地の最寄駅で高木と合流し、3人はとある居酒屋の個室で飲み始めた。他愛のない話に花を咲かせていると、17時30分になる。ミキはパンッと手を叩いて注目を集める。

 

「さて、ここでスペシャルゲストに登場していただきましょう!」

 

三葉が個室に現れる。

 

「うわぁ!」

 

と、司は情け無い声を上げ、高木も目を見開いて呆然としている。

 

「はい、我が瀧君の彼女で私の仕事の同僚でもある、宮水三葉ちゃんです!」

 

「宮水三葉です。瀧くんがお世話になっています。今日は瀧くんの昔話なんかをしてくれると嬉しいです。どうぞよろしくお願いします。」

 

司と高木がコソコソと三葉にジャッジを下す。

 

「写真で見るよりずっと美人じゃん!物腰も柔らかいし。」

 

「リアル大和撫子だな。先週は男の嫉妬は見苦しいとか言ったけど、これは流石に嫉妬するな。」

 

「こら、2人ともコソコソしない。三葉ちゃんが置いてけぼり食らってるじゃないの。」

 

「そういえば先輩、同僚ってどういうことですか?」

 

司が尋ねる。

 

「水曜に千葉支店から本社に移ったのよ、産休のヘルプで。そこで意気投合しちゃったって訳。」

 

ミキと高木と司の3人が昔話に花を咲かせる。

 

「昔っから弱いくせに喧嘩っ早くてな、もう側から見てヒヤヒヤするわけよ。高木が何回仲裁に入ったか。」

 

「案の定ボコボコにされやがってな。司が戦力になる訳もないから結局俺が担いでよ。」

 

「そういえばバイトの時にクレーマーに絡まれたこともあったわね。何しでかすかわからんないから私が止めに入ったんだけど、その時に切られた私のエプロン刺繍してくれたのに、何にも覚えてなかったのよ、彼。」

 

「そうそう、あいつ急に女子力かまし出す時あったよな。」

 

「バイト先も通学路も忘れたこともあったな。」

 

「そういや俺と奥寺先輩と瀧と岐阜に行ったこともあったっけ?」

 

「私たちに先に帰らせて、一日遅れで帰ってきたんだけど、その時からよね。何か暗くなったの。」

 

「俺も司も何回も彼女紹介してやったのに、首を縦に振らないで……。」

 

「それで今になってこんな上玉釣り上げるなんて、どうかしてやがるぜ、あいつ!」

 

その時、瀧が現れた。

 

「ごめん、もう始めてた?…………って何で三葉が!?」

 

「水曜日のやり返しやよ。」

 

「あれは俺も知らなかったんだって!」

 

「嘘やよ。私が藤井君と高木君と話したくなっただけ。」

 

「おお、訛ってる三葉さん新鮮!」

 

司が興奮気味でまくしたてた。

 

「さて、役者が揃ったところで瀧君と三葉ちゃんのお惚気タイムと行きましょうか!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

22時過ぎ、楽しかった会も終わり、三葉と瀧は手を繋ぎながら歩いている。

 

「意外だったな、三葉と奥寺先輩がもう面識あったなんて。」

 

「みんな面白い人やったね。それにしても司君、瀧くんぶった切りまくっとったね。」

 

「あいつは昔からそういうのが大好きなんだよ。」

 

「でも、みんな瀧くんのこと心配しとったんやね。」

 

「いいんだよ、俺は三葉に出会えたから。」

 

「わ、嬉しい!……でも何か懐かしかったな。」

 

「そうなの?」

 

「うん、どっかで会うたことあんのかな?」

 

「それは無いはずなんだけどな。………そうだ、ゴールデンウィークどうする?」

 

「今度はどっか行きたいな。」

 

「わかった、調べとくよ。それにしても驚いたなぁ。奥寺先輩の婚約者が司だったなんて。」

 

「確かに優しそうやね。」

 

「ああ、いい奴だよ。」

 

「二人とも幸せそうやったな〜。」

 

「結婚式に呼ばれたら絶対行こうな。」

 

「うん!」

 

一方、残りの3人も話をしながら歩いていた。

 

「それにしてもお似合いだったわね。あの2人。」

 

「きっと瀧には三葉さんしか、三葉さんには瀧しかいないんだよ。嫉妬なんかバカらしくなってきた。あの2人には付け入る隙なんてあったもんじゃない。」

 

「瀧もいい人を見つけたもんだ。司、俺たちもウカウカしてらんねーぞ。このままじゃあいつだけ勝ち組だ。」

 

「だけどさ、何か三葉ちゃん見てて懐かしくならなかった?」

 

「そういえばそうですね。」

 

「確かに。」

 

「………ま、気のせいよね。」

 

 

まだ瀧と三葉が出会ってわずか12日しか経っていない。それでも2人はお互いに関わりのあるたくさんの人と出会い、絆を深めた。この絆がこれからの2人の恋にどれほどの影響をもたらすのか、予測しうる者は存在しない。

 

 

第2章 完

 




<次回予告>ついに訪れた瀧と三葉にとっての初めてのゴールデンウィーク。しかし、その記念すべき初日は悪天候に見舞われた。しかし、その不運が新たな絆を紡ぎ出す。
次回 10/30(月)午後9時3分投稿 第13話「他人と家族」
瀧と三葉の物語が、また1ページ。
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