霊夢がこのすばの世界に行くそうです   作:緋色の

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夜になると虫の鳴き声が聞こえるようになりました。
今回の話ではダクネスは出てきませんが、次に出す予定です。


第三話 悪魔討伐

 ギルドのお姉さんに言われて参加したのはいいけど、どうやらあの時にはもう色々終わってて、出発するところだったらしい。

 私達が入るだけで決定したものを変えるわけにはいかないので、自動的に最後尾グループに回された。

 私達に文句を言う資格は当然ながらない。

 鬱蒼と茂る森の中。

 私はアクアに文句を言った。

 

「これなら熊行った方がよかったわね」

「ま、まだよ。もしかしたら私達の出番が来るかもしれないじゃない」

「先頭には魔剣の勇者とやらがいるみたいよ。そいつが終わらせるんじゃない?」

「……それはそれで楽よね」

「まあね」

 

 悪魔が滅ぶなら経緯は気にしないアクアの意見に私も同意した。

 ただの小遣い稼ぎになった以上、やる気が出ない。面倒臭いのはごめんだ。

 しかし、悪いことばかりでないのも事実だ。

 これなら失敗しても私達に責任がくることはない。

 どんな形でもアクアに仕事をさせられた。

 この二つがあるだけ悪くない。

 

「おいおい。また会ったな! モンスターが出たら隠れてていいからよ。静かにしてくれよ。あとそっちの飛び入り参加もな」

 

 確かアクセルで腕利きの人だ。

 その人のパーティーが辺りを警戒しながら進んでいる。

 

「す、すいません」

 

 謝ったのは黒髪の紅い目をした女の子だ。

 私とアクアは注意されたので喋るのをやめる。

 極力トラブルは避け、労力を節約する。

 可能な限り楽をしよう。

 余計なことを言わないようにしていると、先ほど謝ったのとは別の子がやや挑発的に。

 

「あなた方こそ見た感じ魔法使いはいないようですが。この森にはスライムが出ることは知ってますか?」

 

 スライム? 何だそれと話を聞いてみると、どうやらスライムは武器が効かないらしい。だから、ゆんゆんという女の子が魔法で一掃するみたいだ。

 挑発してたあんたがやるんじゃないのね、と突っ込みたくなったけど、トラブル回避のために言葉を飲み込んだ。

 完全にとばっちりを受けたゆんゆんにスライムを任せよう。

 

「モンスターが出たぞー!」

 

 合図だ。

 悪魔が出たら、それを取り囲むようにして散らばり、魔法使いやプリーストやらが攻撃する予定だ。

 そのため私達はさっさと移動したいのだが。

 どこから出てきたのか、大量のモンスターが行く手を遮る。

 

「アクア、私の後ろを見張って」

「任せて!」

 

 ないとは思うが、後方からの襲撃に備えてアクアを見張りに立たせる。

 私は切れ味アップのスキルを発動する。剣がほんの一瞬光に包まれる。

 額に角がある兎が私に向かって飛んできた。

 食い物が生意気ね。

 兎を薙ぎ伏せる。

 厄介とされるスライムは他に任せて、私は襲ってくる兎やらモモンガやらを切り裂く。

 ほどなくして、私の方に来る敵はいなくなる。

 斬ったのは全部で十匹ほど。

 

「「ひいいっ!」」

 

 することがないので悲鳴が上がった方に目を向けた。

 みんなが同じ場所を見上げているので、私も視線をそちらにやる。

 木に大量のモンスターがくっついている。色は緑で、おそらくあれがスライムなんだろう。

 見たら鳥肌がぶわっと立った。

 気持ち悪い……。

 スライムに武器は通用しないみたいだから、あれはゆんゆんとかいう子に任せよう。

 ゆんゆんが魔法を唱えて、スライムの群れを炎で包み込んだ。……木が燃え盛ってるけど、大丈夫よね?

 燃え盛る木を見る私にアクアが話しかける。

 

「いやあ、随分と来たわね。でも、レイムにかかれば全部雑魚だったわね」

「大したことないのばかりなんでしょ」

「そうなのかな? まあ、いっか。それより悪魔の方はどうなったのかしら? 苦戦してるなら私が倒しちゃうけど」

 

 アクアが小ばかにするように笑う。

 私もどうなったか気になる。時間はそれなりに経ったし、そろそろ結果は出るはずだ。

 そうでなくても戦況を教えてくれればいいのに。

 そんなことを思っていると、先行していた冒険者の一人がこちらに駆け寄ってきた。

 

「ありゃだめだ! 魔剣の勇者が不意打ちでやられちまった! しかも上級魔法まで使って、あれは魔王の幹部級だ! 俺達じゃ無理だ!」

 

 その話に後方に位置していたグループは大騒ぎになり、次々と引き返していく。

 魔王の幹部級と言われても、ピンと来ない……。

 周りの反応からして、相当な強さを持っていそうだけど、よくわかんない。

 私は自分より詳しいはずの女神を見る。

 アクアは前方の何もない空間に何度もパンチをする。それはまるで戦う前の準備運動だ。

 この状況を受け、やる気を出していた。

 そんなのいいから教えて。

 私の願いが通じたのか、アクアは私に笑顔を見せる。

 

「さ、存在価値皆無の寄生虫をぶっ潰しに行くわよ」

 

 わかんなくていいや。

 

「行くの? 倒してもお小遣いしかもらえないのに?」

「レイム、これは金額の問題じゃないの。悪魔がいる、それだけで滅ぼす理由としては十分なの」

「はじめて女神らしいこと言ってるわね」

「はじめても何も女神だってば! さあ、行くわよ!」

 

 私の手を掴んで、アクアは前に進む。

 他の冒険者とは真逆に進むアクアの顔に不安の色はなく、ただ使命感に燃えていた。

 これはどうやっても止められない。

 安いお金で大物悪魔を倒す。これほど割りに合わない仕事はないと思う。

 だからって、アクアを止められるとは思えないし。

 こうなったら私も悪魔退治に乗り出すしかない。

 アクアに話しかけようとして、後ろから呼び止められる。

 

「待って下さい!」

 

 振り返ると、先ほど魔法を使ったゆんゆんとその友達がいた。

 ゆんゆんはおどおどしているけど、友達の方はアクア同様にやる気を見せている。他の冒険者とは明らかに違うのは、この子が勇気あるのか、それとも変わってるからなのか。後者でないことを祈る。

 アクアは二人を見つめ、何かに気づいた。

 

「あなたたち紅魔族ね」

「いかにも! 我が名はめぐみん! アークウィザードを生業とし、最強の攻撃魔法、爆裂魔法を操りし者!」

「わ、我が名はゆんゆん! アークウィザードにして、中級魔法を操りし者!」

「……冷やかし?」

「ちがわい!」

「ひ、冷やかしじゃありません、本当に」

 

 ゆんゆんの声が段々と小さくなっていく。恥ずかしいならやらなきゃいいのに。

 私が何だこいつらと思っていると、横からアクアが説明してくれた。

 

「彼女達は紅魔族という種族で、紅い目が特徴ね。あと変な名前をしてるわ」

「へえ。強いの?」

「彼女達紅魔族は魔法のエキスパートで、ほぼ全員がアークウィザードになれる素質の持ち主よ。弱いはずないわ」

「ふーん。あの子の言ってた爆裂魔法って何?」

「あの子ではなく名前で呼んで下さい。爆裂魔法とは、全魔法中最強の攻撃魔法で、どんな存在にもダメージを与えることができる魔法です」

「なるほど」

「それに爆裂魔法は習得するのも困難な魔法だから、それだけで彼女の才能がわかるわ」

「そう、その通りです! 爆発系最上位の魔法であり、習得も困難。それを有する私は間違いなく戦力になりますよ!」

 

 いよいよ調子に乗ってきためぐみんに私は違和感を感じた。

 ゆんゆんがめぐみんをジト目で見ているのだ。

 これは何かある。

 めぐみんが意図的に隠しているものがある。そして、それは致命的なもののはず。

 

「で、他に何があるの?」

「他?」

「爆裂魔法よ。威力以外に何かあるんじゃないの?」

「その破壊力故に、一発撃てば魔力が空になって動けないぐらいで別に何もありませんよ」

 

 めぐみんがあまりにも自然な感じで言うものだから、一瞬何もない感じで流すところだった。

 

「それ致命的じゃない。他の魔法を使いなさい」

「無理です。使えません」

「はっ? 爆裂魔法って習得が難しいんでしょ? なら、中級とか簡単に取れるでしょ」

「はい。中級どころか上級も取ることは可能ですが、取る気はありませんし、そもそもポイントが足りません。でも、やる気と爆裂魔法はあるので連れていって下さい」

「帰ってどうぞ」

 

 私の言葉に、めぐみんは杖を落とした。

 悪魔に関して言えばアクアがいるので、爆裂魔法はお呼びじゃない。

 もっと言えば夢想封印でどうにかなると思うので、そんなに必要じゃない。

 先ほどまでの自信はどこへ行ったのか。めぐみんは懇願しながらすがり付いてきた。

 

「そんなこと言わないでお願いします! ここらで活躍しないと私達飢え死にするんです! どこのパーティーにも拾ってもらえないんです!」

「知らないわよ! 拾ってもらいたいなら中級ぐらい覚えなさい! はなせ。くっ、小さいのに力強いわね!」

「本当にお願いします! 一発、一発やらせてくれたらいいんです! そしたら相手は昇天するんです!」

「あのね。こっちには高ステータス、スキル全部習得してるアークプリーストがいるの。爆裂魔法は必要ないの」

「本当にお願いします」

 

 とうとう土下座した。

 何故かゆんゆんも一緒にやっているが、本当に何でなのか。

 どうしようか。

 大物悪魔のところに連れていって何か遭っても困るし。

 けど、二人にここまで頼まれてるし。

 本当にどうしよう。

 私は目を閉じて考える。

 連れていくか、いかないか。

 色々考えて、一つの結論を出した。

 面倒臭いから放っておいて、先に行こう。

 

「アクア、行くわよ」

「えっ!? この二人は?」

「知らないわよ。放っておきなさい」

「え、ええー……」

「怪我でもされたら困るでしょ」

「そうだけどさー……。私ならどんな怪我も治せるから大丈夫よ。だから、ね?」

 

 アクアは二人を見捨てることができないらしく、私に手を合わせてお願いしてきた。

 こいつの性格なら勝手に連れていきそうなものだけど……。もしかして今朝閉じ込めたのが効いてるのか? 私を怒らせると、あとで怖いと知ったからお願いしてるのかしら。

 三人にこうしてお願いされるとは……。

 面倒臭い……。

 私は大きく溜め息を吐いた。

 

「はあ……。全部自己責任よ」

「「は、はい!」」

 

 顔を上げ、輝くような笑顔を二人は見せた。

 悪魔と戦うってのに、何でそんな風に笑えるのかしらね。

 そんな私の疑問に二人は気づくことはない。

 二人は立ち上がり、向き合って互いに鼓舞する。

 活躍したいから。それだけの理由で魔剣の勇者を倒した悪魔に挑むのだ。

 ……冒険者が命を落とす理由の一つに名誉への執着があるけど、それは言うだけ野暮よね。

 話がまとまったので、先へ進もうとするも。

 

「何してる! さっさと逃げるぞ!」

「次は誰よ……もう」

 

 声がした方に視線を向ける。

 私達と一緒のグループにいた、腕利きパーティーだ。

 どうして彼らがここにいるのかは聞くまでもない。

 彼らに戻る意志がないことを伝えようとしたら、爆裂魔法女が先に言った。

 

「逃げませんよ。我々はこれから森を占領した悪魔を倒しに行くのですから!」

「お前達だけでできるわけないだろ!」

「ふっふっふ。ここには高ステータスで、スキルを全て習得してるアークプリーストと最強の攻撃魔法、爆裂魔法を操る大魔法使いの私がいるのですよ! 悪魔なんて赤子の手を捩るようにやれます!」

 

 お前はいつから大魔法使いになったんだ。

 さっきまで連れていってくれと土下座してたくせに。本当に調子だけはいい。

 白い目で見るのは私だけではなく、ゆんゆんもだ。彼女は付き合いがある分、呆れ顔であるけど。

 めぐみんはそれに気づかず、アクアを先生と呼んで前に出す。

 アクアは腕を組んで、自信たっぷりに笑う。

 

「ふっふっふ。そうよ。私こそが、全てのスキルを冒険者登録したその日に習得し、ギルド職員を驚愕させたアークプリーストのアクア様よ。そんじょそこらのプリーストなんか足下にも及ばないわ」

 

 二万エリス落としてマジ泣きしたへっぽこアークプリーストが何言ってるのかしら。

 私は思わず溜め息を吐いた。

 

「はあ……」

 

 腕を組んで得意気な顔をするめぐみんとアクア。

 この二人、似た者同士っぽい。

 どこがとは言えないけど、何となく似てる感じがする。

 予感がした。

 この二人には苦労させられる。そんな気がする。

 

「そんなアークプリーストがいるわけ」

「それがいるのよねえ。まあ、私ぐらいになるとおかしくないっていうか、必然ね」

 

 レックスが確認するように私を見る。

 

「言ってることは事実よ」

「マジかよ……。それならあの悪魔も……」

「そうです! あの魔剣の勇者ですら倒せなかった悪魔を我々は倒し、莫大な富と名声を手にします!」

 

 他のパーティーに入れてもらうために活躍したいとか言ってたのに随分と大きく出たわね。

 悪魔討伐しても私達に入るお金は雀の涙ほどだと思うんだけど。

 ……待てよ?

 他の人は逃げたわけで、それはつまり悪魔討伐を放棄したことになるのよね。なら、悪魔を倒したら賞金は全部…………私達のもの?

 この悪魔の賞金がいくらかは知らないけど、しばらく依頼を請けなくてもいいぐらいの賞金はあるはず。

 よし。悪魔は死刑。

 

「はやく行くわよ」

「どうしたの? 急にそんなやる気出して」

「だって、みんな逃げ出した今なら悪魔の報酬を私達で独占できるのよ。このチャンスに乗らない手はないわ」

 

 私の言葉にアクアは少し考え、

 

「なるほど、そうね! これはもう殺すしかないわ」

 

 同じ結論に達した。

 私とアクアは互いに親指を立てて、不敵な笑みを見せる。

 小遣い程度でしかないからやる気は出なかったけど、こうなってくれば話は別だ。

 悪魔は見つけ次第倒す、殺す、滅す。

 アクアとガシッと手を組む。

 

「じゃ、行くわよ」

「あいあいさー!」

「いやいや、待て!」

 

 アクアと二人で先に進もうとしたら、呼び止められた。

 ああ、そういえば他にもいたわね。

 すっかり忘れてたわ。

 私は悪魔を滅ぼしたいと疼く心身を抑え、振り返って尋ねる。

 

「何よ。私達用があるんだけど」

「お前ら、応援を待つ気ないのか?」

「私とアクアで倒せば報酬は二人のものよ? 何で減らす真似しないといけないのよ」

「ま、待って下さい! 私とゆんゆんがいるのを忘れないで下さい!」

「……あっ、いたわね。あー、約束したものね。しょうがない、連れていくか」

「めぐみん。私達忘れられてるよ……」

「ここは耐える時です。戦闘で目立てば、私達を仲間にしてと言う人が山ほど来ますよ」

「ほ、本当にそうなるかな? 何か微妙な感じになりそうな気がしてきたんだけど」

「不安になるようなことを言わないで下さい。とにかくやりますよ」

「口だけ魔導師とそのお友達は静かにしててくれ。お前ら、あの悪魔がどんだけヤバいか聞いただろ?」

 

 魔王の幹部級だっけ? その幹部とやらがどれぐらい強いのかわからないから、ヤバいかどうかわかんない。

 とりあえず凄く強いという認識は持っておくけど。

 無言の私を見た彼は。

 

「まるで怖がってねえ顔だな。無知なのか、それとも大物なのか」

「レックス。この子達に乗ってみるのもいいんじゃない?」

「ソフィに賛成だ。王都へ行く前に派手にやっていこうぜ」

「お前ら……。そうだな。そこの口だけ魔導師の言う通り、名声を拾っていくのも悪くないな」

 

 どうやら強さがどんなものか考えてる顔が勇ましく見えたらしい。

 レックス達が乗り気になった。

 どうしよう。幹部どれだけ強いか知らないから考えてただけなんて今更言えない。

 これで何か遭ったらどうしようと思う私の頭に素敵な言葉が浮かんだ。

 勝てば問題ない。

 さ、悪魔処刑しに行こ。

 今度こそと進もうとしたら。

 

「あなた、全てのスキルあるのよね? なら支援魔法とかは?」

「当然あるわよ。蘇生魔法もあるし、回復魔法も揃ってるわ」

「うわ、マジかよ! 本当にやれるんじゃないか!?」

「そこのお嬢ちゃんも何かあんのか?」

「あるっちゃあるわよ。使う気ないけど」

「口だけじゃないよな?」

「ええ。使わないでいいならそっちのがいいだけ」

 

 レックスは顎に手を当てて値踏みするように私の顔をじぃーっと眺め、やがて軽く頷き。

 

「嘘じゃなさそうだな」

 

 それだけを言った。

 彼はアクアと話をしてる仲間の方に行って、話に参加する。

 めぐみんがレックスを不満げな顔で見ているのは、自分だけ口だけと言われてるからだろう。

 私もまだめぐみんの魔法は見ていないので、その力量を把握できずにいる。話の通り最強の攻撃魔法を使えるなら火力は申し分ないはず。

 ゆんゆんは中級魔法を使える。

 レックス達はアクセルで腕利きのパーティー。

 合計で七人。

 相手が大物悪魔でも倒せそう。

 

「いつ悪魔と遭遇するかわからないからな。今の内に支援魔法をかけてもらうぞ」

 

 レックスが指示を出した。

 出会ってからかけるのでは遅い。それだとかけ終わる前にやられかねない。

 彼の指示に私達は素直に従う。

 アクアは私達に支援魔法を次から次へとかけていく。二十回以上唱えても失敗することはなく、また疲れた様子は欠片も見せず、必要な支援魔法を全てかけ終えた。

 そんなアクアにみんなは尊敬と憧憬の眼差しを送る。少し興奮してるのか頬がうっすらと赤い。

 ふうん。アクアの実力は本物なんだ。

 

「おいおい。凄すぎだろ!」

「あれだけやって集中力が途切れないなんてね。私達のパーティーに来てほしいわ」

「そう? まあ、私ぐらいになっちゃうとね、これぐらい当然というか」

「おい、話はそれぐらいにして行くぞ。支援魔法もずっと続くわけじゃない」

 

 話が長くなりそうと見たレックスはソフィ達の会話を強引に終わらせる。

 私達は固まって歩を進める。

 悪魔が不意打ちで魔剣の勇者を倒したという話があるので、私達は周囲を注意深く見ながら、ゆっくりと歩く。

 敵が奇襲で、私達の中心に降り立って攻撃してきたら厄介だ。中心ということは誰でも狙えるということ。それでアクアがやられたらピンチになる。

 悪魔の奇襲が一番怖い私達は警戒と慎重を怠らずに進み。

 

「くんくんっ。あっちから悪魔の臭いがするわ。中々臭いわね。いたっ!?」

 

 私は無言でアクアの頭を軽く叩いた。

 アクアは私に向き直り、怒った顔で睨んできた。

 

「何すんのよ!」

「あんた、悪魔の居場所わかるなら最初からそう言いなさいよ。無駄に警戒とかしたじゃないの」

「だって聞かなかったじゃない」

「だからって、ああもう。いいわ。とにかくあっちにいるのね? 近いの?」

「そうね。少し歩けば着くわ」

「そう。じゃ、悪魔見つけたらあんたは一番強い魔法で攻撃しなさい。そのまま滅ぼしていいから」

「任せなさい!」

 

 全てを押し付けると、アクアは自信たっぷりの笑みを浮かべて胸をドンと叩いた。

 悪魔退治でミスすることはないとばかりの態度に、むしろ不安になる。

 まだアクアのことを本物の女神とは認めてないから、不安を持つのかもしれない。

 でも、さっきの支援魔法はちゃんとしてたのよね。

 実力は本物だったし、信じてみよう。

 アクアが一発で仕留めてくれたら私は楽できる。

 むしろ、今日まで私が全部やってきたんだから、今回ぐらいは楽させてほしい。

 アクアが悪魔を倒してくれることを願いつつ、悪魔がいる場所へ進む。

 

「着いたわ」

 

 アクアは顔だけこちらに向けて言った。

 レックス達はこくりと頷いた。

 それを見て、

 

「『セイクリッド・ハイネス・エクソシズム』!」

「うおおおおおおお! いでええええええ!」

「避けんじゃないわよ!」

 

 アクアは先制攻撃を仕掛けた。

 私やレックス達はアクアを守るように前へ飛び出す。

 悪魔のいる場所は広場になっていて、木に邪魔されることなく動くことができる。

 見れば、先ほどの魔法で右腕の肘から先を失ったらく、痛そうに右腕を押さえている。

 

「くそっ! どういう破魔魔法だよ! この俺様の腕を消し飛ばすなんてよ!」

「そのまま消されてくれたらよかったのに」

「ふざけんな! てめえら覚悟はできてんだろうな」

 

 悪魔が凄んでくる。

 悪魔らしい外見もあって、かなり怖い。

 強そうな感じがびんびんと伝わってくる。

 正直、支援魔法を受けても一撃もらったらあの世行きになりそうだ。

 

「そっちこそ覚悟しなさいよ。次は腕じゃ済まさないから」

 

 アクアが後ろから挑発する。

 悪魔は怒りから体を震わせ、青筋を立てる。

 いつ攻撃してきてもおかしくない中で、レックスが大声で言った。

 

「上級魔法を使われないようにするぞ!」

 

 悪魔を四人で取り囲む。

 私はスキルを発動して、切れ味を上げる。

 悪魔の気を一人に向けさせないように注意を払う。

 誰かが攻撃をしたら、すぐに別の人が次の攻撃に出る。

 悪魔はその見た目に反して動きは素早く、無駄なく私達の攻撃をかわしたり、防いだりする。

 片腕でよくやれるなと感心しつつ、悪魔の首目掛けて剣を振り下ろす。

 

「うおっ!?」

 

 残念ながら避けられた。

 悪魔はすぐに距離を詰め、左手を叩きつけようとしてきた。

 私を守るように、悪魔の横っ面に槍が飛んでくる。

 悪魔の右腕が一瞬だけど、ピクリと動く。

 

「くそ!」

 

 悪魔はその場から身を引いて槍をかわし、吐き捨てるように悪態を吐いた。

 悪魔は一歩、二歩と下がって距離をとる。

 

「くそ。右腕さえあれば、てめえら雑魚に手こずらねえのによ……」

 

 悪魔が愚痴る。

 敵に右腕がない、これは私達にかなり有利に働いていた。

 悪魔は右腕をなくしたばかりだ。そのせいかたまに変な動きをする。恐らく右腕で攻撃や防御をしようとしているのだろう。

 それで大きな隙をつくっている。

 魔王の幹部級と恐れられたこいつをここまで押さえ込めるのも、アクアの先制攻撃のおかげだ。

 このまま悪魔を弱らせたい。

 そう思った矢先のこと。

 悪魔は地面を強く踏み込んだ。

 

「おらあ!」

 

 悪魔は防御を捨てて、テリーに体当たりを仕掛けた。

 多少の傷はやむを得ないと考えたのだろう。悪魔は背に二つの切り傷を負ってでも危険な状況から脱することを優先した。

 支援魔法がかかっていても悪魔の体当たりに耐えることはできず、テリーは吹っ飛ばされた。

 テリーは地面をごろごろと転がり、止まると呻き声を上げる。

 幸いにもアクアの近くに転がったので、アクアが駆けつけて、すぐさま回復魔法をかける。

 一方で、囲まれている状況から抜け出た悪魔は振り返って私達に左手を向けた。

 このあと悪魔が何をしてくるか予想がついた。

 だけど、あるものを見た私は回避よりも攻めを選ぶ。

 

「ばかっ! 下がれ!!」

「くたばれ! カースド」

「『ライトニング』!」

 

 雷が悪魔の後頭部に直撃した。

 後ろから殴られでもしたみたいに、悪魔の頭が前に傾く。

 悪魔は私を見ることなく、後ろに跳んだ。

 ほぼ同時に私は剣を振り下ろす。

 振り下ろされた剣は悪魔の体に傷を走らせるも、深いものにはならなかった。

 

「「ああ……」」

 

 決まったと思ったのだろう。

 レックスとソフィの残念がる声が後ろから聞こえた。私も今のはもう少し深めに行くと思ったんだけど……。

 悪魔は着地と同時に地面を蹴り、私に接近する。

 左手を振り上げる。そう来るのは予想できていたから、回避は難しくなかった。

 反撃しようとした時、危険を直感して横に跳んだ。私がいた場所を、大きめの石が風を切る音を鳴らして通り過ぎる。

 冷や汗が頬を流れる。

 もし当たっていたら骨折していた。

 危険な攻撃を回避したが。

 足が着く寸前の私に、悪魔が裏拳を放つ。

 空中にいるままでは回避できないと踏んだんだろうけど――。

 避けようとして、思い止まる。

 よほどのことがない限り力は使わないと決めた。

 咄嗟に剣で防ぐも、ぶっ飛ばされる。

 地面に背を打ち、ごろごろと転がる。

 止まったところで体を起こす。

 腕に痺れや痛みはあるが、どちらも軽いからすぐに治る。

 さっきのは私を仕留めるためのものじゃない。

 そうなると私を遠ざけることが目的ということになるが……。

 

「てめえだな! 『カースドライトニング』!」

 

 アクアに向かって、黒い稲妻が走る。

 対象を貫こうと駆ける黒い稲妻を、テリーは斧を盾代わりにして受け止める。

 しかし、上級魔法が斧にぶつかった衝撃は大きく、その場に踏み止まれなかった。

 テリーはアクアを巻き込んで後方に飛ばされた。

 

「ふきゃ!? いたた……。ちょ、ちょっと大丈夫? 今回復魔法を」

「あ、いつを……」

 

 回復魔法をかけようとしたアクアを手で制して、テリーは絞り出すような声で頼んだ。

 頼まれたアクアは戸惑うように彼を見るが……。

 テリーは他に何かを言うことはなかった。

 制するために上げた手が重力に従い、地面に下ろされた。

 悪魔の体当たり、上級魔法、この二つを一人で受け止めた彼は限界が来て、気を失った。

 アクアは気を失ったテリーを少しの間見つめる。

 やがて、右手を悪魔に向け。

 

「『セイクリッド・エクソシズム』!」

「があああああああああああああ!!」

 

 悪魔は透き通るような青い炎に包まれ、悲鳴を上げた。

 アクアは右手を悪魔に向けたまま立ち上がる。

 ゆっくりと前に数歩歩き、立ち止まる。

 顔を下に向けていて、表情が見えない。だけど、怒っているのがわかった。

 顔をばっと上げたアクアは悪魔を怒りの形相で睨む。

 

「悪魔の分際で人の命を奪うとか何様よ……。下等な存在なんだから大人しく死ねばいいのよ!!」

「そんな、テリー……」

「嘘だろ!? テリー!」

 

 えっ? あの人気絶しただけじゃないの? 本当は死んでいたの? アクアの方が近いから、遠くにいる私よりは正しい判断はできるだろうけど……。でも、死んだとは思えないのよね。

 仮に死んでたとしても蘇生魔法ありますよ。

 アクア使えますよ。

 しかし、当の本人はそのことをすっかり忘れているのか、絶対に許さないと叫んでる。

 わかってたけど、ばかだ、あいつ。

 

「テリー。お前の仇は絶対にとるからな!!」

「覚悟しなさい! 魔法使いの二人もバンバン使いなさい!!」

「はい! 魔力がある限り、魔法を使い続けます!」

「今こそ見せてあげましょうか。我が魔法を!」

 

 テリーの死を受けて、私以外がかなりやる気を出した。

 悪魔はレックス達の尋常ならざる意気込みに怖じ気づいて、冷や汗を流して後ずさる。

 見る限り、悪魔はさっきの魔法を食らったせいで弱っている感じがする。

 これは一気に攻めたら倒せそうだ。

 

「ふう……」

 

 息を深く吐いて、私は剣を握る手に力を込める。

 痺れはなくなった。これなら大丈夫だ。

 私は地面を強く蹴り、悪魔へと駆け寄る。

 剣を横に振るう。

 それを悪魔は硬い左腕で防いだ。

 斬れてる感じがないから、スキルの効果が切れてる。大事なところでか……。

 

「『ライトニング』!」

「グガッ! 鬱陶しい魔法使いやがって!」

 

 雷に撃たれた悪魔は左腕にぐっと力を入れて振るい、私を飛ばした。

 レックスは私が飛ばされると同時に悪魔の背に斬りかかる。

 

「いっ、てええええええな、ごらあ!」

「『ライトニング』!」

「ガッ!? く、くそ、この俺様がてめえらなんかに!」

 

 レックスに反撃しようとするが、ゆんゆんがそれを許さなかった。

 今度は顔面に雷を撃たれ、痛みに震えていた。

 あまりにも隙だらけな光景に、ソフィはレックスと入れ替わり、攻撃を仕掛ける。

 私はスキルを発動して、再度切れ味を上げてから接近する。

 ソフィも支援魔法が切れてしまったらしく、槍は深々と突き刺さってはいなかった。

 悔しそうに下唇を噛むソフィに悪魔は左手を向けて。

 しかし、私に気づくと左手を戻して振り下ろした剣を防ごうとした。

 ソフィのことと、さっきの私のことで、悪魔は簡単に防げると思ったのだろう。残念だけど、さっきと違ってスキルはかかっている。

 

「イッデエエエエエエエエエエエエ!?」

 

 悪魔の左手を切り落とす。

 悪魔の左手ともなれば蛙を切り裂くのと同じはずもなく、スキルをかけていても硬いと思うほどだ。

 そりゃスキルとかないとダメージ入らないわよね。

 

「『ライトニング』!」

「いい加減鬱陶しいんだよ!」

 

 悪魔は胸に雷を撃たれ、怒りの声を上げる。

 両手を失い、絶体絶命だというのに、精一杯威圧してくる。攻撃するのを躊躇させるものがある。

 上位悪魔というだけのことはあるが、私は剣を握り直して構えをとる。

 私を見て、悪魔は独白する。

 

「ちっ。魔剣の勇者には痛い目を見せられたってのによ……。俺様をまるで怖がらねえ変な格好の女剣士に、鬱陶しい魔法を使う魔法使いに、極悪な破魔魔法を使うアークプリーストか……。お前らのどこが駆け」

「あんたの話なんか興味ないのよ! 『セイクリッド・ハイネス・エクソシズム』!」

「えっ?」

「ぎゃああああああああああああ!」

 

 アクアの魔法によって、悪魔は滅んだ!

 

 

 

 悪魔を倒した私達は来た道を引き返している。

 上機嫌に鼻歌を歌いながら、軽い足取りで歩くアクアの後ろを私達はついていく。

 そうそう、テリーはやっぱり気絶してただけだった。

 テリーは私達が悪魔を倒してすぐに目を覚ました。

 生きていたことをレックス達は泣いて喜び、その後ろでアクアは申し訳なさそうにしていた。

 死んだ扱いされたテリーはアクアの回復魔法ですっかりよくなり、レックス達と一緒に歩いている。

 色々あったけど、悪魔を倒すことができてよかった。

 これもみんなが頑張ったおかげとも言えるが、一人残念な子がいるのを見落としてはいけない。

 

「口だけ魔導師はやっぱり口だけだったな」

 

 にやにやと笑うレックスにからかわれて、めぐみんは不満げに睨みつける。

 ぐぬぬ、と唸ったかと思えば。

 

「ならば、森から出たあとに我が魔法を見せてあげますよ! 口だけでないというのを見せてあげますよ!」

「おいおい。無理しなくていいんだぜ?」

「無理なんかしてませんから!」

「ほう。なら、見せてもらうとしますかね」

 

 まるで信じていないレックスをめぐみんは親の仇を見るような目で睨む。

 歯をギリギリと鳴らし、杖を握る手に力を込める。

 

「何々? めぐみん、爆裂魔法撃つの?」

「はい。この男に爆裂魔法とは何かを教えねばなりませんので」

 

 リベンジに燃えるめぐみんに、アクアは楽しみーと言って、爆裂魔法に期待を寄せる。

 私も最強と言われる魔法がどんなものか気になる。

 気になるのだが……。

 杖を振り回してレックスを威嚇するめぐみんを見てると、こいつ本当に使えるのかと思ってしまう。

 

「目にものを見せてやります!」

 

 猛るめぐみんは森を出ると、

 

「しかとその目に焼き付けるといいですよ!」

 

 杖を構えて、詠唱をはじめた。

 めぐみんはこう言った。一回で魔力が空になり、倒れることになると。

 めぐみんは持てる魔力全てを杖の先に集め、凝縮させる。

 凝縮された魔力はパチパチと静電気のようなものを放ち、空気を震わせる。

 ゆんゆんが使っていた魔法とは比べものにならないほどの強い魔力を感じる。

 

「これこそが人類が誇る最強の攻撃魔法です! 『エクスプロージョン』!!」

 

 カッ、と閃光が走る。

 草原に魔法が突き刺さり、大爆発を起こした。

 大地が大きく揺れ、爆風が草原を駆け抜ける。

 爆裂魔法により大地に大きなクレーターができる。

 これならあの悪魔も葬れたと思えるほどの威力だ。

 口だけ魔導師じゃなかったみたいね。

 レックスを見れば、度肝を抜かれたのか、何も言えずに突っ立っていた。それは彼のパーティーメンバーも同じで、爆裂魔法の破壊力に言葉を失っているようであった。

 

「はふっ……」

 

 爆裂魔法を使っためぐみんは言っていた通り、倒れてしまった。

 そして、満足げに呟く。

 

「爆裂魔法を撃った爽快感、最高です」

 

 ……もしかしなくても、レックスとの会話を忘れているわね、あれ。今の爆発で吹っ飛んだのかしら?

 めぐみんはすっかり忘れている様子で、レックスに絡もうとしない。

 そんなめぐみんをゆんゆんは慣れた手つきで背負い込む。

 何で慣れてるのかは聞かないでおこう。

 

「いやあ、凄かったわ! 流石爆裂魔法ね!」

 

 アクアはさっきの爆裂魔法に、猛烈に感動したようで、たくさん褒める。それを受けてめぐみんは鼻高々となり、めぐみんの言葉を聞くゆんゆんは少し呆れながらもどこか嬉しそうにしていて。

 めぐみんの言う通り爆裂魔法は凄かった。

 あれならどんなモンスターでも倒せそうと思えるほどの高火力魔法だ。

 デメリットも大きいけど、それに釣り合うだけのものがある。

 でも、私の記憶にある限りだと、爆裂魔法を使う必要があるモンスターはアクセル周辺にはいなかったはずだけど……。

 まあいいや。

 今日は疲れたし、はやく帰ろう。

 

 

 

 

 

 私達はかなり心配されていたらしく、ギルドに戻るとみんなが口々に無事を確認してきた。

 だけどそれも、討伐完了の報告をすると一瞬でなくなり、代わりに褒め称える声となった。

 それが数日前のこと。

 そして、今。

 私はギルドでのんびりとお茶を飲んでいた。

 悪魔討伐の報酬は一人当たり三百万エリス程度であった。

 あの時点では悪魔の実力は不明であったためにつけられた賞金は強さの割りに安いものであった。しかも稼ぎ場を取り戻すことを目的としたものだったので、賞金の重要性は低かった。

 それでも熊を狩るよりは実入りがよかったのは事実である。

 資金に余裕ができたことをきっかけに仲間を募集することに決めた。

 そういうのは専門外なので、アクアに全て任せた。任せたんだけど、何て書くのか気になって一応目を通した。

 

《募集要項 上級職のみ! 当方、強くて美しいソードマスターが一名、超優秀な美人アークプリーストが一名》

 

 ここ駆け出し冒険者の街なんだけど。あと、あんたは美人かもしれないけど、私はそんなじゃない。

 言いたいことは色々あったけど、修正するのも面倒だから見なかったことにした。

 アクアが機嫌よさげに鼻歌を歌いながら、メンバー募集掲示板に今仕上げた紙を貼りつけに行った。

 あんなんで来る人はいるのだろうか。

 来ないなら来ないで、レベル上げとちょっとした実験をしに行くつもりだからいいけど。

 

「ふふん。誰が来るか楽しみね!」

 

 アクアの自信満々の言葉に、私は「そうね」とだけ返してお茶を飲む。

 あんな募集を見て来るのはきっと、

 

「募集の貼り紙見させてもらいました」

 

 アクアと同じような奴だ。

 

「我が名はめぐみん! アークウィザードを生業とし、最強の攻撃魔法、爆裂魔法を操りし者!」

「帰ってどうぞ」

「!?」




悪魔討伐はミツルギ?マツルギ?さんがやられた日にしてみました。
ホーストが幹部級と言われても、どうしてもバニルさんと比べてしまい……うん。
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