インフィニットストラトス 〈THE GEMINI G MYSTER〉 作:ジャッジ
さて、恐らく今回の更新で今年は最後になるかと思います、来年もよろしくお願いします!
では、本編に行ってみましょう!
一夏side
俺たちが今、相手している敵を一言で言い表すとするならば…ただ速いって言葉でしか表せない。
それほど速いんだ、取り回しのいいソードピストルでも、箒のドラグーンも奴を捉えることは出来ないでいた。
センサーは敵がAGE-1スパローと示している。そして心配が一つある、箒の消耗だ。ニクスプロヴィデンスを受け取り本格的な訓練を始めたのが三ヶ月前、それでもドラグーンの全射出で捉えられない的はなかった筈だ。
「ハァ…ハァ…くっ、また二機。これで五機目だ…」
「無理するなよ箒、少し数を減らした方が…」
「大丈夫だ、問題などないっ!」
そう言うと更にドラグーンがキレを増しスパローを追い詰めようとするが、アッサリよけられ捉えられない。
(くっ…ハイパーセンサーで追いつけても、俺が反応できなくちゃ意味ないじゃないか…どうして俺は…!)
「来たぞ一夏!」
ハッとなって顔を上げると奴がこっちに高速で向かってきていた、最も驚いたのは武器がボロボロになっている短刀一本だけということだった。
「まさか…アレだけでドラグーンを切っていたってのかよ⁉︎」
箒の一斉掃射を難なくかわして湾曲を描きながら接近してくる、痺れを切らせた俺はビームサーベルを抜きスパローへと飛びかかる。
だが、瞬時加速を使い直線的な加速で迫ってくるのに対応できず、サーベルをかわされエールストライカーをすれ違い際に切り裂かれる。
「うぐっ!」
「今度はこれだ、喰らえ!」
振り返ると大型の銃器を構えていたのでシールドを掲げ防ごうとするが、ビームが当たった途端シールドが半分に割れ吹き飛ばされる。
な、なんだよあの威力は…
「これでトドメだ!」
「一夏ぁ!」
箒の悲鳴が聞こえた瞬間には、ビームがほぼ目の前に来ていて対応できない、その時俺の頭は『死』という文字で埋め尽くされていた。
死ぬのか…俺は…!
「その程度か、織斑一夏。奴とFXを倒した時の気迫はどうした?過去にでも置いてきたのか?」
いつの間にか立っていた青い機体が透明なシールドを掲げつつ俺に問いかける。こ…この声は…
「お、お前はM…マドカなのか?」
「そうだ、織斑マドカだ。あんたはもう少し骨のある奴じゃなかったのか、兄さん。」
奴の攻撃を受けつつ彼女はそう言う。骨があるって言われても、前以上に鍛えたし射撃の腕だって……射撃?
(…そうか、何となく、何となくだけどわかった気がする。)
と、その時センサーが新たに五機の機影を映し出す、一機はキラ先生のデスティニーフリーダムだ。けど、それより先行してくる四機はアンノウンと出てる。
その中の一機がマドカに向かって急加速した時、俺の体は自然に動き格納領域からある武器を取り出し、そいつと剣を交える。
「…っ、あんた対応早ぇな!」
「うおぉぉぉぉ!」
そして金ピカ野郎を持ってるビームサーベルごと俺の刀…雪片弐型で弾き飛ばす。失念してたよ、こいつにも雪羅にも…
ヴァイスストライクっていう強さを手に入れてから戦術の幅も広がった。
「でも違うんだよ…」
「あぁん、なに言ってんだあんた?」
「ああ、いつだってお前は俺の相棒だった。でも今の俺は…あの時の俺より弱いよな、なぁ…白式!」
そいつはもうこの世にいない機体、そしてこのストライク制作の時に組み込まれた機体でもある。
だから雪羅も使えるし、単一仕様能力でもある『零落白夜』も健在だ。
俺は右腕に雪羅を装備して雪片を構え直す。
「俺は…守る。千冬姉だけじゃない、手を伸ばせば助けられる仲間がいるなら精一杯手を伸ばして助ける…そう俺は宣言する。」
ハイパーセンサーで捉えたこの場にいる人の反応はマチマチだ。
意味がわからなくて聞き流してる者、いきなりの事で驚いてる者、その中でも…キラ先生にマドカ、そして箒の頑張れと言ってるような笑顔が…正直嬉しかった。
もう背中を見続けるのはやめる。千冬姉もニールも楯無さんも、そして烈花も俺とは程遠く、違う強さを持っている。そう、だから…
「こっからは…俺のステージだっ!」
そう言って飛び出す。後悔も何もねぇ、必ず守ってやるさ…仲間を必ず!
烈花side
「しーつーこーいー!」
「うるせぇ!黙って切られてろ!」
ディバインストライカーを装備したテスタメントで、カオスインパルスのビームクローをよける。
ってかカオスシルエットなんてどっから持ってきたの⁉︎そんなレアモノどこにも置いてないわよ!
「しゃらくせぇ!こいつで爆ぜな!」
そう言って複合武装ポットを飛ばしてくる。ああもう、BT兵器ってのは苦手なのよ!
だいたい私のBT適性なんてDよD!ほぼ最低ランクじゃないの!
…って今は関係ないか。
「ええぃ、そっちがその気ならこっちは!」
〈SAVIOIR-FORM〉
背中に二門の大型砲がついたストライカーがつく、これはセイバーガンダムのバックパックをシルエット化したセイバーシルエット。
高速移動しつつビームライフルショーティーで本体を狙うが両腕のシールドで防がれて通らない。
「チッ…‼︎この野郎!」
すると奴は明後日の方向にミサイルを打ち出す。不審に思いその方向を見てみると、今まさにバタフライバスターをサーベルモードでデスティニーに切りかかろうとしているX0が…お姉ちゃんがいた。
「しまった、早くいかないと!」
「行かせるかバァカ!」
後ろからのライフルやビーム砲をセンサーをフル活用して全てかわし最速状態でミサイルを追い越す。
「間に合えぇぇぇ!」
「へっ…烈花⁉︎」
ギリギリで間に合いアルフォルタス、スーパーフォルティス、二丁のビームライフルでの一斉砲火でミサイルを全て撃ち落とすが、爆炎に混じって接近されビームクローでアルフォルタスを破壊され蹴飛ばされる。
「このっ、烈花になにすんのよ‼︎」
「へへっ、妹のこと心配してる場合かよ!」
こっちに救援に向かっていたお姉ちゃんもデスティニーのビームブーメランでスラスターの一本を切り飛ばされ、私とぶつかる形で止まる。
「つつつ…あ、烈花大丈夫⁉︎怪我してない⁈」
「だ、大丈夫大丈夫…それよりお姉ちゃんは?」
「こんなもの損傷の内に入んないわよ、ハンデにはちょうどいいかな?」
そう言って二機を見る、インパルスの方はまたデスティニーシルエットを装備した形態になっている。
これでトドメを刺すってことかな?
「あはは…強いねぇお姉ちゃんは。んじゃ見せつけてやろうよ。」
「そうね…あんた達!しっかり目を開けて見ておきなさい、目にもの見せてあげるから。」
推奨BGM
仮面ライダー電王
「Double-Action sword form」
そう言うと新たなムラマサを展開、異形のムラマサブラスターの二刀流で構える、私も習ってセイバーシルエットを格納、パスを構え新たなストライカーを取り出す。
「お姉ちゃんも本気みたいだし、行くよ…てんこ盛り!変身ッ!」
〈MULTIPLE ASSAUIT-FORM〉
背中にアグニ、シュゲルトゲベールがついたエールストライカー、右肩に三連コンボユニット、左肩にビームブーメラン、左腕にロケットアンカー、右手にビームライフルそして左手にバズーカを持つ。
そう私が装備したのは、てんこ盛り…マルチプルアサルトストライカーだ。
「これが私のとっておき、パーフェクトテスタメント!」
「なにが…完璧だ!私と麗奈のコンビで打ち砕いてやる!」
「おうよ、行くぜ風香!」
そう意気込み二機とも突っ込んでくる。そういやさっきのレイナとフウカってのはあの子らの名前かな?
「気を入れなさい烈花、それと……合わせてくれる?」
「…五年ぶりだね、私はいいよ。さぁ見てなさい…」
「「如月姉妹のコンビネーションアタック!」」
まず、先行するお姉ちゃんの後ろに私がまわり、バズーカとガンランチャーで攻撃する。その間の防御は全てX0が引き受けてくれる。
そして、瞬時加速で高速接近しムラマサでDインパルスの連結エクスカリバーと切り結ぶ。
「お、押されてる…でも!」
「これでも食らっとけってん…うわぁ!」
「全く、私のこと忘れないでもらえる?」
急接近でお姉ちゃんの方に気が向いていた隙に飛び上がり、ビームライフルを撃とうとしてたデスティニーにビームブーメランとバズーカを放って体制を崩させる。
「麗奈!テメェ、ぶっ飛ばしてやる!」
「ぶっ飛ばされるのはあなたの方よ!」
「んだと…ぎゃふっ!」
その時、私の放ったブーメラがデスティニーシルエットの翼を切り裂く。
多分デスティニーのシールドに当たって軌道がかわったんだと思うけど…狙ったんじゃないのに凄い…
「やるじゃない烈花!さて、もうあんたは用なしね!」
するとお姉ちゃんはインパルスを踏み台に三点飛びの要領でデスティニーへ突進、上下逆さの状態でアロンダイトと切り合う。
「よくも私のインパルスに二度も傷つけやがったな!絶対許さねぇぞ!」
「あちゃーこっちは怒り心頭か、物のついでに、キレちゃいな…よ!」
私はエールのビームサーベルをもう片方の翼に投擲し爆発して機動力がガタ落ちしたにも拘らず、突っ込んでくる。
「如月…烈花ァァァァ!」
「うわぁ…マジギレだなコレ。そぅら!」
シュゲルトゲベールとエクスカリバー、ムラマサブラスターとアロンダイトがぶつかり合い、二箇所でスパークが発生する。
二人が怯んだ隙にお姉ちゃんとアイコンタクトをかわす。
「セーフティ解除!行くわよ!」
「さて、私の刃にひれ伏しな!」
お姉ちゃんはムラマサのセーフティを解除してアロンダイトを、私は腰のビームサーベルを抜いてエクスカリバーの連結部を破壊し、ほぼ当時に互いの敵を蹴り出す。
対角線上に立っていたので二人は背中でぶつかって静止する。
「最後の仕上げよ、タイミング合わせて!」
「了解、こっちも本気でいくよ!」
〈FULL CHARGE〉
パスを二秒ほどかざし全火器のセーフティを解除、フルパワーでチャージする。お姉ちゃんもボウガンモードにしたムラマサを構えいつでも撃てる。
「「3…2…1…フィナーレ‼︎」」
同時に放たれる光条、総じて三十連フルバースト、いくらビームシールドを持っているとはいえコレを耐えることはできない…
できない…ハズだったのに。
「ケホ…なかなか効いたぜ、今の連携。」
「へっ、こんなもんいくらでも受けてやらぁ!」
なんと彼女らはあれを防ぎきっていた、けど機体はボロボロだし武装も少ない、顔のパーツも破壊され素顔が…………………え?
「ウソ…でしょ?」
お姉ちゃんがそう呟く、無理もない。私だって意味わかんなくて絶句してるんだから。
だって二人とも…私たちと全く同じ顔、瓜二つなんだから。
「チッ、顔バレちゃあしょうがないな名乗らせてもらう。
私は如月麗奈!コイツは妹の如月風香!
この如月姉妹の顔と名前、よぉく覚えとけ!」
「ここは引くけど…必ずお前らを咬み殺す、わかったな!」
そう言うと二人とも離脱していく、あまりの事で二人ともしばらく呆然としてたが。
彼からの…ルルーシュからの通信で混乱が回復した。
『総員に通達する、作戦はラストフェイズに移行…作業にかかれ。』
ハッと意識が戻ると海中から何かが浮上してくる。
淡紅色に塗られ両舷に白い翼、スラリとした艦首をした艦…
これこそ、作戦の真の目的…永遠の名を持つこの艦の名は…
「エターナル…いくよ皆!」
直後、全員が持っているライフルやバズーカに追加型のグレネードランチャーか装着され一斉にそれを放つ。
それは敵に当たらず爆発しピンク色の煙を上げるスモーク弾だった。同じ色なので敵も迂闊に打つことが出来ない、その隙にハッチから艦内に入る。中には見知らぬ青いのと黄色いのが混じってるけど…後にしよう。
(それにしても、私で最後のハズなのになんでハッチ閉めないんだろ?)
とその時、辺りをキョロキョロしながら誰かを探していた蘭ちゃんがこう言った。
「あ、あの…キラ先生は…?」
キラside
僕はある機体と対峙していた。トゥルースフリーダム、ついこの間盗まれた真実の名を冠するフリーダムだ。そのパイロットは…
「アスラン、やっぱり君だったんだね。」
「キラ、本当にキラなのか⁉︎」
アスラン・ザラ、僕の大親友で共に戦い抜いた戦友でもある。
この世界にいるのは驚いたけど、シンがいたんだ、何も不思議なことはない。
「どうしてお前がここにいるかは知らない、だがどうしてお前がそっち側にいる!
なぜお前があんな奴らと一緒にいるんだ!答えろキラ!」
「…僕のいるべき場所は、あそこにある。だから僕は彼らと行動しているんだ。」
「その理由を聞いているだ!
お前がこんなの事をするのは理由があるはず、あの時だってそうだった。あんだろ?言ってみろ。」
彼はビームサーベルを腰に戻し戦闘態勢を解く、僕も習ってアロンダイトを背中に刺し雪片を格納する。
「生徒、だから。僕はIS学園の教師…先生で彼女らは僕の大切な生徒だから。
教師が生徒を見捨てていいハズがない、その為に彼らと共闘する道を選んだ。邪魔したり彼女らを傷つけるようなら…いくら君でも許さない!」
「キラ、お前…」
「いずれまた会うと思う。もう迷わない、その時は…君を打つ。」
そう言ってエターナル内部に入る、ハッチが閉まったと同時に振動がして沈んでいく感覚を覚える。
多分アークエンジェルと同じ改造が施されているんだろう、この艦も宇宙戦艦だったから機密性は高いだろうし。
その後の追撃もなく、僕たちは無事にイレイズドから脱出した。
第十九話完
次回予告
インフィニットストラトス
〈THE GEMINI G MYSTER〉
番外編
「私(俺)の声って?」
次回は番外編です、いつもとは違う書き方をするのでご了承下さい。
年末も感想、ご意見お待ちしております。