インフィニットストラトス 〈THE GEMINI G MYSTER〉   作:ジャッジ

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第二十六話 「潜入、IS学園」

No side

 

ヒビヤが運転するトラックはIS学園に来る業者専門の地下駐車場に止まっていた。

ルルーシュが用意していた偽造パスの恩恵もあり、やすやすと学園内に潜入できたのだ。

 

そのトラックの運転席からヒビヤが、そして荷台からはラウラ、そしてフォルテが現れた。

その服装は清掃業者が着ているツナギと同じもので、特にラウラとフォルテはそれぞれカツラを被り二人とも黒髪になっていた。

 

「ふぃ〜、まさかこんな形で学園に戻ってくるなんて思ってなかったっすね。」

「いや普通はそんな事ないから、俺らが特別なだけなんだよ。

それより、二人とも潜入とかしたことあんの?」

「潜入用の訓練は訓練生時代にいくらか受けて来た。心配しなくてもいい。」

「あたしもそこその訓練は受けてきたつもりっすよ。」

「お前ら、私とは別行動だけど変な事してバレんなヨ。

ここで潜入がバレたら四面楚歌なんだからナ。」

 

一番最後にエイラが荷台の方から降り立つ。

彼女は特にカツラを被ったりとかカラーコンタクトをしたりとかはせず、ただIS学園の制服に着替えていただけだった。

 

もちろんそれもカスタマイズされていてカラーリングとスカートを履いてるが、ストライクウィッチーズのエイラの軍服そっくりだった。

 

「ふふん、どうだこの制服。馬子にも衣装ダロ?」

「ああ、まさしくその通りだ。」

「…ふん、せいぜいバレんなヨ。」

 

その長髪に隠すようにインコムを付けてエイラは学園内部へと向かう。

それとは反対にヒビヤ達は外へと向かっていた。

 

今回の作戦においてルルーシュが彼らに言った指令は二つ。

現在のIS学園の戦力の確認と最深部に存在するメインコンピュータから新生亡国機業の情報を抜き出す事だった。

 

エイラside

 

今回の任務において私が受けたのはメインコンピュータからのデータ抜き出し。いやはや、セキュリティの突破方法を習っててよかったんダナ。

非常口を使って学園内に潜入、今はちょうど昼休みだからそこら中に学生が溢れてる。まさに木を隠すなら森の中ってわけダ。

 

「っと確か最深部に行く為には…この角を左に曲がって、立ち入り禁止区域にある扉を通るんダッタナ。」

 

私は生徒の波を掻き分けて普段は教員以外立ち入り禁止になっている場所に向かう。

 

(ふぅ〜ん、楯無から聞いてたよりなんか殺伐してんな…

なんだよあいつら、ファッションカタログ見てんのかと思ったらIS用の銃のカタログなんか見て…ドウナッテンダ?)

 

周りに怪しまれないように辺りを見回す。どうもおかしい、話を盗み聞きしてもどう生き残るかだとか。装備の話とか。

教室内を覗いても話してるのは生き残る為の方法、教育方針でも変えたのか?

そして極めつけが…

 

(お、おい…こいつら全員、銃持ってんのかよっ!

ここってホントにIS学園か?武偵高の間違えじゃないのかよ!)

 

全員スカートの中や背中に隠してるが銃を携帯してやがる…やっぱおかしいぞこの学園…

 

人目の付かない角に入り込みインカムをオンにする。

 

「もしもし、こちらエイラ。聞こえてるかヒビヤ?」

『エイラか…こちらヒビヤ、感度良好。何か問題でも?』

「学園の様子がおかしい、楯無に聞いたよりも殺伐としてる。ここは部偵高かっての!」

『ああ、俺たちも確認した。ラウラ達も昔の学園はもっとラフだったとか。』

「見たいだな、よしっ。

さっさと終わらせて帰るゾ。」

 

一方的に通信を切って目の前にある扉を見る。どうもこいつが例の扉らしいな。

けど、開けようとするとパスコードの認証とカードの提示を要求された。なんとも怪しいけど、面倒だ。

 

「ナンダヨー、ここに入る為にはこんなに面倒だとは…全くしょうがないな〜。」

 

そう言いながら取り出したのはパスカード、そこには織斑千冬の写真が貼られている。

出発前に任務の為だと頼み込んでこれとパスコードを教えてもらった、やっぱ持つべきものは仲間ダナ。

 

「よっと、これでOK。案外楽勝ダナ。」

 

扉をくぐり直通エレベーターに乗って地下へと向かう。ここまでは序の口、私の戦いはここからなんダナ。

 

ヒビヤside

 

「あっ、ったく。あいつ一方的にかけてきて一方的に切るとかあり得ねえだろ。」

 

俺たちは現在のIS学園にある戦力を確認する為、第六アリーナに併設されている第六格納庫に来ていた。

今まさに入ろうとしていた所に連絡が入ったから焦った焦った。

 

「ここは元々専用機持ち達の機体が格納されてるっす。あたしらが九人の方に行ったから、本当はもぬけの殻…のはずっす。」

「ああ、学園の専用機持ちはあれで全員だからな。」

 

俺、ラウラ、そしてフォルテの順番に中へと入っていく。

だがそこはもぬけの殻ではなく、ちゃんとハンガーにはISが鎮座していた。

そこには見覚えのあるハイペリオンやデスティニー、紫のインパルスそして、俺にとっては忌々しいヴァンセイバーまであった。

 

「ま、マジっすか…あたしら以外こ専用機持ちが転校して来た?」

「いや、それだけじゃないだろう。

例えばそこのハイペリオンガンダム。あれには山田先生が乗ってるはずだから、ここには教員の機体も置いてるってことじゃないか?」

「ラウラの言う通りだ、決定的な証拠を見つけたよ。」

 

ヒビヤの指差す先にはステラのアカツキみたいにキラキラ輝く黄金の機体を指差した。

その横には似たような形の灰色と白い機体が並んでいた。

 

「これってこの間、楯無さんらが戦ってた…」

「ああ。デルタガンダム、デルタプラス、デルタカイ。

通称デルタシリーズって呼ばれる機体だな。」

「って事は、少なくともあの三人はいるって事っすね…

っと、そろそろ休み時間が終わるっすよ。」

「よし、じゃあ…」

「悪いけどそこまでよ!」

「「「っ⁉︎」」」

 

ガチャッ!っという銃の音を聞いて入り口の方を振り向く、銃を構えてるのはワインレッドの髪をした…

 

「お、お前は…ルナマリア・ホーク⁉︎」

「どこで私の名前を知ったのか知らないけど、あんた達もただの清掃業者じゃないわね。」

 

ちっ、これは予想外だ…さっきからエイラに連絡を取ろうとしてるけど向こうは地下だから繋がらない…

こうなりゃ…いっちょ暴れてやるか!

 

『ラウラ、フォルテ。俺がISを展開したらお前らも展開しろ、分かったな。』

『だがエイラはどうするんだ!』

『警報が鳴れば気がつくはずっす。そう言うことすよね?』

『その通り、じゃあ行くぞ!』

 

俺はベルトを巻き、待機音が流れ始める。

 

「な、何この音…電車のホーン音?」

「そうさ、さて出発進行だ!変身!」

〈Raiser-Form〉

「来いシュヴァルツェア・ヴァーチェ!」

「行くっすよジンクス!」

 

展開時に発せられる光がルナマリアの目をつぶし、その隙に天井にミサイルを打って脱出口を作り外に出る。その瞬間、警報が鳴り響き学園中が騒がしくなる。

全く、なんで二回もこの学園から逃げなきゃいけないんだよ!

 

エイラside

 

「ははっ…なんだよこれ…こんなのアリエンノカ?」

 

私の前にあるパソコンには今、数種類のガンダムタイプISの設計図を見ながら頭を抱えていた。

そこに描かれていたガンダムは…

 

「GPシリーズとFAWS計画かよ…しかもデンドロビウム以外はロールアウト済みだとか…モウヤメテクレヨ…」

 

FAWS計画はともかく、GPシリーズはやばいな。いやいや、どっちも危ないだろう…

その時、警報が鳴り響く。急いで学園のセキュリティをハッキングして内容をチェックする、あいつらもう見つかったのかよ!

 

「しょうがない、サッサトタイサンスルカ。」

 

データを入れたメモリースティックをポケットに入れて早足でエレベーターに乗り地上を目指す。

そして、扉を開けた私を迎えたのは…鼻先に突きつけられた銃口だった。

 

「な、な、ナンダヨコレー⁉︎」

「さっき地下のメインコンピュータールームに織斑千冬のIDで誰かが入っていったというのを警備室から連絡があって駆けつけてみたらさ。

この学園に織斑千冬はいない。でも君はそのパスとIDを持っている、何者なんだ?」

 

銃口に気を取られてわからなかったけど、目の前に立ってるこいつの声、それからチラッと見えた緑の目。間違いない。

 

(アスラン・ザラか、なんで今ここにいるんだ。タイミング悪過ぎるダロ…)

 

その時、アスランのしている無線が反応し何かをボソボソ話してる。

おお…今度はナイスタイミングだ!

 

アスランにバレないようコソコソとポケットの中からAの文字が描かれたカードを右裾に隠し、服の上からゼロノスベストのレバーを押して待機状態にする。

 

「な、なんだこの音は…?」

「行くぞ、変身!」

〈Agios-Form〉

 

瞬間、私の体を光が包みこんでエクストリームガンダムアイオスフェーズが展開され、エレベーターにライフルを撃ち込んで空いた穴から脱出する。

このまますんなり帰してくれたらありがたいんだけどな…

 

No side

 

エイラが脱出したと同じ時、ヒビヤ達は既に戦闘を開始していた。

 

ジンクスIIソードを駆るフォルテはその手に持っているバスターソードを振るって無人機のリゼルを真っ二つに切り裂く。

 

「なんで学園にも無人機がいるんすか!絶対おかしいっすよ!」

「おそらく襲われた時の為に用意していたんでしょう。

ここにある無人機は全てモルゲルレーテが開発したものばかりですから。」

 

ラウラも両肩のキャノンを撃ちリゼルのライフルを破壊する。

その傍らではヒビヤがナギナタモードにしたGNソードIIを振るって赤いデスティニーガンダムのアロンダイトと斬り合っていた。

 

「このっ、早いとこ合流しなきゃいけねぇってのに…!」

「そう上手いこと活かせるもんですか!」

 

一度離れたデスティニーが右肩のビームブーメランを投擲、それと相対する形でヒビヤもオーライザーのパーツからGNマイクロミサイルを放ち相殺する。

だが、その爆煙の中からはルナマリアのデスティニーガンダムは消えていた。

 

「なっ、どこに…上か!」

「はあぁぁぁぁぁ!」

「おぉぉ!」

 

光の翼を煌めかせながら、上空からアロンダイトを振り下ろすデスティニー。

すかさずGNソードIIIを展開しそれと交えるがその凄まじいスピードには流石のダブルオーライザーも対応出来ずアリーナに墜落してしまう。

 

「ぐはっ!」

「「ヒビヤ!」」

 

それを見たすかさずラウラとフォルテがフォローに入る。

ラウラのGNバズーカとフォルテが奪ったリゼル用ビームライフルの光弾がデスティニーを牽制しその隙にヒビヤの元へ駆けつける。

 

「大丈夫かヒビヤ。」

「ああ、問題ない。

にしてもあのデスティニー…ベース機のスピードを比べものにならないぐらいに強化されてんな。カスタム機か?」

「う〜ん、赤いから三倍の早さじゃないんすか?」

「…それだったら烈花も通常機の三倍のスピードが出るな。」

 

そうやって冗談交じりにやっているが、その余裕は急に消え去る。

ゴゥン!という音が響きアリーナの天井がどんどん閉じていくのをみた。

 

その状況をマズイと感じた三人は急いで大丈夫を試みるが突然横方向からの砲撃が目の前を迸りその場で止まってしまう。

そこにはブラストシルエットを装備したインパルスと紫のデスティニーが狙っていた。

 

「こっから出たけりゃ私らを倒さないといけねぇが、果たして倒せるかな?」

「へいへいノルマは肝に銘じておくよ。まっ、とっととテメェら倒してここから出させてもらうけどな。」

「言ってろタコ!私らだけじゃなくてこんだけの無人機がいるんだ。

たった三人で勝てるわけねぇたろうが!」

「どうかな、三人寄れば文殊の知恵ともいう。それに、俺たちは三人だけじゃねぇ!」

 

その時、アリーナの壁の一部が轟音を立てて崩れ落ちる。

そこには朱色をベースにゴールドのラインが入った機体が黄金の拳を前に突き出していた。

 

「極限全力シャイニングバンカー。リミッター掛けた状態でもこの威力だ。

これを喰らいたくないなら、さっさと私らをこっから出して欲しいンダナ。」

「さてと、これで選択肢がさらに増えた訳だ。こっから逃げるっていうな!」

 

そう言うとヒビヤ達はエイラの開けた穴から脱出しエイラを撃破しに集まった無人機隊が展開していた。

 

「おいおい、流石にこれはキツくないか?」

「それでもここは逃げるしかないっすよ。

捕まったら一巻の終わりっすからね!」

「ここで捕まるわけにはいかない、意地があるのです私たちには!」

「ラウラ、お前なんのアニメ見た?どこのスクライドダヨ…」

 

ため息を尽きながらエイラは目の前にいる無人機たちを見た。

この状況が続くのなら、最悪あの力を使うことになるかもしれないと彼女は金色でEXAと書かれたカードを握りしめた。

 

第二十六話完




更新頻度が落ちている事が最近の悩みです。流石に忙しいですね(汗
では次回予告。

ルルーシュが派遣した増援が到着してもIS学園での戦闘は激化する一方。
そしてエイラはあの力を解放する。

次回
インフィニットストラトス
〈THE GEMINI G MYSTER〉
第二十七話
「極限の希望」

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