インフィニットストラトス 〈THE GEMINI G MYSTER〉 作:ジャッジ
烈花、戦闘開始
Another Century's Episode 3 THE FINAL
「深紅」
トランザムVS光の翼
ガンダムビルドファイターズ
「メイジン〜通常のフラメンコの六倍の情熱〜」
「ぶっちゃけ、ありえな〜い!…いやマジで、真剣に。」
森林の中、アストレアtypeF…烈花は、スナイパーライフルのスコープを覗きながら、青紫の機体。エヴァンゲリオン初号機を見ていた。
いや、Mark6がある時点でもしかしたら…とは思っていたが、まさか本当にあるとは思わなかったようだ。
「でも、まぁ。私のミッション内容に、変わりは無いみたいだし。」
烈花の任務は、基地から少し離れた森林に身を潜めての長距離援護。
ゆえに、それ相応の装備をしている。
辺りに溶け込むための迷彩柄のマント。長時間運用の為の追加粒子貯蔵タンク。センサー強化の為に追加されたバイザーマスク。
そして、調整されたトランザムシステム。ただし。
(いいですか烈花さん。トランザムに関しては、まだ未調整の所があります。絶対にトランザムは使わないで下さいね!)
「わかってるわよ。第一、戦場とこことじゃ、かなり離れてるし。
さてと、全力で狙い撃たせて貰うわよ、向こうにゃ悪いけど。」
出撃前に、アオバから言われていた忠告を、思い出しつつ。
追加されたバイザーマスクを介して、まずは一番近くにいたジンクスIIIを狙い撃つ。
が、ハイパーセンサーが捉えたのは、新たな獲物ではなく、こっちに迫ってくるビームブーメラン。
「げっ、ヤバイヤバイ!」
ライフルを抱えたまま、木々を掻き分けながら移動する。
すると、さっきまで自分がいた場所の木が、次々となぎ倒されていく。
そのままそこにいたら、木の陰が無くなって、見つかってたかもしれない。
「って事は…やっぱりか。」
彼女が見つけたのは、デスティニーガンダムと、デスティニーインパルス。烈花にとっても、向こうにとっても因縁深い相手だ。
しかし、烈花はあえて姿を見せなかった。
その代わりに、赤外線スコープを使って、わざとらしく狙いをつけ、狙撃する。
命中を確認すると、直ぐに移動を開始、ほとんどホバーするような形で移動していく。
「さぁて、これでどう出るかな〜?」
ここまで挑発したんだ、これで乗ってくれないと、ちょっと恥ずかしい程に、だ。
すると、それに応じた。いや、それ以上のお返しが来た。
後ろから迫ってくるのは、高出力のビーム。おそらく、ブラストインパルスのケルベロスビーム砲だろう。
「って、これは流石にやり過ぎだってば!」
巻き込まれないように、飛び上がって、それをかわす。
そこに待ち構えていたのは、アロンダイトを構えたデスティニーガンダム。
「かかったな!」
「それは、コッチのセリフよ!」
烈花は、手にしていたGNロングブレイドで、アロンダイトと切り結ぶ。
GN粒子をその刀身に纏わせ、切断力を飛躍的にアップさせていた。
デスティニーは、それを振り切らず。逆につばぜり合いをやめて、インパルスの元まで、後退する。
「悪りぃけど、お前との因縁は今回でおしまいだ。上の方から、お前を連れてこいって言われてるんでね。」
「連れてこい?そっちの上層部は何を考えてるのかしらね。」
「んなもん知るかよ、とにかくテメェを連れて帰るんだよ!」
それと同時に、デスティニーインパルスがエクスカリバーを引き抜き、烈花に斬りかかる。
烈花も長短のGNブレイドを両手に持ち、それを受け止め、両腕のGNバルカンによる牽制をして、少し距離をとる。
そして、右腕にGNソードとGNビームライフルを展開する。間合いの長い武器で、相手を近くにまで、接近させないようにする為だ。そして。
「あっついわね〜ったく。流石、香港って感じ?
気候的には熱帯だったっけ。そりゃ暑いわけか。」
そう言いつつ、フェイスマスクを解除する。
マスクを撮ったことによって、一時の解放感を味わってから、巻いているバンダナを取り、オレンジ色のセミロングの髪をポニーテール風に結う。
「髪を結ったら強くなれんのかよ!ばっかじゃねぇの!」
「できるオンナは髪を上げんのよ。そういや、あんたら似てるよね。私と、お姉ちゃんに。」
「まぁ、似てるってレベルじゃないけどな。」
そう言って、デスティニーの頭部が解除され、露わになった顔は、アラスカの時と同じ、烈花とほとんど同じものだった。
「風香。お前も顔を見せろ。」
「はぁ⁉︎なんでだよ麗奈!」
「どうせならな。
…お前、知りたいんじゃなかったのか?私らとお前ら、なんで同じ顔なのか。」
「…知りたい。だとしたら?」
「ならよぉ!」
アロンダイトを振りかぶり、烈花へと迫る麗奈。
烈花もまた、GNソードでそれを受け止める。
「ならよ、お前が素直について来ればいいんだよ!」
「残念ながら、そんなのお断りよ!」
烈花は、左手のビームライフルを撃つが、ソリドゥス・フルゴールビームシールドで受け止める。
その隙に風香が、テレスコピックバレルビーム砲塔をチャージし、それを烈花に放つ。
「そんなの当たらないわよ!」
「舐めてんじゃねぇぞ、ババァ!」
「…はぁ⁈
私はまだ、二十四歳だっつうの!」
ライフルからピストルに持ち替えた烈花が、素早くトリガーを引く。
それをよけた麗奈と風香は、それぞれのロングソードを持って烈花にその刃を向ける。
その後、同時に飛びかかりソードを振るう。
烈花もまた、ガン=カタのステップを応用した回避で、それらをかわしていく。
「楽しいねぇ、全身の血が沸騰しそうだ!」
「あら奇遇ね。私も同じよ!」
風香を置いてけぼりに、烈花と麗奈は、螺旋を描くように、切り合いながら上昇していく。
「風香!お前はあっちの方に行ってこい!
どう考えても、向こうの方が楽しそうだ!」
「はぁ⁉︎なんでだよ!」
「よく見てみな。」
その方向には、さっきから爆発がひっきりなしに起こっている。
エヴァ所号機と、貴音たちが戦っている場所だ。
ここから見ても、かなり激しい戦いになっているのがわかる。
「こいつの…こいつらの味方をしてやれ。」
「な、なんでだよ!あいつら敵だろ!助ける理由なんてねぇ!」
「理由ならある。あの紫の奴は、完全にこっちの敵で、それを倒そうとするこいつの仲間は、私らの味方だ。」
「けど!」
「あいつはなぁ!ぜーんぶを壊すまで止まらねぇ。
その前に壊せ!急げよ、時間がない!」
「〜〜〜ッ‼︎わかった!」
光の翼を広げたデスティニーインパルスは、大急ぎでそっちの方に急行する。
それを見送りつつ、麗奈はアロンダイトを大きく振りかぶり、烈花に振り下ろす。
「あんた、どういうつもり?」
「どうもこうもねぇ、お前との決着をつけたい。
私がどうなってもいい。だから…あいつだけは、見逃してくれねぇか?」
「その理由、聞いてもいいかしら?」
「……クローン人間。って言葉を知ってるか?」
それを聞いた瞬間、烈花はその目を見開き、冷水をかぶったかのように、頭が急に冷えた。
その言葉が、どういう事を意味するかを、彼女は知っているから。
「まさか…私の…?」
「ああ、私はお前の。風香は、如月貴音の体細胞から作られたクローンさ。」
「…なるほど。それなら、話が通るわね。」
だから、二人の顔は烈花と貴音に似ていたのだ。
でも、そこでまた、新しい疑問が浮かび上がってくる。
どうして、この姉妹の体細胞を使ったのか。他にも、有能な人物がいたはずだ。
「わかることはそれ位だ、もういいだろう?」
「ええ、まだ聞き足りないことは、あるけどね。」
「そこは勘弁してくれよ。んじゃ、行くぜ!」
その掛け声と共に、麗奈は翼を広げ、烈花に迫る。
彼女のデスティニーには、射撃武器のビームライフルもあるが。全領域の射撃戦を得意とする烈花には、逆効果だと考えたからだ。
だから近接戦闘にこだわる。おそらく、烈花はそれを最も苦手とするのだろうから。しかし。
「なめないでよね、人並みには近接戦闘もいけるわ。」
烈花はGNソードを使い、アロンダイトと斬り合う。
突きや返し、フェイントを組み込みつつ、高速で連続で大剣と長刀を振るう。
そして、烈花は
そして、烈花はGNソードをビームライフルモードにして、両手の銃で連続射撃を浴びせる。
対して麗奈は、アンチビームシールドからビームシールドを展開し、それを防ぎつつ接近する。
「はぁぁぁ!」
「ふふっ、させないわよ。」
麗奈の突進を、急上昇でかわした烈花は、再びビームライフルの狙いを定め、トリガーを弾く。
「っのぉ!デスティニー!」
ビームが当たる寸前、デスティニーの光の翼を発動させて、高速移動しながらビームライフルを打つ。
烈花もまた、ハイパーセンサーをフル稼働させてそれを狙うが。
その速さでは、ちゃんと狙いをつけることもままならない。
「もらったぁ!」
高速移動で背中に周り、麗奈が高エネルギー長射程ビーム砲を展開して、烈花のビームライフルを破壊する。
烈花もすぐに、後ろに向けてライフルを撃つが、その時には既に、その背後へと移動している。
「えぇい!」
降り帰り際に、デスティニーのビームライフルを切り裂き、光の翼を解除して、後退しながらビーム砲を連射する。
烈花も、それをバレルロールしながらよけ、右手のライフルで応戦する。
「けっ、やるじゃねぇか!」
「やるじゃないあんたも。ふふっ、スイッチ入っちゃったわよ!」
烈花の振り下ろしたGNソードを、麗奈は、咄嗟に繰り出したビームブーメランで対抗する。
「これで、どうだ!」
麗奈は、素早く跳ね上げた高エネルギー長射程ビーム砲を撃つ。
それは烈花の右肩に直撃し、アーマーを吹き飛ばす。
しかし、彼女もすかさず、腕のバルカン砲で両方のビームブーメランを破壊、その爆煙に乗じてGNソードを振るう。が。
「ヴォアチュール・リュミエール、ミラージュ・コロイドシステム。リミットブレイク。光の翼、最大出力ッ!」
今まで以上の加速と、残像を見せるデスティニー。
もはや、ハイパーセンサーでも捉えれるかどうかのレベルに達していた。
今のデスティニーに対抗するには、アレを使うしかない。
それに、このままでは負けてしまう。
負ける、それは単純に死を意味する。そうなったらまた、皆が悲しむ。一夏達はもちろん、貴音も…そして、セシリアも。
烈花の決断に、迷いは無かった。
「…大人ってのはね、時には大きな決断をするもんよ…」
「これで終わりだぁ!」
デスティニーのアロンダイトが、アストレアの胸へと突き刺さる…
直前にアストレアが消えた。まるで、最初から何も無かったかのように。
そして、デスティニーのハイパーセンサーが捉えたのは…月を背後に、上空から迫ってくる機体。
赤いボディーをさらに赤色化させたIS。
「…トランザム!」
トランザムを発動させたアストレアだった。
GNソードを展開して、高速でデスティニーに迫る。
互いに、残像を出す程の高速移動て、アロンダイトとGNソードで斬り合い、火花を散らす。
「くっ!」
「甘い!」
麗奈はアンチビームシールドを犠牲に、烈花の後ろに回り込むが。GNビームダガーでアロンダイトを弾かれる。
さらに、GNビームサーベルに持ち替え、右手のGNソードと共に、連続で斬撃を浴びせる。
麗奈も、アロンダイトでそれを捌き、GNビームサーベルをはたき落とす。
そして、懐に潜り込み、逆袈裟斬りに振るって、アストレアに大きな傷をつける。
「さっさと沈めぇ!」
「こんなもんでは沈まないわよ。」
後ろに回り込んだ烈花は、ビームライフルを背中に撃ち込む。
振り返ったデスティニーは、アロンダイトを横薙ぎに降り、GNソードを切り裂く。
「歯ぁ食いしばりなさい。ちょいと痛いわよ、小娘っ!」
そして、GNロングブレイドとショートブレイドを振り、デスティニーの装甲をX字に切り裂く。
そのまま、デスティニーは落下していき、森林へと墜落した。
トランザムが終了した烈花も、その落ちた場所へと向かう。
デスティニーは、あちこちにスパークがほとばしって、かなりのダメージを受けている様子だった。
「うぅ…は、はは。めちゃくちゃ強えじゃねぇかよ。」
「ええ、そうよ。」
「なるほどなぁ…これって、能力の差なのかなぁ?やっぱ、クローンは本物に勝てないのかなぁ…」
「…それは違うわ。」
そう言って、烈花はアストレアの武器を解除する。
そして、麗奈に歩み寄り、そっと頬を撫でる。
「バカねぇ。能力差とか、クローンだからとか、そんなの関係ないわ。」
「えっ…?」
「私がそんな大層な天才に見える?
全然、色んな事を体験してわかったわよ。弱過ぎるってね。
ったく…ここまで強くなるのに、五年掛かったわよ。」
腕を組んで、烈花はため息をつく。
それを見て、思わず麗奈は密かに微笑んでいた。
「(天才じゃない、特別なんかでもなく、バケモノなんてとんでもない。
この人は…人間だ。私たちと…同じ、だったら…)」
「なぁに、ニタニタ笑ってんのよ?」
「…いや、何でもねぇよ。姉さん。」
「はぁ?……あ、そっか。クローンだから、妹って事になるんだ。」
麗奈の笑顔に烈花もつられて笑い、その手を差し伸べる。
少し驚きつつも、麗奈はその手をとろうとした。
その時だった。烈花の首に、鞭のようなものが巻きついたのは。
「な、なによ…これ…!」
「姉さん!」
烈花は、GNショートブレイドを使って、それを切り裂こうとするが。
それより先に、森の中へと引き摺り込まれる。
「う…ぐっ⁈」
「ふふふ…ずいぶん久しぶりだねぇ、烈花ちゃん?」
「あ…あんたは…!やっぱり、あんたが黒幕!」
「まぁね♪ じゃあ、おやすみ〜。」
カシュッ!
それと同時に、アストレアの周りをスパークがほとばしる。
そして、それが解除されて、気絶した烈花が放り出される。
そして、その鞭を持った機体は、気絶した烈花を抱えて飛び上がる。
その悪魔のようなシルエットを、月光で浮かび上がらせながら。
第三十一話完
いかがだったでしょうか?
では、次回予告です。
暴走したエヴァ初号機。それを止めるべく、その場にいる全員が、志を一つにする。
次回
インフィニットストラトス
〈THE GEMINI G MYSTER〉
第三十ニ話
「共同戦線」
感想、ご意見お待ちしております。