インフィニットストラトス 〈THE GEMINI G MYSTER〉   作:ジャッジ

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推奨BGM
烈花、戦闘開始
Another Century's Episode 3 THE FINAL
「深紅」

トランザムVS光の翼
ガンダムビルドファイターズ
「メイジン〜通常のフラメンコの六倍の情熱〜」


第三十一話 「妹達」

「ぶっちゃけ、ありえな〜い!…いやマジで、真剣に。」

 

森林の中、アストレアtypeF…烈花は、スナイパーライフルのスコープを覗きながら、青紫の機体。エヴァンゲリオン初号機を見ていた。

 

いや、Mark6がある時点でもしかしたら…とは思っていたが、まさか本当にあるとは思わなかったようだ。

 

「でも、まぁ。私のミッション内容に、変わりは無いみたいだし。」

 

烈花の任務は、基地から少し離れた森林に身を潜めての長距離援護。

ゆえに、それ相応の装備をしている。

 

辺りに溶け込むための迷彩柄のマント。長時間運用の為の追加粒子貯蔵タンク。センサー強化の為に追加されたバイザーマスク。

そして、調整されたトランザムシステム。ただし。

 

 

(いいですか烈花さん。トランザムに関しては、まだ未調整の所があります。絶対にトランザムは使わないで下さいね!)

「わかってるわよ。第一、戦場とこことじゃ、かなり離れてるし。

さてと、全力で狙い撃たせて貰うわよ、向こうにゃ悪いけど。」

 

出撃前に、アオバから言われていた忠告を、思い出しつつ。

追加されたバイザーマスクを介して、まずは一番近くにいたジンクスIIIを狙い撃つ。

 

SE(シールドエネルギー)が切れていたのか、爆散したそれの次に、別の機体を狙おうとする。

 

が、ハイパーセンサーが捉えたのは、新たな獲物ではなく、こっちに迫ってくるビームブーメラン。

 

「げっ、ヤバイヤバイ!」

 

ライフルを抱えたまま、木々を掻き分けながら移動する。

すると、さっきまで自分がいた場所の木が、次々となぎ倒されていく。

 

そのままそこにいたら、木の陰が無くなって、見つかってたかもしれない。

 

「って事は…やっぱりか。」

 

彼女が見つけたのは、デスティニーガンダムと、デスティニーインパルス。烈花にとっても、向こうにとっても因縁深い相手だ。

 

しかし、烈花はあえて姿を見せなかった。

その代わりに、赤外線スコープを使って、わざとらしく狙いをつけ、狙撃する。

 

命中を確認すると、直ぐに移動を開始、ほとんどホバーするような形で移動していく。

 

「さぁて、これでどう出るかな〜?」

 

ここまで挑発したんだ、これで乗ってくれないと、ちょっと恥ずかしい程に、だ。

 

すると、それに応じた。いや、それ以上のお返しが来た。

後ろから迫ってくるのは、高出力のビーム。おそらく、ブラストインパルスのケルベロスビーム砲だろう。

 

「って、これは流石にやり過ぎだってば!」

 

巻き込まれないように、飛び上がって、それをかわす。

 

そこに待ち構えていたのは、アロンダイトを構えたデスティニーガンダム。

 

「かかったな!」

「それは、コッチのセリフよ!」

 

烈花は、手にしていたGNロングブレイドで、アロンダイトと切り結ぶ。

GN粒子をその刀身に纏わせ、切断力を飛躍的にアップさせていた。

 

デスティニーは、それを振り切らず。逆につばぜり合いをやめて、インパルスの元まで、後退する。

 

「悪りぃけど、お前との因縁は今回でおしまいだ。上の方から、お前を連れてこいって言われてるんでね。」

「連れてこい?そっちの上層部は何を考えてるのかしらね。」

「んなもん知るかよ、とにかくテメェを連れて帰るんだよ!」

 

それと同時に、デスティニーインパルスがエクスカリバーを引き抜き、烈花に斬りかかる。

 

烈花も長短のGNブレイドを両手に持ち、それを受け止め、両腕のGNバルカンによる牽制をして、少し距離をとる。

 

そして、右腕にGNソードとGNビームライフルを展開する。間合いの長い武器で、相手を近くにまで、接近させないようにする為だ。そして。

 

「あっついわね〜ったく。流石、香港って感じ?

気候的には熱帯だったっけ。そりゃ暑いわけか。」

 

そう言いつつ、フェイスマスクを解除する。

マスクを撮ったことによって、一時の解放感を味わってから、巻いているバンダナを取り、オレンジ色のセミロングの髪をポニーテール風に結う。

 

「髪を結ったら強くなれんのかよ!ばっかじゃねぇの!」

「できるオンナは髪を上げんのよ。そういや、あんたら似てるよね。私と、お姉ちゃんに。」

「まぁ、似てるってレベルじゃないけどな。」

 

そう言って、デスティニーの頭部が解除され、露わになった顔は、アラスカの時と同じ、烈花とほとんど同じものだった。

 

「風香。お前も顔を見せろ。」

「はぁ⁉︎なんでだよ麗奈!」

「どうせならな。

…お前、知りたいんじゃなかったのか?私らとお前ら、なんで同じ顔なのか。」

「…知りたい。だとしたら?」

「ならよぉ!」

 

アロンダイトを振りかぶり、烈花へと迫る麗奈。

烈花もまた、GNソードでそれを受け止める。

 

「ならよ、お前が素直について来ればいいんだよ!」

「残念ながら、そんなのお断りよ!」

 

烈花は、左手のビームライフルを撃つが、ソリドゥス・フルゴールビームシールドで受け止める。

 

その隙に風香が、テレスコピックバレルビーム砲塔をチャージし、それを烈花に放つ。

 

「そんなの当たらないわよ!」

「舐めてんじゃねぇぞ、ババァ!」

「…はぁ⁈

私はまだ、二十四歳だっつうの!」

 

ライフルからピストルに持ち替えた烈花が、素早くトリガーを引く。

それをよけた麗奈と風香は、それぞれのロングソードを持って烈花にその刃を向ける。

 

その後、同時に飛びかかりソードを振るう。

烈花もまた、ガン=カタのステップを応用した回避で、それらをかわしていく。

 

「楽しいねぇ、全身の血が沸騰しそうだ!」

「あら奇遇ね。私も同じよ!」

 

風香を置いてけぼりに、烈花と麗奈は、螺旋を描くように、切り合いながら上昇していく。

 

「風香!お前はあっちの方に行ってこい!

どう考えても、向こうの方が楽しそうだ!」

「はぁ⁉︎なんでだよ!」

「よく見てみな。」

 

その方向には、さっきから爆発がひっきりなしに起こっている。

エヴァ所号機と、貴音たちが戦っている場所だ。

 

ここから見ても、かなり激しい戦いになっているのがわかる。

 

「こいつの…こいつらの味方をしてやれ。」

「な、なんでだよ!あいつら敵だろ!助ける理由なんてねぇ!」

「理由ならある。あの紫の奴は、完全にこっちの敵で、それを倒そうとするこいつの仲間は、私らの味方だ。」

「けど!」

「あいつはなぁ!ぜーんぶを壊すまで止まらねぇ。

その前に壊せ!急げよ、時間がない!」

「〜〜〜ッ‼︎わかった!」

 

光の翼を広げたデスティニーインパルスは、大急ぎでそっちの方に急行する。

 

それを見送りつつ、麗奈はアロンダイトを大きく振りかぶり、烈花に振り下ろす。

 

「あんた、どういうつもり?」

「どうもこうもねぇ、お前との決着をつけたい。

私がどうなってもいい。だから…あいつだけは、見逃してくれねぇか?」

「その理由、聞いてもいいかしら?」

「……クローン人間。って言葉を知ってるか?」

 

それを聞いた瞬間、烈花はその目を見開き、冷水をかぶったかのように、頭が急に冷えた。

 

その言葉が、どういう事を意味するかを、彼女は知っているから。

 

「まさか…私の…?」

「ああ、私はお前の。風香は、如月貴音の体細胞から作られたクローンさ。」

「…なるほど。それなら、話が通るわね。」

 

だから、二人の顔は烈花と貴音に似ていたのだ。

 

でも、そこでまた、新しい疑問が浮かび上がってくる。

どうして、この姉妹の体細胞を使ったのか。他にも、有能な人物がいたはずだ。

 

「わかることはそれ位だ、もういいだろう?」

「ええ、まだ聞き足りないことは、あるけどね。」

「そこは勘弁してくれよ。んじゃ、行くぜ!」

 

その掛け声と共に、麗奈は翼を広げ、烈花に迫る。

彼女のデスティニーには、射撃武器のビームライフルもあるが。全領域の射撃戦を得意とする烈花には、逆効果だと考えたからだ。

 

だから近接戦闘にこだわる。おそらく、烈花はそれを最も苦手とするのだろうから。しかし。

 

「なめないでよね、人並みには近接戦闘もいけるわ。」

 

烈花はGNソードを使い、アロンダイトと斬り合う。

 

突きや返し、フェイントを組み込みつつ、高速で連続で大剣と長刀を振るう。

そして、烈花は後方瞬時加速(バック・イグニッション・ブースト)を発動させ、急速後退する。

 

そして、烈花はGNソードをビームライフルモードにして、両手の銃で連続射撃を浴びせる。

対して麗奈は、アンチビームシールドからビームシールドを展開し、それを防ぎつつ接近する。

「はぁぁぁ!」

「ふふっ、させないわよ。」

 

麗奈の突進を、急上昇でかわした烈花は、再びビームライフルの狙いを定め、トリガーを弾く。

 

「っのぉ!デスティニー!」

 

ビームが当たる寸前、デスティニーの光の翼を発動させて、高速移動しながらビームライフルを打つ。

 

烈花もまた、ハイパーセンサーをフル稼働させてそれを狙うが。

その速さでは、ちゃんと狙いをつけることもままならない。

 

「もらったぁ!」

 

高速移動で背中に周り、麗奈が高エネルギー長射程ビーム砲を展開して、烈花のビームライフルを破壊する。

 

烈花もすぐに、後ろに向けてライフルを撃つが、その時には既に、その背後へと移動している。

 

「えぇい!」

 

降り帰り際に、デスティニーのビームライフルを切り裂き、光の翼を解除して、後退しながらビーム砲を連射する。

 

烈花も、それをバレルロールしながらよけ、右手のライフルで応戦する。

 

「けっ、やるじゃねぇか!」

「やるじゃないあんたも。ふふっ、スイッチ入っちゃったわよ!」

 

烈花の振り下ろしたGNソードを、麗奈は、咄嗟に繰り出したビームブーメランで対抗する。

 

「これで、どうだ!」

 

麗奈は、素早く跳ね上げた高エネルギー長射程ビーム砲を撃つ。

それは烈花の右肩に直撃し、アーマーを吹き飛ばす。

 

しかし、彼女もすかさず、腕のバルカン砲で両方のビームブーメランを破壊、その爆煙に乗じてGNソードを振るう。が。

 

「ヴォアチュール・リュミエール、ミラージュ・コロイドシステム。リミットブレイク。光の翼、最大出力ッ!」

 

今まで以上の加速と、残像を見せるデスティニー。

もはや、ハイパーセンサーでも捉えれるかどうかのレベルに達していた。

 

今のデスティニーに対抗するには、アレを使うしかない。

 

それに、このままでは負けてしまう。

負ける、それは単純に死を意味する。そうなったらまた、皆が悲しむ。一夏達はもちろん、貴音も…そして、セシリアも。

 

烈花の決断に、迷いは無かった。

 

「…大人ってのはね、時には大きな決断をするもんよ…」

「これで終わりだぁ!」

 

デスティニーのアロンダイトが、アストレアの胸へと突き刺さる…

直前にアストレアが消えた。まるで、最初から何も無かったかのように。

 

そして、デスティニーのハイパーセンサーが捉えたのは…月を背後に、上空から迫ってくる機体。

赤いボディーをさらに赤色化させたIS。

 

「…トランザム!」

 

トランザムを発動させたアストレアだった。

GNソードを展開して、高速でデスティニーに迫る。

 

互いに、残像を出す程の高速移動て、アロンダイトとGNソードで斬り合い、火花を散らす。

 

「くっ!」

「甘い!」

 

麗奈はアンチビームシールドを犠牲に、烈花の後ろに回り込むが。GNビームダガーでアロンダイトを弾かれる。

 

さらに、GNビームサーベルに持ち替え、右手のGNソードと共に、連続で斬撃を浴びせる。

 

麗奈も、アロンダイトでそれを捌き、GNビームサーベルをはたき落とす。

 

そして、懐に潜り込み、逆袈裟斬りに振るって、アストレアに大きな傷をつける。

 

「さっさと沈めぇ!」

「こんなもんでは沈まないわよ。」

 

後ろに回り込んだ烈花は、ビームライフルを背中に撃ち込む。

 

振り返ったデスティニーは、アロンダイトを横薙ぎに降り、GNソードを切り裂く。

 

「歯ぁ食いしばりなさい。ちょいと痛いわよ、小娘っ!」

 

そして、GNロングブレイドとショートブレイドを振り、デスティニーの装甲をX字に切り裂く。

そのまま、デスティニーは落下していき、森林へと墜落した。

 

トランザムが終了した烈花も、その落ちた場所へと向かう。

デスティニーは、あちこちにスパークがほとばしって、かなりのダメージを受けている様子だった。

 

「うぅ…は、はは。めちゃくちゃ強えじゃねぇかよ。」

「ええ、そうよ。」

「なるほどなぁ…これって、能力の差なのかなぁ?やっぱ、クローンは本物に勝てないのかなぁ…」

「…それは違うわ。」

 

そう言って、烈花はアストレアの武器を解除する。

そして、麗奈に歩み寄り、そっと頬を撫でる。

 

「バカねぇ。能力差とか、クローンだからとか、そんなの関係ないわ。」

「えっ…?」

「私がそんな大層な天才に見える?

全然、色んな事を体験してわかったわよ。弱過ぎるってね。

ったく…ここまで強くなるのに、五年掛かったわよ。」

 

腕を組んで、烈花はため息をつく。

それを見て、思わず麗奈は密かに微笑んでいた。

 

「(天才じゃない、特別なんかでもなく、バケモノなんてとんでもない。

この人は…人間だ。私たちと…同じ、だったら…)」

「なぁに、ニタニタ笑ってんのよ?」

「…いや、何でもねぇよ。姉さん。」

「はぁ?……あ、そっか。クローンだから、妹って事になるんだ。」

 

麗奈の笑顔に烈花もつられて笑い、その手を差し伸べる。

少し驚きつつも、麗奈はその手をとろうとした。

 

その時だった。烈花の首に、鞭のようなものが巻きついたのは。

 

「な、なによ…これ…!」

「姉さん!」

 

烈花は、GNショートブレイドを使って、それを切り裂こうとするが。

それより先に、森の中へと引き摺り込まれる。

 

「う…ぐっ⁈」

「ふふふ…ずいぶん久しぶりだねぇ、烈花ちゃん?」

「あ…あんたは…!やっぱり、あんたが黒幕!」

「まぁね♪ じゃあ、おやすみ〜。」

 

カシュッ!

それと同時に、アストレアの周りをスパークがほとばしる。

そして、それが解除されて、気絶した烈花が放り出される。

 

そして、その鞭を持った機体は、気絶した烈花を抱えて飛び上がる。

その悪魔のようなシルエットを、月光で浮かび上がらせながら。

 

第三十一話完




いかがだったでしょうか?
では、次回予告です。

暴走したエヴァ初号機。それを止めるべく、その場にいる全員が、志を一つにする。

次回
インフィニットストラトス
〈THE GEMINI G MYSTER〉
第三十ニ話
「共同戦線」

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