インフィニットストラトス 〈THE GEMINI G MYSTER〉   作:ジャッジ

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推奨BGM
トランザム始動
ガンダムOO
「Fight」


第三十三話 「共同戦線 後編」

三機のジンクスIIIが、GNランスやGNビームライフルごと腕を断ち切られる。

 

返す勢いでGNソードIIを斜めに振り下ろしたヒビヤは、スピードにもの言わせた俊足の斬撃を次々と浴びせていた。その代わり、完全に倒せてはいないが。

 

「ブレイヴ隊!戦闘開始とともにツーマンセル、敵を掃討する!」

 

六機のブレイヴ一般用試験機がクラリッサが指示を受け、ヒビヤの上空を駆け抜ける。

 

その六機の真ん中をいくのは、青いブレイヴ。ブレイヴ指揮官用試験機だ。

 

「全機、突撃ぃ!」

 

号令と同時に、ブレイヴ達はGNビームライフルやGNビームマシンガンで攻撃を開始する。

 

一機が敵を引きつけつつ、もう一機が高火力のトライパニッシャーで破壊するという戦略をとっていた。

 

一方、クラリッサはヒビヤと一緒にGNビームサーベルでの斬撃を繰り返していた。

 

「てりゃぁぁぁ!」

「キリがねぇ…あんた、ちょっとの間時間稼いでくれよ!」

「な、何を生意気な!っておい!」

 

突然斬り合っていたジンクスを任され、クラリッサが困惑している横で、ヒビヤはバックルにパスを滑らせる。

 

「コード入力、アンリミテッド!」

〈Unlimited sword-Form〉

「体は剣で出来ている。血潮は鉄で心は硝子、幾たびの戦場を越えて不敗。

ただ一度の敗走もなく、ただ一度の勝利もなし 。

担い手はここに独り、剣の丘で鉄を鍛つ 。

ならば我が生涯に意味は不要ず。この体は、 無限の剣で出来ていた!」

〈Charge & up〉

 

コードの入力と詠唱が鍵となり、ダブルオーが光に包まれる。

 

背中にはザンライザーユニットと二振りのGNバスターソードIIIとユニットのサブアームに二本のGNソードII。

右肩にはGNバスターソード、左肩にはGNソードIIブラスター。

両腰にはGNソードIIロングとショート。腰裏にはGNビームサーベルが二本。

そして膝にはGNカタールを装備し、右腕にはGNソードIIIを装備している。

 

これこそアンリミテッドソードフォーム。烈花のガンフォームとは打って変わって、近〜中距離を得意としている特殊パッケージだ。

 

「ダブルオーアンリミテッド、目標を駆逐する!」

 

GNソードIIIとGNバスターソードを手に、ヒビヤは先ほど以上のスピードで次々と切り落としていく。

 

それの後ろを取るかのように迫るクランシェを、まさに神速の速さで切り捨てる。

その目はいつものではなく、猟奇的なものだった。

 

「斬られたい奴からでてきな。すぐにスクラップにしてやる、さっさと出て来な。」

「やれやれ、無人機に言っても仕方が無いんじゃないかい?」

 

音もなく後ろに立っていたのはエクシアだった。

そしてそのまま走りだす。後ろにGP01フルバーニアンと、簪のX2がそれに続く。

 

「すみません。元とはいえあなたの専用機を傷つけてしまい…」

「いいの、あの子の分までこの子が戦ってくれる。だから、私は戦う。」

「行こう、遠慮は不要だ!」

 

エクシアのGNソードがヴィンセント・ウォードの翼を切り裂く。それと同時にフルバーニアンの実弾マシンガン、X2のザンバスターに撃ち抜かれ落ちていく。

 

さらに、身動きの鈍ったそいつらの間を縫ってニールのライフルビットが寸分狂わず武器を撃ち抜き、シャルのミサイルとガンランチャー、ビームライフルが次々とSEを削っていく。

 

「これぐらい、どうってことはねぇぜ!」

「うん、もうすぐ終わるよ!」

「ああ、後はあいつを!」

「ぶっ倒せば!」

「終わりですわ!」

 

セシリアのMk-IIによる狙撃を援護に、シンのジャスティスと鈴のドラゴンナタクが飛び込んでいく。

 

ビームサーベルと青龍刀による乱舞によって徐々にその数を減らし、そしてセシリアのツインビームスピアによって、その場にいた最後の一機が貫かれた。

 

それを見たルーシィはビームサーベルを収め、ビームライフルを再び構え、銃口を初号機へと向ける。

 

「やれやれ、無人機はまだいるな。なら、あれを先に落としてしまおうか。」

「おいおい、あれをどうやって落とすんだよ。ATフィールドをどうやって…」

「それには心配及ばないよ。」

 

その時、ベースジャバーに乗りカヲルとエヴァMark6がバズーカを初号機へと撃つ。

それも防がれ、シグマシスライフルがベースジャバーに命中し爆ぜるが、間一髪カヲルはそれを避けた。

 

「このMark6なら、ATフィールドを中和できる。そうしたら君たちの攻撃もあいつに当たるはずだ!」

「だったら、さっさとそれをしろ!」

 

そう叫んだのはデスティニーインパルスを駆る風香だった。麗奈に言われてつい先ほど戻ってきた所だったのだ。

 

「いや、それをするためには機体同士が触れ合う程にまで近づかないといけない。

無人機を突破して、あれに近づく。それしか方法はない!」

「ならば、我々で道を切り開く!」

 

アリアのランスロットフロンティアがスラッシュハーケンをバリエントに打ち付け、地面に叩きつける。

さらにMVSを一本抜いて切りかかっていく。

 

「っしゃあ!俺の出番だ、行くぜ行くぜ行くぜぇ!」

「暴れるっすよ〜!」

「山田先生、渚を頼む。」

「任せてください!」

 

アリアに続き信太郎のヤークトアルケーフォームのアウトフレームDとフォルテのジンクスIIソード、千冬のAGE-2が飛びたす。

 

信太郎とフォルテがGNバスターソードを振るいリゼルのSEを削る。

そして千冬のAGE-2が、高速移動をしつつハイパードッズライフルでシールドや本体その物を破壊する。

 

そして上空で戦う彼女らの下を、ハイペリオンの第三世代兵器『アルチュール・リュミエール』を展開して初号機に接近する。

 

「あの機体まで100mです。気をつけて。」

「はい、ありがとうございました!」

 

そう言うとカヲルはMark6をさらに加速した。シグマシスライフルの射撃をATフィールドで遮断して、ただひたすら走った。

 

時折、他の無人機によるビームや実弾が飛んでくる時もあるが、決して振り返ることなく進んだ。

皆が絶対に守ってくれる。そう信じているからだ。

だからカヲルは成し遂げなければならない。初号機を突破する為にはATフィールドは邪魔だからだ。

 

「うぉぉぉぉぉ!」

 

オレンジ色のATフィールドに指を突っ込み、ゆっくりと中和していく。

早く突破したいのは山々だが、自分と相手のフィールドと同じ波数に合わせないと突破はできない。それが一番集中力が必要なのだ。

 

「ぐ、ぅぅ…ぉぉぉ‼︎」

 

カヲルの咆哮と共に、ATフィールドが思いっきり引き裂かれる。付いでプログレッシブナイフを展開しコアを狙うが、初号機のソニックグレイヴによって受け止められるが、ハンドガンを呼び出してシグマシスライフルを破壊する。

 

すると、初号機はソニックグレイヴを投擲し、空いた両手でデュアルソーを展開。グレイヴごとMark6の装甲を切り裂く。

 

「ぐぅっ、ダメだ…基本性能は同じだけど、ダミープラグで強化されてる。

このままだとまたATフィールドが!」

「なら俺がやる、行くぞダブルオー!トランザム!」

 

カヲルの横を赤色化したダブルオーが通り、GNカタールの膝蹴りを食らわせる。

 

デュアルソーとのつばぜり合いで火花を散らせ、ザンライザーユニットのサブアームにGNソードIIロングとショートを持たせ、両手にGNソードIIIとGNバスターソードの六刀で斬りかかる。

 

「そいやぁ!」

 

ヒビヤはトップスピードでGNソードIIIを突き、次にバスターソードで横薙ぎ、そこからすぐに長短のGNソードIIを振り下ろす。

 

流石の初号機もかわしきることができず、装甲の破片を散らす。と、その時、初号機が咆えた。

 

「グオォォォン!」

「なに⁉︎」

 

初号機はアクティブソードとマゴロックスをX字に振るう。

トランザムを凌駕する速さで振られたそれは、ヒビヤの肉体ごとダブルオーを切り裂いた。

 

「うそ…だろ?」

「ひ、ヒビヤぁぁぁぁ!」

 

だが、それを見ていた人は目を丸くする。斬られた所からダブルオーの体が崩れ、粒子となって消えたのだ。

 

「所がギッチョン!ってこれは違うか。」

 

初号機の真後ろに現れたダブルオーは、六本の剣を同時に振るって初号機を真っ二つに切り裂く。

 

少し離れてその爆発を見ていたルーシィは、思わずガッツポーズをしていた。

 

「よしっ、これで最後だ。諸君!これで我らの勝利だ!」

『やったあぁぁぁ!』

 

基地のあちこちで歓声が上がり、勝利の喜びを分かち合った。

その中にはセシリアも混じっていたが、その顔は喜びというよりも不安げな顔だった。

 

狙撃に向かっていたはずの烈花がいない、いくら呼びかけても出ないのだ。

とその時、烈花の狙撃ポイントの方からフラフラと接近するデスティニーに気がついた。しかも、その手にはアストレアtypeFがあった。

 

「麗奈!勝ったんだな、よかったぁ…」

「違う、違うんだ…」

「オイテメェ!烈花に何をした、サッサと離せ!」

 

信太郎が、今にも飛びかかりそうな剣幕で怒鳴る。それを見ていたセシリアやヒビヤ、エイラもそこへ集まる。

 

「ちょっと待てよ。そのアストレア、烈花乗ってねぇじゃん。どこやったんだよ烈花を!」

「あなた!お姉様をどこへ隠したのですか!」

「バカ落ち着け!今コイツを責めても仕方が無いダロ。」

 

エイラの制止で怒りを宥めた二人は、構えていた剣とライフルを降ろす。

アストレアを地面に置いた麗奈はゆっくりと話し始めた。

 

目の前で烈花が森に引き摺り込まれた事、後を追うとそこにはアストレアだけがあった事、そして何よりも、烈花は誰かに攫われたという事を。

 

「お姉様が攫われた⁈一体どこに…何の為に⁉︎」

「知るかよ!こっちが聞きたいぐらいだ…」

「その烈花さんとやらをさらったのなら、上層部になんらかのメリットがあるはずなのだよ。

その目的さえ解ればよいのだが…」

『それについてだが、一つの情報がある。』

 

その場にいる全員に向けてのオープンチャンネルが開かれ、短い銀髪の少年がウィンドウに表示される。

 

それを見たショーコは、思い出したかのように叫んだ。

 

「あんた確か…ハムエルフ!」

『エルエルフだ。それよりも、本部から全隊ポイントA0に集結せよ。という通信が来た。』

 

ため息をつき、頭に手をやったエルエルフは再び真面目な顔に戻って話を進めた。

 

それを聞いたエクシアのパイロットは、全てを理解したかのように頷いた。

 

「なるほど、なら彼女はA0にいる可能性が高いね。」

「その根拠は?」

「実はね、全隊招集の権限を持つのはただ一人なんだ。

しかもウチのルールで、捕虜とかの尋問は、まず総帥に見せてからってのがあってね。

だから、招集された場所にその烈花って人がいるって考えたのさ。」

「んで、そのポイントA0ってのはどこだ?

まさか、またアラスカとかじゃねぇだろうな?」

 

そんな訳ない。と前置きを言ってから、もったいぶる様に彼は答えた。

 

「全ての始まりの場所…IS学園さ。」

 

 

 

所変わり、IS学園。

夏休み期間中、更に校舎等の改修工事という事で、ほとんどの生徒が帰国していた。

 

その地下三階の所に一人の女がいた。紫っぽい髪をツインテールに結い、白に青いラインが入った服を着ている彼女は、鼻歌を歌いながらコンピュータと向き合っていた。

 

「失礼いたしますお嬢様。」

 

その時、扉をノックして一人の黒いメイド服を着たメイドが入ってくる。

それを聞いた彼女は、ニコニコしながら振り返った。

 

「ん〜、何かな?」

「お食事の準備が整いました。本日のメニューはご要望通り和食です。」

「オッケー!じゃあ行こっか、烈花ちゃん。」

「了解です、束お嬢様。」

 

第三十三話完




いよいよここまで来ました。この物語もあともう少しです、お付き合いください。
それでは次回予告。

IS学園に到着した連合部隊。ついに最終決戦が幕を開けた。
別ルートで烈花を助けに行ったメンバーの前に、最強の敵が立ちはだかる。
次回
インフィニットストラトス
〈THE GEMINI G MYSTER〉
第三十四話
「最終決戦 烈花救出編」

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