インフィニットストラトス 〈THE GEMINI G MYSTER〉 作:ジャッジ
いやはや、途中で風邪を引き今月中に投稿できるかなぁ〜、と思いましたが。
結果オーライです!
戦闘シーン推奨BGM
仮面ライダー555
「Dead or Alive」
かつてこの世界歴史では、二度の世界大戦があったと伝えられている。
両方とも多くの死傷者や犠牲をはらみつつも、そこで戦う戦士達は各々が野望や自らの正義のために戦ったことだろう。
そしてまた、ここに一つの戦争の歴史が追加された。
新生亡国機業とIS学園の義勇軍を中心とした旧エンシェント・レギルスの戦いだ。
その火蓋は切られ、色とりどりの光弾が空を駆け抜けている。
「はぁぁぁ!」
楯無のクロスボーンガンダムX1フルクロスが振り下ろしたムラマサブラスターがVガンダムヘキサの胴体を切り裂く。
そして左手のピーコックスマッシャーが次々と無人機達を攻撃していく。
そして、その間を一夏のフルアーマーユニコーンガンダムプランBが駆ける。
「てりゃ!はぁ!」
その手に握られたハイパービームジャベリンがヘキサのビームライフルと左腕を切り裂いた。
更に右手に装備したアームドアーマーB.S.から放たれた強力なビームで二、三機纏めて薙ぎ払う。
「箒、ニール!」
「了解!ドラグーン!」
「任せなぁ!ライフルビット!」
二人が射出したビットが無人機達に襲いかからせる。
縦横無尽にビットが舞い、そこから放たれるビームが頭部やスラスターを確実に貫いていく。
さらに別の場所ではランスロットフロンティアとランスロットコンクエスターが戦っていた。
「せぇい!」
「はぁ!」
コンクエスターのMVSがリゼルのビームサーベルごと体を両断し、フロンティアのヴァリスがバッフェのシールドを破壊する。
「このっ!」
そこに現れた蘭のデスサイズがビームサイズで真っ二つに切り裂く。
その時、真後ろから白いISが迫っていた。
「っ、後ろだ蘭!」
「えっ⁉︎」
アリアの声と警告音が重なり、蘭は後ろにビームサイズを薙ぐ。
しかし、それは空を切るだけに終わってしまった。
白と紅色で彩られたIS…ガンダムF91は高速で移動しつつビームライフルを撃つ。
蘭はバスターシールドでそれを防ぎ、接近戦に持ち込もうとするが、スピードはF91の方が上で近づくことが出来ない。
「うぅ…速すぎる…」
「僕に任せて!」
そう言ってハルトの火人フルインパクトがF91にボルク・アームを放つ。
それをF91はビームシールドで防御、すぐに左のヴェスパーを撃つ。
ハルトはそれを難なくよけたが、すぐに本命の右のヴェスパーが襲いかかる。
「(硬質残光…間に合わない⁉︎)」
しかしその寸前、別のISが割って入る。
そのISは左肩のシールドでヴェスパーを防ぎ、右肩のビーム砲で牽制した。
「もうこれ以上、ハルトだけを戦わせるわけにはいかない!」
「ショーコ…ありがとう。」
駆けつけたのはショーコの迅雷だった。
しかも追加装備として三、四、五号機の特殊武器を装備した迅雷フルウェポンとして参戦していた。
さらに蘭とアリアも加勢して四人ともすぐ臨戦態勢に入った。
「ふふふ、だった四機でこの私のF91を相手にしようと?」
「し、喋った⁉︎」
「ということは…有人機か!」
「ええ、名前はベル。ヨロシクね。
そうそう、勝とうなんて思わないことね。このF91は最新鋭のIS、あなた達なんかが相手出来る様な代物ではないわ。」
ベルと名乗った女は、まるで見下す様な調子で話す。
まるで、もう既に勝敗はついてるかのような。そんな彼女の言葉に対して、ハルトは反論した。
「あなたがどれだけ強くても、例えだった四機だろうと、僕たちはあなた達を倒す!」
「ふふふ、あはは!」
F91のパイロットは、ハルトが言ったことがよほどおかしかったのか、大声で笑い始めた。
そして、ひとしきり笑ったところで改めて四人に向き直った。
「私はこのF91力を、まだ半分も出してないのよ?
それに、この機体がたった一機だけって誰が決めたわけ?」
その時、全員のハイパーセンサーが同時に警告音を鳴らした。
新たな敵影、その数は三十。そして、その全てが量産型F91だったのだ。
*
「汝三大の希望を纏う七天。抑止の輪より来たれ、極限の希望よ!」
「ならば我が生涯に意味は不要ず。この体は、 無限の剣で出来ていた!」
〈〈Charge & up〉〉
量産型F91を確認したエイラとヒビヤは、EXAフェーズとアンリミテッドソードを起動させた。
「行け!アリスファンネル!」
エイラはアリスファンネルを飛ばしつつブラスターカノンとヴァリアブルサイコライフルを撃つ。
ヒビヤもGNソードIIIとハルバートモードのGNソードIIを両手に斬りつける。
「はぁ!それっ!」
F91らは高速移動やビームシールドで防ごうとするが、それでも確実にダメージを与えられていた。
エイラはさらに瞬時加速を発動、ヴァリアブルサイコライフルを格納して両手のシャイニングバンカーユニットを展開する。
「極限全力!ダブルシャイニングバンカー!」
エイラの両拳が、二機のF91を貫き破壊する。
「タキオンスライサー!」
エクストリームの巨大なビームソードがF91のビームシールドごと断ち切った。
だが、別のF91のヴェスパーがブラスターカノンを貫いた。
「ぐぅ⁈」
「エイラ!こうしちゃいられない…さぁ、振り切るぜ!!」
ヒビヤはGNツインランスとGNバスターソードIIIでF91に切りかかっていく。
さらに両脚のGNカタールで蹴りつけ、オーライザーのGNマシンガンでその傷を抉って破壊する。
しかし飛び出した所を狙い撃ちされ、ザンライザーユニットが破損。それをパージした。
「ゔっ!チクショウ数が多すぎる!」
「流石に、この数はキツイ…!」
簪のX2もすでにショットランサーとバスターガンが破壊されていた。
彼女たちだけでは無い、この場で戦ってる全員が装甲や武器などを破損していた。
「諦めちゃダメ!最後の最後まで踏ん張って!」
貴音のX0がビームサーベルでリゼルを切り捨てた。
だがそのX0も、武装はバルカンとビームサーベル、ビームシールドにまで減らされ、装甲も破壊されて一部肌が露出していた。
その時、後ろから迫ってきていたF91がビームサーベルでX次スラスターの一部を切り落とした。
「貴音さん!」
「だ、大丈夫…くっ。」
バチバチと、X0からスパークがほとばしり、貴音は痛みに顔を歪ませる。
しかし、本当は今すぐ逃げたい。X0を捨てて逃げ出したい。けれど。
「(皆が戦ってる、私だけ逃げ出すわけにはいかない…!
あの子なら…烈花なら絶対に逃げない!)」
貴音はビームサーベルを振りかざしF91に迫る。
F91はそれを感知して素早くヴェスパーを発射した。
対する貴音は両腕のビームシールドを投擲、さらにビームサーベル自体をも盾にした三重防御で防ぐ。
いくら貫通力の強いヴェスパーでも、三重ビームシールドなら防げるかもしれない。それが彼女の戦法だった。
「きゃあぁ!」
が、打ち合いに勝ったのはF91の方だった。X0はクルクルと回りながら落下していく。
建物にぶつかる寸前、残ったスラスターで多少は勢いを殺したものの、屋根を突き破って土煙を上げながら墜落した。
「う、ぅぅぅ…」
うめき声をあげてX0をその場に解除した貴音は、辺りをキョロキョロ見渡した。
周りにあるのはどう見てもIS、そしてこれだけの量が鎮座していると言うことは…
「ここは、格納庫?」
どうやら、IS学園の格納庫に不時着したようだ。
貴音はもう動かなくなったX0からコアを取り出し辺りを物色する。
X0を捨てるのは辛いし悲しかったが、残った皆に一秒でも早く加勢する為にはここにある機体の一つを拝借するしかない。
「早く決めないといけないのに、なんでわけわかんない機体ばかりあるのよ。」
ところが、いくら見渡してもあるのは丸っこい機体や、いかにも試作量産機っぽいISばかりで決めようがなかった。
貴音は知らないことだが、ここに並んでるのはリガズィやシナンジュ、ギラーガなど、一部のエースしか使えないような物ばかりだった。
「しょうがない、他の格納庫に…あれ?」
その時、ある一機のISが貴音の目に止まった。
慌てて駆け寄り非常用に持っていたペンライトでそのISを照らした。
そして、それを見た彼女は言葉を失った。
なぜならそのISは、そのガンダムは…
「クロスボーン…ガンダム?」
その頃、ルーシィは一人で10機ほどのISと戦っていた。
指揮官としてエターナルやディーヴァに近い所で戦っていたが、ここを抜かれてはすぐ対艦攻撃をされる。
それだけは回避しないといけない。
「はぁ!」
ルーシィはビームライフルでクランシェを撃ち落とす。その直後、別方向からの砲撃を受け頭部アンテナが破壊された。
「くっ!あれは、ZIIか。」
ZIIはクレイバズーカを背中に懸架しビームサーベルで切りかかった。ルーシィもビームサーベルでそれを受け再び離れる。
その時、背面から迫ったガナーザクファントムがオルロトスビーム砲でΖのスタビライザーを破壊した。
「えぇい、ザクごときが!」
ルーシィはハイパーメガランチヤーでザクを破壊する。
だが気が立っていたのか、後ろから迫ってくるZIIに気がつけなかった。
「しまっ…⁉︎」
スタビライザーの傷に向けて構えられたメガビームライフルが放たれる…寸前だった。
横から撃たれた高速の弾がメガビームライフルを破壊した。
そして数瞬遅れて、二機の間を青い翼を持つガンダムが駆け抜けた。
モルゲンレーテ社製量産型IS、フリーダムMk-II。その正式採用機だった。
しかも一機だけではない十数機のフリーダムと親衛隊カラーのリゼルが二十機ほどがこちらに向かって来ていた。
「ようやくモルゲンレーテが重い腰を上げたか。ちょうどいい!」
ルーシィはその場を離れる。
別に逃げる訳じゃない、急いでエターナルに通信を繋げた。
その頃のエターナルでも次々と報告が上がってきていた。
「デルタプラス被弾、ディーヴァに緊急帰しました!」
「11時の方向からIS接近!機種特定。モルゲンレーテ社製フリーダムMk-II、友軍かと!」
全ての報告を聞きつつ、ルルーシュは敵と味方の位置図とにらめっこしていた。
「ミサイル発射管。五番から十一番装填…撃て!」
ルルーシュの指示に従い、艦橋が慌ただしく動く。
戦いが始まった時は夕焼けの茜色が眩しかったが、もう空には三日月が登っていた。
長時間の戦闘で全員に、ジワジワと疲れが蓄積してきていた。
そのせいか被弾で帰還する機体も多く、今もエターナルでは雷音が整備を受けている。
「ルーシィさんより入電!…Ζ専用パッケージ『ハイパー炎』をカタパルトより射出せよ…です!」
「ついに、か…どうだアオバ。」
『ハイパー炎の装備、アメンボ改に装着完了です!』
アメンボ改。それは香港の基地から接収した無人機の一種で、ISの装備を出来る。
それを聞いたルルーシュは頷くと、CICに向けて号令を飛ばした。
「射出せよ!」
「了解、射出します!」
「来たか!」
エターナルの近くまで来たルーシィは、アメンボ改が射出されるのを見てブレーキをかけ相対速度を合わせる。
完全にスピードが合ったところでパスをバックルにタッチする。
〈Hono-Form〉
電子音が鳴り、Ζの色が青から炎のような赤に変化する。
ついでアメンボ改がΖにパッケージを装着させていく。
背中にはアカツキと同タイプのシラヌイ炎、頭部にはセンサー類を強化したヘッドギア、そして複合武器カレトヴルッフ炎を装備した。
「ハイパーΖガンダム炎、行くぞ!」
ルーシィはシラヌイ炎で加速しつつビームライフル炎を撃つ。
さらにバルカンを放ち、回転しつつビームライフルをよけドラグーンよりビームを放つ。
ハイパーΖガンダム炎は今まで以上のパワーで次々と無人機を屠っていく。
このまま激戦区の全員を助けようと駆け出した時、一つの格納庫から一機のISが飛び出すのを見た。
「サテライトシステムの封印でなんとか動いたけど、何なのよこの機体!」
格納庫で例のISを起動させた貴音は、骨のような武器で天井を破壊して外へと飛びたした。
灰色をベースに群青色のカラーで彩られ腰にザンバスターを装備、そして何よりの特徴は胸を覆いように付けられたドクロのレリーフだった。
「行くわよ、クロスボーンガンダム魔王!」
魔王は手に持った武器、クロスボーンガン&ソードを赤熱化させて斬りかかる。
ヒートソードと化したそれをヴィンセントに振り下ろす。それはやすやすとかわされたが、それも彼女の手の内だった。
「もらった!」
もう片方のガン&ソードからのビーム刃がヴィンセントを両断する。
さらにもう一方のヴィンセントも蹴りと同時に、ヒートダガーを突き刺した。
「勢いは完全にこちら側だ!総員、突撃!」
『おう!』
貴音とルーシィに奮起されてか、全員が勢いを取り戻したのが、今まで以上に動きにキレが出てきた。
確かに数では劣るだろう。だが一人一人が力を合わせる事で、その力が二倍にも三倍にもなる。
決して無人機では成せない。なぜなら、お互いに刺激し合い高め合うことは、人間にしか出来ないのだから。
「こ、こんな…こんな事が⁉︎」
ベルは、まるで信じられない光景を見ている目をしながらビームライフルを放った。
彼女の前には、互いの傷ついた所をかばう様に戦うハルト達が居た。
今のビームも、デスサイズのバスターシールドに阻まれ、フロンティアのヴァリスが打ち込まれる。
「くっ!」
それをよけれたと思いきや、ショーコのアームストロンガーキャノンが襲いかかる。
とっさにビームシールドを展開して防いだが、火人最大加速からの打突には耐え切れずビームシールドごと腕を破壊した。
「あぁぁぁぁ‼︎」
装甲の破片が左腕に食い込み、激しい痛みが彼女を襲う。もう左腕は完全に機能を停止したと言えよう。
左腕を庇いつつ、忌々しい物を見る目でベルはハルト達を睨む。
「よくもぉ…一体、何がお前達をそこまで強くした!」
「…思い。仲間を守りたいという思い、決して見捨てないという誓い!それが、僕たちの強さだ!」
「そんなもので…そんな不確かなもので!この私に傷をつけるなど!」
ベルはM.E.P.E.を発動させ、高速で動きつつ残像を発生させた。
高速移動しつつビームサーベルを振るが、アリアはブレイズルミナスでそれを受け、MVSをヴェスパーに突き刺し、破壊した。
「負けられない!」
ヴェスパーを切り離し、腰からビームシールド発生器を排出したベルは、それを切り裂き爆煙に変える。
「目くらましのつもりか!」
そこから飛び出したアリアはF91を探す。そして、ベルはその無防備な背中を、ビームライフルで狙っていた。
「もらったぞ!」
「そうはさせない!」
さらにその背後から、蘭がバスターシールドを発し、F91の背部メインスラスターを破壊した。
そのせいでビームライフルの照準かズレて明後日の方向に、加えてその反動かM.E.P.E.が解かれ、残像も消えてしまった。
「なん…だと⁉︎」
「これが私たちの、強さだぁ!」
蘭は思いっきり振りかぶったビームサイズを振り下ろす。
それはF91の装甲やコードを切り裂き、腰から右肩にかけて痛々しい傷を付けた。
それとは裏腹に、傷口からの流血は無く、ベルの痛みはそこまでのものではなかった。
彼女にとっては不思議だった。
たとえISにSEがあれど、負ければ『死』あるのみ。それなのに自分はまだ生きている。
「な、ぜ…」
「僕たちはあなたを倒すと言いましたが、生命を奪うとは一言も言っていません。それが理由です。」
ジーエッジを収めたハルトが静かにそう言う。
信じられなかった。それは、一つ間違えると自分の生命を投げ出す事となる。
私なら絶対に出来ない。むしろ否定し、甘ったるいと説教したい程だ。
「それでも…また私は、別のISであなた達を…」
「それが、なんなんですか?」
ベルの言葉を遮る様に、ショーコが前に出る。
目を閉じ、一つ一つの言葉を自分の体験と重ね合わせ、自分の解答に変えていく。
「私たちは人を助けるためにISに乗ったんです。だったら、敵を守ったっていい。
それだけでは、ダメですなのですか?」
「………私も。」
そう言ってベルは右手をハルト達に伸ばす。
その顔は、痛みの苦痛も敗北の悔しさも消え去っているが、とても不安そうな顔だった。
「…私もそう望めば、世界を変えられるだろうか?」
「ふん!それは貴様次第だ。だが、私はそれを応援する。」
「私も応援したいな。皆で、一緒に頑張ろう?」
そう言ってアリアと蘭は手を差し伸べた。
二人だけでは無い、ハルトとショーコも満面の笑みで同じ様に手を伸ばした。
それを見たベルは、ぎこちないながらも笑い、四人から差し伸べられた手をとった。
が。
グチャ
「……え?」
次の瞬間には、緑の刃が彼女の胸から突き出ていて、そこから大量の血が…
その後ろには、赤黒い色をしたガンダム…ガンダムエピオンがビームソードを構えていた。
「ベルちゃん!」
ショーコは墜落しかけたF91の手を掴んだ。
そのまま抱き寄せ、傷口を防ぐ様に手を当てる。
「うっ…あ〜ぁ、結局…こう、なっちゃうんだ…
やっぱ無理だったんだ、変わることなんて。」
「そんな事…ない。
変わろうと必死に努力すれば…!」
「そうだね。私も…努力、したかったなぁ〜…」
「ベルちゃん!」
繋いだ手から力が抜け、PICが切れたF91はショーコの手を離れて堕ちていき…
そして、爆発した。
「ベルさん!」
「くっ…お前かぁぁぁ!」
フロンティアがエピオンに斬りかかった。
エピオンはそれをビームソードで受け止める。その時、アリアの耳に声が聞こえてきた。
「いゃだ…もう。嫌だ!こんなの…なんで。」
「お前…嫌々やってたのか、ならばなぜ殺した!」
「殺さなかったら、こっちが殺される!
もう嫌だよ殺すのは…でも死ぬのはもっと嫌だ!」
「ッ!わかった、助けてやる!」
アリアはつばぜり合いをやめ、エピオンに背を向ける。
その時、二人の間をビームが走った。
新たな敵か、と思ったが。その予想はいい意味で裏切られた。
「烈花さん!それにセシリアさんも!」
そこには愛用の狙撃銃を構えた烈花、それに寄り添うように立つセシリアがいた。
スコープから目を離した烈花は、いつもの調子で、でもいつも以上に低い声を出した。
「あっぶなかったわね。敵に背を向けちゃダメよ。」
「えっ…?」
意味がわからず、アリアはエピオンの方に向き直った。
その手には、半分に焼け折れた近接ブレードが握られていた。
「油断させておいて貫く、確かにあんたの上等手腕ね。
答えたらどうなの、篠ノ之束!」
「……ちっ、ばれちゃあしょうがない、か。」
そしてエピオンのマスクが展開される。
その顔は、ISを学ぶ者なら知らないわけがない有名人で、世界を混乱に陥れた本人。篠ノ之束の顔だった。
「全く、どの世界でもいるんだね。私の計画を邪魔しようとする人って。」
「あなたの計画の為に、一体何人の方々がお亡くなりになったと思って⁉︎
わたくしは、わたくし達はあなたを決して許しませんわ!」
セシリアの怒りにも動じず、束は涼しい顔で髪をいじくっていた。
やがてそれにも飽きると、続いて何かのボタンを取り出した。
「まぁいいや、これで役者は揃った。
そろそろ、この世界も幕引きにしよっか。」
「(この世界…?それに、幕引きって…)
あんた、何をしようと!」
烈花は再び狙撃銃を構えトリガーを引いた。
それを軽々とよけた束は、それを楽しむかの様に笑い、そして無邪気な声で言った。
「あはっ!やっぱりこの瞬間はサイコーだよ。そしてそれから先の悲劇もね。」
「なんですって…!」
「まぁとりあえず、聞いていきなよ。
先輩の話はちゃぁんと聞かないとダメだよ?」
聞いてる側にしては、何を言ってるのかさっぱりだった。
確かに歳の上では先輩だ。けど、何を今さら。そんな事どうでもいいだろう。
束は満面の笑みのまま、そっと呟いた。
「転生の話。
烈花ちゃん。君より先に、この世界に来た転生者たるこの私の昔話さ。」
第三十五話完
ちょっと詰め込み過ぎた…かな?
それでは次回予告。
束から語られる真実。永遠に終わらない物語、それを聞いた時、烈花は…
次回
インフィニットストラトス
〈THE GEMINI G MYSTER〉
第三十六話
「輪廻の世界」
感想、ご意見お待ちしております。