この話は、アニメでも重要なところだと個人的には思っているので。
では、本編をどうぞ!
「ほんっとーにごめんなさい!!」
砂浜で綺麗な土下座をする元気が取り柄の女子高生と、全身びしょ濡れでそれを受けるヤンキーっぽい大人と大人びた女子高生という不思議な構図がそこにはあった。
「どうせ飛び込むつもりだったから大丈夫だよ」
と、1人は優しく言い、
「ったく…びしょびしょじゃねぇかよ…」
と、もう1人はしかめっ面で悪態をつく。
それっきり会話は続かなかった。その場にあったのは静かさと暖を取るため、近くのドラム缶に入れた木の枝からのパチパチッという火の音のみ。
「くちゅん!あっ…///」
そんな静けさは、赤茶色の髪の少女の可愛らしいくしゃみによって終わった。
「そういや、なんで「沖縄じゃないんだから…。海に入りたければダイビングショップがあるのに」おいこら、人が喋ってる時に被せんな」
えへへーと悪びれもせずに水着の少女の肩にタオルを掛けながら笑うみかん頭。そして、そう言えばうちの医院の隣にダイビングショップがあったような…と思い出しかける一護。
「海の音が聞きたいの…」
「「海の音?」」
みかん頭とオレンジ頭がハモった。
「うん…」
「どうして?」「なんでだよ」
またハモる。一瞬、お互いを見るが再び水着の少女へと目を向ける。しかし、何も答えようとはしない。ほんの少しの時間黙っていただけなのだが、みかんの少女はしびれを切らしたのかトンチンカンなことを言い始めた。
「分かったじゃあもうきーかーないー!…海中の音ってこと?!」
なんじゃそりゃ、そのまんまじゃねぇか。さてはこいつ馬鹿だろ。一護と似たような考えを持ったのか水着の少女は、「ふふっ」と上品に笑った。そしてまた悲しげな表情になった。
「私、ピアノをやっていて曲とか作ってるの。でも、どうしても海の曲のイメージが浮かばなくて…」
「おおー、曲を!作曲なんて凄いね!ね?」
「ん?あぁ…そうだな、作曲なんてそう簡単に出来るもんじゃねぇよな」
そう答えると少し嬉しそうに微笑む少女。
「ここら辺の学校なの?」
「…東京」
「東京?わざわざ?」
「わざわざって言うか…」
悲しげな顔で話す少女の隣にみかんの少女は歩いて座りだした。話している少女の言葉を遮って、「スクールアイドルって知ってる?」と聞くと、「スクールアイドル?」と聞き返した。
こいつ東京に、ましてや音ノ木坂学院高校にいるのにスクールアイドル知らねぇのかよ…。まぁ、それだけピアノに集中してたんだろうな。
一護が関心している間にみかんの少女は、スクールアイドル、「μ's」の画像を見せていた。それを見せられた少女は彼女たちを普通だと言った。アイドルというにしては普通だと。だからこそそんな彼女らが歌って踊っている姿を見れば輝いて見えるのかもしれない。それは、みかんの少女も同じ捉え方だった。
自分自身は何にもなくて何にも続けることがなくて熱中するものもない。ただただ普通だと。子供の時からそうで、気付けばあっという間に高校生。そんな時に出会ったのが「μ's」だったと話していく。そして自分も同じようにキラキラと輝きたいと。
5年も前の彼女らの歌や踊りが今なお人々を感動させ、心を動かし続けていると思うとあの9人は改めて凄かったんだと思い知らされる。それに、あの9人を支えることが本当に出来たのかとも思ってしまう。
一護が色々と考えている間に少女2人は自己紹介を行っていた。みかんの方は、高海千歌で、浦の星女学院の2年。水着の方は、桜内梨子で、やはり音ノ木坂学院高校で高海と同じ2年。そして───
「ん?俺も名前言わなきゃいけねぇの?」
「もちろん!せっかくだし!」
「俺は黒崎一護。さっき高海が言ってたダイビングショップの隣に新しく出来たクロサキ医院ってとこの先生だ」
3人の自己紹介が終わった時、一護には、5年前にもヒラヒラと落ちてきたあの白い羽根を見た─────。
オマケ
曜「あれ?あの流れなら今回の冒頭は私じゃないの?」
千歌「違うみたいだね〜」
梨子「なんか初登場の時の冒頭にするみたいだよ?」
曜「じゃあ、次の話数だね!頑張るぞー!ヨーソロー!」