FGO マシュのマスター戦記   作:くた男&ぐだ子

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※9/22 改正しました。


プロローグ act.1 ○

──塩基配列 ヒトゲノムと確認

──霊器属性 秩序・善と確認

 

 

ようこそ、人類の未来を語る資料館へ

ここは人理継続保証機関 カルデア。

 

 

指紋認証 声帯確認 遺伝子認証 クリア

魔術回路の測定……完了しました。

 

登録名と一致します。

あなたを霊長類の一員であることを認めます。

 

はじめまして。

あなたは本日 最後の来館者です。

 

どうぞ、善き時間をお過ごし下さい。

 

────

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──────────────

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──フォウ……?

 

 何だろうか?不思議な鳴き声が聞こえてきた様な気がする。今ペロっとほおを舐められてって……くすぐったい……!

 段々と意識と感覚が覚醒してくる。えっと、固い床に倒れている? 何でだっけ……。なんてことを考えながら、体を起こして眼鏡を外しまだ眠たい瞼をこすって眼鏡をかけ直し瞼を開く。目の前に広がっていたのは、研究所であるかの様な質素な廊下を背景に、一人のウニの様にチクチクした髪型の青年が─戸惑いと若干の飽きれを含んだ表情を浮かべながら─こちらを見下ろしている様だった。

 

「えーと……なんでそんなところで、横になってたのかな……」

「え、あー、その、やはり日本での滞在年数が長かったために雑魚寝が落ち着くんですよ」

「なるほど、ジャパニーズ畳なら聞いたことがある。きっと俺の故郷だろうから一度は帰郷したいね」

「日本人なんですか?」

「さあ? アジア系ってことはわかってるんだけどね」

 ははは、と軽い感じの返答を受ける。それを聞いて自分の出身も明らかにしたほうがいいだろうかと立ち上がってから口走る。

 

「私は日系イギリス人です。両親が日本好きで……っとと。自己紹介がまだでしたね。私はマシュ。マシュ・キリエライトです」

「マシュっていうのか。よろしくね」

「はいよろしくお願いします。気軽にマシュと呼んでください。先輩は?」

「え? 俺?」

「ええ、私より先にこの場所に勤めていたわけですから、先輩です。先輩の名前は?」

「……うーむ。こういう場合、どう言えばいいのか。名乗るほどのものでもないとか? いや……」

 

 何かこう言葉に困っている様子。もしかして自己紹介の経験がないのでしょうか?

 

「初対面の方に気の利いた挨拶なんていらないですよ。自分のことを認識してもらうのに、大仰なのは帰って悪印象を与えますから」

「あ、それもそうか。俺はリツカ・フジマル。リツカでいいよ。よろしくマシュ」

「はい。リツカ先輩」

軽い握手を交わして、自己紹介を済ませる。すると、『フォウ! フォーーーーウ!!』と謎の生物が叫びをあげる。

 

「ああ、ごめんごめん。この白いリスっぽいのはフォウ。カルデアを自由に歩ける特権生物だ。正直羨ましい」

「へぇ、不思議な生物ですね。犬っぽくも見えます」

「俺は散歩がてら、フォウに連れられて一緒に歩いていたら君を見つけたんだ。」

 

 フォーウ! と誇らしげに遠吠えみたく声を響かせるフォウさん……可愛い。ああ、行っちゃった。

 

「あんな風に法則もなくフラフラ歩き回ってるのさ。自由っていいよね」

「……ふむ、猫? あの生物が何なのかわからなくなってきました……」

「あまり他の人とかには懐いたりしないんだけど、君も気に入られたみたいだね。おめでとう、カルデア二人目のフォウの世話係だ。交代制で行こうか」

「わかりました。改めて宜しくお願いしますリツカ先輩」

「うん、こちらこそ宜しく」

 

 お互いにお辞儀をして、畏まった空気に耐えきれず思わず二人で軽く微笑み合っている微妙な状況は第三者によって破られました。

 

「ああ、リツカ。そこにいたのか、断りもなしで……って、む?あれ?お邪魔してしまったかな?」

 

 緑のスーツにシルクハットを被ったおじさまが声をかけてきました。先輩は少し戸惑っている様なので私が応えます。

 

「いえ、大丈夫です。お気になさらず」

「そうかい、それは良かった。私はレフ・ライノールだ。ここの技師の一人さ。召集された四十八人の適正者、最後の一人というわけか」

「マシュ・キリエライトといいます。宜しくお願い致します。レフさん」

「ああ、一般公募の様だけど訓練期間はどらいかな?」

「……いえ、訓練なんて受けてはいませんが」

 

 その言葉を聞いて、レフさんは少しがっかりした様な若干安堵した様な表情をしました。

 

「まったくの素人ということか……ああ、数合わせに採用した一般枠があったっけ。その一人というわけか。配慮に欠けていたね、すまない」

「大丈夫です。気にしていません」

 

 少し、落ち込みましたが。くそう、あのセールスマンめ、あれがなければ順風満帆な大学生活を謳歌していたというのに。そんなことを心の中で愚痴っていると口からため息がこぼれてしまいました。

 

「まあ、一般枠だからと悲観しないでほしい。今回のミッションには君達全員の力が必要なんだ」

 

 等と良く分からない説明をつらつら若干楽しそうに続けていくレフさん。すみません、一応私秀才で通ってはいますけどマジ津(まじゅつ)がどうとか両親大福(りょうしだいぶ)が何だとかだとかは理解できません。

 

「分からないことがあったら、私やリツカに聞いてくれよ……おや? そういえば彼女と何を話していたんだいリツカ?客観的に見てとても仲が良さそうに見えたんだが、以前から面識があったのかい?」

「いいや、レフ教授。マシュとは先ほどあったばかりです。ここでスヤスヤ昼寝をしていた所を発見したので、つい」

「なるほど、シュミレーションを受けたんだな?それで夢遊病の様な状態に落ちっていたんだよ。それでここまで歩いてきて、それをリツカが見つけたんだ」

「さすがです。レフ教授」

「褒められるほどじゃないさ。さて、本来なら医務室へ送っていってあげたい所なんだけど、これから所長の説明会があるんだ。急いだ方がいいね」

「説明会ですか?」

「ああ、まあ浮ついた新人を叩くボスからの挨拶(しつけ)ってところかな」

 

 軽く呆れた様な顔で説明をしてくれるレフさん。苦労してるんだろうな。と感じました。

 

「なるほど、浮ついているつもりはありませんが、早く行った方が良さそうですね」

「所長は些細なミスも許容できないタイプだからね、ここで遅刻でもしたら一年は睨まれるぞ。説明会は五分後だ。この通路をまっすぐ行けばいい、急ぎなさい。」

「はい!わかりました」

 

 少し足の運動をしてキビキビ動かそうとした時、先輩がレフさんに質問を投げかけていました。

 

「……レフ教授、俺も説明会へ参加しても構わないでしょうか?」

「まあ、隅っこで立っているぐらいなら、大目に見てもらえるだろうと思うけど……何でだい?」

「またそこらで昼寝をしてしまうかもしれないから、管制室まで案内しようかと」

「……先輩、それではまるで私が居眠り常習犯みたいじゃないですか」

 

 優等生である自覚を持つ私にとってそれはとても不名誉です。

 

「でも、調子は完全に回復してるわけじゃないんだろ?だったら、放っておけないよ」

「……君を一人にすると所長に叱られるからなあ……結果的に私も同席する、という事か。まあいいだろう。キリエライト君もそれでいいかな」

「……不本意ですが、構いません」

「よろしい、今の内に聞いておきたいことはないかい?」

 

 この短時間で何か聞いてもすっぽ抜けそうなので「特にありません」と応えました。

 

「よし、じゃあ行こうか。姿勢はピンとして、でも気持ちは楽にね」

「はい、ご配慮ありがとうございます」

 

 そうして、中央管制室というところまで二人の案内のもと、若干駆け足で進んでいくのであった。

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