FGO マシュのマスター戦記 作:くた男&ぐだ子
たくさん読んで頂きありがとうございます!
今後とも頑張って書いていきます!
では、ごゆるりとお読み下さい。
「なんだ? 灯りが消えるなんて、何か──」
警報のようなものが鳴り響いて、機械的な警告のアナウンスが入って来ます。
『緊急事態発生。緊急事態発生。中央発電所、及び中央管制室で火災が発生しました』
『中央区画の隔壁は九十秒後に閉鎖されます。職員は速やかに第二ゲートから退避してください』
「今のは……爆発音か!? 一体何が起こっている……!? モニター管制室を映してくれ!みんなは無事なのか!?」
「……管制室って、先輩は……?」
部屋に備え付けてあったモニターが、暗くなった部屋を赤く照らします。
天球儀っぽい装置は無事のようですが、辺りには多くの瓦礫が地面を埋め尽くしていました。
先のDr.ロマンの命懸けの仕事という言葉が頭に過ります。気付けば私の肩は恐怖に震えていました。
「これは――マシュ、すぐに避難してくれ。ボクは管制室に行く。もうすぐ隔壁が封鎖するからね。その前に君だけでも外に出るんだ!」
そういって、Dr.ロマンは私の部屋から出ていってしまいました。
呆然としている私にフォウさんが見つめて来ます。じっと見定めるように、私の選択を待ってくれているかのように。
「……フォウさん! 先輩を助けに行きましょう!」
フォウ! 私の意を肯定するように力強く鳴いてくれました。私も部屋から出て、Dr.ロマンに追いつきます。
「いや、何をしているんだキミ!? 方向は逆!第二ゲートは向こうだよ!?」
走りながらDr.ロマンは私に気付き焦りを隠さず叱る様に逃げる道を奨めてきます。けれども、ここで逃げたら絶対に後悔します。だから、こう返しました。
「いいえ、こっちであっています」
「まさかボクに付いてくるつもりなのか!? そりゃあ人出があった方が助かるけど……ああもう! 言い合っている時間も惜しい! 隔壁が閉鎖する前には戻るんだぞ!!」
通路を走りそして勢いよくこけてしまいます。
「きゃあ!」
「うぇ!? だ、大丈夫かい?」
そう声は掛かりましたが、彼は先へと走っていってしまいました。管制室内での生存者確認と救出を優先したのでしょう。
不覚! 私自身走ったりする運動は苦手な事を失念していました……。鈍足ながらもDr.ロマンの後を追います。
やっと辿り着いた中央管制室の自動ドアが開くと、そこにあったのは……燃え盛る炎舞う地獄絵図でした。
「…………生存者はいない……無事なのはカルデアスだけだ。ここが爆発の起点だろう。事故じゃ無いな、明らかに人為的な破壊工作だ」
状況確認を済ませて、後から着いた私に残酷な事実が述べられます。
「そ……そんな……」
『動力部の停止を確認。発電量が不足しています。予備電源への切り替えに異常 が あります。職員は 手動で 切り替えてください』
『隔壁閉鎖まであと四十秒 中央区画に残っている職員は速やかに――』
警告音とともに流れる無感情な声は火の音以外聞こえないこの部屋ではよく響きました。
「……ボクは地下の発電所に行くよ。カルデアの火を止める訳にはいかない。キミは来た道を戻るんだ。まだ、ギリギリで間に合うだろう。いいな! 寄り道するんじゃ無いぞ!! 外に出て外部からの救援を待つんだ!!」
そう言って、Dr.ロマンは地下へと向かう通路に駆けて行きました。どうするべきか迷っているとまたアナウンスが流れて来ました。
『システム レイシフト最終段階に移行します。座標 西暦2004年1月30日 日本 冬木』
『ラプラスによる転移保護 成立。特異点への因子追加枠 確保。アンサモンプログラム セット。マスターは最終調整に入ってください』
この異常事態にも拘らず、何かのシステムが作動してしまったようです。あのゆるふわは何をしているのでしょうか。早くここから離れ……待って、あのゆるふわはこの状況を遠目から見ていただけでした。生存者が……もしかしたら先程の先輩も……!
「ギリギリまで生存者を探すことを優先します!」
するとガラガラと瓦礫が崩れる音がして、そこには先輩がいました!
「……先輩!! しっかりしてください! 今、助けます……!!」
「…………いい、から……もう、たすか、らないよ。それより、はやく、逃げないと」
大きな音を立てて、火事のせいか、それとも今後の世界の行く末を映したのか。
カルデアスが真っ赤になってしまいました。さらに、その絶望を加速させるかのように、アナウンスが再び入ります。
『観測スタッフに警告。カルデアスの状態が変化しました。シバによる近未来観測データを書き換えます』
『近未来100年までにおいて人類の痕跡は 発見 できません。人類の生存は 確認 できません。人類の未来は 保証 できません』
「カルデアスが……真っ赤になって……いや、そんな、コト、より――」
「先輩しっかりしてください……!! もう少しですから!!」
ですが、私は先輩にのしかかった瓦礫を必死にどかしていてそれどころでありません。
いえ、本当は全部聞こえていて内容も理解していました。でもそれを信じたくなかった、必死になってその情報を振り払い。瓦礫を払っていきます。
その必死さからかあるいは火事場の馬鹿力というものでしょうか、いつも以上に体動き瓦礫もそれほど重くはありません。
『中央隔壁 封鎖します。館内洗浄まで あと 百八十秒です』
「……隔壁、閉まっちゃ、ったか。もう、外に、は」
「……ええ、そうですね。一緒です」
何かアナウンスがまた流れているようですが、もう聞く元気がないです。
先輩を掘り起こすのに必死でなけなしの体力を使い切ってしまいました。緊急時に考えなしに行動するのは愚行でした……。
「…………なあ………ましゅ……すまないけど、手を、握ってもらえない、かな」
──レイシフト開始まで 3秒前
「はい、わかりました。大丈夫です……大丈夫」
ぐったりしながらも、しっかりと先輩の手を強く握ります。
2
「……ありが、とう」
1
全行程
ファーストオーダー実証を 開始 します。
『先輩、私も怖いんです。だから、先輩と一緒にいることを確認できて私も安心できたんです。だから、お礼は私に言わせてください。』
『ありがとうございます』
そう、先輩に告げようとして私は意識を失った。