FGO マシュのマスター戦記   作:くた男&ぐだ子

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 しばらく筆を置いていましたが、久し振りにリハビリがてらこの作品の続きを書くことにしました。
 取り敢えず、冬木編まで書ききってから続きをどうするか考えます。


特異点F 冬木 act.1

 うぅ、このままこの密室空間で、じわじわ減っていく酸素と段々増えていく一酸化炭素によって、一酸化中毒で先輩と仲良くゆっくりと御陀仏なのですね。

 でも、不思議と後悔は無いなぁ。自分の意思を突き通すことが出来たからかな?

 

――キュウ……キュウ

うう、何でしょう、聞き覚えのあるような鳴き声が……

――フォウ……フー、フォーウ……

……また、頬を舐められたような感触が……でも先程と違い今の私は、先輩を助けるため頑張ったのでバタンキューなのです。

 

「起きて、起きてよマシュ。うーむ、起きないなぁ。

──ここは一つ正式な名称で呼んだほうがいいかな」

 

 先程より、元気の良い声を響かせて先輩は私を目覚めさせようとしているようです。

 しかし、私の体は動きません。

 

「すみません、先輩。意識はありますが、起きられません。先の火事場の馬鹿力に任せた、無理な運動の疲れがまだ残っている様なのです。三途の川は、先に逝ってください。私も後から追って逝きますから」

「死にかけたような声で、そんなこと言わないでくれよ! 洒落にならないから! 良いから、起きてくれよ()()()()。本当に死んじゃうよ!」

 

 その脅し文句のような言葉で、意識は覚醒しダルいながらも身体を起こすことに成功しました。

 

「ごめんなさい先輩、まさかあの状況から生き残れるとは思わず......ってここ何処ですか?そしてそのコスプレは一体......」

 

 辺りを見回せば先と同じ炎の海。しかし、室内ではなく明らかに野外であり、遠くにはビルのようなものも見えました。そして、先輩は西洋の鎧を着込んで人の丈ほどある大型の盾を持っていました。そして、私たちの周囲には──

 

「よかった起きてくれて。取り敢えずその話は後で、今は彼らをどうにかしないと」

 

 『『Gi──GAAAAAAAAAAA!!』』

 

 それは骸骨でした。動く骸骨......ドラゴンなクエストで見たことはありましたが実際に存在するとは......ってそんな場合じゃない!!

 

「うーん、話は通じそうにないし、明らかに敵意を向けてきてるよね。マスター、指示を。俺とマシュの二人で、この事態を切り抜けよう」

「えぇ!? わ、わかりました」

 

 指示を出せと言われても、私には経験がないためなんと言えば良いのか分からず、取り敢えず、その大型の盾で突進するように言いました。すると、骸骨の化け物たちはまとめて吹っ飛ばされて宙を舞い、重力のままに地面に叩きつけられて動かなくなりました。

 

「――ふう。不安だったけど、何とかなるもんだね。怪我はないかマシュ。腹痛や胃もたれはないかな?」

「なぜ、お腹のことばかり聞くんですか……じゃなくてですね。今のは何だったんでしょうか?」

「……わからない。でも異常事態なのは確かだよ」

と、ここで私のタブレットから電子音が鳴り出します。カルデアでもらったもので、数回のコール音の後繋がりました。

「ああ、やっと繋がった!もしもし、こちらカルデア管制室だ、聞こえるかい!?」

「こちらAチームメンバー、リツカ・フジマルです。現在、特異点Fにシフト完了しました。同伴者はマシュ・キリエライト一名。心身ともに異常なしです。レイシフト適応、マスター適応、共に良好。マシュ・キリエライトを正式な調査員として登録してください」

「……やっぱり、マシュちゃんもレイシフトに巻き込まれたのか……コフィンなしでよく意味消失に耐えてくれた。それは素直に嬉しい。それと、リツカ……君が無事なのも嬉しいんだけどその格好はどういうコトなんだい!?痛すぎる!ボクはコスプレなんて教えた覚えないぞ!!」

「……これは、変身したんだ。カルデアの制服じゃマシュを守れなかったんだよ」

「変身……?変身って、何行ってるんだリツカ?頭でも打ったのか?それともやっぱり中二の病気に……」

「――Dr.ロマン。ちょっと黙ろうか。俺の状態をチェックしてくれ、それで状況は理解してもらえるはずだから」

「キミの身体状況を?……お……おお、おおおぉぉおおお!?身体能力、魔術回路、全てが向上している!これじゃ人間というより――」

「ああ、サーヴァントそのものだ。経緯はよく覚えてないけど、俺はサーヴァントと融合したコトで一命をとりとめたようなんだ――」

何やら、先輩とDr.ロマンが色々話していますが、デミ・サーヴァント(デミサバット)がどうとか、英霊(エイヒレ)がなんだとか私には良く分からないことを言っていたので、周囲に先程の骸骨がいないか警戒していることにしました。

 警戒しているうちにDr.ロマンがこっちに話を振って来ました。

「マシュちゃん。そちらに無事シフトできたのはキミだけのようだ。そしてすまない。何も事情を説明しないままこんなことになってしまった。」

「いえ、それに関しては私がDr.ロマンの指示を無視したために起こった障害です。過失はこちらにあります」

「そう言ってくれると助かる。わからないことだらけだろうけど、どうか安心してほしい。君にはすでに強力な武器がある。リツカと言う、人間最強の兵器がね」

「……最強はやめてくれ。言い過ぎだよ。あとで責められるのは俺なんだからさ」

「まあまあ、サーヴァントとはそう言うものだってことをマシュちゃんに理解してもらえればいいんだ。ただし、サーヴァントは頼もしい味方だけど弱点もある。それは魔力の供給元となる人間……マスターがいなければ消えてしまう、と言う点だ。まあ、簡単に言うとリツカの主人(マスター)はキミと言うことだ」

「私が先輩の、マスター……? それに先輩が兵器だとか......意味が分かりませんよ」

「うん、当惑するのも無理はない。君にはマスターとサーヴァントの説明さえしていなかったし。いい機会だ、詳しく説明しよう。今回のミッションには二つの新たな試みがあって……」

「あー、ロマン。通信が乱れてる。通信途絶まであと十秒」

「むっ、予備電源に切り替えたばかりでシバの出力が安定していないのか。仕方ない、説明は後ほど。二人とも、そこから二キロほど移動したところに霊脈の強いポイントがあるそこまでたどり着いてくれればこちらからの通信も安定するはずだ。いいかな、くれぐれも無茶な行動は――」

と言ったところで通信が途絶えてしまいました。

「……消えちゃいましたね、通信。」

「まあ、ロマンのすることだからね。いつもここぞと言う時に頼りにならないんだよ」

フォウフォーウと勇気付けるように鳴いてくれるフォウさん。

「そうでした。フォウさんもいましたね。応援ありがとうございます。」

「どうやら、フォウはマシュと一緒にこっちにレイシフトしてしまったみたいだね。……あ。ロマンにそれを報告し忘れてた……」

「キュ。フォウ、キャーウ」

「ドクターなんて気にするな、って言ってますよ」

「そうだな、フォウの報告は次の通信の時に。まずはロマンが言っていた座標(ポイント)を目指そうか。そこまで行けばベースキャンプも作れるだろう」

 

そんな風に私たちの初めてのグランド・オーダーは始まったのでした。

 

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