初音ミクとの高校生活   作:砂糖love

1 / 3
初めまして、砂糖loveです。
初めての小説投稿ですが、月2程度を目標にしていきたいと思います。
よろしくお願いします。



第1話 出会い

「・・・迷ったな。」

 

今日から高校生の俺は、入学式に絶対遅れないようにと早めに家を出てきた。

しかし、学校に新入生の姿はなかった。

近くにいた先生に聞いてみると、入学式は午後から、と言われてしまった。

時間を無駄にしたかなと落ち込んでいた俺は、校内を散策してみたらと先生に促され、今に至る。

 

(なんだよこの学校、広すぎんだろ・・・。)

 

前に見たパンフレットにはかなり広そうな体育館が3つに、野球場、テニスコートなどがあると書いてあったが、校舎まで広いとは思っていなかった。

流石は私立である。

 

(これだけ広いなら屋上とかもあるのかな・・・屋上で昼飯とかかなり良さそうなんだけど。)

 

そう思いながら校舎を散策する。

しばらく歩いていると上級生らしき人に会い、屋上はもう少し先の階段を上ったところにあると教えてもらった。

お礼を言って屋上に向かう。言われたとおり階段を上ると扉があった。

おそらくここが屋上だろうと、期待を込めて扉を開ける。

 

(おおー、いいなあこういうところがあるって。)

 

屋上もなかなか広く、簡単に作られた庭園のようなものとベンチがある。

手入れもちゃんとされていて、とてもいい眺めだ。

入学式の時間までここで暇をつぶそうとベンチに腰掛ける。

 

(・・・ん?)

 

庭園で見えなかったが、奥にもうひとつベンチがあり、そこには人が眠っていた。

 

(・・・4月とはいえ、まだ肌寒い時期だぞ。)

 

こんなところで寝ていたら、風邪を引いてしまうだろう。

俺はそう思い、その人を起こそうと声をかけた。

 

 

――――――これが、俺と彼女の出会いだった。

 

 

 

 

「こんなところで寝てると風邪引くぞ。」

 

・・・返事がない。ぐっすり寝ているようだ。

 

「・・・おい、起き―――」

 

もう一度声をかけようとすると、その人が寝返りを打ち、顔が見えた。

整った輪郭、きちんと手入れされていて綺麗なエメラルドグリーンの髪、すらっとした容姿。

その姿を見て、思わず見惚れてしまった。

ずっと眺めていたくなるような、とても可愛い人だった。

 

 

「・・・あの。」

 

 

そんなことを思っていると、前のほうから声をかけられた。

意識を現実に戻すと、さっきまで寝ていた彼女が目をぱっちりと開けている。

 

「・・・」

 

そこで俺は現状を把握する。どうみても寝ている女の子を眺めている変態である。

居たたまれない気持ちになり、目を逸らす。

 

「悪い。」

 

「ううん、起こそうとしてくれたんでしょ?ありがとう。」

 

そういって彼女は起き上がり、微笑んだ。

とても優しくていい子なのだろう。

 

「君も新入生?」

 

「あ、うん。俺の名前は畑沢泰(はたさわとおる)だ。」

 

「泰君、ね。私の名前は初音未来(はつねみく)。よろしくね。」

 

「初音さんね、こちらこそよろしく。」

 

入学式初日からこんな可愛い子と知り合えるなんてかなりラッキーである。

散策を促してくれた先生にはあとでお礼を言っておこう。

 

「・・・」

 

俺がそう挨拶すると初音さんはなぜか黙ってしまった。

少し不機嫌そうだが、何か気に触るところがあっただろうか。

 

「・・・未来」

 

「え?」

 

「未来って呼んで。」

 

いきなり名前呼びを指定された。

自慢じゃないが、これまでほとんど女子と接してこなかった俺は女子を名前で呼んだことがほとんどない。

だから少し、恥ずかしい感じがする。

 

「えっと、じゃあ未来さんで。」

 

「・・・さんもいらないのに。」

 

不満そうな声が聞こえてきたがスルーする。いきなり女子、しかもこんな可愛い人を呼び捨てするのは俺にはハードルが高い。

恥ずかしさを紛らわすため、話を切り替える。

 

「そういえば、未来さんはなんでこんな早く学校に?」

 

「この学校広いから、午前中に学校を散策できないかなーって来たの。泰君も?」

 

「あー、俺は入学式午前からだと思って早く来たんだ。そしたら誰も新入生いなかったか  ら驚いたよ。」

 

そう言って未来さんをみるとクスクスと笑っていた。

 

「泰君ってしっかりしてそうな雰囲気なのに、意外と抜けてるんだね。」

 

「家族にもよく言われる。どうにも直らないんだよな。」

 

そこからは他愛もない会話をしていた。

俺も未来さんも音楽が好きで、好きなアーティストや曲の話で盛り上がった。

楽しい時間は早く過ぎるとよく言われるが、実際とても楽しく気がついたら入学式の時間が近くなっていた。

 

「未来さん、時間だからそろそろ行こう。」

 

「あ・・・、そうだね。」

 

そういって未来さんは立ち上がって、屋上の入り口に向かった。

少し名残り惜しそうに見えたのは気のせいだろう。

立ち上がって彼女の後についていく。

 

「泰君。」

 

「ん、どうかしたか?」

 

いきなり呼ばれて少し驚いた。

未来さんはくるっと回って俺のほうを向くと、満面の笑みと言えるような顔で、

 

「これからよろしくね。」

 

と、手を差し出してきた。

その笑顔に気をやられそうになりながらも、なんとかその手を握った。

 

「こちらこそ、よろしく。」

 

 

 

 

 

 

 

 




感想、お気に入り登録等お待ちしています。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。