Reソードアート・オンライン~蒼い死神と絶剣~IS物語   作:ヤトガミ・レイナ・マリー・エクセリア

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クラス代表決定戦 蒼VS秋Ⅰ

 

 

 

 

  2025年 4月18日 IS学園・第三アリーナ

 

 

 クラス代表決定戦一日目の翌日の放課後、クラス代表決定戦二日目として俺は〝ストライクF〟を纏い第三アリーナの空にいた。

 昨日のあの後、簪とサクヤの部屋で俺とカタナ姉さん、サクヤに簪の四人が集まり、サクヤ、簪の二人にこっぴどく怒られ更に、通信越しにゆうちゃんも加わり色々大変だった

今朝もサクヤと簪は口を聞いてくれず二人で先に朝飯を済ませて何処かに行ってしまった。

 

 

≪待ちくたびれたぞ、織斑秋羅≫

 

「待たせたな、凡人。お前だけは絶対に潰す!」

 

 今回の相手‥‥Bピットから出てきたのは白いIS‥‥‥〝白式(びゃくしき)〟を纏った織斑秋羅で昨日のチカ戦、この試合前に行われたキリト戦、セシリア・オルコット戦全部に惨敗しているためかそれとも、初日の俺に対しての怒りなのか殺気がダダ漏れで俺を睨んでいる

 

≪悪いな、この後人に呼ばれてるんでなっ早めに勝たせてもらう≫

 

 そう‥‥‥俺はクラス代表決定戦の後、簪からメールでALOのある場所に呼ばれていた

 

「んっなもんしらねぇーよ!お前等凡人の如何様の所為でこの俺が弱いと思われてんだ!この屈辱はお前を潰して晴らす!」

 

≪‥‥好きに言っていろ≫

 

 俺はかなり織斑秋羅に苛立っていた。

自分は天才で他の奴らを〝凡人〟と見下しこの一週間を何もせずに過ごしていた奴がこの一週間を努力に費やした俺達が負けることは無い

それすらも分からず負けた理由を俺達が〝如何様〟をした所為として自分の弱さを認めない織斑秋羅に俺は苛立っていた

 

『試合、開始!』

 

「喰らえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ

!!!!!!!!」

 

 開始直後、チカ戦、キリト戦、セシリア・オルコット戦と全く同じく織斑秋羅は《イグニッション・ブースト(瞬時加速)》と単一仕様(ワンオフ・アビリティー)零落白夜(れいらくびゃくや)》で先制攻撃を仕掛けてきた

 

≪‥‥遅い‥‥そして、甘い≫

 

 俺は‥‥いや、俺達なのかもしれないがはアスランさんやキラさんの動きとアスランさんとキラさんの機体や特殊装甲兵装<ミーティア>の速度に目が慣れてしまい《ハイパーセンサー》も使えば《イグニッション・ブースト(瞬時加速)》程度、遅く感じたりする

 

「はぁ!」

 

 だから、織斑秋羅の攻撃を軽く躱して裏拳から掴んで地面目掛けて叩き落とすことも容易にできたり出来なかったりする

 

「クソガアァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

 織斑秋羅は怒りにまかせて出鱈目に剣を振るってくるが俺は昨日既に積んでいた打刀<ガーベラ・ストレート>を<コール>し全て受け流した

 

「何奴も此奴もなんで、天才の俺のシナリオ通りにうごかねぇんだよ!!凡人のお前等は天才のこの俺に従ってれば良いんだよ!?出来ねぇ奴は死ね!あの出来損ないの屑弟(一夏)同様死ね!」

 

 プチン

 

 織斑秋羅の怒りの発狂は誰かの‥‥‥いや、俺の中の切っては行けない糸を切ってしまった

 

 

≪‥‥‥寝言は寝て言え‥≫

 

【ッ!】

 

 俺のドスの利いた声で第三アリーナ全体が凍り付いたように静になった

 

≪弱い犬ほど良く吠える‥‥クソな天才ほど見下したがる‥‥‥‥‥自分で何も出来ないくせにに天才ぶってんじゃねぇよ≫

 

「んっだと!!お前の方こそ‥‥‥≪誰が喋って良いと言った≫ッ!」

 

 織斑秋羅が何かを言おうとしたが俺のドスの利いた声で黙り込んでしまう

 

≪俺の知っている才能を持った天才達は見下しなんて愚かなことをしなかった‥‥‥俺の知る天才達は半端物の俺についてきてくれている‥‥お前のように見下しもせず俺についてきてくれている!≫

 

 俺はもう一本<ガーベラ・ストレート>を<コール>し織斑秋羅の方に向ける

 

≪お前のシナリオなんてクソ喰らえ、自分の家族を出来損ない呼ばわりして死んで当たり前のように言い、自分の都合が悪い奴も死ねと言う奴には‥‥‥‥

()()()()として斬り捨ててやろう≫

 

≪さあ、第二ラウンドの始まりだ‥‥早々に朽ち果ててみせるなよ≫

 

 

 俺は静かな怒りに身を任せ目の前の害虫(織斑秋羅)に向かって蒼い翼を広げ飛んでいく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 観客席

 

 

「「「「「‥‥」」」」」

 

 昨日と違い観客席の方で観戦していたキリト達、IS学園《西風の旅団》メンバーと春萎は最初の方は静に試合を観戦していたが‥‥‥

 

『何奴も此奴もなんで、天才の俺のシナリオ通りにうごかねぇんだよ!!凡人のお前等は天才のこの俺に従ってれば良いんだよ!?出来ねぇ奴は死ね!あの出来損ないの屑弟(一夏)同様死ね!』

 

 プチン

 

 織斑秋羅の怒りの発狂はこの場のメンバー全員の何かを斬ってしまった

この場にいるカタナ、簪、チカ、春萎の四人の顔は今のを聞いて直ぐに狂気染みたのに変わり春萎に至っては今すぐにでも織斑秋羅を潰しにいかんとばかりに立ち上がり何処かに行こうとしていた

 

≪‥‥‥寝言は寝て言え‥≫

 

【ッ!】

 

 だが、蒼のドス効いた声で春萎の動きが止まりアリーナ内にいる声の主‥‥蒼の方に目を向けた

 

「‥‥‥ソウさん‥‥初日のあれ以上に怖いです‥‥」

 

「‥‥‥そう‥‥ですね‥‥‥ソウさんが何度か怒ってる所は何度か見てましたが‥‥‥あんなにキレてる所は初めて見ました‥‥」

 

「‥‥‥お兄ちゃん‥」

 

「‥‥ソウソウ‥」

 

 ここで観戦している中で最年少のサクヤ、蒼と同い年の本音、簪、春萎はIS学園初日以上に冷たい蒼の声に怯えていた

ここのメンバーの中で蒼と同い年のチカ、一つ年上のキリト、刀奈、最年長の明日奈は余り動じて無く怯えているサクヤ達を心配していた

 

≪俺の知っている才能を持った天才達は見下しなんて愚かなことをしなかった‥‥‥俺の知る天才達は半端物の俺についてきてくれている‥‥お前のように見下しもせず俺についてきてくれている!≫

 

「「「「ッ!」」」」

 

 蒼の言う〝天才達〟はキリト達の事でありキリト達もその事に気がつき、少し驚きながらも嬉しそうに笑みが見えた

 

「ソウはそこまでして自分を過小評価して‥‥‥俺達のこと‥を?」

 

「‥‥ソウ君はそうしないと自分を認められないのよ‥‥‥‥過去に守ろうとした人や心を守れなくて‥‥‥自分を認められなくなって‥‥!!」

 

 悲しそうに話す刀奈‥‥話している途中で刀奈はアリーナの蒼が2本目の打刀を展開したのを見て目を見開いていた

 

≪お前のシナリオなんてクソ喰らえ、自分の家族を出来損ない呼ばわりして死んで当たり前のように言い、自分の都合が悪い奴も死ねと言う奴には‥‥‥‥

()()()()として斬り捨ててやろう≫

 

「‥‥ソウ君‥貴方は‥‥本当の意味で【更識家】に戻ってくるのね‥‥」

 

 カタナの言葉に簪と本音以外は首を傾げて言葉の意味を理解できていなかった

 

「‥‥‥私とカンザシちゃんとソウ君がまだ、喧嘩して無くて仲が良かったとき‥‥三人でいろんなアニメを見ていた

時期があるの‥‥その時期に見ていたアニメの二人のキャラにソウ君は憧れて戦いのスタイルや指示に必要な知識を身につけたのよ‥‥ギルド名の《西風の旅団》もアニメのギルドの一つよ」

 

 刀奈の話を聞いている中‥‥話にでているアニメをチカ、春萎、サクヤは知っていたのか三人とも『あっ』と思っていた

 

「【更識流】の剣術にも二刀術があってソウ君は一通りの技術を覚えて二刀術を物にしたの‥‥‥でも、私と喧嘩してからずっと使ってなかったのよ‥」

 

「‥どうして、ソウ君は使わなかったの?」

 

「ソウは使ってなかったじゃなくて使えなかったんだろ?」

 

 明日奈の問にカタナが答える前に答えを見いだしたキリトがカタナに聞くように話すとカタナは軽く頷いた

 

「キリトの言うとおりよ‥‥ソウ君は自分の家系‥‥()()()()と言う血が嫌いなのよ‥‥」

 

()()()()だからお姉ちゃんに突き放された‥‥()()()()だから私を守れなかった‥‥()()()()だからお姉ちゃんと仲良く暮らせない‥‥‥お兄ちゃんはお姉ちゃんに私と一緒に突き放されたときからそう思うようになってた‥‥‥だから、【更識】の中で使う人が少ないけど二刀術を自分自身で封印して他の事に力を入れて自分の事を半端物って‥‥‥‥私が‥‥強かったら‥お兄ちゃんがそんな思いを‥‥そんなことにならなかった‥」

 

 簪は顔を俯かせ泣いた‥‥簪の膝に簪の流す涙がぽたぽたと落ちる

 

「カンザシちゃんの所為じゃ無いわ‥‥ソウ君がこうなったのも私の所為よ‥‥二人を守るのに突き放すことしか出来なかった私がね‥‥‥でもね、カンザシちゃん‥今の私はあの時の選択は間違ってなかったって思ってるわ」

 

「え?」

 

 刀奈の今の言葉に簪は怒りがこみ上がってきた‥‥『あの時の所為でお兄ちゃんがああ、なってしまったのにあの時の選択は間違ってなかった?』と心の中で怒りと一緒にこみ上がってきた

 

「だって、ソウ君にはこんなに仲間が友達が出来たじゃない!あの時に突き放してなかったらソウ君もカンザシちゃんもそして、私もSAOに‥‥‥仮想世界に出会わなかったかも知れない‥‥‥クラインさんやエギルさん、チカ達にも会わなかったかも知れない‥‥‥こんなに仲間が友達がいる生活を送れなかったかもしれない‥‥‥あの時の後悔はあるけど、ソウ君やカンザシちゃん、そして、私もあの時が在ったから成長し今があるならあの時の間違いは間違ってなかったと思ってるわ」

 

 

「‥‥お姉ちゃん‥うん、そうだね‥‥お姉ちゃんの言う通りかもしれない‥‥仮想世界‥‥‥SAOを始めてお兄ちゃんは笑うようになった‥‥‥少し辛いこともあったけどお兄ちゃんと私にも仲間が出来た‥‥」

 

 簪はこみ上げてきていた怒りが無くなり仮想世界での思い出を思い出していた

そして、刀奈と簪の姉妹をキリト達仲間は優しく見守っていた

 

 

 

 

 

 

 

続く

 

 


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