Reソードアート・オンライン~蒼い死神と絶剣~IS物語   作:ヤトガミ・レイナ・マリー・エクセリア

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嵐の中国転入生!

 

 

 

 

 

  2025年 4月19日 IS学園・《一年一組教室》

 

 

 

「おい」

 

クラス代表戦の翌日のお昼、土曜日で授業は午前で終わりなため、俺達が教室から出ようとすると織斑秋羅の腰巾着(篠ノ之箒)が俺達‥‥いや、この場合は俺、キリト、チカの三人に睨みながら話しかけてきた

 

「なんの用だ篠ノ之」

 

「貴様等、秋羅との試合で如何様(いかさま)しただろ?」

 

 話しかけられて直ぐに、難癖付けることは分かってはいたが随分馬鹿な奴だと思う

 

「随分の物言いだな。あんな雑魚にどうして俺達が如何様しなくちゃならない?‥‥‥」

 

「貴様!秋羅の事を雑魚だと!?」

 

「雑魚じゃ無ければ何なんだ?一週間を無駄に過ごして動きも何もかもが素人、それで負ければ腰巾着を使って俺達に難癖付けてくる‥‥はっきり言うが()()()()()()()()なんだよ、おめぇらはな」

 

「貴様!言わせておけば!!」

 

 篠ノ之は俺の言葉に完璧にキレて持ち歩いていると思われる木刀を取り出し振るってきた

 

「‥‥へぇ、生徒会長の前で暴力沙汰を起こすなんて、少しおいたが過ぎるんじゃ無いかしら?」

 

「ッ!貴様には関係ない!そこを退け!」

 

 俺が木刀を止めるよりも前にカタナ姉さんが間に入り何時も持っている扇子で木刀を止めた

 クラスに響いたカタナ姉さんの声はクラス内の生徒達を青ざめさせクラス全体を凍り付かせたが、篠ノ之は少し距離を離れてまた、直ぐに木刀を振るってきた

 

「‥‥‥更識流・体術」

 

 カタナ姉さんは木刀を避け篠ノ之の胸ぐらを掴んで投げ倒した

 

「安心しなさい、加減はしたし最後まで技は掛けないわ‥‥ただし、次は無いわ」

 

 空中から着地したカタナ姉さんは篠ノ之に冷たく言い放つ、篠ノ之は痛みと恐怖からなのかカタナ姉さんの声を聞くと気を失ってしまった

 

「‥‥はぁ‥‥織斑君、この子を医務室に運んでおきなさい。それから、今朝は何も言わずに黙ってたけど貴方にも次は無いわ」

 

 カタナ姉さんは織斑秋羅にそれだけ言うとそのまま教室を出て行った

 俺達もカタナ姉さんを追うように教室を出て行く‥‥俺達の中で織斑秋羅に目を向けたのは誰も居なかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  4月21日 IS学園・《一年一組教室》

 

 

 

 

 俺達ALO組八人が教室に入るとなにやらクラスが騒がしかった。

 

「ねぇ聞いた? 二組に転校生が来たんだって!」

 

「聞いた! 中国からの転校生なんだよね?」

 

 話によると隣のクラスに転校生がやって来た‥‥ということらしい。

 

「転校生? この時期に?」

 

「いくらなんでも急過ぎじゃないか?」

 

 チカとキリトが言うとセシリア・オルコットが腰に手を当てて自慢げに言ってきた

 

 

「今更ながら、わたくしの事を恐れての転校でしょうか?」

 

「「「無いな(わね)(です)」」」

 

 俺とカタナ姉さん、サクヤの三人同時にセシリア・オルコットの言葉を否定するとセシリア・オルコットは崩れ落ちた

 

「それよりも、織斑君! デザートフリーパス券……みんなの思いが織斑君の剣にかかってるからね! 頑張って!」

 

 クラス対抗戦には、優勝したクラスにデザートフリーパス券が与えられることとなっているのだ‥‥俄然みんなの期待を背負うと同時に、他のクラスのクラス代表もやる気に満ちているのらしい。

が、今の織斑秋羅では優勝所か一勝あげるのも至難だろうが‥‥

 

「今の専用機持ちは一組だけだから余裕だよ!!」

 

「その情報古いよ!」

 

「「「「「「「ん?」」」」」」」

 

 クラスメイトの言葉に反応する形で、第三者の声が一組内に響く。

 その方向を見てみると、一人の女子が左手を腰に当て、仁王立ちのように立っていた。

 

「二組も専用機持ちがクラス代表になったの、そう簡単には、優勝させてあげないんだから!」

 

 その言葉にクラスがざわめくが織斑秋羅が驚きながら席を立って少女に聞く

 

「鈴……お前、鈴かッ?!」

 

「げっ……! 秋羅、アンタこのクラスだったの?」

 

「知ってて来たんじゃないのかい?」

 

「偶々通り掛かったら2組の事を話してるみたいだったから顔を出しただけよ! 知ってたら絶対に来なかったわ!この人殺し!」

 

 再会を喜ぶように笑顔で話し掛ける織斑秋羅だったが、当の少女はその対応をとっぱねる

 少女の最後の言葉に他の一般生徒がざわめき出す

 

「それから気安く鈴って呼ばないでくれる? アンタにそう呼んでほしいって言った覚えはないし言って欲しくないんだから」

 

「弟は良くって俺は駄目なんだ? 全く、あれ(一夏)の事なんて早く忘れれば良いのに」

 

「‥‥‥やっぱりアンタとは反りが合わないわ。実の弟をあれ呼ばわれの挙句、さっさと忘れろなんて言う人殺しのアンタとはね‥‥‥」

 

 転校生の少女はそう言って他男性操縦者の俺達を見てきて、チカと目があった‥‥‥そして、少女は顔色を変えて、こちらに歩いてきてチカの前に立つ

 

「この‥‥‥バカやろおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」

 

 少女はそう怒鳴ると行きよい良くチカを一発殴った

 チカはいきなりすぎて対処できずに殴られ倒れ込む

 

「痛ってえ!いきなりなにすんだよ!」

 

「いきなりはこっちの台詞よ!《SAO》が終わったってきいて弾に電話したら死んだってなによ!?更識一夏ってなによ!?全部説明しなさいよ!?あたし二年間心配だったのよ!?」

 

 少女はチカの胸ぐらをつかんですごい見幕でしゃべり、俺達もクラスのみんなもついて行けなかった 

 

「‥‥流石鈴‥直ぐに気がついたか‥ごめん、鈴……心配かけた………ちゃんと話すよ……鈴には……鈴達には話す………でもその前に……」

 

「その前に?」

 

「〝ただいま、鈴〟」

 

「い、一夏あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」

 

 少女はチカの言葉を聞いて泣きながらチカに抱きつく‥‥‥チカは少女を優しく抱く‥‥‥その光景をどす黒いオーラを放ってみているカタナ姉さん‥‥‥そして、呼び鈴が鳴り出した

 

「鈴、呼び鈴が鳴った。早くクラスに行け。(このクラスの担任は織斑千冬だから早く戻れ)話は昼、食堂でな」

 

(げっ、あの人までここに来てるの?)(教えてくれてありがとう)う、うん‥‥‥」

 

 転校生の少女は顔を赤くしながら教室を後にする。

 

 

 21日 IS学園・食堂

 

「一夏、待ってたわよ」

 

 午前の授業を終えた俺達ALO組(セシリア・オルコットと春萎さん含む)の10人は食堂に来ていた。

 来て早々、転校生の少女が待っていた

 

「鈴……とりあえず、食券買うから並ぼうな」

 

「えぇ、そうね」

 

 少女にチカが言うと少女が軽く頷いて俺達の前に並ぶ形で食券を買い、食事を選んで11人が座れそうな席を確保してい座って食べ始める

 

「朝は言えなかったけど……ハル久しぶり!」

 

「うん、久しぶり!聞いてたよ、中国代表候補生になったって……おめでとう!」

 

「ありがとう、そう言う、ハルだって今じゃ日本代表候補生でしょ?すごいじゃないの」

 

「私のは……そうでもないよ、織斑ってだけで特別扱いだったから事実試験とかパスしてたから実力で取った鈴の方がすごいよ」

 

「また、そう言って………まあ、いいわ、それにしても一夏…あんた、SAOやIS動かしちゃうとか大変ね」

 

「あはは‥‥‥でも、何で俺が分かったんだ?髪色も変えたし目の色も変えたんだぞ?」

 

 春萎さんと話していた少女が話をいきなりチカに振りチカは苦笑いするしかなかった。

 

「‥‥あぁ、そりゃあ分かるわよ‥‥短い間だったけどずっとアンタを見てたのよ?分からない方が可笑しいわよ‥それで一夏、さっきから聞きたかったんだけど、アンタと同じもう二人の男って、そっちの?」

 

「ああ。俺と同じSAO帰還者の桐ヶ谷和人さんと俺達を支え続けた更識蒼」

 

「……桐ヶ谷和人だ、よろしく」

 

「更識蒼だ、SAOではソウ……SAOでギルド《西風の旅団》のギルドマスターをしていた。よろしく……えっと………」

 

「あっ、まだ私の自己紹介してなかったわね。私は中国代表候補生、凰 鈴音、鈴って呼んでかまわないわ。和人、蒼……一夏のことありがとう」

 

 少女……鈴音は俺達に頭を下げてくる

 

「いいさ、俺もチカがいたからカタナ姉さんと和解できたからな。よし、今度は俺たちの自己紹介だな。」

 

 

 

「じゃあ、私から……神無月サクヤナ…サクヤって呼んで…三人と同じSAO生還者……よろしく」

 

「よろしく、サクヤ」

 

 それから簪、本音と続いていき、最後、カタナ姉さんの番になる

 

「私は更識楯無。SAO生還者でカタナって名乗っていたわ。ついでに言うとチカや貴女の一つ上でソウ君と簪ちゃん、チカの姉よ。それからこのIS学園の生徒会長よ」

 

「生徒会長ッ!? 一年で?!でも、それはそうですよね。一つ上で《SAO生還者》ですなら」

 

 鈴音がカタナ姉さんの生徒会長の言葉で驚いていたが直ぐに納得していた

 

「えぇ、そして‥‥‥」

 

 カタナ姉さんは一度深呼吸をし、改めて鈴音の目を見て発言する。

 

 

「彼、チカと‥‥‥一夏くんと、結婚を前提にお付き合いをさせていただいてるわ」

 

「‥‥‥えっ?」

 

 この場の時間がカタナ姉さんの一言で静止した。

 

「一夏‥‥‥ホントなの?」

 

 鈴音はゆっくりと一夏の方を向いて恐る恐る聞く

 

「あぁ、俺はカタナと付き合っている‥‥‥もちろん、カタナの事が好きだ」

 

「そう‥‥(()(アタシの初恋は随分と前に終わってたのね)(‥‥)(それを気がつかないで)(一人で初恋の相手を待って)(追いかけていたなんて)(‥‥)(馬鹿みたい)())

 

 鈴音の眼から一粒の雫がこぼれ落ち‥‥次々にこぼれ落ちる

 

「鈴、大丈夫か?!」

 

 それにチカも気づいて慌てながら鈴音にハンカチを渡ながら聞いた

 

「な、何でもないわよ!‥‥‥何でも‥‥‥無いわ‥‥何でも‥‥‥無い‥‥ハンカチ有り難」

 

 鈴音はそれだけ言うと涙を流しながら食堂を出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

続く

 

 

 




最初の刀奈が使おうとした技の元ネタは天霧辰明流組打ち術 刳輪祓(くるわはらい)です。

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