Reソードアート・オンライン~蒼い死神と絶剣~IS物語 作:ヤトガミ・レイナ・マリー・エクセリア
2025年 5月14日 IS学園・第二アリーナ
俺達はアリーナの前で合流して更衣室に入っていく
「なんとか巻いたな」
「ごめんね、僕の所為で……」
「気にすんなよ。俺達も最初はあんな感じだったしな。そう言えば自己紹介まだだったよな?俺は更識 一夏。一夏って呼んでくれ。ここに更識は四人も居るからな」
「じゃ、じゃあ俺も。桐ヶ谷 和人だ。俺の事も好きに呼んでくれ」
「次は俺だな。俺は更識蒼。蒼って呼んでくれて構わない」
「うん! じゃあ一夏に和人に蒼! これからよろしくね。僕の事もシャルルでいいよ」
自己紹介を終え、更衣室にあった時計を見てみると、集合時間まで殆どなかった
「うわ! ヤバい、早く着替えないと!」
「もうこんな時間かよ……急がないとな」
「う、うわあ!」
時間が迫っている為、急いで制服を脱ぎ、裸になると、シャルル・デュノアが驚き顔を赤くして後ろを向いた。
何事かと思い、チカもキリトもシャルル・デュノアの方を見る。
「おい、シャルル。早くしないと間に合わないぞ?」
「う、うん……分かってる。着替えるから、その、向こうを向いたままで……ね?」
「いやまぁ、別に裸をジロジロと見るつもりはないけど……」
そう言って、俺達は再び着替え始める。と、言っても俺達三人はジャージなのだが…
着替え終わった俺達はアリーナに出ると俺達以外の一組と二組が既に整列していて俺達も並ぶと織斑千冬が歩いてきた
「では、最初に実際にIS同士の模擬戦闘を見てもらう。オルコット、凰」
「「はい!!!」」
「専用機持ちならば直ぐに始められるな? 前に出ろ!」
「はぁー、面倒くさいなぁ〜」
「こういうのは、見せ物みたいであんまり気が進みませんわね…」
選ばれたセシリアと鈴は嫌々と溜息を吐きながら前に出て行く
「それで? お相手は誰ですの? 鈴さんとですの?」
「ふん、上等じゃない。誰であろうと相手になるわよ」
お互い戦闘自体には切り替えでやる気を出し、お互いに牽制し合うが…
「慌てるな馬鹿者。相手なら……」
それを軽く止める織斑千冬は空を見上げた、特になんのことない澄み切った青空が広がっているだけなのだが……
「わあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!! 退いて下さぁぁぁい!!!」
その青空から落ちてくる緑色の機影。
緑色のラファール・リヴァイヴに乗った山田先生が制御出来てないのか大声を上げながらこちらに落ちてきた
「はぁ……」
俺は軽く溜息を吐くと〝ストライクF〟を展開して受け止めた
「あ、ありがとうございます。」
「山田先生、気をつけてください。俺が居なかったら、また面倒なことになっていたかもしれませんから」
俺は山田先生にいいながらみんなと避けていたキリト、チカの方を向く
「ソウ……なんで俺達の方を見るんだ?」
「え?だって、面倒なことの原因は二人だからな」
「なんで、そうなるんだよ!?」
「いや、だって、お前ら女性と関わるとラッキースケベに発展するだろ?そうなるとカタナ姉さんとアスナが怒って面倒なことになる」
俺は笑いながらそう言うとカタナ姉さんとアスナが黒いオーラを放って睨んできていて怖かった。
「先生、もしかしてアタシたちの相手って…」
「山田先生ですの?」
「そうだ」
なんだかんだで俺達の話は無視されて授業は進んでいた
二人は若干だが2対1に抵抗を覚えるも、次の織斑千冬の言葉で闘志を燃やす事になる。
「安心しろ、今のお前達では直ぐに負ける」
「っ! 上等ですわ!」
「やってやろうじゃない!」
そう言って上昇しようとする二人を俺は近くに移動して二人の頭にチョップをかます。
「い、痛いですわよ、ソウさん!」
「なにすんのよ!」
二人は頭を抑えながら俺に怒鳴りつけてくる。
「お前等、
俺がそう言うと二人は「あっ」と思い出した顔をする。
「しっかりしてくれよ?お前達は【西風の旅団】のメンバーなんだしその前に国家代表候補生なんだぞ?挑発に乗って問題を起こしたら大問題になるぞ?わかったか?」
「「……はい」」
二人は返事をすると上昇していく。
「更識兄……「俺は自分が正しいと思ったことをしているだけだ。授業時間が惜しかったら早く始めろ」……チィ……それでは、始め!」
織斑千冬が俺になんか言おうとしたがそんなのどうでも良いのでSAO時代から使っている殺気垂れ流しの命令口調で織斑千冬に言うと生徒相手に舌打ちして……模擬戦を始めさせる。
俺がセシリア達と会話しているときから織斑秋羅から睨まれていたがそんなことどうでもよかったので無視して戦闘を見守る
合図と共に相互が一旦距離を取る。
セシリアはビットを展開し、多方向からの波状攻撃を仕掛け、鈴は双天牙月で近距離からの攻撃をする
山田先生は、その攻撃を上手いこと躱したり、シールドで受け止めるなど、ことごとく防ぐ。
「デュノア、山田先生が乗っている機体について解説してみせろ。」
「は、はい!」
織斑千冬にいきなりふられたシャルル・デュノアは驚きながらも山田先生のISについて説明をする
「山田先生が乗っている機体は、デュノア社製『ラファール・リヴァイヴ』です。
第二世代最後期の機体でありながら、第二世代でも第三世代に劣らないスペックを持っています。
現在配備されてる量産型ISの中でも世界第三位で、各種戦闘スタイルに合わせて装備の換装が可能です」
そこまで言うと空で爆発が起きてセシリアと鈴が落ちてきてアリーナの地面に一つの穴が空く。
「はぁ……私達もまだまだですわね……」
「そうね……まだまだ強くならないとね……」
二人は落ちてから直ぐにISを解除して髪についた塵などを払って負けて悔しいのか顔は少しくらいが少しスッキリした顔をしていた。
「山田先生はこう見えても『元代表候補生』だ。今くらいの戦闘なんて造作もない」
「昔の話ですよ〜。それに、代表候補止まりでしたし……」
「これで諸君も、教職員の実力を理解してもらったと思う。今後は、皆敬意をもって接するように。いいな?」
「「「はいっ!!!」」」
織斑千冬が締めくくり、授業に入る。
今日はISの装着と歩行の訓練みたいでグループに分かれ、各グループを専用機持ち達がリードすると言う具合に進める事になった。
だが、用意された訓練機の数と専用機持ちの数が合わないため俺とラウラ・ボーデヴィッヒは各グループの補助として動くことと成ったのだが、ラウラ・ボーデヴィッヒは何もいわず直ぐに春萎さんの補助を始める
まあ、そんな事があったが無事に午前の授業は終えてそれぞれ着替えるために動き出した。
俺も更衣室に行こうとするとカタナ姉さんが話しかけてきた。
「ソウくん……正直教えてちょうだい……ソウくんから見てあの〝シャルル・デュノア〟くんはどう?」
俺はやっぱりその事かと思いながら周りに誰もいないことを確認すると俺達だけに聞こえるように言った。
「シャルル・デュノアは男装した女だな」
「ソウくんがそう言うならそうだと思うけど………理由は?」
「授業前の移動の時に故意に手を握って確認した。シャルル・デュノアの手は男にしては〝綺麗過ぎる〟んだ。それから、男にしては教室を出るときや女子生徒に追いかけられた時、更衣室で着替えたりするときも変に驚いたり、分かってなかったりと初々しすぎる。隠す気ないレベルだよ」
俺の話を聞いてカタナ姉さんは少し考え込む
「ソウくん…シャルル・デュノアくんが女の子なら男装してまで入ってきた目的はなんだと思う?」
「確実に俺やキリト、チカの機体データだろうな。デュノア社は確か、第三世代ISを創れないでいる……そこに俺達男のIS操縦者だ……俺達の機体データを取れればデュノア社は第三世代ISを作ることができるだろうからな」
俺の話にカタナ姉さんは頷いてくる
「カタナ姉さん、今回のことは俺に任してくれ。どうせ俺とシャルル・デュノアは相部屋になるだろうからな」
「……生徒会長としても姉としても容認は出来ない……けと、わかったわ。ただし、デュノアくんの正体が分かったら私達を呼んでよね?」
「もちろん。それじゃあ、着替えてくるから屋上で集合な」
「えぇ」
俺とカタナ姉さんは話し終えるとそれぞれ着替えに向かった。
続く