Reソードアート・オンライン~蒼い死神と絶剣~IS物語   作:ヤトガミ・レイナ・マリー・エクセリア

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哀れな掃除道具と秋、タッグトーナメント

 

 

 

 

 

 16日

 

 織斑秋羅と篠ノ之箒との一悶着があった翌日のホームルームでそれは起こった

 

 

「本日は皆さんにお知らせがあります。一週間後に控えた学年別トーナメントですが、少々変更することに先生方で決定しました。」

 

 

 山田先生が朝のホームルームでクラス全体に周知する。

俺達以外の生徒は咄嗟の出来事にざわめき出すが………

 

 

「静かにしろ!山田先生がまだ話しているだろう!!」

 

 

 と織斑千冬が一喝し、クラス全体はすぐに静かになる。

 

 

「ええと、先日のクラス対抗戦での襲撃者の件がまた起こるとも限らないということで、急遽、タッグトーナメントに決定いたしました。ペアを申請したい方は、トーナメント開始の明日までに生徒会もしくは職員室にお伝えください。もし、ペアを作らない方はトーナメント当日に抽選がありますのでその際にペアが決定します」

 

 山田先生がそう言うがもう一つの理由があると俺は思う………それは、昨日の事件…と、いうなの逆恨みからのフルボッコ……昨日、俺達にけしかけてきた織斑秋羅と謹慎中に抜け出してきた篠ノ之箒を春萎さんが一撃で沈めた……あの後、発覚したことだが篠ノ之箒と織斑秋羅は篠ノ之箒の監視教員に全治三ヶ月の怪我を負わせ、更に打鉄を使用しようとしていた生徒に全治2週間の怪我を負わせていたらしい

 織斑秋羅と篠ノ之箒は春萎さんに斬られた後に気絶し、そのまま教員達に捕縛され停学……事実上の退学状態で学園の地下独房に入れられているらしい。それから織斑秋羅の姉の織斑千冬も監督不行きで減俸処分、来年以降は担任が持てなくなったとか

そんなこともあって生徒の身の安全のためにタッグトーナメントにしたのかも知れない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「桐ヶ谷くん!」」」」」

 

「「「「「「「更識くん!」」」」」」」

 

「「「「「「「デュノアくん!」」」」」」」

 

 

 

 授業が終わってお昼休み………俺達が食堂に行こうとすると女子に囲まれた

 

「「「「「「「「私達とタッグ組んで下さい!!!!!!!!!!」」」」」」」」

 

 みんながみんな、同じ理由で集まってきていたが……………

 

「ごめんな、俺はサクヤと組むんだ」

 

「俺もカタナと組むことになってる」

 

「俺…も、明日奈と組むことになってる」

 

「えっと、僕も簪さんと組むことになってるからごめんね?」

 

 俺達は既にタッグトーナメントになることをカタナ姉さんに聞いていた為、今朝早くに生徒会に申請しておいた。

 女子生徒たちは物凄く残念そうにしていて、何人かは『専用機持ちズルい』とか言っていたが刀奈姉さんとアスナがニッコリ笑うと顔を青くして教室から飛び出ていった。

 

 

 

 

 

 

◇16日 放課後・夕方

 

 サクヤとの連携を確認しながらの特訓をした帰り、俺は一人で歩いていた

 

『どうしてですか!?』

 

「!!」

 

 歩いていると大声が聞こえてとっさに声がする方に向かい木の裏に隠れた。

そこにいたのは春萎さんとラウラ・ボーデヴィッヒでラウラ・ボーデヴィッヒが春萎さんに詰め寄っていた

 

『どうして、ハルナは()()()を使わないのですか!?()()()を使えばアナタは!』

 

『そこまでにしてラウラ』

 

「『ッ!』」

 

 詰め寄っていたラウラ・ボーデヴィッヒと木に隠れていた俺は春萎さんの低いドスの利いた声に驚き身震いした。

 

『確かに私の本気を使えば私は誰にも負けるつもりは無い……だけど、それは政府が許さなかった()()だからってね。だから私は()()()を使わないんじゃない、使えないの。それに私は一本だけでもいいんだよ。兄さんと一緒の一本でもね。話はそれだけだよね?寮に戻って、私はもう暫くここにいるから』

 

『い、YES』

 

 ラウラ・ボーデヴィッヒは春萎さんの気迫に負けトボトボとこの場を後にした

 

 

『それで……ソウさん、そこにいるのはわかってますよ』

 

「あ、あはは、い、いつから気がついてたのかな?」

 

「最初からです。私はこれでも目がいいのでソウさんがそこに隠れるのが見えたんです」

 

 俺は気づかれていた事に気がつけていなかった事に若干ショックを受けていた

 

「それよりも……ソウさん…私…私…」

 

「本気を出せる武器が欲しい……か?」

 

「ッ!……はい。私はもう、後悔をしたくないんです……兄さんの為にも私のためにもお願いします!」

 

 春萎さんは図星を突かれて少し同様していたが目は本気で涙を流していた

 

「わかった……色々手を尽くしてみるよ。春萎さんの話が必要になったら春萎さんを呼ぶよ」

 

 俺はそれだけ言うとこの場を後にし寮に向かって歩いて行った

 

 

続く


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