Reソードアート・オンライン~蒼い死神と絶剣~IS物語 作:ヤトガミ・レイナ・マリー・エクセリア
四話目です!
2025年 4月10日 IS学園・《屋上》
パシィン!
IS学園の屋上に何かを叩いた音が響いた……セシリア・オルコットと織斑秋羅とのクラス代表決定戦がきまったあと、俺達は屋上に来ていた足を運んでいた
そして、屋上に来て直ぐに俺はみんなの目の前でカタナ姉さんに頬を引っぱたかれた
理由はもちろん、クラス代表決めの織斑秋羅への首締めとかだ
「なんで、叩かれたかわかってるわよね?ソウ君?」
「……はい…」
俺の正面にはカタナ姉さんの他にサクヤと簪も立っていて他のメンバーはカタナ姉さん達の後ろで見守っていた
「確かにあの世界の事を……生きていた人達を悪く言われた事には私も良くは思わないわよ?でも、ソウ君……いくらなんでも首締めと教師への暴言はやり過ぎよ。あの人はあれでも元ブリュンヒルデで今でも発言力は大きいのよ……わかるわよね?」
「は、はい……」
カタナ姉さんに言われ……更に冷静になって考えると自分でもやり過ぎたと思った……元々はあいつらの自業自得だから反省はするが謝りはしない
「わかってるならいいわ……さてと、みんな、待たせてたわね。ご飯にしましょう!」
カタナ姉さんがそう言うと簪と本音がどこからか出したブルーシートを敷き、アスナはバスケット、カタナ姉さんと簪は三段の重箱をブルーシートの上に置いた
「それじゃあ………」
「「「「「「いただきます!」」」」」」
全員揃って久々の[いただきます]をしてカタナ姉さんとアスナ、簪はバスケットと重箱を開け始めた
「お兄ちゃん、はい。これ」
俺は簪から少し形が崩れてしまってるおにぎりを受け取る。
周りを見るとキリトはアスナ手作りのサンドイッチを、チカはカタナ姉さんの重箱からおにぎりをアスナとカタナ姉さんに渡されていた
「…はむ………美味しい」
おにぎりを一口囓ると塩加減絶妙なおかかおにぎりですごく美味しかった
「良かった……サクヤさんに教えたけど不安だった……」
「え?これってサクヤが作ったのか?」
簪の話を聞いた後、隣のサクヤを見ると顔をほんのり赤くしていた
「……はい…今朝、簪さんと一緒に作りました……」
サクヤは嬉しそうだが少し不安がっていた
「美味しいよ、サクヤ。俺の為にありがとう。サクヤは良いお嫁さんになるよ」
「お、およめ………はぅ……」
俺はサクヤの頭を撫でながらお礼を言うと顔を真っ赤にしていた
「そう言えば、なんであの人が私達のことSAO生還者だって知ってたんだろ……普通なら知らない筈なんだけど……」
「ブリュンヒルデが漏らしたか別から漏れた可能がある……まあ、気にしなくても良いとは思うぞ?」
「……それもそうだけど……多分、俺が居たからかな」
チカが呟いき、みんなの視線が集まる
「どういうこと?」
「………キリトさんやアスナさん、サクヤには言ってませんでしたが、俺……元々は織斑秋羅の弟で織斑春萎の双子の兄だったんです」
「「「!?」」」
キリト、アスナ、サクヤはチカの言葉に驚いていた
「SAOがクリアされて、俺は現実世界に戻ることができました……だけど、戻ってくると姉の織斑千冬には見捨てられて、春萎の話では織斑秋羅には何度かナーヴギアを取り外されそうになっていました………だから、俺は織斑を捨てて更識になったんです」
「そう……だったんだ」
「チカも大変だったんだな」
「キリトさんやソウ達に比べたらこんなの軽いものですよ」
俺達もそうだが……チカも大変な目に会っていた……
そんな感じで話をしていると……屋上の扉が開いた
「あ、皆さん。ご一緒してもいいですか?」
開いた扉から織斑春萎がお弁当箱を持って出てきた
「あ、織斑さんか……どうぞ」
「ありがとうございます。失礼しますね」
俺がそういうと織斑春萎は礼儀正しく軽くお辞儀してからブルーシートに座った
「そう言えば、織斑さんは織斑秋羅のところに行かなくていいの?」
「えっ?あ、はい。秋とは仲が言い訳じゃありませんから……それに……にい…………いえ、一夏さん達と居た方が気が楽なので……」
織斑春萎は一瞬、一夏を兄と呼びそうになるが……一夏さんと言い直した
「あ、良ければ、私のこと春萎って呼んでください………ここには織斑は三人いるので……」
「わかったよ、春萎さん。俺のことは蒼って呼んでくれ」
「俺は和人って呼んでくれ」
「なら、私も明日奈って呼んでね」
「私は楯無って呼んでね」
「……簪って呼んで」
「私はサクヤって呼んでください」
「私は好きに呼んで良いよ~」
「俺も今まで通りでもいいし、一夏って呼び捨てでもいいぞ」
「はい。蒼さん、和人さん、明日奈さん、楯無さん、簪さん、サクヤさん、本音さん、兄さん、これからよろしくお願いします」
「「「「「「「「うん(あぁ)(はい)!」」」」」」」」
そんな感じで春萎さんと仲良くなった……そんな、楽しいお昼休みは直ぐに終わりを迎える
「それじゃあ、そろそろ時間だから戻らないと………その前にサクヤ……さっき言った渡すものだよ」
俺はそう言ってポケットから《レッドルチルクォーツ》のブレスレットを取り出して渡す。
「これ………」
サクヤはそのブレスレットを見て泣きそうになっていた
「覚えていてくれた?サクヤが一度居なくなった後に渡した《レッドルチルクォーツ》のブレスレットだよ………サクヤにあげたのでISの待機状態に一番適していて〝あの世界〟の思いが詰まってると思ったんだ。どうかな?」
「あ………ありがとう……ございます……ソウさん……」
サクヤは俺に抱きついてきて泣き出してしまう。
「よしよし、サクヤは直ぐ泣くんだから……」
俺は抱きついてるサクヤの頭を撫でた。
「あ~疲れた………」
「俺も………」
「流石に堪えるな……」
時間は過ぎ、俺達はようやく一日目を終えることができ、教室で集まっていた
「なんだがキリト君、年寄り臭いよ」
「実際この一日で五歳は歳喰った気分だよ」
「俺もそんな感じです……」
キリトとチカに苦笑いしていると山田先生が教室の扉を開けて入ってきた
「ああ、良かった! みなさんまだ残っていてくれたんですね…!?」
「山田先生、一体どうしたんですか?」
「はい。実はですね、更識一夏君と桐ヶ谷君と更識蒼君の寮の部屋が決まったので、お伝えしようと思っていたんですよ」
「えっ?」
「り、寮の部屋ですか?」
「はい、そうですが…?」
「えっと、俺達三人ともしばらくは通学だったはずなんですが?」
俺が三人の代表で山田真耶先生に聞いてみた
「あぁッ! すみません……ちゃんと伝えてませんでしたね。政府からの通達で三人と織斑くんには今日から寮へと入ってもらう事になったんですよ…これが鍵です」
そう言って俺とキリト、チカに部屋の鍵を渡す山田先生。
「俺は、1100室か…」
「俺は、1099室ですか………」
「えっ!? 俺は1098室……キリトさんとソウとは別々の部屋なんですか?」
「…それがですねぇ…急遽決まった事だったんですが……桐ヶ谷君は結城さん、更識一夏君と楯無さんは同じ部屋にしろと〝総務省〟からの指示みたいなんです……どうして、総務省がそんなことを言ってきたのかはわかりませんが………」
山田先生の言葉に俺、キリト、アスナ、カタナ姉さんは総務省のある一人の顔が浮かび上がった
「「「「(菊岡(さん)だ(わ)………)」」」」
「……取り敢えず、山田先生ありがとうございます。」
「いえ、先生として当たり前ですよ……それでは、私はこれで失礼しますね」
山田先生はそう言うと教室を出て行った。
職員室
俺は一人、職員室の前にいた…今朝の事で織斑千冬に呼ばれていたことをすっかり忘れていたのは内緒だ
コンコン
「失礼します。更識です」
「入れ」
中から織斑千冬の声が聞こえ、扉を開けて入ると普通の学校と変わらない職員室で一人、椅子に座る織斑千冬がいた
「更識兄、今朝はなぜあんなことをした?」
「そんな理由を聞くためにわざわざ、呼んだんですか?」
俺は呆れていた…IS学園の教師には俺達《SAO
「いいから、答えろ」
「まあ、いいですよ。この後に用事があるんで簡単に………
俺はそれだけ言うと職員室を去った
生徒会室
「ようこそ、生徒会室へ!待ってたわよ、ソウ君」
俺は職員室を後にした足で生徒会室に足を運んでいた。
生徒会室にはカタナ姉さんと従者の虚さん、簪と従者で友達の本音、チカとサクヤの六人が中央のソファーに座っていた。アスナはリハビリにキリトはその付き添いでこの場にはいない
「空いてる席に座ってちょうだい」
カタナ姉さんに言われ空いてる席(サクヤの横)に腰を掛けた
「集まってくれてありがとう……早速だけど来て貰った理由を話すわ……特に簪ちゃん……あなたに大きく関係してるの……」
「わ、私…に関係してる?」
簪はカタナ姉さんの言葉に少し驚き、不安な顔をしていた
「えぇ……簪ちゃん……あなたの専用機開発が
「え?………」
カタナ姉さんの言葉に生徒会室の空気が凍り付く……簪の方を見ると顔色が見る見るうちに絶望に変わっていく…
「カタナ姉さん……確か簪の専用機を作っていたのって倉持技研だったよな?彼処って日本ではそれなりに良い企業だったはずだろ?何があったんだ?」
カタナ姉さんに俺は記憶をあさりながら疑問をぶつけた
「………全ての元凶は織斑姉弟よ」
「「ッ!!」」
俺とチカは織斑を聞いて顔を歪ませる……とくにチカは少しだけ殺気が漏れていた
「……簡単に言うと簪ちゃんの専用機を作っていたところを織斑秋羅が見つかり、織斑千冬が織斑秋羅の専用機を政府を介して倉持技研の上に作るように指示したのよ……上が断らないし、そもそも倉持技研には2機を同時並行で作れる人力は無かった……だから、簪ちゃんの専用機を凍結させて織斑秋羅の……男性IS操縦者の専用機制作を進めることになったみたいなの……ほんと、ふざけるじゃ無いわよ!」
カタナ姉さんは最後まで怒りを抑えていたが抑えきれずにソファー前の机を叩いていた……簪の方を見ると顔を俯かせていたが泣いていた
「落ち着けよ、カタナ。簪も涙を拭いて……」
チカはカタナ姉さんを落ち着かせながらポケットからハンカチを取り出して簪に渡した
「ありがとう………私…造る」
「造るって専用機をか?」
簪は涙を拭き取って俺の問いに頷いた
「うん…だから……お兄ちゃん、お姉ちゃん、サクヤさん、チカさん、本音、虚さん……力を貸してください!」
簪は立ち上がり俺達に頭を下げてきた……実の兄と姉である、俺とカタナ姉さんにすら、この状態だ……よっぽど悔しいんだろう……
「…簪…最初から答えは決まってるだろ?俺が出来ることは何でもするよ……」
「私もよ、簪ちゃん!」
「私もだよ~」
「もちろん、私もですよ、簪様」
「私も微力ながらお手伝いさせて頂きます!」
「俺もだ」
皆が皆、それぞれの言葉で簪に力を貸すことを承諾……簪は嬉し涙を流していた
寮1099室
「相部屋って蒼さんだったんだ……私、秋でも来るかと思いましたよ」
あの後、これからの計画を大雑把に決めてから解散して俺が使う部屋に入るとなんとまあ……春萎さんとの相部屋だった
「俺も驚きだ……でも、まあ、これからルームメイトとしてもよろしく」
「うん、よろしくお願いします……ところで……簪さんって日本代表候補生ですよね?」
「あぁ、そうだけど……どうかしたの?」
俺が軽く答えると春萎さんが頭を下げてきた
「ごめんなさい!簪さんの専用機…………秋の所為で開発中止なって……本当にごめんなさい……後で楯無さんや本人の簪さんにも……謝りに行きます……」
俺は謝ってくる春萎さんがすごいと思った………自分がやったことでもないのに仲のよくない兄のために謝ってくるなんて……本当にすごいと思った
続く