Reソードアート・オンライン~蒼い死神と絶剣~IS物語   作:ヤトガミ・レイナ・マリー・エクセリア

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はい。と言うことで臨海学習前第二弾になります。
この回は1話完結になりますが3、4回続きます。
何かしらのアドバイスがある方(非ユーザ以外)は誤字脱字報告以外は念のためメッセでください


デート 蒼と音 二人の距離

 

 

 

 22日

 

 

「少し早く着いたか?」

 

 俺は青いシャツに紺色のジーパンの私服姿で駅近くの公園にある人との待ち合わせで着ていた

 

「アイツとプライベートで出かけるのも久しぶりだな…」

 

 俺はこの日をある意味、楽しみにしていた。

今日の待ち合わせの相手……一ヶ月前と少し前に出かけることを約束していた相手……俺の暗殺者時代の相棒だった那由多。

 那由多と再会したのは五ヶ月くらい前、ゆうちゃんのお見舞いに病院に行ったときに実に7年近くぶりの再会だった

その後は俺の専属傭兵としてたまに【()()()】では出来ない仕事を頼んでいる

 

 

「待たせてしまいましたか?」

 

 少し考え事をしていると隣から声を掛けられ顔を向けると濃い紺色のブレザーに白いワイシャツ、赤いリボンで赤いチェックのミニスカートを着て手にはピンク色の小さなバックを持った那由多が立っていた

 

「いや、俺も今、来たところだよ。那由多」

 

「それでしたら良かったです」

 

 俺の言葉にそう返事すると那由多は腕時計を少しだけ見た

 

「ここに居るのもなんだし、何処か別の場所に行かないか?」

 

「そうですね。それでは、近くのショッピングモールに行きませんか?」

 

「あぁ、それじゃあレゾナンスに行くか。…その前に那由多。その…その服似合ってる」

 

「あ、ありがとうございます」

 

 俺ははっきり言うと服とかにこだわりが無く、人の服もそこまで気にしていない……のだったが、ALO事件後に『彼女が居るのだからその辺りも身に着けなさい』とカタナ姉さんに言われて短時間でかなりの量を学ばされた……その為、デート定番ではあるがこう言った事を意識して言えるようにはなった。

 こう言うことには慣れてなかったのか那由多らしくない笑みを浮かべて顔をほんのり赤くしていた

 

「珍しいな、那由多が赤くするなんて」

 

「はぁ……」

 

 俺の言葉が失言だったのか那由多は溜息を吐いた

 

「ソウは乙女心が少しは分かるようになったみたいだけどまだまだね……ソウさん、確かに私は那由多でソウさんの前で那由多として顔を赤くするのはありませんでしたが……今の私はソウさんに……刹那さんに助けられて、刹那さんに憧れた〝夕凪 音桜(ユウナギ ネオ)〟なんです。憧れた人に褒められたら誰だって赤くなるのは当然ですよ?」

 

「そう……か、ごめんな、那由多……いや、音桜」

 

「いいえ、気にしてませんよ」

 

 那由多…音桜の話で『まだだな』と自分の女性関連の知識不足を痛感していた

 

「まあ、こう言う話は無しで行きましょう!!」

 

「あぁ、そうだな」

 

 そんなこんながあったが俺と音桜はレゾナンスに向けて歩き出した

 

 

「音桜は買う物とか決まってるのか?」

 

「はい。実は…私、こうやって出歩く服が殆ど無くてですね…だから今日、ソウさんに私の私服や水着を選んで欲しくて…」

 

「…分かった。だけど、俺もまだまだ女性関連の知識は少ないから色々教えてくれないか?」

 

「はい!私で好ければ喜んで!」

 

 顔を赤くしたり目をキラキラさせて喜んだりとこんな那由多を見たこと無く俺は新鮮に感じた

 

 

 

「大きいですね」

 

「あぁ、そうだな」

 

 公園から歩いて数分、俺達はこの辺で最大級の駅前ショッピングモール〝レゾナンス〟に着ていた

 

「音桜はレゾナンスは初めてなのか?」

 

「あ、はい。今、通っている学校も通信制で私、一人で出歩くことも無くてこの辺は殆ど来たこと無いんですが前に見た雑誌にここにショッピングモールがあってレゾナンスって名前だってことだけしか知らなかったんです」

 

「そうだったんだな。近くは何度か通ったことあるけど俺もレゾナンスに入るのは初めてなんだよ」

 

「え!?本当ですか!?」

 

「あ、あぁ…」

 

「そうなんですか~ソウさんも初めてなんですか~」

 

 なぜか嬉しそうにしている音桜……大型ショッピングモール〝レゾナンス〟、音桜に言ったとおり俺もここに来るのは初めてだったりする……基本的に必要な物は家の者に買ってきてもらったりするため、こうやって〝日本〟で買い物に出ることなんてほぼ無かった

 

「女性物の洋服店はここじゃ無いか?」

 

「あ、そうですね」

 

 レゾナンス内を歩いて直ぐに新しめの洋服店を見つけ中に入った

 

「……」

 

 入った途端に店内にいたほぼ全員の女性に一瞬睨まれたが直ぐに買い物に戻った者も居れば何人かは未だに気づかれないようにだが睨んで来ていた

 

「ソウさん?」

 

「いや、何でも無いよ。音桜に合いそうな服を選んでみるよ」

 

「はい。お願いします」

 

 心配したのか声を掛けてきた音桜に微笑みで返して昔の知識と服のタグ、音桜にも聞いたり試着してもらったりして服を選んで行った

 

 

 

 

 

 

 

「お、ここのスパゲッティ、美味しいな」

 

「そうですね」

 

 音桜の服や水着を買い終えた俺達は近くのイタリアンレストランで昼食を取っていた

 

「でも、良かったんですか?こんなに買ってもらって……」

 

「良いんだよ。那由多に日頃の御礼もあるけど音桜に買って上げたかったからね」

 

「あ、ありがとう…ございます」

 

 顔をほんのり赤くする音桜…俺と音桜の隣には午前中に買い込んだ服や水着などが入った袋が各四つ、計8つの袋が置いてあった

 

「この後はどうしますか?」

 

「う~ん、俺は特に決まってないけど音桜は何処か行きたい場所でもあるか?」

 

「えっと、私も特には無いんですけど……強いて言いますとIS関連の物を見て回りたいなって…」

 

 俺のことを気にしてなのかIS関連って所から顔をほんのり赤くしながら徐々に声が小さくなっていった

 

「いいよ。俺もIS関連の物には興味があったし、それにIS委員会に頼ってばっかりじゃダメだと思っていたからね。でも、その前に……」

 

「お待たせしました、特大パフェになります」

 

 お昼後の予定をある程度決まったところで俺の前に特大パフェが置かれた

 

 

 

 

 

 

 

「あの、ミックスベリーを二つお願いします…」

 

 夕方、買い物を終えた俺達は近くの公園にある、幸せが訪れると評判のクレープ屋に着ていた来ていた。

 

「ごめんね、お嬢ちゃん。ミックスベリーは売り切れちゃったんだ」

 

「そうなんですか…」

 

 クレープ屋の店員の言葉に音桜は顔を俯かせてしまう。

 

「じゃあ、ストロベリーとブルーベリーを一つずつください。」

 

 俯いていた、音桜とクレープ屋の店員が俺の発言に驚いたような顔をする。

 

「はい、ありがとうございます」

 

 店員は笑顔で受けてストロベリーとブルーベリーを一つずつ作り俺達に手渡してくれる。

 

「まいど、ありがとうございました」

 

 お金を払って俺達は目の前が海のベンチに腰を掛けた

 

「今日は凄い楽しかったですけど…少し…残念です……」

 

「幸せのミックスベリーが食べれなくて?」

 

「はい。今日最後のソウさんとの思い出にしたかったんですけど…」

 

 海を眺めクレープを食べる音桜の顔は少しだけ残念そうにしていた

 

「ですけど、ソウさんと食べるクレープは美味しいのでこれで満足です」

 

「そうか……なら、もう一つの思い出を作ってあげる」

 

「え?」

 

 俺はそう言い俺のブルーベリーのクレープを差しだすと音桜は訳が分からないみたいでクレープと俺の顔を何度も見てきた

 

「はい、あーん」

 

「あ、あーん」

 

 俺の行動で漸く理解できた音桜は顔を真っ赤にして差し出したクレープを食べた

 

「……お、美味しかったです」

 

「それなら、良かった」

 

 赤いままの音桜に俺は微笑みクレープを食べる

 

「ソウさん、今日一日、ありがとうございました」

 

「いや、こちらこそありがとうな。今日一日、楽しかったよ」

 

 

「「クスッ」」

 

 お互いに笑いだし、笑い終えると音桜が立ち上がる

 

「憧れた刹那さん……いえ、ソウさんと一日こうしてデートが出来て良かったです。これで…………

 

 

 

 

 

 

 

私の初恋を終わらせることが出来ます」

 

 

「え?」

 

 俺は一瞬、笑みを浮かべている音桜の言っていることが分からなかった

 

「どういうことって思っている顔ですね?」

 

「あぁ」

 

 音桜に聞かれたとおり俺は音桜の言いたいことが分からないでいた

 

「私は刹那さんに助けられた時に刹那さんに一目惚れしてたんです。那由多として暗殺者になったのも刹那さんの相棒になったのも刹那さん……アナタの側にいたくてアナタの伴侶になりたかったからなんです……でも、ソウさんにはもう心に決めた人がいて…仲間がいて…私の初恋はもう、実らない……だから、こうして初恋のソウさんとの最初で最後のデートで私の初恋を終わらせようって決めてたんです」

 

「そう……だったんだな」

 

 俺は音桜の話を黙って聞いた……いや、何も言えなかった。

 話し終え、涙を流す音桜に俺は立ち上がりゆっくりと歩き出す

 

「音桜、お前の気持ちも考えも分かった。だから、俺も1つ言っておきたいことがある……俺の

 

 

 

 

 

 

 

 

初恋もお前なんだよ、音桜」

 

「え?」

 

 微笑み、音桜の優しく頭を撫でる俺と今度は音桜が分からないような顔をしていた

 

「音桜、俺はなお前と那由多として出会ったときに自分でも気づかないうちにお前に恋をしていたんだ。恋に気が付いたのはお前を無くしたあの任務……お前に篠ノ之束と脱出ロケットに乗っけられたあの時……俺はお前が好きだってことに気がついたんだ」

 

「ソウさん…」

 

「遅かった…本当に遅かった…もっと早くに気が付いていれば良かったのにな…お前の言うとおり、俺には心に決めたゆうちゃんがいる。だから、お前とそういう関係にはなれない。それでも俺は、好きであるお前をこの手から離したく無い……お前をもう、離したくないんだ……だからさ、音桜、最低な奴って思うだろうけど……

 

これからも俺の側にいてくれないか?」

 

 

 もう、俺は那由多を……音桜の手を離したくない…あの時のような後悔をしたく無い…

 

「良いんです…か?アナタの側にいて?」

 

「あぁ。居て欲しいんだ」

 

「捨てないですか?」

 

「勿論。お前を捨てるなんて事は絶対にしない」

 

 俺は答えながら涙を流す音桜を抱きしめる。

 

「嫉妬……深いですよ?」

 

「知ってる」

 

「世間…知らず…ですよ?」

 

「俺も同じさ」

 

「うぅ……うわあぁぁぁぁぁぁぁ」

 

 ついに音桜は声を出して泣き始め、俺は音桜を抱きしめながら優しく頭を撫でた

 

 

 

 

 

 

 

 

続く




アレ?誰だこいつ?
はい、ブッレブレの那由多デート回でしたがいかがだったでしょうか?
こう言う話が苦手な方はプラウザバックまたは暫くはこの作品の読を避けてください。

それでは次回もよろしくお願いします!!

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