Reソードアート・オンライン~蒼い死神と絶剣~IS物語 作:ヤトガミ・レイナ・マリー・エクセリア
次回は本当に最後になるはずですのでもう暫くお付き合いよろしくお願いします。
それではどうぞ~
『『ソウ!!』』
スローネから先程の極大ビームが放たれ、少女たちの声は届かず、ソウと〝ストライクF〟は呑み込まれてしまった
「ソウ!返事してよ!!ねぇ、ソウってば!!」
「……」
≪キャハハハハハ!!!これで1人目!!忌ま忌ましい男を殺すことができたわ、キャハハハハハ………ハ?≫
シャルロット・デュノアはソウの死に動揺しプライベートチャンネルで何度も呼びかけ、那由多は無言で下を向き、ロゼ・デュノアは男性IS操縦者の一人、ソウを殺せたと思い高らかに笑っていた…だが、ソウが居た場所の爆煙が薄れていき、爆煙の中から出てきた物を見るとロゼ・デュノアの笑いは止まった
≪…うぅ……?!これは、GNフィールド?≫
爆煙が晴れるとソウの〝ストライクF〟が両肩、両膝に二門ずつ、計四門のキャノン砲、両手にはバズーカを二つ、更に両翼はキャノンの合計八門を装備し、両肩と背部の円錐形の中から白っぽい緑色の粒子が排出されている赤みかかったストライクの後ろにおり、ソウの前のストライクが出しているであろうGNフィールドで護られていた
≪大丈夫ですか?ソウさん≫
≪…助けてくれたことには感謝する。だが、お前は?≫
ソウは少し状況をつかめていなかったが目の前のストライクからの通信で状況を把握した
≪私を忘れてしまいたしたか? ですが、この姿では致し方ありませんね…ではこの様に言えば私が誰か分かると思います
お久しぶりです、刹那さん≫
≪ッ!! 俺の正体を知っているってことは……お前、【桜】か?≫
【桜】…暗殺者時代の時、ソウと1度だけ仕事を共にしただけでそれ以外では一度も顔を合わせることは無く、ソウは暗殺者を辞めてしまった。
【桜】と言うのも本名では無く、暗殺者ではよくあることだったが、【桜】が暗殺した後には桜の花びらが一枚、死体につけられていて、それに因んで暗殺者の間で呼ばれ、本人も【桜】を好み、ずっとコードネームとして使っていたのだった
≪やっぱり、貴方は凄い人です。今の一言で私が誰かを当ててしまうのですから≫
≪俺の正体を
≪ええ、分かっています。もう少しお話ししたいところですが、少し五月蝿いハエの始末ですね≫
ソウと【桜】が話している間、ずっと、二人に向かって砲撃が行われていたが【桜】のストライクのGNフィールドにて完全に遮断され、二人には全くダメージは届いていなかったが、漸く二人は砲撃している相手が鬱陶しくなった為、話を辞めたのだった
≪では、ソウさん。私がロゼ・デュノアの相手をしますので下がっていただいてもよろしいでしょうか?≫
≪…分かってる、誰がクライアントかは知らないが仕事なんだろ?≫
≪はい、その通りです≫
ソウの言った仕事に【桜】は軽く頷いた
≪後は、頼む≫
≪はい。直ぐに終わらせます≫
【桜】はそう言うとGNフィールドを自分の周りだけに狭め、ソウをGNフィールドからだし、ソウは〝ストライクF〟を動かして那由多とシャルロット、デュノア社長の下に降りた
≪貴方は女でしょ!?どうして、男を助けたりするの!?≫
≪くだらないですね。私は、今の世界が…女尊男卑の風潮が嫌いです。ISが使えるから女が偉い?男は女の奴隷?実にくだらない。本当の意味でISを操れる女性はごく僅か、更に言えば本当の意味でISを操れる人は女性より男性の方が多いんですよ。尚も男性IS操縦者三人以外は極秘ですがね≫
≪そんなの、嘘よ!!≫
【桜】の言葉にロゼ・デュノアは動揺を隠せず、それを見た【桜】は「ふふ」と笑っていた
≪そんな些細なことはどうだって良いんですよ。さて、ソウさんともう少しお話ししたいのもありますしクライアントとの契約期限もあまりありませんから直ぐに終わらせてさしあげます≫
≪来るなアァァァァァァァァ!!≫
【桜】に恐怖したロゼ・デュノアは合体したスローネのキャノン砲を発射しキャノン砲は【桜】を呑み込んだ……だが
≪…その威力では私の〝ストライクエリュトロン〟のGNフィールドを抜くのは無理なのですよ。最もまだシステムが未完成なので、全力では無いんですがね≫
≪ふざけないでよ!!私はこんなところで死んで良い女では無いのよ!!≫
ロゼ・デュノアはそう、発狂するとスローネを反転させ逃げようとするが、
≪いえ、貴方はここで死ぬのですよ。私の手でね≫
【桜】は手持ちのバズーカを上下で連結して砲口を展開しチャージを始めた
≪GNドライヴ、シングルからツインドライヴに移行。両肩GNドライヴ同調開始…同調率80%で安定、ダブルバズーカチャージ終了。バースト!!≫
〝ストライクエリュトロン〟のバズーカから極大ビームが放たれ無残にもロゼ・デュノアのスローネを呑み込んだ
「ロゼ・デュノアは死に、デュノア社は貴方の物に戻りました。これから貴方はどうするのですか?」
「ふむ……私は社長の座をシャルロットに明け渡す」
「「え!?」」
ロゼ・デュノアとの戦闘が終わり、壊された社長室では無く、会議室で再びデュノア社長と話をするととんでもない発言で俺とシャルは驚いて声を上げてしまった
「直ぐにと言うわけでは無い。まず、私は表舞台の社長の座をシャルロットに明け渡す。だが、お前がIS学園を卒業するまでは私が会社を運営しお前がもし、IS学園を卒業しても社長をしたくないのなら、私がもう一度社長となり、お前は自由に生きることも構わない」
「お父さん…で、でも、私が社長になっても今の危機的状況はどうするの?」
「それは…」
シャルの言葉に言葉を詰まらせるデュノア社長……少し静かな間が開く
「今の危機的状況を解決する手段はあります」
「え?」
「本当なのかね?」
俺の言葉にシャルは不思議そうな顔をし、デュノア社長は一瞬驚いていた
「はい。勿論、ロゼ・デュノアを倒した後のことも考えてあります。このデータをご覧下さい」
「「……!!」」
シャルとデュノア社長は俺が出した投射型ディスプレイのデータを見て驚愕していた
「これは……ISの設計図?」
「その通りです。デュノア社のラファールをベースに何人かの手を借りてこのデータを作り上げました。更にIS委員会の整備担当兼設計担当のイオリ・セイさんがこちらに一時的に出向して貰うことを確約してあります。最も其方が承諾するのであればの話です」
「す、凄いよソウ!!このデータもIS委員会の人との確約も全部凄いよ!!」
喜んでいるシャルと声を出していなかったがデュノア社長は驚き涙を流していた
「これがあれば会社を建て直す事が出来る!!ありがとう、本当にありがとう!!」
涙を流す、デュノア社長…それに、つられるかのように隣のシャルも涙を流していた
「もう行くのか、【桜】?」
「はい。次の依頼もありますので」
フランスの夕焼け、パリから次の街への一本道、俺は【桜】とその場所にいた
「シャルロットさんの側にいなくてもよろしいのでしょうか?」
「シャルは大丈夫だ。それに今は那由多が見てくれているからな。1度だけだったけど一緒に戦ったからな見送りぐらいはしたいしな」
「そうなのですか……」
【桜】少し微笑んでいた
「ここまででいいですよ、ソウさん。」
「分かった。また、何処かで会えたら会おうな。【桜】」
「……ツバサって呼んでください…ツバサ・クロニクル。それが私の本当の名前です」
「…ツバサ・クロニクル…いい名前だな。それじゃあ、ツバサ、また会おうな」
「はい。ソウさん」
俺と【桜】……いや、ツバサは別れを告げ俺はパリに、ツバサはパリとは反対方向に共に歩いていった
続く