Reソードアート・オンライン~蒼い死神と絶剣~IS物語   作:ヤトガミ・レイナ・マリー・エクセリア

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蒼紫の夏

 

 

 

「うぉ~」

 

「パパ、どうかな?」

 

「お父さん、どうでしょか?」

 

 ゆうちゃんがオイルを塗りに行ってから三人で砂浜で遊んでいると、ミノリちゃんとソウキの2人がアインクラッドで使っていた《西風の旅団》ギルドホームを砂で作り上げていた

 

「2人とも上手にできてるよ!!ソウキが教えたのかな?」

 

「うん!!そうだよ!」

 

「えへへへ。そ、そうです……ところで、お父さんは何を作ったのですか?」

 

「……何も出来て…ないです」

 

 元気よく頷くソウキと嬉しそうに笑うミノリちゃんの2人から俺は目をそらした

 

「ソーはインドアだから、あまり砂遊びは得意じゃ無いんだよ」

 

 俺が目をそらしソウキとミノリちゃんが残念そうな顔をしていることに気が付くと、後ろからゆうちゃんの声が聞こえた

 

「ママ!」

 

「お母さん!」

 

「…ゆうちゃん」

 

 俺が後ろを振り向くと、紺と白色のストライプビキニを着たゆうちゃんが歩いてきた

 

「みんな、お待たせ!!何して遊ぶ?」

 

「「海!!」」

 

 ゆうちゃんが来て早々にミノリちゃんとソウキは海に向かって走り出した

 

「あっ!!2人とも待ってよ!!ほら、ソーも早く行こうよ!!」

 

「あ、あぁ、分かってる」

 

 俺はゆうちゃんに見とれてしまっていて反応が遅れてゆうちゃんに手を引っ張られてから漸く正気に戻った

 

「パパ、ママ~早く~」

 

「お父さん、お母さん、冷たくて気持ちいいですよ~」

 

「直ぐ行くよ!!」

 

 俺はゆうちゃんに連れられてソウキ、ミノリちゃんのいる方に向かった…………ずっと、感じているサクヤの視線を感じながら…

 

 

 

 

 

同時刻 春萎side

 

 

 

 

 

 私は家族団欒を満喫しているソウさん達と隣でビーチバレーをしている2つのバカップル、和人さんとアスナさん、兄さんに刀奈さんを横目にセシリアさん、鈴、簪さん、ラウラ、シャルさん、サクヤさんとビーチバレーをしていました。

だけど、海に来てからサクヤさんが度々ソウさんの方を見てぼけっとしていました

 

「サクヤさん、気になるのでしたら行ってもいいですよ?ソウさんもユウキさんも喜ぶと思いますよ?」

 

「……うんん、私はこうして見ているだけでいい…それが、私の今の幸せだから」

 

 サクヤさんはそう言ってましたがどこか表情は暗かったです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 大広間

 

 

「「「「「頂きます!!」」」」」

 

 臨海学校一日目は夕方まで自由時間となっていて、俺達、生徒達は目一杯海で遊んでリフレッシュした。

夕方には風呂に入ってのんびりとしたあと、夜の夕食で大宴会場に集まって座敷席とテーブル席に分かれて用意された豪華な食事が振舞われていた

 

「ボク、こんな豪華な料理、こっち(現実)ではじめて食べるよ!」

 

「僕達も始めて食べたよ!ね、お姉ちゃん!」

 

「うん!私も始めて食べました」

 

 俺達家族四人はテーブル席に座って食べていた……と、言うのも座敷だと四人で直列に並んでしまうので四人で囲めるテーブル席にしたのだ。

それと、ソウキと美乃梨ちゃんの料理だが、俺らと何ら変わらない料理で違うのは少し量が少なくなっていてみたらし団子が追加されていた

 

「ソー」

 

「ん?」

 

「はい、あ~ん」

 

「ゆ、ゆうちゃん……周りに人いるけど?」

 

「いいじゃん…それに…ほら、あっちでも…」

 

 差し出された刺身を前に、俺は少し戸惑った。そして、ゆうちゃんが指さす方を向くと………

 

「キリト君、はい、あ~ん」

 

「あ、あ~ん」

 

「美味しい?」

 

「ああ、美味いよ。アスナに食べさせて貰ったから余計にな」

 

「もう、キリト君っ」

 

 座敷の方でキリトとアスナのバカップルが同じことをしていた……さらには……

 

「チカ、はい、あ~ん」

 

「お、おい、カタナ…みんなが見てるぞ?」

 

「見せつけてるのよ、チカは私の物だってね。チカってば……女の子にモテるんだから浮気しないか心配なのよ」

 

「カタナ……大丈夫、俺はカタナだけの物だから浮気なんてしないからな?」

 

「もう、チカったら」

 

 カタナ姉さんとチカも二人に負けず劣らないバカップルオーラを出していたが……その隣で鈴が途轍もないオーラを放っていたのは気にしないでおこう

 

「まあ……あの四人がやってるならいいか……それに、俺達家族四人でこっち(現実)での初お泊まりで初ご飯だから、これくらいはいいか!」

 

「そうだよ!これくらいは文句言われないよ!はい、あ~ん」

 

 枷をはずした俺は口を開けてゆうちゃんが差し出す刺身を頬張り、噛み締めて飲み込んだ

 

「美味しい?」

 

「ああ、美味いよ。ゆうちゃんに食べさせて貰ったからね」

 

「もう、ソー//」

 

 俺がそう言ってゆうちゃんがほんのり赤くなるのを見て俺が少し笑うと俺の隣に座っている美乃梨ちゃんが俺の服のを引っ張ってきた

 

「どうしたの、美乃梨ちゃん?」

 

「えっと……その……」

 

 俺が聞くと美乃梨ちゃんが顔を赤くしながら俯く……俺は何なのか気づいてゆうちゃんがしてくれたように美乃梨ちゃんに刺身を差し出す

 

「美乃梨ちゃん、はい、あ~ん」

 

俺が差し出すと美乃梨ちゃんは顔を赤くしながら頬張り、飲み込んだ。

 

「あ、ありがとう、お父さん。」

 

「どういたしまして」

 

 美乃梨ちゃんが顔を赤くしたままお礼を言ってきた。

それから、何度か食べさせあったりして夕食を終えた。

 

 

 

 因みに、バカップル三組の光景を見た他生徒は刺身醤油にワサビを追加したり料理についているワサビを一気に飲み込んだりしていたらしい。

 

 

 

続く


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