Reソードアート・オンライン~蒼い死神と絶剣~IS物語 作:ヤトガミ・レイナ・マリー・エクセリア
「今から2時間前、ハワイ沖にて試験稼働中だったアメリカ・イスラエル共同開発の第3世代型軍用IS、
そして、衛星からの監視によれば10分程度消息が不明になりましたが約50分後にここから2Kの海域を通過することがわかりました」
実習が中止になって直ぐ、俺達専用機持ちは旅館に用意された一室に連れてこられた。
部屋内には既に機材が運び込まれており、俺達は大型ディスプレイを囲むように座り、山田先生が今回の事について状況説明をしてくれた
なお、ソウキとミノリちゃんは別室でタバネさんが面倒を見てくれている
「本来でしたら、教師の我々や自衛隊のIS部隊が出動する事態ですが、我々教師部隊の所有しているISは出力リミッターがかけられた訓練機のみ、自衛隊には出動要請が出されていますが到着までに早くても2時間がかかるとの事です」
「俺やステラも大っぴらに動くことが出来ないので今作戦は専用機持ちに行って貰うことになった。これは、委員会アジア支部支部長とIS学園理事長の決定だ…………本当なら俺やステラが出て対処したいところなんだか…」
「わかってます。お二人の立場については」
この中でも委員長直属IS部隊の事情を深く知る俺がそう言うと、シンさんは申し訳なさそうな顔をしてきた
「それから、アジア支部支部長から直接、連絡を頂いている……繫げてくれ」
「はい」
シンさんがそう言い、通信担当の教師に告げると大型ディスプレイに金髪の女性と女性の両脇にたたずむ二人の男性が映し出された
俺は、立ちはしなかったが正座して敬礼する
『初めまして、私は国際IS委員会アジア支部支部長、カガリ・ユラ・アスハだ。まず、今回のことに君達を出撃させてしまうことを許して欲しい』
「俺は……いえ、自分にはその様な言葉は不要です。何もしないままでいるのは性にあいませんし自分が出来ることなら進んで承ります」
俺がそう言うと、画面上のカガリさん、キラさん、アスランさん以外のこの場にいるみんなが驚いた顔で俺を見てきた
『お前はそう言う奴だったな……。それよりもだ、山田教諭とシンから話を聞いているとは思うが
カガリさんがそう言うと俺達の囲んでいる大型ディスプレイに
「私のブルーティアーズと同じオールレンジが可能な射撃型ですわね…」
「攻撃と機動力を特化した機体ね…厄介だわ」
「この特殊武装がくせ者って気がするよ、連続しての防御は難しいかな」
「シャルロットさんの言ったとおり、この特殊武装は連続の防御も破壊も難しいですね…」
シャルも含めた代表候補生の四人が銀の福音のデータを見ながら分析していく…俺達SAO生還者・旧ALOメンバーも黙ってはいるが戦闘シュミレーションを頭で組み立てていく
「アスナはどう見る?」
「う~ん、本当なら一回くらいは偵察したいけど、でもこの速度ならアプローチ出来るのは一回が限度かな?となるとぶっつけ本番になるから、確実性のある手段っていうのが思いつかない」
「俺もそうだな……」
アプローチ出来るのは一回限り、その一回の迎撃で何とか仕留めなければアウトだ。この場合、二重三重に作戦を練るのがベストだ…元アインクラット…SAO時代の《西風の旅団》では何重にも会議で作戦を考えていたので前線メンバーはある程度の作戦なら立てられるようになっている……だが、みんな確実性のある作戦を思いつけないでいた
「ソーは何か閃いた?」
「問題があるけど確実性があるのが1つ、問題が少なく確実性があるのが1つ、没のが1つ」
三つ…いや、2つプランができあがって、問題点を洗っているとゆうちゃんに聞かれ、考えながら答えるとシャルを含めた代表候補生五人が俺の方をなぜか見てきた
「?どうしたんだ?」
「どうしたんだって……短時間の間に3つも考えついていたなんて……」
「ソウさん、凄いですわね……」
「別にたいしたことは無いぞ?」
「それがたいしたこと無いならアンタの中では何がたいしたことあるのよ……」
軽くディスられている気がしなくとも無いが今は気にしないで置くことにしよう
「更識くん、内容を聞いてもいいでしょうか?」
「わかりました。一つ目のプランは織斑秋羅の専用機〝白式〟の
【『………』】
俺が一つ目のプランを説明するとみんな、黙り込んだが、これまでの織斑姉弟と篠ノ之を知っているこの場のIS学園専用機持ちは納得しているようだった
「二つ目のプランはこの場のメンバーで福音を鹵獲することです。このプランの問題点ですが、これは一つ目のプランにもありましたが福音の情報不足。二つ目は全員での連携不足。三つ目は自分やシャルの乗り換えたまたは、追加武装などでの戦闘経験不足になります。三つ目の没プランですが、織斑秋羅にやって貰うことです……ですが、このプランは確実に失敗すると思いますので、没プランです」
「他の作戦を考えている時間は無いわね……山田先生。私はソウ君の二つ目の作戦に賛成します」
「私もです。これ以上考えていても時間の無駄です」
俺が全てを説明し終わると刀奈姉さんと簪が俺の二つ目のプランを推してきた
「ボクも賛成!!」
「私もです」
刀奈姉さんと簪に続き、ゆうちゃんとサクヤも賛成するとキリト、アスナも続いて賛成してきた
「更識くんのプラン2で進めていきます。そして、現場の指揮は更識くん。お願いします」
「わかりました」
「それでは、みなさん、出撃の準備をして下さい。」
【了解!!!】
山田先生の一声で、俺とゆうちゃんを除いたみんなは作戦室を後にした
続く