Reソードアート・オンライン~蒼い死神と絶剣~IS物語 作:ヤトガミ・レイナ・マリー・エクセリア
「ソー……」
浜辺でボクは1人銀の福音を押さえるために残ったソーが帰ってくるのを今か今かと待っていた
「ユウキ!!」
「アスナ……」
待っていると福音と戦い、ソーの命令で宿に戻ってきた親友のアスナが声を掛けてきた
「委員会の人がソウ君達を救助して、今ここに向かってるって、タバネさんに連絡が来たみたい…」
「ッ!!……ソーは無事…な、訳はないよね」
「う、うん。重傷だって……でも大丈夫だよ、きっと……だってソウ君だよ?重傷でも直ぐに怪我を直してくれるよ」
「そう……だね」
少しでもボクを安心させようとしてくれるアスナ…ボクはアスナの気持ちは分かっているが不安がどうしても顔に出てしまう
「ユウキ、宿に戻らない?
「あの人達って……アスナ、彼らのこと嫌いなの?ボクは話を聞いただけだから良くわからないけど…」
ボクは《彼ら》の事を嫌そうな顔をしながら話すアスナに少し疑問になった
「良い印象は無いかな?自分が王とか、一番上だと思い込んでるみたいで自分の気にくわない事があると周りに当たるような人だから……うぅ、似たような人思い出したよ~」
アスナは話していると似たような人を思い出して体を擦りだした
「そ、そうだね……アレと同じタイプかも…ぅ、思い出しただけで寒気がしてきた……」
「私もだよ……宿に戻って暖かい飲み物飲もうよ」
「うん……そうだね」
ボクも数カ月前に起きた事件の犯人を思い出して寒気がしてきて、アスナと一緒に宿に戻り暖かいココアを頂いた
「アマルティア博士、大きな戦艦がこちらに!」
「うん、来たみたいだね。専用機持ちを浜辺に集めて!でも、数人で固まって来させてね!」
「はい!」
ユウキとアスナが浜辺から宿に戻りココアを頂いている最中、作戦室ではレーダーに蒼と白の戦艦を捉えていた。
それに気がついた教師の一人がタバネに連絡を入れると浜辺に専用機持ちを集めるようにと指示を受け、数人の教師がユウキ達、1年の専用機持ちを集めるべ作戦室から出て行った。
「…何発かは覚悟かな?」
タバネは一人、兄を慕う一人の少女に約束した事を思い出し呟いていた
「この戦艦が博士の言っていた委員会のですか?」
「その通りだよ、セッちゃん。これが第十七独立部隊の戦艦、プトレマイオスⅡだよ!!」
浜辺に集められた専用機持ちの前には青と白の戦艦……プトレマイオスⅡが着陸していた
「大きいわね…」
「そうだよね~、元々IS誕生前に作られていた二足歩行兵器運用用に作られた物なんだってさ。それに、委員長直属部隊は全部隊、このくらいの大きさの戦艦持ってるんだよ~」
「「「「「「!!??」」」」」」
目の前の戦艦と同じくらいの大きさの戦艦を国際IS委員会、委員長直属部隊が全部隊が持っていることに専用機持ち全員は驚きを隠せず、セシリアや鈴は一緒に来たIS委員会委員長直属第一部隊のシンとステラの方を向いた
「あぁ、本当だ」
「うん、本当だよ~」
「「……」」
シンとステラの言葉に何人かが唖然とするなか、一人の少年を想う二人の少女は何処かソワソワしていて落ちついているようで落ちついていなかった
「待たせてしまってごめんなさいね。私は国際IS委員会 委員長直属IS部隊・第十七独立部隊所属プトレマイオスⅡ艦長で戦術予報士のスメラギ・李・ノリエガよ、よろしくね♪」
プトレマイオスⅡの出入り口が開き、リフトが降りてきて、完全に降りると一人の女性が下りてきた
「IS学園一年一組担任謙防衛部隊指揮官山田真耶です。本日は更識蒼、更識楯無、更識簪、三名の救助して下さりありがとうございました」
「気にしなくていいわよ~。救助って言っても怪我の手当をしたくらいだしね…えっと、そちらのソワソワしている二人が紺野木綿季さんに神無月サクヤナさんね?彼の所に案内するわ。簪さんもいるはずだからね」
「「……ッ!!」」
集まっていた全員が山田先生に驚きを隠せなかったがスメラギの言葉によりソワソワしている二人、木綿季とサクヤナに視線が行き、二人は少しだけ顔を赤らめていた。
「フェルト、マリーさん。二人を先に案内してあげて、他は私とシン君達、楯無さんと話ながら案内するわ」
「はい」
「分かりました」
ピンク色を基調にした服にピンク髪の女性、フェルトと同じく黄色を基調にした服に銀髪ロングの女性、マリーはスメラギの指示で木綿季とサクヤを連れて先に艦内に入ってしまった。
「それじゃあ、私達も行きましょ。歩きながらでも、今回の事の全てを話すわ」
「私は先に聞いたのだけど、更識家として得ている情報も含めて私からも話すわ」
スメラギと楯無、二人を筆頭に集められたメンバーは歩き出した。
「今回、銀の福音暴走にはある組織が関わっているわ」
「組織ですか?」
木綿季とサクヤを除いた一年の専用機持ちと山田真耶はスメラギに連れられプトレマイオスⅡの中を歩いているとスメラギが口を開いた
「えぇ、組織名は
「ファントム・タスクですか!?」
ファントム・タスクと聞き、この中で山田真耶けが声を荒げる
「山田先生、知っているのですか?」
「はい、オルコットさん。ファントム・タスク、亡国機業は表向きはISメーカーとしてISスーツや武装なとを開発していますが…」
「その実態はテロリストよ。特に凶悪のね」
「……ッ!!??」
山田の説明とスメラギの発言で楯無以外の一年の専用機持ちは足を止めてしまう
「亡国機業は第二次世界大戦以前からあるとされていて組織の詳細は委員会でも掴めていないわ。一応これは極秘扱いなのだけど、以前IS学園クラス代表戦に乱入した三機の内二機は委員会で制作されて没になった機体なのよ。あの二機を含めてロールアウトされた十機とそれに関するデータが委員会本部から盗まれたの、擬似太陽炉はその時に一緒に盗まれていたわ……亡国機業はいろんな組織、政府にスパイを潜り込ませている話もあるくらいよ。勿論、IS学園にも委員会にもね♪」
「「「「「!!???」」」」」
IS委員会から機体とデータを盗んだ亡国機業にみんな驚いたが、その後に続く、学園にも委員会にも亡国機業のスパイが潜り込んでいると言う事実に驚きを隠せなかった
「亡国機業が起こした事件が一つ、神薙・S・イチカくん、それからハルナさん。貴方達2人に大きく関わっている事件があるのよ」
「……俺の誘拐事件ですよね?」
「「「「!!??」」」」
「気がついていたの?」
イチカの誘拐事件……ここにいるSAO組と当人、そしてハルナしかこの事は知らず、IS学園入学で知り合ったシャル、ラウラ、セシリア、それから幼馴染みの鈴すらこの事は知らなかった
「ハル、イチカ、誘拐事件ってどういう事よ、私聞いてないわよ!?!?」
幼馴染みの鈴は自分だけ知らされていないことに怒り、ハルナとイチカに詰め寄った
「お前には話したくなかったんだよ…心配性のお前に……第二回モンド・グロッソ決勝……俺はアイツの優勝妨害の為に誘拐されたんだ…」
「会場で胸騒ぎを感じた私は兄さんに電話をしたんですが……繋がらず、探しに行こうとした時に……水色のフードに赤目で同い年くらいの男の子にぶつかって…その男の子が自分が助けに行くといい、私は会場内で待つことになったんです…」
「「「(……うん?水色フードに赤目の男の子?)」」」
ハルナの話の中に出て来たワード、水色のフードに赤目の男の子に楯無、アスナ、キリトは引っかかりを覚えた
「あぁ、ハルナの言うとおり…俺は水色のフードに赤目の少年に助けられた……助けられた時に少年にこう言われた〝今回の事件を経験して守れる強さを持とうとするなら、けして闇に踏み込むな。本当に大事な物を失うぞ……俺みたいにな〟って……今にしてみるとソウに近い気もするんだよな……」
「(チカもこう言ってるし、調べてみようかしら?)」
恋人のイチカの話を聞いた楯無は密かにその事件に弟のソウが関わっているかを調べてみることにした
続く