Reソードアート・オンライン~蒼い死神と絶剣~IS物語 作:ヤトガミ・レイナ・マリー・エクセリア
「みなさん、色々大変なことがありましたがお疲れさまでした。簪さんと楯無さんはメディカルチェックを受けてください。他のみなさんは既に受けていますので休んでもらって構いません」
「私達は念のために明後日までこちらで待機してるから何かあれば連絡するし連絡してね♪」
「明後日って、どういう事ですか?臨海は明日までですよね?」
プトレマイオスⅡから外に出た専用機持ち、山田教諭達の内、山田教諭の指示で更識姉妹はメディカルチェックを受けることになる中、スメラギの一言に鈴音が疑問を持っていた
「あぁ!!みなさんには言っていませんでした!!学園長と協議をした結果、こちらにもう一泊することになりました」
「それってつまり……」
「はい♪みなさんも明日はおやすみです!!」
「「「「「!!!????」」」」」
明日丸一日休みになった専用機持ちの何人かの顔は嬉しそうに微笑み、また、何人かはあまり嬉しそうにはなかった
「イチカも楯無さん達もどうしたのよ?あまり嬉しそうには見えないわよ?」
「まあな……ソウがあんな状態で素直に遊べるかって言うとな…」
「……それもそうだね。ごめん」
「「「「……」」」」
チカの言葉で明日の休みを喜んだ、鈴達、IS組は表情が暗くなり、IS組でソウと一番仲が良いシャルロットが謝った
「謝らなくて良いよ。休みになったことは素直に喜べば良いんだからね。多分ソーも「俺のことは気にしないで遊べ」って言うと思うよ」
「クス、ソウさんなら言うと思います…ね、簪さん」
「う、うん。お兄ちゃんなら言うと思う……」
まだ、どことなく暗い簪を他のメンバーが心配し明るい話題を持ち出そうとした……その時、宿の方で爆発が起きた
「ば、爆発!??あの…えっと…」
「落ちつきなさい。貴方が一年の総責任者よ?貴方がパニックってたら他の人達がどうすればいいのかわからなくなるのよ?」
突然の爆発に動揺した山田真耶をスメラギが冷静に落ちつかせる中、もう一人、今すぐにでも走り出そうとしていた
「アスナ、みんな離して!!宿にはソウキと美乃梨ちゃんがいるんだよ!?」
「わかってるよ、ユウキ。でも、ユウキ一人で行かさせられないからみんなで抑えているんだよ。大丈夫。宿にははみんなで行くから……ね?」
「そうよ、ユウキちゃん。一旦、落ちつきなさい。山田先生、私達は宿に向かいます。現場を確認しなくてはなりませんしソウキ君達や他の生徒達の安全を確認しなくてはなりませんから」
「……わかりました。私も教師です、他生徒、教師の安全確認は私が行いますからみなさんはソウキ君達の安全確認をお願いします」
「「「「「「了解!!」」」」」」
「私もマイスター達を連れて向かうから何があっても無理だけはしないで」
スメラギの言葉を聞いた専用機持ちは急ぎ、宿の方に向かった
「……これは…」
ボク達の目の前には無残にも破壊された車の残骸が散らばっていた
「彼奴らの乗っていた車のはずだ……誰かに解放されたのか?……そうだとしたら、ユウキ、カタナ。二人を速く探した方がいいかもしれない」
「そうね。私とユウキちゃん、簪ちゃんの三人で……探す必要は無いわね。あまり良くない状況みたい」
「ママ……」
「お母さん……」
カタナさんの言葉、そして、ソウキと美乃梨ちゃんの弱々しい声が聞こえ、振り向くとそこには二人の男女に捕まってるソウキと美乃梨ちゃんの姿があった
「ソウキ、美乃梨ちゃん!!」
「動くんじゃねぇ!!」
ソウキと美乃梨ちゃんを捕まえている男女の一人……織斑秋羅が片手にナイフを持ち大声で叫んできた
「秋……そこまで墜ちるなんて思いもしませんでしたよ。残念です」
「なにが、残念なんだよ春萎?全てはお前等が俺の思い通りにならなかったせいだろうがぁ!?」
「そうだ!!全て貴様等の所為だ!!」
うわぁ~、ハルナの対応や彼らの聞くも耐えない怒声で直ぐにわかったよ。
自分がこの世界の王で他の人達を駒としか扱ってない、都合が悪くなると全てを他人に押し付けて自分は悪くないと思い込んでいるこの感じ…それよりも……
「二人から離れろ!!」
「何度も言わせんじゃねぇ!!動くな!!此奴らの命がねぇぞ!!」
クッ……ソウキと美乃梨ちゃんが捕まっている以上、みんな動けない…どうすれば……
「貴方達は何が望みなんです?」
「決まってるだろ!!此奴らを八つ裂きにして、あの忌まわしき野郎に復讐してやるんだよ!!どんな、顔をしてくれるんだろうなぁ!!!」
そういい高らかに笑う、織斑秋羅。
今すぐにでも此奴らからソウキと美乃梨ちゃんを助けてこの手で抱きしめたいのに!!
「簪…さん?」
「大丈夫だよ、木綿季さん。彼らに二人は殺せない」
ボクの手を優しく握ってきた簪さんの目は確信を持っていた
「貴方達は最大のミスをしてる。貴方達はソウキ君と美乃梨ちゃんがを捕まえているから優位にたっているだけ……もし、二人を殺そうとするのならここにいる全員が容赦しないし、貴方達の優位は無くなる」
「だったら、試してやる。秋羅!!」
「あぁ!!後悔しても遅いからな!?」
え?まっ、待ってよ!?なに、挑発してるのさ!?これじゃあ……彼奴らナイフを振り上げてるよ!?
「それが、最大の油断!シールドビット!!。お兄ちゃん、那由多さん!!」
「「がぁ!?」」
簪さんが挑発し彼奴らがナイフを振り上げると簪さんが叫ぶと彼奴らが何かに後ろから頭を突かれ、前かがみに倒れそうになる。それと同時にボク達を何かが飛び越えた
「ッ……ソウキ、美乃梨ちゃん!!目を瞑って!!」
ボクは飛び越えてきた者に嫌な予感がして2人に目を瞑らせた。
案の定だったのか、ボク達を飛び越えて着地したのは大怪我しているはずのソーと暗殺者時のソーの相棒の那由多だった
「那由多、美乃梨ちゃんを任せる!!」
「任されたわ!!」
ソーと那由多はそれだけ言い合うとソウキと美乃梨ちゃんの下に走る。
「刹那、これを使いなさい」
「あぁ、助かる!!」
那由多が二本の日本刀を量子変換して呼び出すとその内の一本をソーに投げ渡す。
そして、ボクの嫌な予感的中して那由多とソーは彼奴らのナイフを持っている腕を刀で切り落とし美乃梨ちゃんとソウキを血がつかないように彼奴らから救出した
「「あぁぁぁぁぁぁぁ……ぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」」
「ゆうちゃん、ソウキと美乃梨ちゃんを!!」
「ッ……う、うん!!わかった!!」
彼奴らのもがき苦しむ声を無視しソーはそう言うと那由多とソーが美乃梨ちゃんとソウキをボクに預けに来て、ボクが2人を抱きしめるのを確認するとまた、彼奴らの方へと走り出した……ソーと那由多の背中には彼奴らの血がべっとりとついていて、IS学園の制服は真っ赤になっていた
「ママ……」
「お母さん……」
ソウキと美乃梨ちゃんはボクが抱きしめると泣き出してしまう
「大丈夫、もう大丈夫だよ。ソーが助けてくれたからもう大丈夫。」
「ね、ねぇ……ソウは…何者なの?人の腕を平然と斬るなんて……い、異常よ…」
「そ、そうですわよ……」
「話してくれないか?…私達には聞く権利があると思うのだが?」
「……」
鈴達、IS学園で知り合った三人は顔を青くしてソーのことをよく知るボク達に聞いてきた……が、シャルロットだけは今の光景を見ても顔色を変えていたかった
「……わかった…ソーはね……ッ!!ソー、那由多危ない!!」
鈴達にソーのことを話そうとしたとき、ボクの目にソーと那由多に向かう黒い影が見え、咄嗟に叫んでしまった
「「ぐぅ!!」」
ソーと那由多は黒い影……黒いISからの斬撃を刀で防ぐが、ISと生身の所為で力負けしたけど、後ろに下がってきた
「やっぱり、アンタたったんだな。IS学園のスパイ…………
ソーがそう言うと黒いISが解除され、黒いISの中からボクは顔だけ見たことがある織斑千冬が立っていた
続く