Reソードアート・オンライン~蒼い死神と絶剣~IS物語   作:ヤトガミ・レイナ・マリー・エクセリア

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一応過去話ですが別作品 魔法少女リリカルなのは~魔法使いな蒼い死神~の27~30話で話しを展開しているので気になる方は其方をお読みになって下さい


夏休み
蒼の過去


 

 

 

 

 

「みんな、呼び出してすまないな」

 

 IS学園の夏休みが始まってもう数週間前が経過した頃、俺はそれぞれの国から戻ってきたシャル、鈴、セシリア、ラウラ、それから話していなかったハルナさんと簪に集まってもらっていた

部屋には俺も含めた7人とカタナ姉さん、チカ、ユウキの計十人がいる

 

「それで、話ってなに?アンタの昔話でも聞かせてくれるのかしら?」

「一言で言えばそうなるな。ただし、ここから話すのは気分のいい話じゃあ無い。それでも聞くか?」

「「「「……」」」」

「勿論、聞くよ。話してくれるって約束だからね」

「私もだよ、お兄ちゃん。お姉ちゃんだけ知ってるなんてズルイもん」

 

 ハルナさん達、四人が答えられない中、シャルと簪だけが即答で答えてきた。

 

「……お前等二人は即答してくると思ってたよ。それで、お前達はどうする?まだ、ここで聞かないって選択もできるぞ?」

「……私は聞きたいです。そして、今回の話で私の中にある疑問についても知ることが出来ると思いますから……」

「私も聞くわ。今日までずっと考えてきてもアンタの話を聞かなければどうしようも無いからね」

「わたくしも聞きますわ」

「勿論私もな。ここで一人聞かないなどできないだろ」

「……少し足らないが…まあいいな。それじゃあ、お前達は数年前に話題になった蒼い死神を知ってるか?」

 

 みんなの返事を聞くと俺は話し始めたが「蒼い死神」と言う単語にみんな、頭を悩ませた。

 

「ボクは聞いたことあるよ……8年前、フランスで騒がれてた暗殺者の通り名だよね?」

「それなら私も聞き覚えがあるぞ、ドイツでも同じ名前の暗殺者が軍でも話題になっていた」

 

 シャルとラウラが思い出したかのように話すが鈴とセシリア、簪、ハルナさんは知らないみたいだった。

 

「その蒼い死神がどうしたのよ?……まさか、そんな訳……」

「鈴の考えているとおりだ。俺がその世間を騒がせた暗殺者、蒼い死神だ」

「「「「「「!!??」」」」」」

 

 俺の告白に六人は驚愕したのと同時に俺を見る目が変わった。

 

「じゃあ、僕に言ってたことは…」

「あぁ、俺と那由多はコンビで暗殺者として二年近く苦楽を共に過ごした。シャルに言ったことは暗殺者として過ごした経験だ」

 

 それから俺は六人にこれまで行ってきた暗殺者だった頃の事を全て包み隠さず話した。

 

「やっぱりあの時、兄さんを助けて下さったのはソウさん……なんですね」

「あの時は簪の護衛として偶然ドイツにいたうえに拉致された瞬間を見たからな。織斑千冬の優勝がかかった試合前に身内が拉致されたと知ったら普通試合を放り投げてでも探す…だから、日本政府は拉致された事を秘密にして終わってから伝える事にしていたみたいだが……そもそも、織斑千冬はチカが拉致されようと気にしないだろうな」

「「「「「「(うん、それは間違いない)」」」」」」

 

 織斑千冬に関してここにいる全員の意見が一致していた。

 

「さて……俺が行ってきた闇はこんな所だ…。お前達はこれからどうする?」

「どうするってなによ?」

「今まで通り仲間として友達としてやっていくのかどうかって事だ」

「「「「「!!!???」」」」」

 

 ここで、みんなの顔が強張った。

 

「今すぐに決めろとは言わない。決めろって言っても直ぐに決まるような話では無いからな。二学期が始まる前にもう一度、話を聞くからその時までに答えを決めておいてくれ。俺はこの後、シリカとの約束があるから潜る、ゆうちゃんみんなのメンタルケアをお願いするよ」

「うん。わかったよ」

「それじゃあ、ゆっくり考えろな。《リンク・スタート》」

 

 俺はそれだけ言うと仮想世界に意識を潜らせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「(ソーはどうして、ボクにみんなのメンタルケアを任せようとするかな!?)」

 

 ソーがALOにダイブしてから10分弱、重々しい空気の中ボクは心の中でソーに叫んでいた。

 

「木綿季さんやみなさんはその……蒼さんのことを聞いていらっしゃってたんですわよね…」

「うん。SAO事件の間に少しトラブルがあってね。その時にSAOの《西風の旅団》メンバーは全員聞いてる…その時にみんな、ソーはソーで昔何をやっていてもボク達を助けてくれたのはソーだから、ソーを信じることにしてるんだよ……それにね」

 

 ボクは軽く深呼吸をしてから青ざめている六人の顔を見る。

 

「ソーって、ああ見えてかなり繊細なんだよ。誰よりもどんな人よりも繊細……少しのことでみんなが危険になるって分かると全部自分で背負い込んじゃうんだ……。そう言うところもあってボクは昔からほっとけなくてね……」

「あの…木綿季さんって、アイツと何処で知り合ったんですか?昔ながらの知り合いみたいなこと言ってたりしますけど…」

「ボクとソー、それから簪は小学校が一緒でクラスもボクが病気で入院するまで一緒だったんだよ。簪とは違うクラスだったけどね」

「はい。言われるまで木綿季さんだったことは忘れてましたけど……お兄ちゃんの隣にいつも一人の女の子がいたのを覚えてました……私では照らすことすら出来なかったお兄ちゃんの心を照らした女の子が……」

 

 簪はあの時期のソーを思い出したのか手を握りしめて顔を俯かせていた。

 

「ソーが暗殺者を辞めたって話しはさっきソーがしてたよね?」

「えぇ、相棒だった那由多さんが犠牲になったからでしたわよね?」

「でも、それって可笑しくない?那由多さんはボクも会ってるから亡くなって……」

「うん。那由多さんは本当は生きてたけど、それをソーが知ったのはSAO事件が終わってALO事件の途中だったんだよ。その間の事は分からないけど那由多さんを亡くしたソーは抜け殻でね。多分、あのままだったら今のソーは何処にも存在しないしSAO事件での被害は増えたかもしれない……それにボクや姉ちゃんと生きてなかった…「ユウキちゃん?」……うんん、最後のは忘れて」

 

 危ない、危ない。カタナに止められなかったらボクのことまで話さないといけなくなってた!!もう少し考えて話さないと、ややこしくなるよね~

 

「まあ、こんな感じ。みんなは十分に考えて決めてね。ソーはみんなの気持ちを尊重するって言ってたから……それじゃあ…解散!!」

 

 ボクが解散を言い放つと暗い顔のままリン、ティア、ラウ、シャル、ハルナ、簪が部屋を出て行き、カタナとチカも部屋を後にした。

 

 

 

 

 

続く


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