二周目のゴルトロン   作:ぽけ

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00.ロバーデイク・ゴルトロン

光を感じた。

 

ああ、これが神の光。闇を払う光か。

 

はっきりとしない意識、あやふやでおぼろげな感覚。

それでもそれは疑いようもなく神だった。

 

魂を直接包み込むような温かさに至福を覚える。

 

声が聞こえた。……神?の声?だろうか。

 

「おー、ゴルトロン死んでしまうとはなさけない」

 

ゴルトロン、確かに聞き覚えがあった。

馴染みのある言葉。徐々に記憶が蘇ってくる。

ロバーデイク・ゴルトロン、たしかに私はそういう存在だった。

 

であれば、返事をした方が良いのだろうか。

躊躇って(ためらって)いると声が続いた。

 

「返事って、真面目かっ。いや、まー良い。ともあれ、あれは回避不能だったろう。」

 

……そうだ、私たちは抗いようのない圧倒的な「死」に弄ばれ、終わったのだ。

 

「でだ、お前はやり直してみる気があるか?もしもその気があるのなら、だが。」

 

やり直す。やり直してもっとうまくやれるだろうか。

 

「やり直すといっても、ただ同じ事を繰り返すことになるなら、それはあまり意味がないだろうな。結局のところ、お前がどうしたいのかではあるが、少しばかりの援助は考えているぞ。」

 

私はどうしたいのか。……自分の気持ち次第。できるなら、このまま終わらせたくない。

 

「そうか。やる気はあるようだな。あれだけの事があって尚そう考えられるお前に祝福を授けよう。この世界の(ことわり)についてわずかばかりの知識、そして、ちょっぴり特別なタレント(生まれながらの異能)だ。二度目の人生を存分に楽しんで来るがよい。」

 

 

 

 

                  ◇   ◇   ◇

 

 

 

そして二周目の人生が始まった。

 

神から授けられた知識、この世界の(ことわり)によれば、人はまだまだ強くなれるらしい。この世界にはレベルというものがあり、アダマンタイト級や英雄と呼ばれる存在でも、そのレベルはまだ100のうちの30程度だとか。

 

人は自分たちの思い込みで勝手に限界を定めてしまっていたのだ。経験を積み鍛え続ければ強くなれるのに、自分で限界を決めて諦めてしまっていたなんて……。そんな事、想像すらできなかった。

 

幸い、「あの時」まではまだ時間がある。「あの遺跡」周辺の情報には気を配るようにしよう。

 

そしてなにより、まずは強くなろう。ドラゴンよりも魔神よりも……思い込みを超えて。為す術無く力尽きることの無いように。せめて運命に抗うことができる力を。すべてはそれからだ。

 

「この世界の理」に従い、より強きモノと戦い、より多くの経験を経て強くなろう。弱き人々を守り、救い、癒し、様々に経験を積み重ねよう。

 

まずは寝返りと()()()()だな。

 

 




そんな感じで始まりました。ロバーさんの物語。捏造満載のうえ、拙い筆ですがよろしければしばしお付き合いいただければ幸いです。

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