FF7の未来の舞台にしたオリジナルキャラクターが活躍するオリジナルストーリーです。
嫌な人はそのままUターンしてください。
以前この星には星の命をかけた大きな戦いが起きたご存知だろうか……。
己の真実を知り、星を壊し自ら神になろうとした“英雄”とそれを阻止しようと戦った者達がいた……。
何らかの理由で偶然共に行動するようになった“彼ら”である……。
出会いと別れを繰り返しながらやがて“彼ら”の旅は星の命運をかけるものへと変わった……。
“英雄”は破壊魔法を使って星を壊そうとしたのに対し、“彼ら”の仲間の一人が自らの命と引き換えに究極の白魔法を唱え星を守ろうとした……。
“彼ら”は“英雄”に戦いに挑み、そして勝った……。
星自身も彼らの活躍を見ていたのだろう……。
“彼ら”に答えるのかそれとも自らを守るために破壊魔法を究極の白魔法と協力して打ち勝った……。
これは
長い年月が“彼ら”を神格化させ、多くの人々は一度は“彼ら”に憧れを抱くほど“彼ら”の活躍はもはや遠い昔の出来事となっている……。
そんな“彼ら”の事は『ジェノバ戦役の英雄』、破壊魔法を使って星を壊そうとしたのを『メテオ災害』と呼ばれ、演劇の題材になったり歴史学者が研究テーマにするほど有名な歴史の出来事の一つだ……。
平和な時代の今、人々は知らない……新たな星の危機が訪れかけていることを……。
そしてそれを救う鍵を握るのは過去からやってきた一人の人物の事を……。
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鋼の肉体を持った夕日のような皮膚と赤い鬣を持った大型の獣が、自分によく似た二頭の獣を連れて力強い走りで大地を駆けていく。
大型の獣はナナキといい、『ジェノバ戦役の英雄』の一人いや一頭である。
ジェノバ戦役の英雄は、今では人間よりはるかな長寿の持ち主である『星を守りし一族』通称『護星獣』と呼ばれるナナキと肉体を改造され魔獣に変身する能力と望まれぬ不老不死を手に入れたヴィンセント・ヴァレンタインだけとなっていた。
今ナナキは、ヴィンセントと交わした一年に一度会いに行くという約束を果たすために走っている。
一緒についてきている彼に似た獣は彼の孫達であった。
彼は同族のディネと結ばれて五頭の娘に恵まれた。
長女のウリウリ。
次女のハレアカラ。
三女のマヒナ。
四女のリコ。
五女のアパパネ。
そのうち行方不明となった末娘アパパネ以外はそれぞれ伴侶を得ていて、子宝にも恵まれていた。
娘達が幼い頃にもナナキは、ヴィンセントの元に連れて行った。
彼女らが母になり我が子に父に連れられ年に一度ヴィンセントに会いに行った思い出を話しているうちに、次第に孫達も「自分たちも会いに行きたい」とナナキに訴えたのである。
さすがで全員連れて行ける事は出来ないので、それぞれの子供をローテーションする事で納得させたのであった。
今年は今は亡き長女夫婦の子供を連れて来ている。
一頭はナナキとあまり変わらない体格の持ち主で一歩後ろの位置で走っている。
もう一頭は全身の毛色が黒で見た目が完全に子犬が二頭に引き離されないよう一生懸命に走っている。
前者はラニ。後者はハウオリ。
二頭は兄妹である。
この兄妹は両親の死後、祖父母であるナナキとディネが親代わりとなって面倒見ている。
ラニはともかくハウオリは付いていくのに必死なので、ナナキはなるべく幼い孫娘が付いていけるペースに調節して駆け抜けるのであった。
「ハウオリ、大丈夫か」
ラニは振り向いて声をかける。
「……大丈夫だよ。おじいちゃんまだつかないの?」
「もう少しだ」
前を向いたまま走るナナキは答えた。チラッと後ろを覗き、付いて行くのがやっとのハウオリを見て(やっぱり留守番させるべきだったかなぁ)と思っていた。
人間の年齢で言えば17歳のラニはともかく、人間の年齢で言えば5歳児のハウオリには厳しいようだ。
本来ならもう少し成長してから連れて行くべきだったが、ハウオリが「留守番嫌だ」「自分も行く」と駄々をこねたのである。
実は以前、この仔らの叔母であるアパパネも今のハウオリぐらいの頃にこれとまったく同じ事をしたのだ。その時は強制的に留守番させたのであった……。
しかし、根っからのじゃじゃ馬であった彼女は大人しくするはずもなくナナキ達の後をコッソリと付いてきたのだ。
彼が気が付いた時にはすでに遠くまで来てしまっていて、幼獣一頭で帰れる状況ではなかったので仕方がなく連れて行ったのであった。
因みにアパパネは帰った時にディネから大目玉を食らっていたのもナナキは昨日の事のように覚えている……。
それ以降ナナキは希望をする仔はなるべく連れて行くようにしている。
「最後の難関が見えていたぞ。
「
「ハーもやってみる」
最後の難関とは目の前に見えてきた断崖絶壁の事。
何度も通っているナナキは軽々と崖を登っていく。
9年前から故郷のコスモキャニオンを出て世界中を旅をしているラニもまた同様。
問題はハウオリの方だ。
彼女はこの土地に来るのは今日が生まれて初めて。
上手くできるか心配だったがそれは杞憂に終わった。
小さな体で何とか彼らのやる事を上手く真似て通って行った足場を跳躍して進んで行く事が出来た。
頂上に着いたナナキはとっくに目的地に着いているのであろうヴィンセントに、自分が来た事を知らせる合図をやろうと天に向かって咆哮をしようとしたそのときだった。
突然左側の方でナナキ達は異変を感じて振り向いた。
目が開けられないくらい複数の強い緑色の光の帯が何処となく集まってきた。
光の帯は一箇所に集まって一つの球体へと変化した。
「なっ、何だよあれっ!?」
「おじいちゃんっ!」
ラニは目の前の不可解な現象に驚き、ハウオリはナナキの背後に隠れた。
ナナキは一歩前に出て唸り声上げながら最大級の警戒心を高めた。
球体の光の色が緑から白へと変わっていき、やがてそれは徐々に人の形へと変わっていった。
栗毛色の短髪に幼さが残る顔には黒縁の丸眼鏡。
十五ぐらいの少年の姿には不釣合いな黒いスーツを纏い、腰には左右それどれ短剣が収められていた。
そして腕には何かを抱きかかえていた。
突然現れた彼はゆっくりと眼を開けた。目の色はとても綺麗な緑色でナナキの脳裏にはかつて敵の手にかかって命を落とした一人の女性が脳裏によぎり、自然と警戒を解いていた……。
「!?………あれはミッドガル……だよな……なんであんな風に……」
彼は目の前の絶景に何か信じられない気持ちで頭が追いついていなかった……。
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「護星獣」という言葉は自分が勝手に作った造語です。