『山城』と柱島な日々   作:タマモワンコ

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犬城「どうも、犬城です!」

綾波「綾波です。」

犬城「紆余曲折あってタイトルが変わりました。」

綾波「どうなんですかそれ。」

犬城「そもそも見切り発射のこの作品。もうなんでもいいやと。はい。」

綾波「プライド的なものまで捨ててしまうなんて情けないです。」

犬城「ぐふっ。」

綾波「提督が死にましたが話は進むので問題ありませんね!では本編どうぞ!」


第30話 2017年秋イベ!

 

3、2、1、Let's go!(絶望★)

 

 

~弾薬欠乏!~

 

山城「艦長!撤退なさるおつもりですか!」

 

犬城「我が祖国よ、永遠なれええええええ!」(自爆)

 

青葉「最初から飛ばしますねぇ。」

 

犬城「弾が無い!どうしよう山城ぉ!?」(ダメコン発動)

 

山城「知りませんよ!夏イベでもすぐに弾切れ起こしたんですから、学習して弾集めておけばよかったじゃないですか!」

 

犬城「だってレベリングで湯水のごとく消えてったんだものー!」

 

山城「ならもう少し計画的にやればよかったじゃないですかー!」

 

犬城「なー!」

 

山城「うがー!」

 

 

吹雪「えっと…なんですか、あれ?」

 

青葉「んー?いつものことだよ。ただの口喧嘩。でも弾切れはまずいなぁ。スリガオに現れた海峡夜悽姫をまだ倒せてないのに。」

 

吹雪「うう、それもこれも魚雷挺が悪いんです。奴等カットインを当たり前のようにぶち当ててくるんですよー。」

 

青葉「わかってるわかってる。でもほんとどうしようかねー。提督と旗艦の山城はあんな精神状態だし。あれで一番ましな想定の丙想定ってんだから泣けるねぇ。」

 

大淀「あの…『遊撃部隊 艦隊司令部』は使わないんですか?」

 

青葉「あー、あれね。んー、提督はそれにスロットを使うなら徹甲弾載せたいって言ってるけど…一度やってみようかー。」

 

大淀「結局たどり着けないのが原因ですから、多少戦力が下がったとしてもたどり着いて殴った方がいいと思います。」

 

吹雪「でも、大破した艦を一人で下げるなんて少し怖いですね。」

 

大淀「一応後方の支援艦隊が回収する手筈とはなっていますが、それでも危険ではありますね。敵本陣ですし。」

 

青葉「でもまあ、そこは妖精の加護を信じるしかないねぇ。」

 

吹雪「そうですね。」

 

 

犬城「うがー!」バタッ

 

山城「うにゃー!」バタッ

 

 

吹雪「…え?寝た?」

 

青葉「…みたい?これははじめてのパターンだなぁ。」

 

大淀「いや…作戦中なのに…。」

 

犬城「Zzz…」

 

山城「Zzz…」

 

大淀「…はぁ。一時的に休息をとります。提督と山城さんが起きるまでゆっくりしていてください。」

 

吹雪「あ、あははは。はーい。」

 

青葉「はぁ…。」

 

 

 

~超戦艦 日本武尊抜錨~

 

犬城「昭和18年4月18日、ブーゲンビル島上空で戦死した連合艦隊長官山本五十六は、後世日本に高野五十六として生まれ変わることになる。」

 

比叡「ちょうかあああああああああん!…ってなにやってるんですか。」

 

犬城「いや、なんとなくあらすじでもと。」

 

比叡「OVAじゃないんですからいりません。というかなんで私は横須賀に連れてこられたんですか?」

 

犬城「そりゃ、日本武尊と比叡がうちに配属となるからだ。受取に来た感じだな。」

 

比叡「え、日本武尊も比叡もこの前ドック入りしたばかりじゃないですか。もうですか?」

 

犬城「ああ。改装は全て済んだそうだ。」

 

比叡「はやっ。一体なにをしたんですか。」

 

犬城「『対超兵器改装』だ。」

 

比叡「超兵器?なんですかそれは。」

 

犬城「太平洋の時空の歪みから出現する不明艦をそう呼称するんだそうだ。超兵器一号が鹵穫された巨大戦艦。超兵器二号が昨日まで逃亡していた戦艦だ。」

 

比叡「ああ、あれですか。にしても昨日までってことは降伏でもしたんですか?」

 

犬城「いや、陰陽両艦隊が撃沈したそうだ。最後まで抵抗していたとかで、生存者は無しだと。」

 

比叡「そうなんですか…。にしても、あの世界最強の潜水艦隊が苦戦するなんて考えられません。」

 

犬城「ああ、それなんだが敵はどうやら重力操作が可能なようで、魚雷がそれてしまっていたんだそうだ。結局X艦隊全艦での飽和雷撃と日本武尊のR砲フルバーストで無理矢理ぶち抜いて沈めたとか。」

 

比叡「…うわあ。」

 

犬城「正直やり過ぎよなぁ。」

 

大石「お前らな…あの現場に居なかったからそんなことが言えるんだ。」

 

犬城「うおう!?大石元帥!」

 

比叡「というと?」

 

大石「あの重力場がかなりのものでな。電算機の計算では一度に50射線はぶちこまないと突破できないというものだった。故にこれでもなんとか突破できたレベルだ。おそろしいことにな。」

 

犬城「まじですか…。」

 

大石「ただ、色々と残骸から有用な物が見つかったからな。特にエンジンや対空バルカン砲なんかが特に役にたつだろう。」

 

比叡「ひえー。」

 

犬城「にしても、対超兵器改装といっても何をしたんですか?」

 

大石「なに、足回りの強化と兵装を強化して奴等とタイマンで殴り会えるようにしただけさ。」

 

犬城「…比叡もですか?」

 

大石「ああ。日本武尊は火力特化、比叡は速力と手数特化といった感じだ。」

 

犬城「兵装と緒言を教えてもらっても…?」

 

大石「ああ。まず日本武尊だが、主砲を51cm三連装砲三基から61cm三連装砲二基に換装した。また、艦首に超兵器一号から手に入れたデータから作成した超音速魚雷発射管四門、VLS64セル、対空対艦両用L砲多数。発動機は核融合炉で巡航速度36ノット、最高速度71ノット、水流憤進を使うと最大87ノットまで加速できる。また最大船速までであれば左舷と右舷にあるバウスラスターで急転身が可能だ。」

 

犬城「…ツッコミどころが多すぎませんか!?61cm!?超音速魚雷!?しかも水上艦で71ノット!?なんですかそれは!?」

 

大石「いやまあ、速度に関してはそこまで上がらなかったというのがこちらの感想なのだが。新日本武尊の時点で55ノット出せたからな。」

 

犬城「…はぁ。えっと、比叡はどんな感じですか?」

 

大石「比叡か?比叡は…60口径41cm連装砲四基、五連装超音速魚雷発射管四基、対空対艦両用L砲多数、VLS32セル。核融合炉搭載で巡航51ノット、最高134ノットに水流憤進で151ノットまで加速できる。こっちも最大船速までならバウスラスターで急転身できる。」

 

比叡「ひえっ。」

 

犬城「…船?要塞?なにこれ。」

 

大石「まあ…目には目を、歯には歯を、超兵器には超兵器を、という理論だろうな。各地の艦も順次改装するとこになっているし、航空機もR戦闘機へと替えていくが…間に合うかどうかはまだわからんな。正直これでも足りるのかどうかわからんのだ。」

 

犬城「まあ…未知の敵ですからね。ま、一番槍は勤めさせていただきますよ。」

 

大石「すまんな。初、由香。頼む。」

 

犬城「任せてください。」

 

比叡「ひえー。ひえー?」

 

 

 

~海峡を抜けて~

 

《C-2改3号機》

 

 

ガガガー

犬城『…作戦内容を再確認する。これより、比島周辺海域の制海権を奪還する!既に敵防備艦隊を誘いだすため第一第二聯合艦隊は降下、戦闘を開始している。君たち第三艦隊は南から進軍、北より来る第四艦隊と合流し13隻による変則連合艦隊にてスリガオ海峡に突入、敵主力艦隊を撃滅してもらう。偵察隊の報告によると主力艦隊には双胴戦艦が1隻と戦艦多数が確認されている。』

 

最上「双胴戦艦って…またふざけたものが出てきたね。」

 

夕立「同じのが2隻並んでるよりは多分ましっぽい。」

 

犬城『また、海峡出口東方50kmの地点に防空悽姫の亜種と思われる艦を含む艦隊と機動艦隊を確認している。こちらは我々柱島機動艦隊で対処する。スリガオの艦隊と合流はおそらくないとは思うが、一応留意しておいてくれ。制空権は既に空母ちよだから発進したR-9K大隊が確保してあるため、敵機の奇襲以外では空襲は無いだろう。一応4機のR-9B3カスタムがそちらの直奄に就くが、場合によっては別戦線へ移動するから無いものと思って行動しておいてくれ。確認は以上だ。三十分後に降下となる。必ず勝とう。以上だ。』

 

山城「一応点呼をとるわ。夕立。」

 

夕立「ぽい。」

 

山城「貴女はいつも通りでいいわ。綾波。」

 

綾波「は、はい!」

 

山城「貴女は今回が初めての特殊作戦だったわね。落ち着いて頑張りなさい。摩耶。」

 

摩耶「おう。」

 

山城「貴女は防空をお願いね。最上。」

 

最上「うん。」

 

山城「最上、貴女は扶桑姉様をお願い。由良。」

 

由良「はい。」

 

山城「貴女は急速錬成を終わらせたばかりなのよね…いつもの演習の通りに頑張りなさい。ただ、気を抜いてはいけないわよ。当たり前のように殺されるからね。最後に姉様。」

 

扶桑「大丈夫よ。航空戦艦の、扶桑型の力を見せてあげましょう。ね?」

 

摩耶「…んで、そういうお前は大丈夫なのか?」

 

山城「…ええ。大丈夫よ。それに、私は帰らなきゃならないから。そりゃ、怖いけどね。」

 

摩耶「まあ、そうだろうな。あたしはこっちの方にたどり着く前に沈んじまったから文章でしか読んだことはないけど、凄まじい海戦だったんだろ?仕方ないさ。」

 

山城「ありがとう。」

 

garuda2『降下六分前だ!』

 

山城「了解。全員、降下用艤装を展開して。」

 

夕立「ぽーい。」

 

綾波「降下艤装装備完了!パラシュートも大丈夫です!」

 

山城「…全員大丈夫ね?」

 

摩耶「もちろん!」

 

garuda2『ハッチ開くぞ!』

 

山城「…降下用意!…降下、降下、降下!」

 

摩耶「エントリィィィィィ!ひゃっはー!」

 

扶桑「…ねえ、最上。私やっぱりこの落ちる感覚は違和感があるわ。なんで船なのに落ちているのかしら?」

 

最上「意外と余裕あるね、扶桑。ま、それは慣れるしかないね。」

 

扶桑「船なのに…。戦艦なのに…。」

 

 

バシャーン

 

山城「みんな、無事!?」

 

摩耶「おうともさ!」

 

扶桑「ああ…やっぱり水の上っていいわね。」

 

綾波「はい!」

 

夕立「夕立、敵潜水艦発見したっぽーい!」

 

最上「まあ、そうなるね。」

 

由良「なんとかなりました!」

 

山城「よし!最上は水戦を上げて直奄に!夕立、潜水艦の位置を教えて!全艦、対潜水艦戦闘用意!」

 

綾波「…あ!敵潜水艦、遠距離から雷撃したあと潜航しました!」

 

山城「雷撃は!?」

 

綾波「えっと…あれだと私たちの後ろを素通りします!」

 

山城「わかったわ!全艦、輪形陣に移行!スリガオ海峡へ向かうわよ!」

 

ガガガー

犬城『あー、あー。こちら日本武尊。状況の報告を。』

 

山城「こちら山城。降下に成功しました。潜水艦に発見されましたが。」

 

犬城『了解した。…既に上空にR-9B3カスタム4機が到着している。そのまま予定通りに進軍してくれ。』

 

山城「了解しました。」

 

由良「…な、対空電探にて敵機を発見!」

 

最上「水戦隊、迎撃に向かわせるね!」

 

山城「全艦、対空戦闘用意!」

 

最上「水戦から入電!敵機は戦闘機が七割に攻撃機が三割!攻撃機は魚雷じゃなくて爆弾を積んでるから恐らく緩降下爆撃だと思う!」

 

摩耶「緩降下ぁ?なら怖かねぇな!主砲三式弾装填!」

 

山城「直奄のスレイブニル、敵戦闘機と戦闘を開始したわ!」

 

最上「水戦隊、攻撃機の迎撃を開始!」

 

扶桑「敵機群、主砲の射程内!」

 

山城「了解!主砲三式弾、ってぇー!」

 

扶桑「てぇー!」

 

ドォォォォン! ドォォォォン!

 

山城「弾着まで20秒!10秒!5、4、3、2、時限信管作動!今!」

 

バァァァァン…

 

由良「敵機…12機抜けました!水平爆撃のコースに入っています!」

 

最上「敵戦闘機群一機を残して壊滅!残りは逃げていったよ!」

 

山城「スレイブニルは再度警戒に戻って!」

 

摩耶「主砲、高角砲対空戦闘始めぇ!オラァ!」

 

夕立「主砲、撃つっぽい!」

 

扶桑「偵察機から入電!…敵空母艦隊を発見!」

 

山城「位置は!?」

 

扶桑「私たちの侵攻ルートとは完全に外れているわ!これは…第四艦隊のルート上!」

 

山城「くっ、日本武尊へ連絡を!」

 

摩耶「よっしゃ!ラスト一機!」

 

バババババ…

 

綾波「敵機、全機撃墜しました!」

 

山城「このまま進むわ!」

 

最上「了解!」

 

 

《日本武尊艦橋》

 

能代「第三艦隊、敵機迎撃に成功。また、敵空母艦隊を発見とのことです。」

 

犬城「位置は?」

 

能代「ポイントV…第四艦隊の侵攻ルートにちょうど重なる位置です。そこから北上しているとのことなので…ポイントTにて接敵すると思われます。」

 

犬城「不味いな…規模は?」

 

能代「中心に護衛空母2隻、重巡1隻、軽巡2隻、駆逐1隻の高速機動艦隊、それの周りに軽巡1隻、駆逐5隻の水雷戦隊が居るとのことです。」

 

犬城「潜水艦による慚撃を警戒したのか…?まあいい。出てきたものは仕方あるまい。第四艦隊はこの高速機動艦隊を迎撃して、第三艦隊の方へ向かわないように惹き付けるように下命。」

 

能代「だけどそれだと第三艦隊が…」

 

犬城「ああ。史実よろしく7隻で突入してもらう。」

 

能代「大丈夫ですか?」

 

犬城「ああ。どうやら第一第二連合艦隊による釣りだしが上手くいったようで、第三艦隊のルート上にはそこまでの艦は居ない。史実の時のような敵艦山盛りなんてことはないだろう。魚雷挺はちと怖いが綾波と夕立に頑張ってもらうしかあるまい。」

 

能代「史実通りにならないといいんだけど。」

 

犬城「史実通りなら制空権は敵のものなんだが。それにまあ、いざとなればちよだに待機しているデルタ部隊を向かわせるし、日本武尊と比叡から砲撃もやるさ。それに、他にもあてはあるからな。」

 

能代「ふーん。まあいいわ。第四艦隊には連絡しておきます。」

 

犬城「頼む。」

 

 

《第三艦隊―ポイントW》

 

ガガガーッ

犬城『こちら日本武尊、聞こえるか?』

 

山城「こちら山城、聞こえています。現在ポイントWを通過しました。第四艦隊の状況は?」

 

犬城『現在敵機動艦隊と戦闘中だ。合流は難しい。』

 

山城「つまり私たちだけで突入しろ、ということですか?」

 

犬城『ああ。』

 

山城「…了解しました。」

 

犬城『…すまない。ポイントYで再度連絡をしてくれ。』

 

山城「はい。」

 

扶桑「どうしたの、山城?」

 

山城「第四艦隊が先程の機動艦隊と交戦したそうです。」

 

摩耶「まてまて。そこまで硬い艦はいないとはいえ数が多いからそれなりに時間かかるんじゃないか?」

 

夕立「もうすぐ合流ポイントっぽいー。」

 

山城「…ええ。私たちだけでの突入となるわ。」

 

最上「うわあ、見事にあのときと同じ7隻での突入だね。」

 

扶桑「抑止力みたいなものでも働いたのかしら…。連合艦隊同士の夜戦なんて大変なだけだものね…。」

 

由良「いや…別に連合艦隊同士でも問題ないと思いますよ?」

 

扶桑「いいえ、ダメなのよ…。主に処理落ちとバグが大変になるのよ、きっと。メンテも延長されるわ…。」

 

由良「一体なにを…?」

 

山城「たまに姉様は電波を受信するのよ…。どこからかは知らないけれど。ま、気にしない方が身のためだと思うわ。」

 

由良「は、はあ…。」

 

綾波「山城さん、まもなくポイントYです。」

 

山城「わかったわ。」

 

ガガガピー

山城「提督、ポイントYにまもなく到着します。」

 

犬城『こちら日本武〔ザー〕艦は現在敵〔ザー〕と交戦中。敵の電波妨害が〔ザー〕ており通信が〔ザー〕R-9Eを通し〔ザー〕に切り替える。チャンネルを157.8に変えてくれ。』

 

山城「了解、チャンネルを157.8に変えます。」

 

ミョーンミョーン

 

山城「変更しました。」

 

犬城『…うむ、聞こえているかね?』

 

山城「ノイズは無くなりました。聞こえています。ばっちりと。」

 

犬城『良し。先程の通信通り合流は難しい。よって第三艦隊のみで突入する。敵戦力は敵主力艦隊に駆逐艦が数隻随伴しているだけで、それ以外の戦力は確認できていない。魚雷挺が沸き出てくる程度だろう。』

 

山城「他の艦は何処へ?まだ居ると思っていたのですが。」

 

犬城『どうやら見事に釣りだされたようだ。それでも用心はしておいてくれ。』

 

山城「了解。これよりスリガオ海峡へ向かいます。」

 

扶桑「やっぱり…?」

 

山城「はい。7隻でスリガオへ突入します。」

 

最上「あ、はははは。うわあ。」

 

摩耶「こりゃまた大変なことになったなぁ…。」

 

綾波「が、頑張って山城さんと扶桑さんは守ります!」

 

山城「ありがとう、綾波ちゃん。よし。第三艦隊、スリガオへ向けて進むわよ!」

 

由良「はい!頑張りましょう!」

 

…ドオーン…

 

夕立「…あれ?魚雷の炸裂音が連続して聞こえるっぽい。方位は進行方向を0として015!」

 

山城「そっちには友軍はいないはずよ。一体なんなのかしら。…確認しようもないし、そのまま進撃しましょう。」

 

 

 

《深海側魚雷挺基地前方(位置はE-4ZZ1マス右下辺り)》

 

時系列は少し巻き戻る―

 

爽海『なんだかデジャブを感じるなぁ。』

 

水神『前世でもやったものねー。 小型挺基地の封鎖ー。』

 

快龍『紅海での雷撃もやったしな。でもまあ、この後世では別にドイツやアメリカが敵って訳ではないからなぁ。同じことができるのは楽だがつまらん。』

 

富嶽『無駄口はここまでよ。全艦、置き土産を撃つわよ。』

 

水神『わかったわー。』

 

爽海『小型海底魚雷、ってー!』

 

快龍『てー!』

 

富嶽『…よし、封鎖完了ね。このまま離脱するわよー。』

 

水神『はーい♪』

 

 

紺碧艦隊が設置していった小型海底魚雷。

これは発射後海底に待機し、あらかじめ設定された推進音に反応して再起動、追尾して敵小型艦艇を撃沈するというものである。

通常魚雷一本分で二十四本設置できるため、海底に4隻8発射管で合計768本もの小型魚雷が設置された。

 

 

時系列はそこから少し進む―

 

《基地内》

 

スリガオ沖魚雷挺指揮官:ヲ級「潜水新悽姫がスリガオへ進む艦娘どもを発見した!スリガオを守るため、出動しろ!」

 

PTボート「きー!」

 

スリヲ級「よし!待ち伏せがあるやもしれん!門を開くと同時に全員一気に飛び出せ!いいな!」

 

PTボート「きー!」

 

スリヲ級「よし!門ひらけ!」

ゴゴゴゴゴ…ガシャーン

 

スリヲ級「全員突撃!」

 

PTボート「きいいいいい!」

 

ドカァァァン

 

スリヲ級「な、なんだ!?」

 

モブホ級「せ、潜水艦です!魚雷挺が出た瞬間に魚雷発射管を開いたと思われる気泡と五十本を越える魚雷が!」

 

スリヲ級「五十本!?一体何隻いるのだ!?」

 

PTボート「きいいいいいい!?」

 

スリヲ級「あ、ああ…。魚雷挺たちが…」

 

ドカァァァン……………………

 

モブホ級「……雷撃、止まりました。」

 

スリヲ級「…残存艦は?」

 

モブホ級「…………ありません。」

 

スリヲ級「…くそぉ!150隻いた魚雷挺が全滅か!おのれ、日本の奴等め!」

 

モブホ級「…ん?」

 

スリヲ級「どうした!?」

 

モブホ級「いえ…あの、遠くになにか見えませんか?あの水平線の少し上辺りなんですけど。」

 

スリヲ級「なに!?……別に何も…ん?」

 

……ゴォォォォ…

 

スリヲ級「あれは…?五つほど見えるが…」

 

モブホ級「……こっちに来ていませんか?」

 

スリヲ級「…はっ、まさか、ミサイルか!?まずい!門を閉めろ!」

 

モブホ級「な、ダメです!間に合いません!うわあああああ!?」

 

スリヲ級「…そんな、ばかな………」

 

ボン

ボンボンボンボン

ドガァァァァァァァン!

 

 

―この時基地を攻撃したのはポイントZ5に待機していた戦艦天照である。天照から発射された憤進弾は比島に上陸していた霞部隊によって無線誘導され、最終的に霞部隊によって設置されていた赤外線ビーコンよって誘導され、基地へと着弾する。

 

無論、弾頭はロ号弾である。(いつもの)

 

 

 

《第三艦隊―ポイントZZ1》

 

ドガァァァァァァァン!

 

夕立「きのこ雲っぽーい!?」

 

最上「ちょ、え?なにあれ!?」

 

山城「…あー、提督?」

 

ガガガー

犬城『なんだ?』ドカーン

 

山城「あの爆発はなに?」

 

犬城『あー、あれか。なに、ただ魚雷挺基地を吹っ飛ばしただけだ。』

 

山城「…そう。」

 

犬城『あー、すまんが切るぞ。』

 

山城「はい。」

 

扶桑「…やっぱり提督?」

 

山城「でした。説教ですね、これは…。」

 

由良「…え、あれって核?」

 

綾波「いや、それはないとおもいます!提督ですし!」

 

山城「おおかた気化弾でしょう…。」

 

摩耶(でも提督、核もしっかりと持ってるんだよなぁ…。V2とか、トマホークとか。この前とかうっかりトマホークぶっぱしかけたとか言ってたし。)

 

山城「はぁ…進むわよ。」

 

 

蜻蛉……………

 

 

犬城『こちら日本武尊。戦闘、終了した。いつでも支援砲撃可能だ。』

 

山城「…提督。」

 

犬城『なんだ?』

 

山城「これより…スリガオ海峡を突破します。」

 

犬城『…了解した。』

 

山城「…。」

 

犬城『山城。』

 

山城「はい?」

 

犬城『必ず帰ってこい。それだけだ。』

 

山城「…はい。」

 

 

夕立「敵艦隊発見!」

 

綾波「イ字有利です!それに、暗いからかまだ見つかってないようです!」

 

山城「了解!全艦、単縦陣へ移行!スリガオを突破するわよ!」

 

扶桑「もちろん!主砲、ってー!」

 

夕立「主砲も魚雷もあるっぽい!戦艦だって私たちの前ではただの雑魚よ!」

 

綾波「魚雷ばらまきます!」

 

由良「よし、敵前衛艦隊全滅!」

 

最上「敵主力艦隊、単縦陣にて反航戦に持ち込もうとしています!」

 

扶桑「どうするの、山城?このまま反航戦、右砲雷撃戦するの?」

 

山城「…いえ、左転進。180度回頭!同航戦に持ち込んで、ここで殲滅します!」

 

摩耶「よっしゃ!やってやろうじゃねえか!」

 

 

海峡夜悽姫『イカセ……ナイ!』

 

 

摩耶「なんか扶桑と山城に似た戦艦だな?」

 

扶桑「やめて、摩耶。一瞬自分でもそう思ってしまって後悔してるんだから…。」

 

山城「…?似てる?私があれにですか?」

 

摩耶「ああ。」

 

山城「まっさかー。」

 

 

海峡夜悽姫『ココ…ハ…トオレナイシ……。……トオサナイ……ヨ……ッ!』

ドーン

 

 

由良「敵双胴戦艦発砲!」

 

最上「回頭完了!T字有利にいつでも移行できる同航戦!」

 

山城「それ後ろに着かれてるっていうのよ!?」

 

摩耶「おらおら!消し飛びやがれ!」

ドーンドーン

 

由良「摩耶が敵戦艦撃沈!私も!よーく狙って…てー!」

ドーン ドドーン

 

夕立「夕立、突撃するっぽい!さあ、素敵なパーティーしましょ?」

ドーンドーン

 

綾波「えっと、夕立ちゃんと由良さんも戦艦を撃沈です!私だって…主砲は手前の重巡、魚雷は後ろの重巡を狙って…てー!」

ドーンドーンパシュゥ

 

ドカーン

 

綾波「やりました!」

 

摩耶「敵艦、残るは双胴戦艦だけだ!」

 

山城「主砲、ってー!」

 

扶桑「主砲、撃て!」

 

ドーンドーンドーンドーン

 

 

海峡夜悽姫『キャアアアア!?』

 

 

最上「やったか!」

 

摩耶「馬鹿!そりゃフラグだ!」

 

 

海峡夜悽姫―壊『………ヨクモ………ヨクモ■■■■ヲ………。……ユルサナイ!ニセモノメ!」

 

 

最上「な、片方生きてる!しかもなんか起こってる!」

 

摩耶「最上のばかやろう!フラグなんか建てるから!」

 

最上「うわぁぁぁ!ごめん!」

 

 

海峡夜悽姫―壊『アアアアアアアアアア!』

ドーンドドーン ドドーン ドドーン ドドーン ドーン

 

 

扶桑「きゃあああああ!?」

 

最上「うわあああああ!?」

 

山城「な、姉様、最上!?」

 

摩耶「まさか、全門斉射を全て当ててきやがった!?」

 

綾波「敵戦艦、装填終了した模様!主砲旋回しています!」

 

山城(ど、どうする!?あれが確実に当ててくるようなやつだったら第三射ともたずに全滅する!なら撤退?だめ、大破した扶桑姉様じゃ逃げ切れない!なら、私が殿になるしか…でも、それで皆が助かるのなら…!)

 

―必ず、帰ってこい。―

 

山城 ハッ

 

山城(そうよ!私は帰らなきゃならないのよ。鎮守府へ!)

 

綾波「敵戦艦、砲がほぼこっちを!」

 

山城「私は…帰らなければならない。」

 

摩耶「な、山城!?あいつに突っ込むつもりか!?」

 

反航戦

 

山城「この海峡を抜けて、提督の元へ!」

 

海峡夜悽姫―壊『アアアアアアアアアア!』

 

山城「邪魔だ………どけぇぇぇぇぇぇぇ!」

ドガァァァァァァァン!

 

海峡夜悽姫―壊『アアアアアアアアアア!?』

 

 

 

最上「……………やっつけ、ちゃった?」

 

由良「………すごい…。」

 

山城「はぁ…はぁ…。」

 

海峡夜悽姫―壊『ク…ソ…、ニセモノ…メ…。』

 

山城「…ニセモノじゃないわ。私は私よ。それ以上でもそれ以下でもないわ。」

 

海峡夜悽姫―壊『…クソ…。』

 

山城「…………みんな、帰投するわよ。この先に提督たちが待っているから…。」

 

扶桑「…やったわね、山城。」

 

山城「…へ?」

 

扶桑「スリガオを、過去を越えたのよ!山城!」

 

山城「え、あ、…はい、そうですね?」

 

最上「山城?どうしたのさ。反応が薄いよ?」

 

山城「…その、なんというかまだ信じられないというか、実感がないというかなんというか…」

 

摩耶「なら、さっさと帰って祝勝パーティーでもやろうぜ!そうすりゃ実感するさ!ほらほら!」

 

摩耶(それに、提督にも早く会いたいだろ?)ボソッ

 

山城「な、ななななな!?」

 

摩耶「あっはっはっはっ!ほら、早く帰るぞ!扶桑と最上は大丈夫か?」

 

扶桑「ええ。もちろん!」

 

最上「なーに、なんとかなるよ!うん!」

 

 

 

 

《日本武尊》

 

能代「第一艦隊、全員回収完了しました。」

 

犬城「了解。…山城たちは大丈夫だろうか…」

 

能代「信じて待つしかないでしょ。」

 

犬城「そうだが…」

 

能代「…あ、レーダーに反応。数7!」

 

犬城「山城!」

 

山城『…提督?』

 

犬城「山城か!無事か!?」

 

山城『はい。無事敵艦隊を撃滅、スリガオを突破しました。扶桑姉様と最上が大破していますが、それ以外に被害はありません。』

 

犬城「了解した!日本武尊にて回収する!」

 

山城『了解です。』

 

犬城「…よかった。」

 

能代「次のときはもうちょっと臨機応変に動けるような作戦にしましょうね。」

 

犬城「…だな。」

 

 

蜻蛉……………

 

 

能代「扶桑さんと最上はいっぺきで入渠しています。」

 

犬城「わかった。」

 

 

夕立「あ!提督さん!」

 

由良「提督さん、艦隊、帰投しました!」

 

犬城「おう、お疲れ様。綾波と由良は初めて参加する作戦だったのにすまなかったな。それに夕立と摩耶もよく頑張ってくれた。疲れているだろう?とりあえず鎮守府につくまでは休んでいていいぞ。」

 

摩耶「おう!提督もお疲れさまな。」

 

犬城「…山城はどうした?」

 

綾波「甲板で風に当たりたい、と言っていました。」

 

犬城「そうか。」

 

摩耶「…提督、山城のことたのむぜー。」

 

犬城「了解した。」

タッタッタッタッ…

 

綾波「…ふう。嘘をつくというのはあまりいい気分はしませんね。」

 

摩耶「巻き込んでごめんな?」

 

綾波「いえ、いいんです。私も山城さんには少しでも幸せであってほしいですし。浮気はやめてほしいですけど。」

 

摩耶「せっかくスリガオを抜けたんだ。もちっと幸せになってもいいだろうし、個人的には提督と千代田が別れてほしい、ってのもあるなぁ。」

 

綾波「…?なんでですか?」

 

摩耶「…そうだな、そうすればあたしが提督と付き合えるかもしれないだろ?」

 

綾波「…協力しなければよかったです。」

 

摩耶「あっはっはっはっ!もっと思考を追うことを覚えな!さて!とりあえず風呂でもはいるか!」

 

 

蜻蛉……………

 

 

犬城「…山城。」

 

山城「…提督ですか。どうしました?」

 

犬城「それは俺の台詞だ。どうした?風に当たりたいなんて。」

 

山城「…?いえ、私は摩耶にここで待ってろと言われて待っていたんですが。」

 

犬城「…?…んー、まあ、いいか。とりあえず…ご苦労様。第三艦隊のみで突入するとなったときはどうなることかと思ったが、無事に突破できてよかった。」

 

山城「そう、ですね。無事に突破できました。」

 

犬城「ああ。……お帰り、山城。」

 

山城「……ただいま、提督!」




犬城「はい、お疲れ様でしたー。」

綾波「え、秋イベ編一話で終了ですか?」

犬城「まあ、そうなるね。」

綾波「えぇ…。」

犬城「まあ、リアルでのイベントはまだまだですがね。雲竜掘りとか。雲竜掘りとか。」

綾波「来ませんけどね。」

犬城「言わないで…。」

綾波「では、恒例のセルフツッコミいきましょうか。」

犬城「ばっちぽーい!」

綾波「丙想定とは?」

犬城「海軍軍令部が出した敵規模の想定です。甲乙丙と三つあり、甲がヤバイ感じで丙が普通って感じです。リアルで言うところの難易度ですね。今回は筆者は丙作戦だったので丙想定ってことに。」

綾波「つまり甲想定は出ることはない、と。」

犬城「たぶん。」

綾波「はぁ。次いきます。なんで急に紺碧の艦隊のあらすじが入るんですか…?」

犬城「日本武尊だし。小タイトルも紺碧っぽくしてみた。なってないけど。」

綾波「次です。超兵器って…」

犬城「はい。鋼鉄の咆哮です。」

綾波「結局クロスオーバーするんですね。」

犬城「はい。ただ、こっちはあくまでもサブストーリー的な感じで行きたい。一応艦これですし。」

綾波「頭に『一応』ってつく時点であれです。んで、陰陽艦隊ってなんですか?」

犬城「紺碧旭日両艦隊を合わせての呼称です。まあ、既にどちらも陰の艦隊なわけですが。」

綾波「日本武尊と比叡にたいしてのツッコミはやめておきます。それで、R-9B3カスタムって?」

犬城「スレイブニルのマイナーチェンジで、バリア波動砲をバルカン波動砲にしてバルムンクをオミットした機体です。」

綾波「次です。突然のナレーション?」

犬城「紺碧っぽく。」

綾波「あ、はい。次です。デルタ部隊って?」

犬城「R-9A2、RX-10、R-13A、TP-2の4機の小隊で、作品内ではトップエースの部隊となっています。」

綾波「それってR-TYPEΔの機体ですね。」

犬城「ああ。多少マイナーチェンジはされているが。」

綾波「一体なにをしたのですか…。まあ、これくらいですね。」

犬城「最近筆が進まない…。」

綾波「FGOやりながらいうことでは無いと思います。」

犬城「スマホ版どう森もでちゃったからさらに遅くなるかも…。」

綾波「書いてください。」

犬城「はーい。」

綾波「それでは、これくらいですかね?」

犬城「だな。それでは、また次回!」

綾波「ありがとうございましたー!」

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