朝。
どんよりした空。曇り空の下のマンション。
築数年のマンションの一部屋、そのリビングに現れる金髪ダブルロールの少女。
疲れたような表情と共に、彼女。巴マミは学校に行くためのカバンを持つ。
『今日は曇り空。所によっては雨が降るでしょう』
いつもと変わらず、今日もテレビから声が聞こえる。
カーペットに座って、そこに不自然に置かれたちゃぶ台にて一人の少女がお茶を飲んでいた。
マミは疲れたように玄関に向かう。
「じゃあ、行ってきます」
彼女がそう言うが、少女は黙ってお茶を飲むのみだ。
靴を履いて、折り畳み傘がカバンに入っているのを確認する。
玄関を開けるとマンションの廊下に出た。
そこから空を見上げると、ほの暗い曇り空が一面に広がっている。
「良い天気ね」
笑みを浮かべてそう言うと、マミはゆっくりと歩きはじめる。
学校へとやってきたマミは疲れたように席に座った。
もうすぐ卒業。高校生ということもありピリピリしているクラスメイトもちらほらいるが、やはりほとんどの生徒はいつも通りである。
―――平凡な世界。平凡な毎日。ただ平和な日常。こんな日々が続く。
強い日差しが窓際のマミにあたる。疎ましそうな顔をしてマミはカーテンをしめた。
「天気予報なんてあてにならないわ」
「ねぇ!」
横から彼女に声をかけてきたのはクラスメイト。友達であろう。
「次の時間物理でしょ、ノート見せて!」
「もう……はい」
マミはノートを出して友人に渡す。
嬉しそうに笑ってそれを両手で持つ。
「恩にきります!巴マミさま!」
両手を合わせる友達相手に、笑うマミ。
そこそこ仲が良いのはそれを見ればわかることだ。
「今度お昼おごってもらうわよ?」
「お安い御用!」
―――今日もこうして、いつも通りの日常を過ごす。平和な日常。
帰る途中、空には今だ灼熱の太陽。
陽の光はマミの肌にジリジリと照りつける。
雨なんて結局振る様子はない。疲れたような様子のマミ。
―――でも、ほとんどの人が気付かづに一生を終えていくけれど……世界には触れてはいけない秘密があふれてる。
ふと気づいたマミ。道路で、仔猫がトラックに轢かれそうになっていた。
気づいた時にはすでに走り出しているマミ。
後ろを歩いていたサラリーマンが止めるが、無視して走って仔猫を胸に抱く。
トラックは既に目の前に迫っていた。
―――あっ……私、ゾンビです。
その瞬間、トラックがマミの体を弾き飛ばす。
仔猫がマミの腕からすりぬけて、すぐそばの歩道にいた親猫の傍に着地する。
空中を舞うマミ。
「いぃぃやぁぁぁぁっ!」
吹き飛んで、マミは地面を転がった。
その指についている黄色い指輪に、日が当たって輝く。
吹き飛んだマミは、勢いよく地面に叩きつけられ―――あたりには鮮血が舞った。
あとがき
始まりました!
魔法少女まどか☆マギカ×これはゾンビですか?の小説です。
まだ初まりですが、ストーリーは基本まどか☆マギカに忠実に行きますので!
では、これからお楽しみいただければなによりです♪