見滝原の病院。その屋上にさやかが立っていた。
その正面には白い獣、キュゥべぇだ。
彼女の幼馴染である上条恭介は、自分のせいで苦しんでいた。
「本当に、どんな願いでも叶うんだね?」
だからこそ、願いを叶えようとする。
けれどやはり渋っていた。
「私の祈り―――でも、マミさんが魔女を倒すなら魔法少女としての私は……」
「彼女がゾンビになった頃から、急にマミの魔女狩りの効率が下がっているんだ」
その言葉に、わずかに揺れるさやか。
今さら魔法少女にならないとは言わない。
揺れているのは、マミに対する信頼感だ。
確かに彼女は自分の命を助けてくれた。
けれどゾンビで、あまり自分たちを魔法少女にしたがらなかったことなどを考える。
一度疑心を持ってしまうと人間とは全てが疑わしく思えるものだ。
さやかは、自分が街を守らなくてはと思う。
「大丈夫、君の祈りは間違いなく遂げられる」
頷くさやか。
そして、彼女の魔法少女としての運命が始まる。
さやかの胸から、宝石が現れた。
青い宝石は間違いなく“さやかのソウルジェム”だ。
「さあ、受け取るといい。それが君の運命だ」
キュゥべぇの声と共に、さやかの姿が魔法少女のものへと変わる。
その手に剣が現れた。
全て、自分の力が理解できる。
体がやけに軽く感じ、さやかは笑みを浮かべた。
自分の力が信じられないのだろう。
「さっそく魔女が現れたよ。さやか……」
「なんで、マミさんと転校生がパトロール中じゃ……っ」
頷くキュゥべぇ。
「ゾンビに他人の痛みがわかると思うかい?」
その言葉に、さやかは答えることはない。
ただソウルジェムが反応する方向を見据えて、さやかは跳んだ。
真っ白のマントをはためかせて、彼女は“敵”の元へと跳ぶ。
~~~~~
翌日、巴マミのクラスにて彼女のクラスメイトである夏乃が欠伸をしていた。
昨日の魔女が集団自殺をさせようとしていた口づけを受けた中に、夏乃はいたらしい。
なにか悩み事でもあったのだろうか?
そこら辺がかなり心配になっているが、もう大丈夫だろう。
今が昼休みなのを思い出して、立ち上がるマミ。
丁度、昼を誘うためか迎えが来ていた。
今日は屋上にやってきた。
マミを初めとして、昼食を誘ってきたほむらと仁美の二人。
三人は座って食事をすすめていく。
「(どうして志筑仁美が……巴さんと魔法少女の話ができないじゃない)」
頭を抱えたくなるほむら。
マミを誘おうと三年の階まで行ったは良いのだが、仁美と出会ってしまった。
なぜこんな志筑仁美と巴マミの仲が良いのかわからない。
性格的に相性がいいのだろうか?
「そういえば、昨日集団催眠の事件があったそうですね、マミ先輩のクラスでもって話を聞きました」
「うん、でもピンピンしてるし平気だと思うわよ?」
そんな言葉に、それは良かったと笑う仁美。
笑いあう二人を見ていると、平和だなと思う。
たださやかのことだけが引っかかる。
「そう言えば暁美さんはどうしてそんなことになっているの?」
マミが聞いた。どうして、とはほむらの体のことだ。
片足に気をつかって歩いていたことから気になっていたのだろうけれど、それ以上に見かけにも気になる部分がある。
額から後頭部にかけてまかれた包帯。そして頬にはガーゼで鼻には絆創膏。
おそらく服の下も負傷しているのだろう。
うつむいて、頭を片手で押さえるほむら。
「お弁当の北海道フェア……特製ザンギ弁当295円795kcal」
夜の半額弁当を取るというのは戦争だと聞いたことがあるマミは驚愕していた。
昔見たことがある。あれは男たち女たち―――獲物を前にした狼たちの魂のぶつかり合いだ。
驚愕するマミと、静かにゆっくりと飲み物を飲む仁美。
「やられましたか」
くやしそうな顔をするほむら。
そんなほむらを見ると、好奇心が刺激されるマミ。
行ってみたい。見てみたいなどという考えに気づいて、仁美がマミを見た。
「マミ先輩、五回は死にますわよ」
ぞくっ、と背筋が凍りつくような感覚に陥る。
やはりやめておくべきかと納得するマミの横で、ほむらは一人闘志を燃やしていた。
そしてそれを見ているキュゥべぇが溜息をつく。
「まったく、カップラーメンで良いじゃないか、わけがわからないよ」
確かに理屈は通っているがそういうことではないのだろう。
傷だらけのほむらを見るマミの眼はどこか輝いている。
さやかとまどかの方に行こうと、キュゥべぇは踵を返した。
学校が終わると、今日はほむらとわかれることにした。
急いで家に帰ってユウとセラにケーキを作る。
久しぶりなのでやけに楽しく作れた。
「これはマミが作ったのですか?」
「ええ、もちろんよ」
その言葉に、少し驚いているセラ。
当然と言えば当然かもしれない。
ユウに作ることはあったが、セラにつくるのは初めてだった。
不思議そうな表情で食べている。
マミがケーキ作りというのは意外だったのだろう。
少しして外に出たマミ。
ほむらと待ち合わせている場所に行くと、ほむらのほかにまどかも居た。
顔をしかめてほむらを見るマミだが、微笑で返すほむら。
困ったような顔でまどかの顔を見たマミだが、まどかは軽く会釈。
「マミさん、その……ごめんなさい。マミさんの顔見ると思い出しちゃって」
頷くマミ。仕方ないことだろう。
普通の中学生に見せたのだ。あの戦い。
マミ自身としても今は後悔していないし、ほむらも良いと思っている。
死するということの恐ろしさは理解できたはずだ。
まどかがそっとマミの前へと出る。
「これからも、私の友達で、先輩でいてください」
そう言って手を差し出すまどか。
ふと、マミの視界が歪んだ。
何があったのかは理解できる。
自分の手で、目元をぬぐいながら笑みを浮かべた。
「参ったなぁ。まだまだちゃんと先輩ぶってなきゃいけないのになぁ、やっぱり私ダメな子だ」
涙を拭う。
「これからもよろしくね♪」
瞳に涙を浮かべながらも、笑うマミ。
「……っ!?」
気のせいか、まどかの顔が少し赤らんだ。
夕日で赤いせいだろうと思うマミ。
まどかは少し紅潮した顔のまま、笑みを返した。
美樹さやか。彼女は一人歩いていた。
友人である鹿目まどかは『さやかちゃんと一緒に行く!』と言っていたが、メールで断ったのだ。
理由としては彼女があの魔法少女、暁美ほむらとつるんでいるからということである。
目がおかしい。確かに理屈もとおっている言葉だけれど、眼が本当のことを言っていないような気がするのだ。
ほむらと共に居るならば憧れていたマミはおろか、まどかすらも信用できなくなる。
路地裏に入ったさやかが、変身。
そして使い魔を見つける。
飛行機に乗った子供、と言う感じの容姿をした使い魔が飛びまわっていた。
マントから計六本の剣を周囲に配置する。
彼女自身気づいていないが、皮肉にもこの戦い方はマミと同じだ。
計六本の剣を投擲するさやかだった。ほとんどを外して一発が直撃しようとした瞬間、剣が弾かれた。
「なっ!?」
目の前に現れたのは、赤い魔法少女。
槍を片手に持ち、片手でたいやきを持っていた。
鋭い瞳で、さやかは赤い魔法少女、杏子を睨む。
「ちょっとちょっと、何やってんのさ、アンタ……見てわかんないの? ありゃ魔女じゃなくて使い魔だよ。グリーフシードを持ってるわけないじゃん」
「だって、あれほっといたら誰かが殺されるのよ?」
杏子のことを察してだろう。
さやかの口調は若干強い。
「だからさぁ、4~5人ばかり食って魔女になるまで待てっての。そうすりゃちゃんとグリーフシードも孕むんだからさ。アンタ、卵産む前の鶏シメてどうすんのさ」
「魔女に襲われる人たちを、あんた、見殺しにするって言うの?」
なんとなく理解できたのだろう。
杏子はグリーフシードだけが目当ての魔法少女だ。
「アンタさぁ、何か大元から勘違いしてんじゃない?食物連鎖って知ってる? 学校で習ったよねぇ弱い人間を魔女が食う。その魔女をアタシたちが食うこれが当たり前のルールでしょ、そういう強さの順番なんだから」
剣を両手で持って構えるさやか。
それを見ながら笑みを浮かべる杏子は、挑発をする。
「まさかとは思うけど。やれ人助けだの正義だの、その手のおチャラケた冗談かますわけじゃないよね? アンタ!」
「だったら、何だって言うのよ!」
その挑発に見事に乗るさやか。
潰しておこうと思った杏子は笑みを浮かべる。
「ちょっとさ、やめてくれない? マミじゃないんだからさぁ」
そんな杏子の言葉を聞いたさやかは歯ぎしりをして、杏子に剣を向けた。
「あんな人と一緒にしないでよ! あの人は良いよね死なないしさぁ! あんなのだと恐いものなんてなにもないんでしょどうせ!」
いつの間にか口に出していたのに気づいて口を紡ぐさやか。
こんなことを目の前の魔法少女に言っても仕方ないのだろうと思い、剣をしっかりと構えた。
しかし、杏子は俯いて腕を振るわせるだけだ。
持っていたたいやきを口に入れて飲み込むと、両手で槍を構えた。
「テメェにマミさん……マミの何がわかるってんだっ」
その言葉を聞いて、さやかが鼻で笑う。
「わかるよ! あの人は人の痛みがわからないんだよ……死なないから!」
杏子は“死なない”の意味を純粋に強いという意味で言っていると思っている。
まぁどういう風に伝わっても杏子は激昂していただろう。
彼女は“巴マミ”という人物を一番良く知っていると思っているから……。
「超うざぃ……」
「なに? 自分から罵倒しながら他人に罵倒されるのは気に入らないってわけ?」
槍を構える杏子。同時に剣を構えたさやかだが、初動は杏子の方がはやかった。
剣の柄に付いたトリガーを引くと、刃が杏子へと飛ぶ。
しかし槍を高跳びの容量で使い跳ぶ。
空中に舞った杏子が槍を多節棍へと変えて振る。
その棍はさやかに直撃。
「ぐぁっ!」
さやかは吹き飛んで地面を転がる。
地上に降りた杏子はさやかをにらみつけた。
「これ以上アイツのことをなんか言うようだったら……殺すぞ?」
起き上がるさやかが、両手に剣を持つ。
「言ってることがさっきから支離滅裂じゃんあんた! それともなに、マミさんのこと好きなの? 気持ち悪い!」
杏子の眼が見開かれる。
槍を回転させ、勢いをつけての刺突。
さやかが魔法陣を足元に出現させて、跳んだ。
槍を避けたさやかが杏子の真上から剣を振り下ろして落ちる。
しかし杏子もベテラン魔法少女だ。当たるわけにもいかないからだろう。
「このぉっ!」
多節棍にした槍を振るうと、さやかの剣が杏子に当たる前にさやかは吹き飛んで地面を転がる。
跳んだ杏子が、斜め下にいるさやかに向かって槍を突き出した。
そして槍が突き刺さろうとしたその瞬間、さやかは消える。
驚愕する杏子。そして、杏子より後ろにいるさやか。
「なにしやがるテメェ!」
振り向いた杏子の視界に映るのは黒髪の少女。
そしてその少女、暁美ほむらの向こうにいるのは美樹さやか。
妙な技。理解した。こいつがイレギュラーだ。
そんなほむらに槍を向けようとした瞬間、声が聞こえる。
「さやかちゃん!」
さやかに駆け寄るのは鹿目まどか。
魔法少女ではないが事情は知っていると言ったところだろう。
そして、その奥から現れた人物に、杏子は目を細めた。
「テメェ……巴、マミっ」
金色のロールを揺らしながら現れたのは、巴マミだ。
少しさみしそうな顔をしながらも、咎めるような顔でもある。
そっと歩いて、ほむらの横に立つ。
「佐倉さん、なぜ……見滝原に来たの?」
わずかに顔をしかめる杏子。
「なんだよ、来ちゃダメだったかよ」
「そうは言っていないわ。ただ貴女が自分からくるなんて思ってなかったから……」
目を伏せて言うマミに、杏子は気まずそうにする。
だが、とつじょさやかが建ちあがった。
剣を構えるさやかを見て、ほむらが盾を構える。
「やめなさい暁美さん」
その言葉に、ほむらがマミの方を見た。
目を見てから、消えるほむら。
ほむらはまどかの隣に居た。
「これ以上、佐倉さんとやりあっても無駄よ。付け焼刃で勝てるわけがないでしょう」
その言葉にも、さやかは決して目を逸らさないし応えもしない。
溜息をつきたくなるマミだったが、困った後輩をこのまま置いていくなんてこともできなかった。
「どんなベテランでもマミさんにはかなわないでしょうけどね……」
そんな皮肉も今は困った後輩が反抗期。程度ですます。
特に気にすることもないだろう。荒れているのは見ればわかることだ。
自分が彼女の期待を裏切ったと言うこともあり責任は感じている。
「さて、どうするの?」
「邪魔するなら斬ります」
黙っているマミ。それを肯定と受け取ったさやかが動き出す。
マミの目の前で振り上げられる剣。
速度はそれなりということを理解する。
「磨けば私以上ね」
「正義の味方ですから……っね!」
振り下ろされる剣を体を逸らして避けると、さやかの腹に膝蹴りを入れる。
ちなみにマミはまだ“変身すら”していない。
ゾンビとしての身体能力だけをつかって戦っている。
地面を転がるさやか。
「来なさい。私が相手をしてあげる」
「テメェ一人で決めつけてんじゃねぇよ!」
声は後ろから聞こえた。
さやかへと走り出そうとする杏子を、マミは振り返ると同時に回転蹴りで横の壁に叩きつける。
荒業にも程があると、ほむらはつぶやく。
彼女がなにをしたいのかまったくわからなかった。
「っのゾンビには……人の痛みはわかんないでしょうね!」
立ち上がり剣を構えるさやか。
回復が早いのは圧倒的にさやかだ。
「……さぁどうかしら?」
走り出すさやかが、突如跳んだ。空中で魔法陣を足場にマミの背後に跳ぶ。
するとそこにも魔法陣を召喚してマミの背後から切りかかる。
振り返るマミだったが、何もせず腕を大きく広げた。
驚愕に顔をゆがめるさやかだったが、剣はマミの胸を貫いて飛び出す。
「まったく……一応痛いのよ?」
そう言うマミ。
壁に叩きつけられた杏子が、その光景を見て即座に動き出す。
さやかの背後から槍でさやかを突き刺そうとしたが、地面から出てきたリボンが杏子を拘束。
変身していないマミを見て、杏子はなんとしても抜け出そうとするが、不可能だった。
「まったく、私を心配してくれるなんて優しいじゃない? 佐倉さん」
ふつうに喋っているマミが不気味で、杏子がわずかに怯む。
「さすがに強いですね。ゾンビさん……」
皮肉なのだろう。さやかの言葉に苦笑するマミ。
さやかが剣を抜く。手がわずかに震えていた。
人を刺す感触というものにおびえているのだろう。
「これがわかったなら魔法少女同士で戦うなんてやめなさい。何度も魔法少女と戦った先輩からの忠告よ」
さやかが変身を解除して、走り出す。
マミの横を通って、ほむらもまどかも振り切って走って行ってしまった。
息を吐くマミが、杏子を見てリボンを解く。
「なんなんだよマミ……お前は……」
「ゾンビよ。正真正銘の動く死体」
笑って言うマミに、杏子の背筋が寒くなった。
しかし、すぐにそれも収まった。
なんだかさみしそうに笑うマミを見てわずかながら“昔”を思い出してしまったのだ。
「貴女も私とやり合うの?」
「勝てないのは目に見えてる……ゾンビ相手だからって頭撃って終わりじゃないんでしょ?」
可笑しそうに笑みを浮かべて頷くマミ。
杏子は槍を消す。
怪訝な顔をする杏子は、走り出す。
―――そして、杏子はマミに抱きついた。
「マミさん!」
「佐倉さん♪」
マミは抱擁で返した―――。
なんてことを想像していたが、現実はそうはいかなかった。
杏子の拳がマミの左頬に直撃。
殴り、殴られたまま止まっている二人。
「な、なんで?」
「そりゃ決まってんだろ、蹴られたぶんだよ」
なんだか仲直りを想像した自分が馬鹿だったと思わされる。
手を外す杏子。腫れた部分はすぐに治るだろうと気にしないマミ。
「悪いけどここはもらうよ」
すぐに表情を引き締めて言う杏子に、マミも表情を引き締めた。
空気が一瞬で重くなる。
「いや、帰りなさい」
そう言うマミだったが、ほむらがマミの前に出てきた。
杏子は怪訝な顔でほむらをにらみつける。
「私に協力してほしい」
そんな言葉に驚くマミとまどか。
仲間を必要以上に増やせばグリーフシード争いになるし、杏子はグリーフシードを求める魔法少女だ。
だが、それでもほむらは仲間にしたいようだった。
「けっ……マミと一緒にいるような奴と組めるかよ」
そう言うと、杏子は左右の壁を交互に跳んでどこかに消えて行く。
溜息をつくマミと、安堵の息をつくまどか。
ほむらは呆れたような溜息である。
「うん、なんだか佐倉さんと美樹さんって相性良さそうよね。赤と青……対なる存在ってとこね」
ドヤ顔で笑うマミの腹部からは血が流れているが、傷口も見えないからかまどかもそれと言って吐き気はないようだ。
ただむせ返りそうな血の匂いだけは充満している。
ほむらはまどかが血の匂いに慣れたら嫌だな、と思いながらマミを見た。
「さて、帰りましょうか……」
「そうね、でも……」
まどかに向けて、二人が銃を構えて同時に撃つ。
目をつむるまどかだが、急いで後ろを見た。
そこには馬のような生き物。
「メガロね」
ほむらとマミがまどかの前に立つ。
変身するマミが、笑みを浮かべる。
「ついてこられる?」
「私だってベテランよ」
馬のメガロが叫び声をあげた。
マミとほむらは同時に動きだす。
その光景を、遠くから見ているのは佐倉杏子。
つまらなさそうに見ていて、つまらなさそうに溜息をつく。
両手で頭をわしゃわしゃと掻く。
「んだってんだよ!」
大きな声を上げて、杏子は菓子の袋を投げ捨てた。
もやもやした気分を鎮めるためにゲームセンターにでもくりだそうと立ち上がると、もう一度共闘している二人を見て、踵を返す。
見滝原の魔法少女たちは、ただすれ違う。
小さなことでも、彼女たちにとっては大きなことだった。
魔法少女たちにとっては、少しのすれ違いは敵対に値するものなのだから……。
「そういやあっちの方のスーパーって弁当安いし、夜は半額だった……行ってみるかな」
つぶやく杏子の足元には、一枚のチラシが落ちていた。
おいしそうな弁当の特集を見て、杏子のが鳴る。
空腹なんていざとなれば魔法でどうにかできるが―――今日は魔法をそういうことに使う気分にはなれなかった。
腹の虫より“彼女の言葉”を気にするぐらいなのだから、やはり杏子は未練があるのだろう。
あとがき
さてさて、これからどうなっていくやら(
とりあえずシリアスシーンもありながらギャグパートも入れて行きたいなと思っています!
どっちもなあなあになるのが一番怖いんですけどね。
でも私頑張っちゃいますからね。
感想が私の励みとなり血肉となるのだぁっ!!
では次回!筋肉刑事第六話「で、デカい……」じゃなくて
まぁとりあえずお楽しみに!
感想お待ちしてます♪