踏み台やらされそうになりましたが、割となんとかなりました。 作:街をさまよい歩く亡霊
「……ジュエルシード、封印」
『Seeling』
これで3個目……いや、ユーノが持ってたのを合わせて4個か。残り17個……場所を特定できたやつは全部回収したから、ここから手探りになるな。
ちなみに、今は放課後。俺は一人でジュエルシードの回収をしていた。
高町達は神社に行っている。何故だ、あそこ何もないだろ。
もう用はないため、家に帰ろうとした、その時。
『
「……近くに、それ以外の反応は?」
『
えーと、レオ、高町、花織で三人だな。
……よし帰ろう今すぐ帰ろう。あのユーノ含めた四人がいる以上、俺の出番はない。むしろ、邪魔になるんじゃないか?花織の精神的な意味で。
『
「大丈夫だろ。あいつらも多分、ジュエルシードのこと知ってて神社に行ったんだろうし」
そうすると、何故知ってたのかが疑問だが、まあ、そういうレアスキルでも持ってたんだろう。違くても、あいつらが効率よく回収してくれている現状、問い詰めるのはナシだな。
戦力的な面でも、たかがジュエルシード一個に過剰すぎるくらいだし。
……ん?ジュエルシード一個で次元震起こせるって?
地球上で有名なハンムラビ法典によれば、『目には目を、歯には歯を』だそうだ。なら、次元震には次元震だろう。(その理屈はおかしい)
まあ、そのハンムラビ法典が記したのは復讐法だから、少し違うんだけどな。
……話がズレた。要するに、俺が行く必要はないってことだ。あいつらが余程のヘマをしない限り、これからも俺の出番はないかもな。
……さて、夕飯は何にしようか。
ーーーーーー
「なんでこんなに強くなってるのよ!」
「知るか!」
「ふ、二人とも、喧嘩しないで!」
神社の境内にて、大きな四足歩行の化け物と、空に浮かぶ三人の魔導師が戦っていた。
四足歩行の化け物は、辛うじて、犬のような特徴が残っていることもあり、犬がジュエルシードに取り込まれたのであろうことがわかる。
化け物が咆哮をあげると、近くにいたレオが吹き飛ばされる。だが、彼は上手いように空中で体制を立て直す。
「ダメージ与えたそばから回復しちゃうし……これじゃジリ貧よ」
「なら、一撃で沈めるまでだ!」
「あんた、そんな技持ってんの?」
「……」
レオが打開策にしてはだいぶん脳筋なものを打ち出したが、現状それ以外に取れる手は、ほとんど無いだろう。何せ、まだ三人とも実戦経験は無いのだ。求める方が酷というものである。
「私はサポート型だし……うん、やっぱりなのはの出番ね」
「ええ!?私!?魔法始めたの昨日だよ!?」
「つべこべ言わない!私たちが時間稼ぐから、なのははアレの準備して!」
「ふぇぇ……わかったよぉ」
なのはは若干涙目になりながらも、自らの切り札の準備をする。なお、切り札といっても発動したのは昨日の一回きり。ほとんどぶっつけ本番状態だ。
「ユーノはなのはを守って!」
「うん、わかった」
「行くわよ、レオ!」
「ああ、行くぜ!」
レオは真っ先に化け物に向かっていき、化け物の脚による攻撃をかわしながら懐に潜り込んだ。
「一閃!」
ドゴォ、と鈍い音を響かせ拳による攻撃を叩き込んだレオは、流れるように
「双閃!」
一発目を上回る威力の攻撃を与えた。その威力で、化け物の体が少し浮くも、痛がるような素振りも見せず、レオに噛みつかんと顎を開けて迫る。
「させない!バインド!」
『chain bind』
光愛がレオへの攻撃を許さない。なんだかんだで、この二人の息はあっているのだ。
「ありがとな」
「いいわよ」
光愛のいるところまで下がってきたレオは、光愛に礼を言いながらも、バインドに動きを阻まれている化け物をしっかり見据えていた。
「……っく、結構……キツイ」
「手伝うか?」
「大丈夫、あと少しくらい……!」
そう言いながらも、バインドを維持する光愛はかなり苦しそうだ。レオも得意では無いがバインドを発動させようとすると。
「準備できました!」
「みんな、離れて!」
待ち望んでいた、ユーノとなのはの声がする。光愛は、最後の仕事とばかりに目一杯の魔力をバインドにつぎ込むと、すぐに離脱した。
「行くよ!ディバイーン……」
これから出るのは、正真正銘一撃必殺の技。いずれ管理局の白い悪魔と呼ばれるなのはの、代名詞の一つ。
さあ、戦場に魔砲少女が舞い降りる……!
「バスタァーー!」
『Devine buster!』
ついに放たれた、魔法ならぬ魔砲。
ピンク色の閃光が、
……取り込まれた犬が、ピンク色のものを見て怯えるようになったのは完全な余談である。