誇りの強奪
分からない…
俺は何をしている?
熱い
熱すぎる
なぜ俺はこんな辺り一面火の海だというのに逃げ出さない?
分からない…
逃げ出したいのに逃げ出さない…
いや、逃げ出したくないのか…
俺にはなにも分からないが、ただ、ここには大切な何かがあったはずだ…
でも、その大切な何かが俺には分からないんだ…
side 一誠
俺がいつものように部室のドアを開けたら、ノートパソコンを弄っている流にアザゼル先生、それと、ギャスパー?が段ボールに入っていた
堕天使の総督であるアザゼル先生がオカ研の顧問に就任した日、俺の家や流の家が魔改造されていた…
しかも、流に至っては朱乃さんや小猫ちゃんやゼノヴィアまで暮らすというハーレムまで結成していた…
何故だ!?
俺のハーレムを否定したはずの流が何故ハーレムを結成している!?
しかも、部長達の露出が減っている!!
その上、
「なぁ、流、調べものは済んだのか?」
ノートパソコンを弄っている流に話しかけたんだが
「…ああ。」
ハーレムを結成してから数日たった日から流に元気がない
俺の丑の刻参りや胃潰瘍が原因かと思えば、胃や心臓を抑えている訳ではないから違うだろう…
つまり、〇Pか!?〇Pなのか!?
でも、部長との不純異性交遊は功績を挙げるか魔王であるサーゼクス様を倒さない限り禁止されていたはずじゃあないのか!?
それとも、ヴァーリ達を撃退した事が功績として認められたのか!?
何にしても情報を引き出さないとな
「アヴァロンについては全く分からない。誰かが隠し持っているのか、それとも、無くなったのか…。一応部長に頼んで天使側に捜索してもらっている。」
アヴァロンとは、流曰く…魔王様の攻撃すら防ぐ強力な防具の事だよな…
そんなのがヴァーリ達、禍の団に渡ったらとんでもないことになるよな
「それと、姫島先輩の事だが…」
来た!!
「姫島先輩が堕天使のハーフで、俺と先輩の母親が人間か悪魔、それとも堕天使の抗争に巻き込まれたぐらいしかわからなかった。」
あれ?
「なんで、そこまで分かったの?」
「いやお前が姫島先輩の事を切り出す前の質問やアザゼル先生が変なこと言ってたし。俺が火事にあった場所は姫島神社だったしな…。ただ…」
ただ?
「姫島先輩との記憶は一切思い出せない。」
「それじゃあ、意味無いじゃないか!!」
肝心の事を思い出さなかったら朱乃さんが可哀想だ!!
「まあ、ここまで分かっていて思い出せないってことは誰かに記憶を封印されたんだろうな。」
アザゼル先生…
「おそらくは。」
「アザゼル先生、記憶を取り戻す方法って無いんですか?」
「記憶ってのは複雑なんだ。封印することは出来ても、消すことは出来ない。必ず何処かに残っているはずだ。何か些細なことでも思い出せば、全部思い出すんじゃあないか?」
思い出すか…
流が幸せになるのは複雑だが朱乃さんが幸せになるのなら…
って、ちょっと待てい!?
肝心の話を聞いていなかった!!
「なあ、流…、新生活の方はどうだ?」
聞いたー
ついに聞いてしまったー!!
もし、流が酒池肉林を築いていたら、俺は闇う…
「…特に問題はない。」
違うんだ!!俺が聞きたいのはな…
「なんだ流、年頃の男女が同棲してセッ〇スの一つでもしないのか」
そうです
俺が聞きたいのはそれなんです
流石はアザゼル先生、俺が出来ないことを平然とやってのける
そこに痺れる!!
憧れる!!
「ええ。そんなのはないですよ。精々、ご飯を食べあせあったり、風呂に入っているときに誰かが入りこんでくるぐらいですから…。」
それはそれで、少し、いや、かなり羨ましいが、それでもセッ〇スをしないなんて…
「お前って不能?」
思わず声を出してしまったが、まあいいだろう
それにしても、流が不能だったなんてなぁ…
ピキッ
あれ、流の額の辺りから変な音がしたような…
「お前に…」
あれ?さっきまで元気なかったはずの流が
「何がわかる!!俺だってなぁ男なんだよ!!お前に分かるか!!小猫ちゃんに朝、隠れて洗濯している時に逃げられた時ー!!死にたくなった俺の気持ちがよー!!」
無茶苦茶キレてるー!!
え?別に朝、洗濯するなんて変じゃあないよな…
待てよ…
男、朝、隠れて、洗濯
この四つのキーワードから出される答えは夢せ…
「ちょうどいい。元々この魔法はお前の…を殺すためだけに造った技だ。喰らえ!!」
殺す!?
「ちょっと待て!!俺は聞いただけじゃあないか。」
聞いただけで殺すなんておかしいだろう!?
「聞いただけ?いや、違うお前はとんでもないことを企んでいた。」
企んでいた?
なんだろうアレか?それともソレか?
いや、コレはバレていないはずだ
カサッ
俺が考えていると何か鳴った
そこに顔を向けると…
段ボールがあった…
カサッカサッカサッ
まさか…
「ギャスパーから聞いたよ。学園中の女子の動きをギャスパーの神器で停めて触りまくるという企みをなぁ!!」
ギャスパー!?
「ご、ごめんなさいー。バラしちゃいましたぁー。」
うう、ギャスパーは流を怖がっているし秘密にはできなかったんだろうなぁ
それよりも!
「死ね。誇りの強奪(プライド・スナッチ)」
流の右手が嫌な感じかする
アレに触られたら、俺の大切なナニかが終わる気がする
誰か
誰か助けて
「まあ、待て。」
アザゼル先生!?
「赤龍帝の力の元を殺しちゃあ不味いだろうが。」
「うるさい!!俺はアイツを…」
流の動きが停まった!?
ギャスパーか?
「思い出した…。」
思い出した?
何を?
「悪い。部長に二三日家を空けると伝えてくれ。」
そう言って流は出ていった
二三日か、今のうちにギャスパーの神「それと、次に変なことをしたら今度こそ喰らわせるからな…。」
流は再び出ていった
しばらくは静かに過ごそう…
うん