モブな!?   作:ルル山

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答え合わせ

俺は今、姫島神社に来ている

 

建物は殆ど燃え尽きていたはずなのに、殆ど同じように再建されていた。

 

おそらく、あの二人のどちらかが建て直したのだろう…

 

驚いたな

 

ここまで同じにするなんて

 

それよりも…

 

鎮守の杜には一人隠れていた

 

「久しぶりって言ったらいいのかな。一誠に俺が記憶を取り戻したことを聞いたんですか?姫島先輩。」

 

それは姫島先輩だった…

 

「…ええ。もしあなたが本当に記憶を取り戻していたら、ここに必ず来るって分かっていましたもの…。」

 

そうか…

 

「じゃあ、答え合わせしようか…。あーちゃん。」

 

そうあれは確か数年前…

 

 

拝啓 アメリカへ出張中の母様へ

 

一学期の成績は、全て五段階評価の五でした

 

先生も、このままならお前の夢は叶うだろうと言って下さいました

 

代わりに、考えが子供じゃねーよとボヤいていたのを聞きましたが…

 

それと、今、僕は夏休みの自由研究として、近くの神社で話を聞くことにしました

 

PS 今度のお土産は甘過ぎるお菓子よりは、日本人メジャーリーガーのグッズだと嬉しいです

 

PSのPS 母様があそこにはお化けが出るから近付くんじゃあないですよと言っていましたが、そんなものは当然居ませんでした

 

代わりに…

 

「なんで、ドラキーおんねん!!」

 

「キシャー!!」

 

しかも、口は丸のみ出来そうなほど大きいわ、目も全然デフォルメされていないなど鳥山テイストより遥かに怖い

 

どうしてこうなった!?

 

 

ここが姫島神社か…

 

近いから来てみたが、かなり小さい…

 

今からでも、別の研究に変えるか?

 

でも、既に連絡したしな

 

とりあえず話だけ聞いて、聞いとくか…

 

そういや、母さんにはこの神社に行くことは禁止されていたけど別にいいよな

 

お化けなんているわけないしな

 

さて、社務所はっと…

 

あれ?

 

鎮守の杜の方に蝙蝠?

 

昼間だっていうのに?

 

しかも、馬鹿でっかいし…

 

ってアレはドラキーなのか?

 

目があった

 

どんどん近づいてくる?

 

ねえ、ドラキーさん

 

なんで、口を開けているの?

 

それはね

 

「俺を食べるためだよな!!

 

うぉぉぉー風になれ!!俺!!」

 

食われると思った瞬間、ダッシュで逃げているが、

 

地面は石や草で走りにくいし、向こうは飛んでいるから不利だ

 

しかも、どこに逃げればいいんだ!?

 

社務所に行くのは不味い

 

ここにドラキーがいることからグルかもしれない

 

やはり、神社の敷地から出ることが先決か?

 

そう決めた瞬間

 

「うわ!」

 

石につまずき転んでしまった…

 

ドラキーはその隙を逃さず距離を詰めてしまった

 

「キシャー!」

 

「来るな!!来るな!!」

 

俺は死にたくない

 

俺は死にたくない!!

 

俺は死にたくないんだよ!!

 

だから…

 

「誰か助けてよ!!」

 

分かっている

 

あの時のように助けを呼んでも誰も助けに来ないってのは

 

結局は自分の力でどうするしかないということも…

 

でも、俺には理不尽な死に対して抗う力はなくて…

 

だから、無意味だと知っていても助けを呼ぶしかなかった

 

そう、あの時死んだ時のように…

 

「キシャー!!」

 

でも…

 

「あらあら、なにかと思えば、私のお客様に何をしているのかしら?雑魚が!!」

 

あの時とは違って

 

「大丈夫?僕?」

 

正義の味方の黒髪の巫女さんが助けに来て魔法でドラキーを倒してくれた…

 

 

「って、どこの三流小説だよ!?」

 

有り得ねえよ

 

なんだよ!!

 

ピンチに助けに来てくれる巫女さんって!?

 

んなもん使い古されてんだよ!!

 

あれ?起き上がったってことは

 

今の夢かよ!!

 

はぁ、やっぱり前世のオタ文化が恋しいのか?

 

はあ、テイルズやりたい、銀魂見たい、ワンピース見たい、ハンター×ハンター見たい、スパロボやりたい、パワプロは…って

 

ここは…

 

「知らない天井だ。」

 

周りを見回したら、俺のマンションの部屋じゃない…

 

「なーに?今の声?」

 

部屋の入り口から、同い年位の娘が来た

 

「起きたの?母様ー、お客様起きたよー!!」

 

母様?

 

「あら、大丈夫だった、僕?助けた瞬間、気を失っちゃうんですもの。」

 

さっきの娘が呼んできたのは…

 

夢で見た巫女さんだった…

 

あれ?夢じゃなかったのか?

 

「はい。体のどこにも異常はありません。さっきお化け蝙蝠って現実なんですか?」

 

夢であって欲しくって尋ねてみるが…

 

「ええ。そうよ。多分、どこかの悪魔が夫の動向を探るために放った使い魔よ」

 

現実でした

 

ヾ(=^▽^=)ノ

 

え?何?現実どころか悪魔ってこの世界にいるの?

 

「ごめんなさいね。変な事に巻き込んでしまって。でも、大丈夫。記憶を封印したら、また、いつものように生活出来るわ。」

 

記憶を封印?

 

いつもの生活?

 

俺の記憶を消すっていうのか?

 

確かに、あんな事を忘れたいが…

 

その前にどうしても、聞かなくちゃいけないことがある

 

「すいません。一つ聴きたいことがあります。」

 

「何かしら。」

 

「記憶を封印したとして、また、使い魔に襲われない保証はあるんですか?」

 

「それは…ないわ。悪魔や堕天使はあなたの近くにいないとは言えないし、一部が人間をゴミのように思っているものも確かにいるもの…。」

 

「そうですか…。」

 

どうしよう…

 

また、あの時のように誰かのせいで死ぬことがあるっていうのか

 

だったら…

 

「すいません。俺に魔法を教えてくれませんか?」

 

「なぜかしら?」

 

そんなのは決まっている

 

「死にたくないんです。」

 

寿命や病気で死ぬのはともかく、事故や誰かの気まぐれなんかで俺は死にたくない!!

 

「困ったわね。」

 

「別に最強の魔法使いになりたいとかそんなんじゃないんです。ただ逃げ切れるだけの力が欲しいんです。」

 

巫女さんが困っているが、なんとか魔法を教えてもらわなければ

 

「じゃあ、私が教えてあげる。ちょうど友達が欲しかったの。」

 

え?

 

そう言ってくれたのは、さっきの巫女さんの娘さんだった

 

「いや、無理でしょ。」

 

「むう、無理じゃあないもん。私は父様と母様の娘なんだから。」

 

子供に教わるなんて…

 

「ふう、しょうがないわね。いい、ちゃんと面倒みるんですよ。」

 

「はーい。」

 

あれ?俺の意見なしに決まってしまったのか

 

でも、魔法を教わるにはこれしかないのか?

 

じゃあ、とりあえずは

 

「えーと、よろしく?僕は流、欄平寺 流です。」

 

「私は姫島朱乃だよ。母様は朱璃。よろしくね。」

 

はぁ…

 

大丈夫なのか?

 

 

 

 

 

 

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