俺が姫島神社のある山の麓に着いた時、そこは赤く染まっていた
紅葉という訳じゃない
まだ8月末だしな
じゃあ何で赤い?
それは燃えているから?
「あーちゃん!!朱璃さん!?」
俺は山が火事になっている現実を脳が受け入れた時、いつものように石段を登ろうとした瞬間
「待て!!」
変な格好をした大人達に取り押さえられた
巫女の格好をしているのもいれば、陰陽師の格好をしているのもいる
「バラキエルの変装?ではないな。」
バラキエル?
あーちゃんのお父さんの事か?
「魔力も少ないようですし、おそらくは堕天使の子に惑わされた一般人なのでしょう。」
「どうします?この子も殺しますか?堕天使に惑わされ穢れてしまった心を浄化する為にも?」
「そうだな。見たところ十歳にも届かないといった所だが致し方あるまい。」
なに?
朱璃さんから一部の堕天使の悪行による人間からの恨みを買っていたのは聞いていたとはいえここまでなのか?
「ふざけないでください。なにもしていない子供やその友達を殺そうとするなんてあなた達は間違ってい」
ると言おうとした瞬間、地面に叩きつけられた
「お前こそふざけるなよ。堕天使はな存在するこそ罪なのだ。また、その血を継ぐ事もな。」
「だからって…「私の息子は堕天使に殺されたわ。」」
な…
「息子はね出来がいいとは言えなかったわ。でも、優しかった。だけど殺されたわ。強力な神器を持っているとふざけた理由でね。」
「奴等は害虫以下だ。人を堕落させ、命を奪っていく。堕天使は滅ぼさなければならない。」
確かに憎むのはしょうがない
でも…
「あーちゃんはなにもしていない。それなのに殺そうとするのは、あなた達が憎んでいるやつと同じことをしようとしている。」
「もういい。殺せ。」
俺があーちゃん達を庇うのを面白く思わなかったようで刀や弓を向けてくる
「罪の浄化を。」
刀は降り下ろされ、矢は放たれ、俺に向かってきたが怖さはなかった
むしろ、大切な人を救うことすらできない自分への憎しみだけが残った
・
・
・
ーーーなぜこうなってしまったのだろうーーー
ーーー私はただ大切な人達を守りたかっただけなのにーーー
ーーー守りたかったものだったものを見て気づくーーー
ーーーそうか、全てわかったーーー
ーーー全ては私のせいだとーーー
・
・
・
剣や矢が俺に当たろうとした瞬間、その全てがあらぬ方向へと飛ばされていく
「なんだ。何が起こった!?バラキエルか?」
不可解な現象にあーちゃんのお父さんが来たと思ったのか、やつらは周囲に目を向けるがそうではないのは自分が良く分かっている
「ちげえよ。」
そう、これは
「俺の力だ。」
今の俺には、以前の情けなかった魔力ではなく、朱璃さんやあーちゃん達をも越えた魔力が溢れていた
「やはり、堕天使に染まり見も心も化け物に落ちていたか。」
化け物か
はっ!!
罪のない子供を簡単に殺すお前らこそ化け物だろうがよ
「俺の大切なものを奪うというならお前らを討つ!!」
そこからは一方的な蹂躙だった
一分もかからずにやつらを叩きのめし、戦える力を奪った
そして、燃えている山に入ろうとした時
「ゲファゴフォ!!」
二酸化炭素を吸ってむせてしまったと思ったがそれは間違いで、口を押さえた左手は血に染まっていた
返り血かと思えばそうではなく、その血は自分の口から出ていた
「ブフア!!ゴホォ!!」
なんだ何が起こっている!?
血が止まらない
「待つんだ。」
呼び止められ目を向けると人が一人立っていた
まだやるというのか
あーちゃん達を助けないといけないのに
「邪魔すんな!!俺はあーちゃんを助けるんだ!!」
「君が…。」
攻撃を仕掛けているが避けられるかダメージを与えることが出来なかった
「くそ!!」
「もうやめるんだ!!その魔力は君には耐えられない!!」
血はどんどん身体から出ていき、時間は無慈悲に過ぎていく
俺は彼女を助けないといけないのに
ーーー守れなかったのは私のせいだーーー
「うるさい!!俺はアイツを…」
叫ぶと左手には夢で見た剣が現れていく
だが、それは…
「すまない。そして娘の事をそんなに思ってくれてありがとう。」
やつの攻撃が当たり、俺の身体は崩れ落ちて、剣が完全に現れることはなかった
魔力が溢れたのはランスロットが目覚めかかったのでアロンダイトが魔剣として出ようとしたからです
謎の人物(笑)にとめられてしまいましたが。
このあと謎の人物(笑)に魔力封印などされます。