side 朱乃
「堕天使に汚されたとはいえ、さすがは巫女の一端というわけか。なかなかやるな。」
家でりっくんの事で泣いていたら知らないおじさんに襲われた
幸い、母様が助けてくれたけど、周りの山は燃えて、武器を持った人達に囲まれている
本当、どうして、こうなったんだろう
私はただりっくんや母様とずっといたかっただけなのに…
なにがいけなかったんだろう
「だが、その娘は殺させてもらう。忌々しき邪悪な黒き天使の子なのだ。」
え…?
父様の子供だからいけないの?
「…ねえ、お母さん、だから、りっくんも私から離れちゃったのかな…?」
「それは違「だろうよ。そのりっくんとやらも、貴様の穢れた血に嫌気が指したんだろうよ。」あなた達は黙っていなさい。」
穢れた血?
「何で父様の子供なだけで襲われるの!?」
「はっ!!堕天使はなぁ、人を堕落させ、神器を奪い殺していく邪悪なる存在なんだよ。だから、殺さなきゃいけないんだよ!!」
え…?
堕天使ってそんな存在なの?
私、なにも知らなかった
「もらったー!!」
「朱乃!?」
呆然としている私に刀が襲いかかってくる
刀が降り下ろされたら、私は死ぬのは分かっているけど不思議と避ける気はしなかった
どうせ、私なんて生きていても仕方ない存在だから
でも、最後にりっくんに会いたかったな…
ズバァ!!
刀が降り下ろされ噴出した血が顔に降ってくるけど、おかしなことに痛みはなかった
目を開けると…
「大丈夫?朱乃?」
母様が私の身代わりに斬られていた
「母様!?なんで私をかばったの!?私なんて生きていちゃいけない存在…」
バシッ
え…?
ぶたれた!?
「馬鹿なことをいわないでちょうだい。あなたはね、私にとって大切な存在なのよ。」
そう言ってくれるのは嬉しいけど
「だってりっくんだってそう思っているから私から離れちゃったんだよ!?」
りっくんは初めての友達で、そして初恋の人だった人
でも、私が堕天使の娘であることを知ったから去っていった
「違うわ。あなたが大切だから離れたの。」
大切?
「りっくんは嫌い?」
ううん
「大好き。」
ひどいこと言われたけど今でも大好き
「じゃあ信じてあげて。あなたの大切な人を。ここは私が何とかするから。もう一度会って本当の事を聞きなさい。」
そう言うと母様は立ち上がり術者に体を向ける
でも…
「馬鹿なことを。やれ。」
さっきの攻撃で内臓に刀が刺さっている状態だった母様は襲いかかってくる矢や術符を避ける事ができず、くらっていき倒れてしまった
「母様ぁぁぁ!!」
「死んだか。今度こそ娘の番だ。」
逃げようとした瞬間、雷が落ち、術者は皆生き絶えた
残っているのは私と…
「大丈夫か!?朱乃!?」
雷を放った私の父だけだった
そして、その父の肩には真っ赤な布切れがのっていた
でも、良く見るとそれは
「りっくん!?」
血に染まった私が会いたかった人だった
「りっくんに何をしたの!?」
私は堕天使である父が何かしたんだと思い睨み付けた
「…彼は立派だった。朱乃を助けようと術者に向かっていったんだ。」
「りっくん…。」
母様の言っていた事は本当だった
私の事を大切に思ってくれていた
「すまないが彼の朱乃との記憶は消させてもらった。」
え…?
彼は私との思い出がないの?
ずっと一緒にいてくれるってことも
結婚してくれるという約束も
私から離れた理由も
何も覚えていないの?
「何で。何でそんな事をしたの。」
「彼の為なんだ。分かってくれ。」
何で…?
私が堕天使である父様の娘だから一緒にいちゃいけないの?
何で父様の子供として産まれてしまったんだろう
もし、堕天使の血を継いでいなかったら母様は死ぬ事はなかったしりっくんともずっといれたのに…
堕天使なんか…
「嫌い!嫌い!こんな黒い翼大嫌い!あなたなんて大嫌い!堕天使なんて大嫌い!」
「朱乃!?」
私は堕天使である父といるのが嫌で逃げ出してした
何でこうなってしまったのだろう
私はりっくんの命や平穏を危険な目にあわせてしまった
記憶がないりっくんは許してくれないだろう
でも、もし、奇跡があるのなら
どんな形でもいいからりっくんに会いたいよ
ねえ?りっくん?
今回の投稿はこれで終わりです
記憶を消した理由は次の話で書きます